自民党・二階幹事長も 仰天!サンシティGが 和歌山県IR 事業撤退

By 三品純

カジノ推進派議員に衝撃ニュース! 自民党のドン、二階俊博幹事長のお膝元、和歌山県のIR事業者公募に参加していたサンシティグループホールディングスジャパン株式会社(本社マカオ、アルビン・チャウ会長)が撤退すると5月12日、同社HPで発表。つまり日本市場の参入を断念することになる。大阪市、横浜市、長崎市が有力と目されてきたが和歌山の場合、IR誘致に熱心な二階幹事長、側近の門博文衆議院議員の存在が大きい。また県もIR推進室を設置し、理解促進のシンポジウムを開催するなど意欲的に取り組んできた。県のIR基本構想によれば来場者年間400万人、雇用創出が2万人、県に210億円の納付金、入場料73億円との試算があるが皮算用に終わった。IR反対派にすれば朗報、かもしれないがサンシティマネーを期待した面々は落胆に違いない。

地元スポーツ活動も応援していたが

和歌山湾に浮かぶ人工島、マリーナシティは同県IR施設の候補地。サンシティが描いた施設の完成予想図は壮麗である。洋上に浮かぶ未来都市のようだ。日本市場に参入を狙うその他カジノ企業よりサンシティの方がプロモーション活動が活発だった。南海和歌山大学前駅と直結するコミュニティスペースを昨年10月に開設。和歌山大学前駅を選んだ当たり若者へのPRを意識したのだろう。日本社会への理解促進という意味では最も努力したカジノ企業ではなかったか。

確かにこの通り完成すれば市の観光名所になるだろう。

地域活動への協力はパチンコ業者などでもみられることだ。その点、サンシティは特に地元スポーツへの支援を打ち出していた。「セーリングの聖地・和歌山」として同市和歌浦を国内のセーリング拠点にしようとサンシティグループもサポートに参加。また地元プロバスケットボールクラブ、『和歌山トライアンズ』(近畿地域リーグ)ともオフィシャルスポンサー契約を結んでいた。こうした活動はIR反対派からは「懐柔策」という見方も起こるだろうが、ともかく日本社会に根差す姿勢は伝わってきた。

セーリングのサポート活動も。

ところがIR誘致に詳しい地元記者は冷ややかに見ていたという。

「コロナウィルス蔓延頃から“誘致どころかサンシティ本社(マカオ)がマズいとちゃうか ”という話は出ていました。逆に北海道から和歌山に乗り換えたカナダのクレアベストはオンラインカジノやeスポーツに強みがあるからコロナ禍のダメージが少なかったのです。といってもサンシティほどのやる気は感じませんが(笑)」

有力企業の撤退に和歌山県はどう対応するか同県IR推進室に確認したところ「IR誘致は今後も継続します」とした上で見解は県HPに掲載しているという。予想通りというか当然のことだが撤退の理由はコロナウイルスの影響だった。

「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」の事業者公募における提案審査参加者の辞退について

和歌山県では、和歌山マリーナシティにおいて特定複合観光施設設置運営事業を実施するため、民間事業者の公募・選定手続きを進めてきたところですが、本日、下記の者より辞退の届け出がありましたので、お知らせします。

1.辞退した提案審査参加者

サンシティグループホールディングスジャパン株式会社

2.辞退理由

・コロナウイルス感染拡大等の様々な要因により世界経済の先行きが不透明であることや世界中の企業にとっての不確実性が長く続く恐れがあること。・日本のIR区域認定手続は区域認定までの間に長期間を要することや未だに多くの事柄が不透明であること等、事業者としてリスクを感じていること。

3.今後の対応

現在、県では、事業者選定手続きを行っているところです。提案審査の結果について、選定方法及び評価の過程並びに結果に応じた選定過程の透明性を示すために必要な資料と合わせて公表する予定です。

マカオカジノはSARS後V字回復していた

サンシティの経営状況も厳しいと伝わる。というよりもマカオのカジノ自体がコロナウイルスの打撃を受けた。マカオは税収の約7割がカジノだ。このため長年、雇用もカジノに依存してきた。しかし意欲的に学んだ若者にすれば海外で先端科学分野、ITといったより魅力的な分野で働きたい。このため人材の国外流出も深刻である。その上にコロナ蔓延で外国人観光客も減少とくる。サンシティが有力企業とは言え経営難に陥るのは当然のことだろう。とても日本に投資する余裕はないというわけだ。

