【特別手記】 土地強奪被害者が 激白 “地面師”天野二三男 「同和の力で なんでもできる」

By 三品純

相模湾が一望できる小田原市板橋の住宅街。本来は素晴らしい景観なのだがそこには無数の廃棄物、ゴミが放置されている。この模様は動画「熱海土石流原因企業による小田原市のゴミ投棄現場」でレポートしているが、これらゴミも天野二三男氏関係企業によるもの。コンテナ丸ごと持ち込まれたことも強烈だが、すぐ脇に崖。粗大ゴミとともに崩落の可能性は否定できない。

実はこの光景からもう一つ天野氏の“ 闇仕事”が見える。タイトル写真にある湾の手前を走る西湘せいしょうバイパスが確認できるだろうか。同バイパス用地をめぐり天野氏は地元資産家T氏から土地を強奪していたのだ。今回は資産家T氏親族、木田さん(仮名)がその一部始終を語ってくれた。そのやり口はまさしく地面師というに相応しい。

借金取りの仲裁は出来レースだった!?

「今思えばあらかじめ仕組まれた“出来レース ”だったかもしれません」

資産家T氏の孫にあたる木田さんは一族と天野氏との出会いから語り始めた。本来はご一家にとって大変な傷になるはずだが時折、「ドラマの『半沢直樹』なんて可愛く見えますね」などと冗談も交えながらのやり取りだ。「事実は小説より奇なり」というもので、悪質なやり口は怒りを過ぎて呆れの境地に至った様に見えた。

木田さんがいう出会いの出来レースとはこんな話だ。1990年代の話だという。

「資産家だった祖父はアパートやテナントビルを所有しており、店子の一人に工務店業者がいました。その人が借金を負ったといい暴力団風の男たちが“ 大家が借金を返すのが筋だろ”と祖父を脅しに来ました。大家が借金を返すなんて法律上、何も義務はありませんし、言いがかりですよね。この時、警察に相談するとか他の手段を考えるべきでしたが、どこからともなく天野二三男氏が祖父のもとにやってきて“私が解決します”というのです」

もちろんその殺し文句は予想できるだろう。

「“私は同和団体の役員だから大丈夫です。同和の力を使ってなんでもできます。だから私に任せなさい ”こんな風に祖父を説得したんですよ。ただ天野氏との接触以前は『同和』といってもあまり印象も予備知識もありません。行政に影響力がある程度の漠然とした認識だったと思います」

天野氏が土地トラブルを起こす対象は高齢者、資産家、地主が散見される。それから“ 金持ち喧嘩せず”というものなのか、純朴なのか天野氏の言いなりになる傾向も見てとれた。T氏もそんな人物像だ。木田氏は続ける。

「天野氏が間に立ったところ、借金取りがパッタリと来なくなりました。当時の噂ですが、借金取り自体が天野氏の関係者、知人で“出来レース ”だったというのです」

反社風情が因縁をつけ、そこに突然天野氏がやってくる。あまりによくでき過ぎた話ではなかろうか。出来レースというのもうなずける。

ともかくこれでT氏からの信頼を得ることになる。こればかりは天野氏の個性、人心掌握術としか言いようがない。元社員は語る。「一旦、ケンカ別れした相手もまた“ ウマい話がある”と聞くと天野氏の元に戻ってきます。これが天野グループと呼ばれる所以ゆえんです。洗脳に近いものがあるかもしれませんね」

天野氏の手口を知る仲間ですらこの有様。地方の資産家に取り入ることなどは天野氏にとって造作もないことかもしれない。“同和系列 ”天野二三男が「自由同和会」名で営業&税金対策か!?でも天野氏の土地トラブルを紹介したが、同記事で被害にあったという人物は「静岡県富士市のW夫妻」で天野氏周辺でまず知らぬ人はいない。W夫妻も相続税に悩んだところ天野氏が介入してきた。資産家の悩みや困りごとを聞きつけてはそこにつけ入るわけだ。

「俺を助けてほしい」で資産家に 白紙委任状を書かせた

そして話は冒頭の西湘バイパスに移る。旧建設省時代から始まったバイパス工事。T氏も建設予定地の現・箱根口IC付近に広大な土地を持っていた。国による用地買収が始まるが、T氏所有の土地に天野氏が触手を伸ばす。木田さんが当時を振り返る。

「“ 買収は国との交渉になるから私(天野)に交渉を任せておけば億の金が入りますよ”などと祖父を説得しました。同和を持ち出した? ええ、あったと思います。ただその時に“ 今、事業が不振で困っているから私を助けてくれませんか。風祭の交渉はしっかりやるから助けてください”といって祖父に白紙委任状を書かせたのです。これが失敗でした」

元関係者も失笑する「俺を助けてくれ」という天野氏の得意フレーズ。ある意味、人間臭い交渉術だ。といっても天野氏に白紙委任状とはあまりに迂闊すぎる。しかしそれは結果論というものか。人を信用させる高等テクニックとしか言いようがない。

億単位の金が入る、と天野氏から進言されたT氏だったが「億」どころか家屋まで奪われかねない事態が起きた。

「バイパス工事が始まったといっても祖父の元には一円も入ってきません。どういうことか天野氏に確認すると“ 節税上、私の会社の名義にした”とか“困っているから少し貸してほしい ”ということでした。土地の登記簿を見ると全く聞いたことがない会社や天野氏の部下の名義になっていました。関係者で覚えているのは古谷誠氏(自由同和会神奈川県本部副部長)、飯高美奈子(同本部女性部長)という人物です」

