三重県津市相生町 補助金詐欺の手口が判明

カテゴリー: 津市相生町自治会長事件 | タグ: , , | 投稿日: | 投稿者:
By 示現舎取材班

本サイトでは、津市相生町に多数設置されたゴミ箱の設置費用に対する、津市の補助金が不正支出された疑惑を報じた。示現舎が情報公開請求により入手した資料により補助金詐欺の具体的な手口が明らかとなった。

実際に設置したゴミ箱よりもはるかに高価な別の製品を購入するとした見積書を作成し、実際にかかった費用を偽るというものである。

ひと目見て不審な内容の申請

まず、相生町における「津市ごみ一時集積所設置等事業」の平成29年度の収支予算書をご覧いただきたい。

これによれば、2ヶ所のごみ集積所が設置され、それぞれの設置費用は48万9240円、うち15万円が市の補助金で合計30万円が支出されている。市の要綱によれば、かかった費用の3分の1ただし上限15万円までが補助対象なので、これだけ見れば市の要綱通りだ。

書類に添付された、設置費用の金額の根拠とされる見積書。ここにはゴミストッカーの型番が書かれている。その型番で検索すると、売られているサイトを容易に見つけることができた。

楽天より

通販サイトの楽天では見積書とほぼ同額で販売されている。しかし、ここで不審な点がある。この製品は高さが2メートルもある大きなものだ。しかし、実際に相生町に訪れたところでは、このようなものを目にしたことはない。

請求書にはカタログのコピーと思われるものが添付されているが、明らかに型番の製品とは違う。しかし、実際に相生町で目にしたゴミ箱はこのようなものだった。この製品と同じものが売られていないかネットで調べてみた。

モノタロウより

既に取り扱い終了となっているが、モノタロウで外観だけでなく容量や寸法が完全に一致する製品を見つけた。しかし、参考基準価格は13万7000円となっており、定価で買ったとしても補助金の金額のほうが上回ってしまう。

一番最近の補助金の交付は今年の5月28日で、ゴミ箱が5つ購入されている。

見積書には型番が微妙に違うが、平成29年と同じ価格の製品が記載されている。なお、この型番でインターネット検索しても該当する製品が見つからないため、架空の型番の可能性がある。

そして、今年の見積書に添付されているカタログのコピーがこれである。以前のものと似ているが、サイズが微妙に違っている。これも該当する製品が販売されていないか調べた。

見積書を作成した「ユナイテッドファーミング株式会社」に事情を聞こうと、見積書に書かれた電話番号に電話してみたが「この電話番号は現在使われておりません」と音声が流れるのみだった。

モノタロウより

該当する製品はサイトによって違いはあるが、インターネット通販で概ね10万円前後で売られている。いずれにしても、見積書の金額には到底届かないどころか、明らかに市の補助金も下回っている。ゴミ箱1台あたり最低でも数万円が余計に市から相生町自治会に支払われたことになる。

平成29年の起案用紙を見ると、財政課長まで決裁が上げられており、多数の承認印が押されている。誰も気づかなかったのだろうか?

確かに見積書の型番と実際の製品との食い違いはインターネットで検索等しなければ分からないが、添付されたカタログと設置した様子を撮影した写真にあるのは小さなゴミ箱。これが50万円近くもするというのは、明らかに不自然だ。ごみ集積所の補助金は相生町だけではなく他の自治会にも支出されていることから、日々それらの決裁業務を行っていた職員がゴミ箱の値段の相場を知らないとも考えにくい。

市職員は気付いていたのでは?

取材協力者によれば津市役所では9日も幹部会議が開かれ自治会長問題について討議したという。「予定ではこの日に調査報告が出ると聞いていたけど結局、先送りになったみたいです」(同)。市側が四苦八苦する姿が目に浮かぶが、取り急ぎ今回のゴミ箱問題について担当部署の環境事業課担当者に聞いた。

「カタログには載っていませんが、業者さんから自治会に設置費込みでの額として理解しています」

との説明だ。しかし見積書には設置費用などは明記されていない。ちなみに、書類からは分からないが、実際はゴミ箱の設置作業には毎回市の職員が駆り出された。これは複数の証言がある。だから設置費用などかかろうはずがない。

100歩譲って設置費込みとしても現場写真のゴミ箱と明らかに異なる。本当にこの見積書が正しいと考えているのか、責任者から説明してほしいという旨を告げた。すると同課課長から改めて連絡がきた。市は本当にこの見積書が正しいと思って役職者らが承認したのか問うてみた。

「当時(見積りの承認時)はモノの確認できなかったのは事実であると認めざるをえないですが‥。そういう(見積額が正しいという)申請をしたものであるという認識で印鑑を押させてもらっています」

返還を求める方針については?