ではこれからサンシティの日本法人はどうなるのか。和歌山県誘致の拠点となる事務所前には閉鎖の告知が一枚。そこに書かれた同社東京事務所に事情を聞こうと連絡してみると「在阪の広報担当部署に連絡してほしい」ということだった。広報担当部署というのが大阪市内のプランニング・ボート社だ。同社に今回の撤退について質問すると「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業( IR 事業)における事業者公募 に から撤退に関する詳細は、以下のHPに掲載している内容はすべてとなっておりま す」との回答である。誰でもアクセスできるが一応、貼り付けておく。

RFP入札プロセスからの撤退について

サンシティグループ ホールディングス ジャパン株式会社(以下、「サンシティ・ジャパン」)は、「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」(IR事業)における事業者公募に参加して参りましたが、この度、本事案から撤退することを正式決定致しましたので、 ご報告申し上げます。サンシティ・ジャパンは、同社代表取締役である周焯華(アルビン・チャウ)氏の個人出資よる独立系株式会社です。同氏のコメントは以下の通りです。

「新型コロナウイルス感染拡大による業界への甚大な影響と、世界中の膨大な数の企業における不確実性は今後も長期にわたり続く恐れがあること、また日本のIR区域認定手続においては、当初の予定よりも大幅に時間を要すると想定される中で、未だに多くの事柄が不透明であることなど、事業者としてのリスクを鑑み、熟考の上で厳しい決断をするに至りました。日本のIR事業において、和歌山でのコンセプト提案の機会を頂いたこと、また日本・香港・マカオ各国の専門コンサルタントで構成されたIRチームの尽力と貢献、そしてここまで数々のご支援、ご協力を賜りました関係各位、地域の皆さま方に心より感謝申し上げます。」最後に、和歌山県および日本の、このパンデミックからの一日も早い回復と、観光産業の発展の未来を実現されることを、サンシティ・ジャパン一同心より祈念申し上げます。

同社に直接聞いてみたが結局はHPの見解通りということで、これ以上の情報はなかった。アルビン・チャウ会長はやはりコロナウイルスを挙げている。ただ世界的にカジノマーケットが縮小する中で日本はまだ可能性がある市場だ。コロナ収束まで持ちこたえられなかったのか。

実際にマカオのカジノ施設を見学した議員はこう解説する。

「マカオのカジノはかつてSARS(重症急性呼吸器症候群)によって収益が低迷しました。しかしその後、中国などアジア各国の経済成長による観光客増加でV字回復したのです。しかし今回はまるで状況が違います。カジノ産業自体が衰退する中、コロナ収束もまだ見えません」

裏返せばSARSよりもコロナウイルスは比較にならないほど感染被害が大きいことを意味する。ワクチン接種が世界的に広まっているとは言えコロナ根絶はまだ遠い。全世界の人々が自由に往来できる日はまだ先の話だろう。観光客に依存するカジノビジネスにとって経営の見通しが立たないのは当然だ。

さらにサンシティ撤退はこんなオチもついていた。前出の地元記者は苦笑する。

「磯ノ浦海水浴場(和歌山市磯ノ浦)がある西脇地区連合自治会でもゴタゴタがありましてね。関西電力和歌山LNG発電所もあって利権もあるところですが、芦原地区連合自治会長事件の金井克諭暉かないよしゆき氏も介入したことがあるんですよ。それにサーフポイント(サーフィン場)としても有名で開発事業の話があります。マリンスポーツの人気スポットにしようということでサンシティマネーを当て込んだ一派がいるんです。現地では二階派に近い自民党議員の名前も浮上していますよ」

思いがけぬ場所にサンシティが存在感を出していた。二階幹事長を始め自民党のIR推進派はもちろん行政、議員、業者、地元関係者らがサンシティマネーを期待したが撤退で目論見が外れた。あの壮麗な施設、莫大な納付金、雇用、地元へのカネ・・・。様々なモノが絵に描いた餅に終わったわけだが、ギャンブル以上の夢を見られたのではないか。

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