不可解なことが次々に起きる。

「祖父の親戚も土地を所有していたのですが、自宅の名義が入れ替わったこともありました。それからある時、小田原市の収税担当者や税務署が“ おたくの自宅が熱海市の名義になっているが何かあったのか?”と調査に来たのです。もちろんそんな話は寝耳に水。事情がまるで分かりません。天野氏に確認すると“少し待ってほしい ”というのですがこのままでは自宅まで盗られてしまいます」

さすがに温厚なT氏も不安になり土地の返還を求めた。すると妙なことに天野氏は素直に応じたという。

「確かに一旦は祖父の名義に変わりました。ところがこれも手口なんですけど、一度安心させて“ ちょっと困っているからもう一度助けてください”といって再び名義変更するのです。登記簿に掲載されていた会社は株式会社ランディ、ジィーズ株式会社、ロジック合同会社、それから新幹線ビルディングでしたね。天野氏の関係企業から金融業者、自治体に変わるなどその繰り返しです」

T氏所有の土地。なぜかいきなりランディの名義に。

T氏は熱海市の造成地にも連れていかれたという。

「“今、熱海市伊豆山地区という見晴らしの良い場所に住宅地を造成していて良い顧客もついているから ”と祖父を熱海市の造成地を見学させました。あれが土石流の発生源と思うとゾッとします。やることが滅茶苦茶なのに祖父はとにかくケンカしない、なすがままという感じでした。それで弁護士にも相談したんです。なかなか引き受け手がいなくてある弁護士に喫茶店で会って“同和団体を名乗る不動産業者に困っている ”こう切り出すと“人前で同和なんて口に出さないでくれ ”と言われました」

普段は人権、死刑廃止、脱原発と勇ましい弁護士先生も「同和」の二文字でこの有様だ。木田さんもさすがに怒りを覚え「もう祖父や父に任せておけない」と思い始めたそうだ。

「コミービル(小田原市本町、自由同和会神奈川県本部元事務所)で祖父、父、私と天野氏で話し合いをすることになりました。とにかく怪し気な建物という印象でしたよ。一見温厚そうな天野氏だけど、実はこの時に彼の本性を見ました」

コミービル。不気味な雰囲気だ。

木田さんの証言からは天野氏の素顔、本性が垣間見えた。

「“祖父と父だけは部屋に入ってくれと。お前(木田さん)はダメだ、別室で待っていろ ”と天野氏が怒気を込めて私にいいました。なぜ家族が同席できないのか? 私が反論しますと“ 関係ないだろ。出ていけ”と私のカバンを取り上げ放り投げました。祖父も父もとにかく沈黙するだけ。“ ここは天野さんのいうことを聞いてくれ”といっていました。なぜここまでされて黙っているのか納得できません。だからスマホのICレコーダーで話し合いを録音しようとしたところ“ 何をやっているんだ。録音するな”と激怒されました」

温厚な紳士、落ち着いた人物、天野氏をめぐって地元住民の中にはこう印象を語る人もいたが、コミービルの一件はまるで異なる。あるいはこの天野氏が素顔、本性かもしれない。単なる不動産業者ではなく「地面師」と評するだけの迫力がある。

結局、西湘バイパス用地は奪われたが自宅は取り戻した木田さん一家。

「いい弁護士さんを見つけて相談すると“ そんなのはエセ(同和)だから何も恐れることはありません”ということで自宅は守れました」

90年代に開催した人権講演会。こういったイベントも「社会活動によって信頼性を高める目的で開催していた」(天野氏周辺)との証言も。資産家たちの安心材料になったのか。

元関係者もT氏の一件はもちろん知っていた。

「つまり返済を迫られると他人の土地を会社名義にして担保にして返済を免れる。この繰り返しです。ありえない回数の登記変更を続けるのに問題視されることはありません」

とにかく善良で大人しい資産家を狙ってきた天野氏。悪質だが刑事事件に発展したことはない。

「やはり白紙委任状というのが致命的ですよ。ただ軽率だとも言い切れません。なぜなら巧妙に“そう仕向ける”(白紙委任状を書かせる)から」(同前)

結局は、行政側が天野氏を野放しにした結果、泣きをみる人々が増えたわけか。

「どこかは言えませんが、こっそりこちらに情報をくれた自治体や税務署もあったんですよ。さすがに悪質すぎるからということで。神奈川や静岡ではいわくつきの人物で通っていたから協力してくれたのでしょう」(木田さん)。

こんな協力をするぐらいならばなぜ関係機関はより厳格に天野氏に対処してこなかったのか。「同和」といえば思考停止になる。この風潮さえなければT氏も損害を被ることはなかっただろうし、あの土石流も防げたかもしれない。天野氏はもちろん関係機関の責任はあまりに大きい。

【特別手記】 土地強奪被害者が 激白 “地面師”天野二三男 「同和の力で なんでもできる」」への1件のフィードバック

  1. うましかの一つ覚え

    法務局が裏紙に使ってくださいと言わんばかりの紙を送ってくるのも思考停止の結果なんでしょうなぁ・・・
    法律やそれを運用する行政は人を救わないとつくづく思いました

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