【大東市贈収賄事件】市の文書に記載された施工業者「大東市の仕事はしていない」

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By 宮部 龍彦
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大阪府大東市の市営住宅をめぐる贈収賄事件で、市営住宅管理課主査の佐野公彦容疑者が収賄容疑で逮捕された。各社報道によれば、佐野容疑者は市営住宅の修繕工事などに関する随意契約で、特定業者に便宜を図った見返りに、折りたたみ自転車など計約17万円相当を受け取った疑いが持たれている。

本サイトは今年3月30日、大東市営住宅をめぐる全日本同和会との「密約」と、市営住宅の空家修繕をめぐる贈収賄疑惑を報じた。当時はまだ庁内で噂される疑惑段階であったが、今回、佐野容疑者の逮捕によって、市営住宅修繕をめぐる汚職疑惑はついに刑事事件となった。

しかし、この件は贈収賄だけではなく、修繕工事そのものにも不審な点がある。

「政策空家」なのに空家整備

大東市は令和6年3月22日、深野園住宅について、新たな入居募集を停止し、政策空家とすることを政策決定している。市が公表している「大東市営深野園住宅建替え基本計画」にも、深野園住宅は令和6年3月より入居募集を停止し、政策空家となっていると明記されている。

政策空家とは、建替えや用途廃止などを予定しているため、新たな入居者を募集しない住宅である。つまり、空室が発生しても、そこへ新規入居者を入れることはない。

ところが、大東市が開示した資料によると、政策空家となった後の令和6年度、深野園住宅で空家整備工事が行われたことになっている。深野園住宅が政策空家とされた後、少なくとも令和6・7年度の2年間で、8戸、合計7,104,900円の空家整備費が支出されたことになっている。

もっとも、入居者募集を停止していても、建替えのために住民を棟の間で移動させることは考えられる。しかし、深野園住宅についてはまだ建替えの事業者の選定等をしている段階であり、計画を見る限りは今の時点で住民を移動させているとは読み取れない。

萩原建設「令和7年以降はしていない」

さきほどの資料に出てくる「株式会社萩原建設」に注目してほしい。

筆者が把握する限り、贈収賄疑惑に関連して3社の名前が上がっていたのだが、今回摘発されたのは株式会社エム・エヌコーポレーションの代表者だけである。実は萩原建設も名前が取り沙汰されていた会社である。しかし、萩原建設が「シロ」と確定したのであれば、それはそれで別の問題が持ち上がる。

実は前回の記事で筆者の取材に対して「1年前から大東市の仕事はしていない」と答えた会社がこの萩原建設なのである。その関係者の詳細な証言を以下に示す。

「もう仕事やってないから。大東市の仕事は」

「もう1年ぐらい前から、仕事上はもうやってないからな」

「もう、指名願いも出してないから、何も、全然状況なんか分からん」

筆者は、令和6年の時点では市営住宅の修繕の仕事をしていたのではないかと確認した。これに対して同関係者は「まあ、それはな」と述べたうえで、筆者が「令和7年以降はされてないっていうことですか」と尋ねると、

「そうそうそう、うん」

と答えた。

さらに、今回大東市で話題になっている贈収賄疑惑とは無関係ということになるのかと確認すると、

「そうやな、全然そんなん知らん」

と答えた。

萩原建設の言い分が事実だとしたら、市の文書に記載されていた工事は誰が行ったのか、そもそも工事自体が行われていたのかという問題が持ち上がる。

そもそも、多額の工事発注の見返りが約17万円相当というのは、あまりにも〝しょぼい〟のではないか。そして、上層部は何も知らなかったのか? 1主査が責任を取って幕引きさせられる問題ではないだろう。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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