津市役所内部で パワハラが多発! トルコ地震救援で 活躍した 救急救命士の 怪死を レポート

カテゴリー: 地方 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

NewsChallengerより

本サイトが2020年から報じた津市相生町自治会長事件以来、市関係者から様々な情報提供を受けてきたが再び異変が…。12月に入り市役所内部のパワハラ告発が相次いだ。その一つが津市消防本部。不可解な人事がまかり通り、しかも今年春、同本部に所属する救急救命士が怪死したという。何が起きたのか深層に迫る。

トルコ大地震救援で 貢献した 矢先に…

「公務員は安定している」

進路選択、就職活動をする際にこう考える高校生、大学生は少なくないだろう。確かに民間企業よりは景気の影響を受けにくく「安定」という点は事実かもしれない。だが「安定」はあれども決して「安寧」があるとは限らない。刑事事件の裁判は大方、「窃盗」「詐欺」「暴行」といった事案だが、自治体職員らの「入札情報の漏洩」「横領」「収賄」「公文書偽造」なども散見される。

もちろん職員単独の犯行もあるが、その一方で組織ぐるみにも関わらず一般職の担当者のみが罰せられるケースもあった。トカゲのしっぽの“しっぽ”ですらない職員に転嫁し幕引きという。「安定」というイメージの裏にはこうした奈落も控えることも踏まえなければ、公務員が抱える闇や苦悩は見えてこないだろう。

その苦悩の一つが本稿で扱う津市役所のパワハラ問題だ。特定の市民が市職員、事業者に不当要求を行ったり、威嚇行為をする。これは相生町自治会長事件以前からも起きたこと。また同事件では市幹部など職員によるパワハラも多数、証言を得た。

相生町事件からこうした庁内の体質が改善されたかと思いきややはり問題は残っていたようだ。今回、注目したのは津市消防本部。問題は今年3月に遡る。

国際緊急援助隊医療チームとしてトルコ地震の救援活動に当たった笹村さん(中央)。

今年2月に5万人以上の犠牲者を出したトルコ・シリア大地震に国際協力機構国際緊急援助隊医療チームの一員として津市消防本部から救急救命士の笹村晶紀消防司令補(当時)らが派遣された。

笹村さんらは帰国後、3月27日に津市役所を訪問し、前葉泰幸市長に活動報告を行った。報告会は多数のメディアが報道。被災地に貢献し本来は大きな名誉として終わるはずだった。

叱責の裏に パワハラ、モラハラか!?

ところが報告会からわずかのこと。

「4月に笹村さんは失踪した後、市内の山林で自殺、遺体で発見されました」(市関係者)

国際貢献し再び地元、津市でも救急活動に従事するはずの笹村さんに何が起きたのか。消防署職員が遺体で発見されたのはニュースになってもおかしくないはずだが確認できなかった。ここからは死者に鞭を打つわけではないが事実関係としてお伝えせねばなるまい。

「実はとある女性トラブルで消防長や市幹部から叱責されそれを苦にしての結末ということでした」(同前)

津市で女性トラブルといえば市内の小学校に勤務する教頭が多数の女性教職員と不倫、肉体関係にあったことは大きく報じられた。同じ女性スキャンダルでも教頭はお咎めなし。が、笹村さんには厳しい叱責というのも妙だ。

「“救急搬送で知りえた個人情報を笹村さんが私用で使った”と津市に抗議があったのです。これ自体は職務上や市民の安全にも関わることなので指導されてもやむを得ないでしょう。それならば市側から“こういう不祥事があった”と発表されてもおかしくありません。遺体で発見されたことが伏されていることも含めて組織内での秘匿性を感じます」(市職員)

職務上、知りえた個人情報を私用したというならば不祥事なので何らかの処分があっても不思議ではない。また消防本部としても外部に対して公開、説明すべきではなかったか。

あるいは笹村さんに対して過度の叱責、要するにパワハラ、モラハラがあったのかも気になるところ。それでなくても自治会長事件以来、庁内のパワハラは何度も耳にした。

「笹村さんの死とパワハラが直結するとは限りません。しかし当の消防長が“パワハラ体質”というのは以前から取沙汰されたことです」(同前)

同消防長と消防の内部事情を追ってみると確かに“パワハラ体質”と批判される背景があった。

異動・昇進を 独占している?

