東京都が黒塗りにした 解放同盟と人権連の意見書を 手違いで開示した

カテゴリー: 行政 | タグ: , , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

8月17日午後5時、東京都が「審査請求に関する資料の誤送付について」というプレスリリースを掲載した。一見しただけでは何のことなのか分からないが、解放同盟と人権連が関係する事案であり、異例中の異例と言える出来事なので、盆休み中であるが速報する。

都が公表した内容は次の通りである。

審査請求に関する資料の誤送付について
総務局総務部法務課で取り扱っていた審査請求事件の書面について、誤って民間団体(2団体)に関する書面を当該事件の審査請求人に送付したことが判明しましたので、お知らせします。
関係者の方には、多大な御迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。
今後、このようなことがないよう、情報管理を徹底してまいります。

1 経緯令和2年8月13日
審査請求人から、民間団体に関する書面が届いた旨の連絡を受けた。審査請求人来庁の上、確認したところ、本来審査請求人に送付しない書面を誤って審査請求人宛てに送付したことが判明した。
なお、当該文書中には、民間団体及び代表者の印影(1団体)並びに民間団体の意見(他の1団体)について記載があるため、速やかに下記により必要な対応を行った。

2 関係者への対応
令和2年8月14日
審査請求人に対し、誤送付及び手続の不備について謝罪するとともに、当該文書の返却を要請した。
誤って送付した文書に記載のあった2団体に対し、電話連絡により経緯の説明及び謝罪を行い、うち1団体を訪問して経緯の説明及び謝罪を行った。
なお、他の1団体については、速やかに訪問の上、経緯の説明及び謝罪を行う予定である。

3 今後の対応
個人情報等を含む書面の送付等に当たっては、必ず内容を再確認するとともに、複数の職員によるチェックを徹底し、再発を防止する。

この説明が分かりにくいのは、固有名詞が抜けているからである。

ここで説明すると、2つの民間団体というのは「部落解放同盟東京都連合会」(解放同盟東京都連)と「東京人権と生活運動連合会」(東京人権連)のことである。前者は言うまでもなく解放同盟の下部団体で、後者は共産党系の人権連の下部団体である。

審査請求人とは都内の保守系市民団体の「教育正常化推進ネットワーク」の笹原寛樹氏のことであり、最近は東京都や各区に対して解放同盟や朝鮮学校への税金の支出の詳細を明らかにするための情報公開請求を行っている。

「民間団体(2団体)に関する書面」とは、解放同盟東京都連と東京人権連が都に提出した意見書のことである。具体的に説明すると、かつて東京都はこれら同和団体との交渉記録に対する情報公開請求に対して全面非開示にしていたが、昨今は各団体に意見を求めた上で部分開示するという運用を行っていた。笹原氏は、さらにこの意見書を情報公開請求の対象としたのだ。

その結果、意見部分を黒塗りにしたいわゆる“のり弁”状態での部分開示とされたため、意見の内容を公開することを求めて笹原氏は審査請求。審査請求は受理されて、情報公開審査会で審査されることとなり、そのための書面のやりとりがされていたわけだが、なぜか笹原氏のところに黒塗りにされる前の2団体の意見書が郵送されてしまったのである。

なお、「訪問して経緯の説明及び謝罪を行った」一団体は解放同盟東京都連であり、東京人権連には後で謝罪に訪れるということである。

当然、多くの読者は意見書の内容が気になるところであろうが、「教育正常化推進ネットワーク」は詳しい経緯と、意見書の内容を公表した。それによれば、解放同盟東京都連は交渉記録の非公開を求める一方、東京人権連は特に意見しなかったことが明らかとなった。同和関係の文書は神奈川県でも実質的に非公開にされてしまっているのだが、その時に行政が説明する非開示理由が、今回の解放同盟の意見書に書かれている論理に酷似しているのが興味深いところである。同和関係の文書はなぜか消えることが多いので、意見書画像は各自保存しておくべきだろう。

笹原氏は今回の件について次の談話を発表している。

今回、東京都が非開示判断を出していた文書を誤って送付したのは組織として弛緩(しかん)している証拠であり、そもそも非開示にしたこと自体不当である。過去に福岡県八女市で、情報公開請求した男性に、運動体所属する人権同和教育係長が、威圧し、開示請求できなくした事件が起きたが、八女市はことの顛末をきちんと公表した。東京都とはずいぶん違う。都は、これを機に隠蔽を改め、人権同和行政や、部落解放同盟などとの関係を見直すべきである。

昨今はこういったことがあるとリベラル派やマスメディアからも行政の情報管理のあり方を責められることがある。だが、ちょっと待って欲しい。行政が保有する情報が明らかになることは、どのような形であれリベラル派やマスメディアは手放しで歓迎すべきではないだろうか。

考えてみれば、かのベルリンの壁崩壊も役人のミスが発端だったことは有名な話である。日本における同和行政の情報公開にも同和タブーという厚い壁が存在する。今回は図らずも都職員のミスにより、その壁の一角に穴が空いたわけである。リベラル派やマスメディアは、都職員のミスを責めるのではなく、今回の一件が情報公開における鉄のカーテンが破られるきっかけとなることを期待すべきではないだろうか。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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東京都が黒塗りにした 解放同盟と人権連の意見書を 手違いで開示した」への2件のフィードバック

  1. 田口

    東京都の勇気ある職員が、ワザと「誤送付」したのではないでしょうか。
    そうでもしないと、同和という厚い壁を破ることはできません。
    部落解放同盟は行政に根深く潜んでおり、まるで水虫みたい…

    返信
    1. 鳥取ループ 投稿作成者

      わざとだったら面白いのですが。
      それにしても、珍しい事故なのに新聞は全く取り上げる様子がないですね。

      返信

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