てるみくらぶで浮上した宗教団体 「大星教会」とは何か?(前編)

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By 三品純

今年3月に発覚した旅行代理店「てるみくらぶ」の経営破綻は、多くの人が知るところだろう。およそ9万人もの旅行者に影響が及び「旅行先のホテルで突如、宿泊を拒否された」「航空券が発券してもらえない」といったトラブルがツイッターなどSNSを通じ瞬く間に広まった。

てるみくらぶの経営実態が報じられた最中のこと。同社の益永高吉元会長、山田千賀子元社長がある宗教団体の信者であることも囁かれた。

『週刊文春』(4月13日号)「負債151億円てるみくらぶ女社長のカネ・カネ・カネ」には元幹部の証言が紹介されている。

「社員に強制しませんでしたが、会長と社長はある新興宗教の信者で、会長室の祭壇に毎朝熱心に線香を上げていました」

同誌の本文では、団体名は伏せられていた。しかしその後、取材を進める中で、てるみくらぶとの関係が取り沙汰される新興宗教団体は「大星教会」(東京都八王子市)ということが判明した。しかし益永氏や山田氏が信者だと明言したわけでもない。果たして真相は如何? てるみくらぶとの関係を指摘する声は同教会に届いているのか、大星教会に確認したところ「取材は受けないし、何も答えられない」というのみだ。

なるほどまさか団体側が「信者です」と認めることもありえないだろう。ただてるみくらぶ問題はさておき、一体、この大星教会とはどんな新興宗教なのだろう。特に公式HPがあるわけでもなし、情報が乏しい。また「教会」と冠してもキリスト教でもなく、神道や仏教をベースにしたように見える。興味を持ち、大星教会を訪問してみた。
 
大星教会は、八王子市石川町にある。最寄り駅は八高線「小宮駅」か中央線「日野駅」だ。はっきり言って電車で行く場合はアクセスが悪い。日野駅からだとバスで「石川町東」という停留所が最寄り。もともと八王子と言えば伝統的に創価学会が強い地域だ。創価学会の影に隠れて、とは言わないが決してメジャーな宗教団体でもない大星教会。それほど大規模な施設でもなかろう、そんな風に思っていた。しかしバス停を歩くこと数分、交差点には「大星教会入口」とある。交差点名になるということは、それだけ認識されているということだろう。
そして交差点からしばらく行くと教会の大きな駐車場と施設が見えてきた。

「意外とでかい」

娑竭羅龍王社しゃからりゅうおうやしろ。法華経の八大龍王の一つ。雨乞いの神様から商売繁盛の意味もあるそうだ。

もちろん信濃町の創価学会本部、あるいは杉並区の立正佼成会大聖堂といった施設に比べればスケールダウンする。ところがそれでも決してメジャーではない新興宗教団体の施設としては結構な規模を誇っている。

「正門」と言っても特に入場制限があるわけでもなし。出入りは自由だ。正門近くの境内案内図を確認して、散策してみる。

「意外と面白い」

取材のつもりが散策を楽しんでしまった。なにしろ最初に訪問した当時はまだ桜が綺麗な頃。「ゆうゆう広場」にある桜は見事だ。おそらく散歩の時間なのか、近隣の保育園児たちが引率されて遊びに来ていた。地元ではそれなりに慣れ親しまれているのだろう。広場の先を歩くと、今度は、線路まで出てきた。「ゆうゆう鉄道」というらしい。なんでも月に一度、ここでミニチュアSLが走っているということだ。

ゆうゆう鉄道。月に一度の運行。

園内には随所にやしろが設置されている。これだけ見ると神道系のようでもある。ちょうど遭遇した信者たちは2礼2拍手1礼の神道の礼式で参拝していた。ところが信者たちは法華経を唱えているように聞こえた。尋ねてみると「真運妙法蓮華経」

しんうんみょうほうれんげきょう
というらしい。

「神道なのに法華経?」この謎が解けるのはもう少し後のことである。宗教の特徴は神仏習合の色合いが強いようだが、施設内部には随所に日の丸が掲げられている。なるほど、だいたいこの辺りで政治的な立ち位置はすぐに理解できた。

そして神殿である「太極殿」の方に向かう。「車お祓い」という看板がある。大星教会は厄払いだけではなく、車お祓いでも有名ということだ。その後、「参集室」という休憩所で一休み。そこにいた年配の信者さんたちに話を聞いてみた。

「お若いのにねえ。よくいらして」

決して信仰心から訪問したわけではないのに、歓待してくれてなんだか申し訳ない。

「こちらは社会的に大変“お偉い方”が信者におられると聞いて、あやかりたいからやってきた」

そんな風に訪問の動機を話してみた。すると信者たちはこう話しだした。

「そうそう。レーガン大統領も来日された時に大星教会に理解を示されたそうよ」

「女優のあの方。この前、いらしていたそうよ。あなたも●●さんをご存知でしょ。ご主人も有名な」

「歌手の●●さんも・・」

まさか故・レーガン大統領の名前までが浮上するとは思わなかった。それ以外にも日本の保守系の有名政治家の名が浮上した。多少なりとも政治に詳しい人ならば大方の察しはつくはず。女優と歌手名は生々しいので割愛するが、まず誰でも知っている有名人だ。大星教会はどういう教義を学べばいいのかも聞いた。

「教義なんてそんな難しいものじゃないけども。お灰を買って、線香を一本立てて真運妙法蓮華経、と言えばいいのよ」

こう女性の信者が教えてくれた。せっかくだから先生に相談を受けてみては? こうも勧められた。「先生」は複数人いて、それぞれの話も特徴があるという。一般の相談の場合は、3千円を包めばいいそうだが“お偉い方”の場合は、「のし袋が立つ」という人もいるのだとか。

「だけどアナタ、カラの封筒を出してはダメよ。先生たちはお見通しだから。ある方がカラの封筒を出したら、先生は手にも触れないうちに突っ返したそうだから」

いくらなんでもそんなセコイことはしないけども…。4月29日に行われる「開祖副開祖記念祭」が開催されることを教えてもらい、一旦、大星教会を後にしたのだった。次回は大星教会の歴史と、その宗教的意義について迫ってみたい。

大星教会のシンボル。式典などはここで開催される。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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てるみくらぶで浮上した宗教団体 「大星教会」とは何か?(前編)」への1件のフィードバック

  1. たくみ

    中央道上り線の石川PAに入る直前、左側に見える施設ですね。
    正月などはとても盛っているので気になっていました。
    レポート続編楽しみにしています。

    返信

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