「そのあたりについては市役所として確認中ですので、はい」

ユナイテッドファーミング株式会社(津市大倉11番14号)という会社についても疑わしい点がある。というのはそれから情報提供者でもあり津市内の企業に詳しい自営業者にユナイテッドファーミング株式会社について聞いてみたところ「大倉のユナイテッドファーミング? なんかの間違いやないか。そんな会社聞いたことないよ。そこの住所は病院か薬局やったはずだけど…」と当惑していた。

おかしなことにこの住所をグーグルマップで検索すると「三重調剤薬局」という店舗が出てきた。両脇に広い駐車場があるだけだ。しかも同薬局の住所も大倉11番14号。また同住所には「保険センターウィズ」という会社も入居している。同薬局に確認したところ、すでに保険センターウィズは退去したそうだが、ユナイテッドファーミング株式会社という会社は全く心当たりがないという。

問題は所在地に留まらない。見積書にある同社社印を見てもらいたい(下記に拡大)。「日本環境~」までは判読できたが少なくともユナイテッドファーミング印ではないことは明らかだ。これを見抜けなかったとしたら市職員の目は節穴。分かっていながら看過したら補助金の不正請求に加担したことになる。

どう見ても別の会社の社印ではないか。

不正請求の上、納品した企業もまるで不正隠しのダミーとしか思えないが?

「その点につきましても申請当時、確認できなかったのは認めざるをえません」

市の誤りであってということでよろしいのか?

「その点についても確認中ということです」

誤り自体を確認するというのも妙な話だ。ではその確認作業についてはいつ終わるのかも聞いてみた。

「至急進めているところございます。またできる段階になったらお話させて頂きます」

確認中という言葉もお役所らしいが、しかしこの補助金額と見積書は問題があるという言質を得た。それにしても資料を見れば一目瞭然なのに「確認中」というのは無理がないか。

示現舎では他の年度の補助金額の資料も独自に入手した。それによれば、各年度の内訳は次の通りである。

平成25年度150万円、平成26年度105万円、平成28年度45万円、平成29年度135万円、令和元年度75万円、令和2年度75万円

分かっているだけで39個のゴミ箱が買われ、585万円の補助金が支出されたことになる。

これだけでは異常さは伝わらないと思うので、平成25年度の他の自治会も含めた補助金の支出実績の一部をお見せしよう。右端の列が補助金額で、右から2番目の列がごみ集積所の設置にかかった総額である。

どうだろうか? その数のみならず、総額が一定で常に満額の補助金が支出されているのは相生町だけである。この状況を市側が気づかなかったということがあり得るだろうか。

ある市議は語る。

「ゴミ箱にしても環境パトロールにしても事実上、田邊氏個人との契約になっています。こんなことはありえない話。私の元にも警察はなぜ動かないんだという声が届いています。これは別件だけど、10月29日に収税課の職員が納付された固定資産税40万円を着服して逮捕されています。40万円着服で逮捕されて田邊氏が野放しというのは市民にも示しがつきません。ひょっとしたら逮捕された職員がいろいろしゃべるかもしれんけども…」

また市関係者は内情を明かす。

「9日の幹部会議では市長も(自治会長問題で)法令違反があったとして、顧問弁護士に相談して対応するようにと指示しました」

これまで無理に無理を重ねてきた津市がようやく動き出すということか。

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三重県津市相生町 補助金詐欺の手口が判明」への8件のフィードバック

    1. 鳥取ループ

      解読ありがとうございます。恥ずかしながら篆書が読めませんでした。
      日本環境機材株式会社を調べてみましたが、東京の会社で、なぜこの印が使われたのか不可解です。

      返信
  1. ねじゅこしゃん

    津市会計規則第28条(インターネットで「津市条規類集」と調べるとツールにより検索可能)によれば、津市の歳出では、印鑑の整合性を重視する傾向があるようです。
    では、見積書の印鑑は整合性が無くても認められるのでしょうか?決して違いますよね。

    返信
    1. 鳥取ループ

      これですね。一応、請求書と領収書の印は同一でした。社名とは違いますけどね。

      (請求及び領収印)
      第28条 債権者が請求及びその請求に係る金額の領収をしようとするときに使用する印鑑は、次に定めるところによらなければならない。ただし、紛失その他やむを得ない理由があると市長が認めるときは、この限りではない。
      (1) 請求書に用いる請求印は、契約書等がある場合にあっては、当該契約書等に用いた印鑑と同一のものでなければならない。
      (2) 領収に用いる印鑑は、請求書に用いた印鑑と同一のものでなければならない。
      2 前項ただし書の規定に該当する場合は、使用する印鑑が債権者の印鑑であることを証明する書類を提出させ、支払をしなければならない。

      返信
  2. ねじゅこしゃん

    ありがとうございます。それですね。
    このようにきめ細かい、債権者本人による印鑑について歌っているのに、社名と違う印鑑の見積書が決裁されてしまうわけですよね。嘆かわしい限りです。

    返信
    1. 鳥取ループ

      ありがとうございます。検索すると東京の会社なので?がいっぱいです。

      返信

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