同和対策の 住宅貸付金を 最も返していないのは あの県

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By 宮部 龍彦

令和になった今でも、各同和団体(部落解放同盟、自由同和会、全国地域人権運動総連合)と省庁との団体交渉が毎年のように行われている。同和事業が行われていた頃は、それなりの意味があったのだろうが、予算措置がなくなった今でも惰性のように行われているのが実情だ。

筆者は以前、その中で明るみになっていた厚生労働省管轄の失業手当の同和優遇についてレポートした。今回は国土交通省の交渉記録を開示請求したところ、興味深いデータが明らかとなった

部落解放同盟への回答は 記録を作成せず

国交省と言えば、公営住宅、改良住宅等の住宅関係が主な交渉内容である。解放同盟の要求の中でも重要なのは、公営住宅・改良住宅等の建て替えに予算を出して欲しいということだろう。これによって同和地区の土建業者が潤い、解放同盟にも金が回ってくることが考えられる。

それらは、利権の権化のように思われている解放同盟がいかにも要求しそうなことであるが、注目すべきは最後に「大臣をはじめ関係職員の被差別部落視察を実施されたい」と要求していることだ。要は大臣や職員に部落探訪をさせろということである。

果たして国土交通大臣は部落探訪を行ったのか?

国交省に聞いたところ、部落解放同盟との交渉は口頭で行われたのみで、国交省の回答を文書として残していないというのである。これは通常ならあり得ないことだろう。交渉を行うのであれば、むしろ記録を残した方が解放同盟にとっても都合がよいはずだし、国交省側にとっても言った言わないというトラブルを防げるはずだ。そこをあえて文書化しないということは、今回のような情報公開の対象になることを避けるためで、公開されたくないような話をしていたと受け取られても仕方がないであろう。

なお、国交省担当者によれば、さすがに国土交通大臣自らが部落探訪はしなかったが、職員が部落を探訪したということを解放同盟側に伝えたということである。

自由同和会「同和住宅の 解放同盟による 私物化を 何とかしろ!」

自由同和会には融和促進という大義名分があるため、払い下げの促進を要求している。同和対策の改良住宅は最終的に住民に買い取らせることが事業の到達点であるため、これはまっとうな要求である。

そして、同和会らしいなと思ったのが、「公営・改良住宅の管理を未だに地区の自治会や運動団体の役員に任せている地方公共団体があるが、混住化の促進や不正行為をなくすため、地方公共団体が管理・運営するよう強力な指導をされたい」という要求である。

これがどういうことなのか具体的に説明すると、例えば公営住宅の入居を申し込んだ人に地元解放同盟支部長との面談をさせたり、実態としては解放同盟の支部である団体が家賃の集金を代行していたり、公営住宅の部屋に解放同盟や全日本同和会の枠があったりすることである。これらの実例は示現舎サイトや書籍でも具体的な地域名と共に取り上げている。

要は、これらは解放同盟や全日本同和会の利権になっているから、何とかしろということなのである。

なお、自由同和会はコロナの影響で団体交渉を中止したことから、最終的には要望を一方的に国土交通省に送っただけの形になっている。

人権連に 開示された 府県別の 住宅関連貸付金の 償還率

人権連の要求は、同和に限らず公営住宅の供給を増やせ、人を入れろ、さらには外国人も入れろというものである。やはり共産党の意向を感じさせる内容だ。これは、解放同盟に批判的な層に対して、人権連への支持が広がらない原因だろう。

それとは別に特徴的だったのは、公営ではない持ち家を建てるための貸付金について触れていることだ。

同和関連の貸付金はほとんど踏み倒されているというイメージがあるが、少なくとも住宅関連についてはそうでもない。全国的な償還率は93.27%なので、ほとんどは返されているということになる。

しかし、府県別に見ると明らかに数値が異常なところがある。最悪なのは茨城県で60.96%となっており、4割くらいは返していないということになる。次が宮崎県で67.44%、その次が新潟県で75.63%である。

同和行政が盛んだと思われている府県の償還率がよく、以外な県で踏み倒しが横行していることが以外である。従来は着目されなかったが、償還率が異常に低い県には何かがあると思った方がよいだろう。

全ての資料はこちらから見ることが出来る

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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