津市消防本部。

津市消防本部の田中秀浩消防長は今年度4月1日付けで消防次長から昇進した。地元工業高校を卒業後、民間企業の勤務を経て津市消防署に入庁。叩き上げの人物だ。災害担当理事兼久居消防署長の時代からパワハラが囁かれた。

職員に対するパワハラが目立ち、当時の久居消防副署長A氏が「やりすぎではないか」と意見した。すると今度はA氏に対して暴言、冷遇が目立つようになる。

さらに「同署で指揮隊長をしていたB氏に対して個人攻撃が始まったのです。B氏は大人しい人でとても抵抗や反論する職員ではありません。結局、定年を待たずに退職しました」(同前)

一部の管理職は田中消防長の行為を問題視して、消防本部人事課に相談したがこれが返って反感を買った。

「久居副署長だったA氏を消防署庶務予防担当副参事という新ポストを作って降格させたのです。また消防長と同期ですら防火指導センター長という窓際ポストに追いやりました。同センターというのが再任用職員の管理という名目ですが、再任用といってもほんの数人。こんな役職を置く合理的な理由がありませんよ」(同)

降格処分というのも珍しい。というのはあの自治会長事件の時に問題視された幹部ですら降格処分というのは一人もいない。一方、田中消防長を知る本庁の職員はこう見る。

「消防は異動や昇進が独立しているので外部には見えにくいのです。なので田中さんのパワハラ話というのは聞きませんが確かにパワフルな人物というのは聞いています。県内初という「M.O.A」(機動的救急隊)の創設はメディアにも取り上げられました。成果をアピールするのは長けた方ではないでしょうか。もっとも肝いりのM.O.Aですが、緊急性がない通報が増加する可能性など実効性は疑問が持たれています。もっともあの人(消防長)は横文字が好きだから(笑)。意識高い系なんですよ」

今のご時世、社会がパワハラというワードに縛られすぎという印象もある。このため笹村さんの死にパワハラが影響したのかは不透明。だが少なくとも消防署内ではパワハラと指摘されるだけの事態が起きていた。

当の田中消防長に直接、聞く他ない。津市消防本部を訪ねた。

消防監「厳しいが 署員は 皆成長している」

当日は田中消防長が「外出中」ということだった。代わりに同本部消防監を含めた幹部が対応した。

ー笹村さんの自殺については?

「(笹村さんの死は)大変痛ましいことですが、パワハラや叱責というのはありません」

ー女性トラブルが原因と聞いていますが?

「プライベートのことなので答えられません」

ーなぜ消防署庶務予防担当副参事という降格ポストが必要だったのでしょうか。また指揮隊長だったB氏は降格の上、定年を待たずに退職されましたがこれもパワハラが原因と聞きました。

消防署庶務予防担当副参事については今後、力を入れていく分野ということで新たに設置しました。またB氏については指揮能力が役職に達していないという理由です。確かに消防長については過去にないほど厳しいという評価もあります。それを快く思わない職員がいるのも確かでしょう。しかし厳しいが“おかげで成長できた”という職員も大勢います。

消防本部としてはパワハラは存在しないという説明だ。しかし妙に刺さるものがあった。それは「厳しいが成長した」という説明である。

叱責や暴言も成長の糧として感謝する――。まるで金融、不動産、あるいは飲食業界のブラック企業のような発想だ。

消防署という職種は住民の生命・財産に影響するため、より緊張感が求められるのも事実だ。かといって理不尽な降格人事や自殺者隠しが緊張感や規律だとは思えない。

またB氏については指揮能力が役職相当ではないとの説明も悩ましい。ならば自治会長事件でも前葉市長以下、副市長や幹部は首長、管理職として指導力を発揮しただろうか? 現状は弱い立場の職員をスケープゴートにしているだけだ。

