2023年に小島英雄町長(当時)によるセクハラ行為が報じられ騒ぎになった岐阜県岐南町。町にはマスコミが殺到し、小島氏は2024年3月に辞職した。同年4月の町長選で現・後藤友紀町長が当選。すると翌年、小島氏は再起を期して町議選で出馬。なんと2位で当選するという異例の事態となった。その後、女性町長の下で町政は平穏を取り戻したかと思いきや、かえって混乱しているというのだ。内情を追った。(写真=子どもの権利条例の集会に登壇した後藤町長)
前町長が辞任するも2位で当選!

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〝『週刊文春』の後追いをするだけの簡単なお仕事です〟と言えばマスコミと立憲民主党。特に人権、女性問題になると一層、そのトーンは上がるものだ。
2023年、週刊文春が岐南町・小島前町長のセクハラ問題を報じたのだが案の定、マスコミが岐南町に殺到した。
小島氏の辞任後、2024年4月に後藤町長が当選。後藤町長は町議を3期務めたが、町議時代から反小島派の筆頭格だ。
自民党県連が推した候補を破っての女性町長の誕生にもちろんマスコミは好意的に取り上げた。一方、2025年9月の町議選に小島氏が出馬。2位で当選して存在感を発揮したのだった。
ところが岐南町が平穏になったかと言えば…。
小島氏限定ルールがなぜか議員全体へ

町関係者はこう語るのだ。
「実は小島氏(前町長)が当選してから、町議が一般の職員に話をする場合は議会事務局職員を通す、という謎のルールができました。条例、内規?いえ町からの『お願い』ということです。職員を小島議員から守るという目的らしいけど、このルールが小島議員だけではなく、今まで在職していた議員も含めて議会全体に適用されます。以前はこんなことはなかったのに突然、こんなことが議会全体に対して発せられるというのは不可解ですよ。それに町議といっても町民でもあるでしょ。町政以外でも役場には日常の用事もあります。それも事務局を通すのは面倒でしょうね」
あくまで町からの「お願い」ということならば無視して職員に話しかけたらいいようなものだが・・・。
「今、岐南町はハラスメント対策を強化しています。『お願い』を無視して、後からハラスメントだと言われてはたまらないでしょう」(同前)
町議側が無理に押し通そうとすれば、パワハラと言われかねない。謎ルールに従わざるをえないようだ。しかし議員が調査する時、または会期中は担当課の職員と質問や答弁について打ち合わせや相談する場面が多々あるだろう。その都度、議会事務局を通すのは面倒な上、迅速な対応を阻害してしまう。庁内の風通しが悪くなっただけの気がしてならない。
そこできっかけになった小島町議からも事情を聞いてみると「私から話すのは控えさせてください」と応じる気配はない。他議員も沈黙する中、ある報道関係者はこう明かす。
「後藤町長は議員時代から反小島の急先鋒でした。そこで町長が〝私が小島町議から職員を守る〟という姿勢を見せるため提案したといわれています」
議会事務局に事実確認をしてみると事務局長が対応した。
「これは議員や事務局しか知らない話ですが、どなたから聞いたことでしょうか」
妙にネタ元にこだわるが、基本的に内部情報を掴むのが取材というものだ。事務局長はこう説明する。
「議員さんから出た話だと推測しますけど、一般的に町民の方に迷惑をかける話ではありませんが、議会事務局にご連絡を頂いて担当の者におつなぎすることはやっています。議員さんも町民ですから町民としての手続きについては臨機応変にやっています。ただこのケースはいい、このケースはダメという細かなルールでやっている訳ではありません。議員活動で職員に用事がある場合にお願いしているのが現状です」(同)
一説には現町長がルールを設定したと言われているが、その点も確認した。
「誰の発案で始まったのか、経緯は分かりません。議会の全員協議会で町が議員さんに説明した上でのことです」
後藤町長に直撃してみると
2024年の町長選で岐阜自民が推した候補を破った後藤町長。女性首長ということもあり、マスコミはまるで〝クリーンな改革派〟のように扱った。生活者目線の町政も期待されたが、今のところそうした施策は見えない。
中でも後藤町政下で決定したごみ袋の値上げは批判意見も多い。
同町では今年4月、ごみ袋1枚の価格が13.2円から近隣自治体と同程度の50円に値上げされた。
というのは他自治体の住民が岐南町の安いごみ袋を購入して、同町にごみを持ち込むケースが横行していたという。来年4月から稼働予定の次期ごみ処理施設に対する町の負担金は、組合構成市町(岐阜市、羽島市、岐南町、笠松町)のごみ排出量に応じて決まる。そこでごみ袋を高額にして排出量を抑え、負担金を減らすのが目的だ。
しかしその一方で住民説明会が十分ではない、との不満があり、先の町関係者によれば「3月から5月の間に約760件の苦情が寄せられた」という。
担当のくらし安全課はこう反論した。
「苦情といいますか確かに問い合わせは多かったです。中東情勢の関係(品薄の可能性があるから)〝ごみ袋はどこで売っていますか〟とか〝以前のごみ袋は使えないですか〟というものでした。ただ1年前に条例が変わって1年かけて周知してきました」
町側は十分、説明してきたという主張だ。批判意見もあるが、将来的にごみ削減という点ではやむを得ない値上げかもしれないし、後藤町長の一存で決まる施策でもないだろう。
値上げ問題はともかく、反小島にこだわり過ぎているというのが関係者の一致した見方。
それが先の謎ルールだろう。町長に直接、見解を問いたいところ。するとちょうど良いタイミングで町のイベントが開催された。
7月30日、こども家庭庁参与の辻由紀子氏を講師に招き、町主催の講演会が開催された。講演会は後藤町長が推進する「子どもの権利条例」制定に向けてのものだ。同条例は川崎市が全国に先駆けて導入したもので、もし岐南町でも制定されれば県下初となる。

後藤町長は辻氏とは懇意にしており、条例制定に向け協力関係にある。会場の多くは同町職員だから〝お仲間〟に囲まれ意気込みを語った町長。
会の終了後、町長を直撃した。
-議員が職員と接触する場合は議会事務局を通すルールは町長の発案でしょうか。
(無視が続く)
隣の野原教育長が苦笑いを浮かべる一方、町長は〝ピキーン!〟という漫画の擬態語が飛び出るほど表情を硬直させた。
-お答えいただきたいのですが。
今日ってマスコミの方も来るんですか。
-取材は禁止だったのでしょうか。
外部の方は(事務局ルールを)知らないはずですが…。
そう言い残すと後藤氏は立ち去った。講演会中は笑顔を振りまいたが、一瞬にして顔がこわばったのが印象的だ。立憲民主党、共産党、社民党などの活動家肌の女性議員にありがちな現象である。シンパの前ではエビス顔、質問されると閻魔顔というものだ。言うなれば〝美濃の蓮舫〟。
結局、この謎ルールについて町長からの説明はなかったが、まだ問題は残されている。新人の女性首長だから実態以上に美化され喧伝されたが、鵜呑みにするわけにはいかない。同町には県庁の不祥事にも通じる問題点が潜んでいるのだ。(続)