パワハラ情報は本庁職員からも寄せられている。かつて特定市民らから外圧を受けて、一応は収まったものの今度の敵は内にいる。津市職員はまさに内憂外患の状態なのだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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津市役所内部で パワハラが多発! トルコ地震救援で 活躍した 救急救命士の 怪死を レポート」への15件のフィードバック

  1. 梅花皮

    津市役所内部のパワハラに切り込んでいただいて感謝します。
    「不祥事は隠ぺいするのが当たり前」「職員は犠牲になるのが当たり前」といった風潮を
    人事担当職員や市幹部の態度から感じていました。

    前葉泰幸津市長は市政改革でそれらを改善したと言っていますが、本当にそうでしょうか。
    パワハラ加害者を罰して外聞を悪くするより、被害者を封じ込めて自滅させる道を迷わず選択する
    組織風土は健在だと思います。

    組織の内部では誰も助けてくれない状況で苦しんでいる市職員が数多くいると思います。

    返信
    1. 匿名

      四日市市役所元職員。土木業者にナイフで脅され、隠蔽された。その後、パワハラに遭い続けて、クビにされた。 人事課の松本君や、たくさんの職員に、メールをしてある。無かったことには、させない! 四日市市上下水道局の生川氏に、聞いてみて。
      #9c18e99643654416e68cdd6ad7e62d85

      返信
      1. 匿名

        津市役所の相生町自治会長事件も、このサイトがきっかけで進展しました。
        市役所内部で声を上げても潰されるだけなのは個人的にも良く知っています。
        悔しいことやお伝えしたいことも色々あるでしょう。
        このサイトの情報提供のリンクから記者へ資料等を送ってみてはどうでしょう。
        #f6f3e59e027480485043f3a40bbb5096

        返信
  2. 匿名

    市長が今年を振りかえって「自治会長問題は乗りきった」と発言したらしい。
    本音は「逃げきった」と市民は見抜いている。

    #bd48fe220e5c1b3926d57a08d25c267c

    返信
  3. 匿名

    事件性なし、ただの自殺で新聞報道もなし、ということですよね
    吉田兄の児童暴行も隠蔽したし、三重県警もおかしくないか?
    #cef87d59e017855c31ef94f8923b84ba

    返信
    1. さと

      四日市市役所 元職員。仕事中に土木業者からナイフで脅され、揉み消されました。
      #98090ca3323052ab60d0fa46e0bdc692

      返信
  4. 匿名

    三品さん
    取材中の突っ込みが足らないのかなあ??
    署の一通りの説明を聞いただけ?
    後で感想を述べても????

    #d4bc88d3d01c668cb39bd6147a0c5327

    返信
  5. 匿名

    ちょうどいま、テレビでは被災地支援で各地の救急隊員が活動している姿がよく見られます。
    生命の大切さを感ぜずにはいられない状況に思うことしきりですが、同時にこの記事も思い浮かべました。

    なぜ彼が自ら死を選ぶこととなってしまったのか。
    今までの傾向から、津市役所ではあらゆる犠牲よりも不祥事の隠ぺいが優先されるので、やはり何かあったのではと思わずにいられません。

    返信
  6. さとう

    四日市市役所 元職員。土木業者にナイフで脅され、隠蔽された。パワハラにあい続けて、辞めさせられた。
    #98090ca3323052ab60d0fa46e0bdc692

    返信
  7. 匿名

    四日市市元職員の方から匿名で投稿があったように、相当前からパワハラで辞職に追いやられた職員が何人もいる。自殺した人もおり恐らくパワハラが原因だと思うが隠蔽されている。
    こんな四日市市役所は津市役所同様に腐りきっている。
    これ以上犠牲者が出ないようどうにかして欲しい。

    #e2f238a9c88f524457478e4309b752a6

    返信
      1. 匿名

        宮部さん
        いろいろ情報をもらって記事にしてるんだろ。
        現地に行って確かめればいいじゃん。
        そうしないと、記事は裏どりなしのガセネタに踊らされたになっちゃうよ。

        #21a5061a85de1d7c7448162df1e94b0c

        返信
  8. ピンバック: 伊都消防長 パワハラ退職は“世耕&石田政治団体代表 ”和歌山県 かつらぎ町長、支援者企業の 生贄⁉ - 示現舎