同和減免、人権資料館…「芦対協」が和歌山市に仰天要求!

三品純 By 三品純

和歌山市の同和事業下で結成された「芦原地区特別対策協議会(金井克諭暉会長、略称=芦対協)」と同市の歪んだ関係は昨年から本誌、また一般メディアでも報じられてきた。それでは一体、 芦対協は和歌山市に対して何を要求してきたのか興味深いところ。そこで市に対して公文書開示請求をしたところいわば“同特法全盛期 ”のような要求が芦対協から出されていた。

金井の後列左が中山氏。

本題の前に金井氏周辺の関係者に伝えておきたいことがある。昨年、自民党・二階俊博幹事長、門博文衆院議員、金井会長らの集合写真が報じられたのは多くの人が知るところだろう。また本誌は同席していた人物として良誠工業(和歌山市松江北)の中山勝裕社長(金井氏後ろ)を報じた。地元では金井と懇意にしている人物だ。

昨年、年の瀬の12月30日のことだ。

「中山さんが市内で忘年会を開くそうだから話をしてみては?」

こんな情報が入った。なんでも同氏の友人、親しい業者を和歌山市西高松の飲食店に集めるという。連絡を取ってみると「かっちゃん、電話やで」とつないでくれた。

「誰?」

中山氏は怪訝な様子だ。ぜひ取材したい旨を告げる。「あの記事でとても迷惑してるんや」「なぜこの場所を知ったの?」

金井の還暦を祝う会では藤本眞利子県議も同席していたが、その関係などを問うと「藤本県議? ただのあの場にいただけ」という説明だ。「もうええか。迷惑や」

金井氏の還暦を祝う会。中山社長の隣には藤本眞利子県議会議員。右は歌手の山川豊さん。なお藤本県議の夫は解放同盟和歌山県連・藤本哲史委員長。

こんな連絡を取ることは中山氏も不審に思ったに違いない。弊社の報道や力などは微々たるものである。しかし地元には決して「金井も和歌山市も許さない」そして人権を悪用する者たちに決して屈服しないという人たちが少なからずいる。そういう人たちが金井一派に必ず目を向けている、そういうメッセージとして受け取ってもらえれば幸いだ。

なんのための人権資料館?

今回、和歌山市に対して請求したのは2018、2019年分の芦対協との行政交渉記録だ。市側はあくまで「行政交渉」ではないと説明するが定義はともかく一般常識で見れば「行政交渉」としか思えない。芦対協からの要求に対して市民環境局、市民部、人権同和施策課、教育委員会、生涯学習部、生涯学習課、建築住宅部、消防局、こども未来部、企画部、道路河川部、下水部、それぞれの部課が回答する形式だ。すでに報道でもあった通り、金井の妻が経営するスナックのパーティー券を人権同和施策課課長がとりまとめ各課に割り振り販売していた。一体、何の仕事をしているのか首を傾げる他ないが、ともかく芦対協との窓口といった部署だ。

概要はこんなところだが、特に関心を呼びそうな項目を紹介しよう。要求は多岐にわたるが特に目を引いたのは「人権資料館の建設」だ。これは2018、2019年いずれも要求が出ている。

芦原小学校HPの「人権教育全体計画」より。人権資料室が設置されているのもよく分かる。

2018年6月7日、「人権資料館の建設について」(芦対協)に対して市側の回答はこうだ。

人権資料館の建設につきましては、現在、芦原小学校の人権資料室にある老朽化した資料の整備・充実を図っています。平成29年度は、写真を整理しCD等に編集するとともに、老朽化したパネルの修繕や新しい展示パネルの作成を行いました。今後、人権資料館の最適な場所等を地元の皆様方のご意見をお聞きし、関係部局と連携を図り、取り組んでまいります。

続いて同年11月8日は

人権資料館の建設につきましては、現在、芦原小学校の人権資料室にある老朽化した資料の整備・充実を図っています。 地元の皆様方からのご意見をいただき、今年度は「部落差別解消推進法」のパネル新設、また年表に工夫を凝らし、見やすくなるなど、人権資料室の充実を図っています。人権資料館の最適な場所等につきましては、 地元の皆様方のご意見をお聞きしながら、関係部局と連携を図り、取り組んでまいります。

また2019年6月6日も同様の要求があったが

人権資料館の建設につきましては、現在、芦原小学校の人権資料室にある老朽化した資料について、整備を行っています。昨年度は、地元の皆様方からのご意見をいただき、年表を整備し、また、レイアウトに変更を加え、より関心を持って見ていただけるよう、展示方法に工夫を凝らしました。今後、人権資料館の最適な場所等を、地元の皆様方のご意見をお聞きし、関係部局と連携を図り、取り組んでまいります。

との回答だ。つまり小学校内にある資料室ではなくて新たに人権資料館をとして建設してほしいとの要望だ。いわゆる「ハコモノ事業 」。特に人権絡みのハコモノになるとなにしろ展示物が乏しいので異様なほど大きなエントランス、そして「吹き抜け」を活かした見事な空間美が演出される。もし芦原地区に新たに人権資料館が建設された場合もおそらく同様の空疎な施設になるだろう。

市の説明に「同和減免」はなかったが?

さてこれは芦原地区問題を取材していると、よく名前が出る和歌山市の部課として人権同和施策課とともに建築住宅部住宅第2課の名前が挙がったものだ。これは単純に市営住宅の担当課という理由だろう。そんな 住宅第2課に対して芦対協からは 2018年6月と11月に「住宅の家賃及び入居基準について」という要望があった。市はいずれも同様の回答をしているが、中身の「特例減免」に注目してほしい。

先ず、家賃についてですが、平成30年度も引き続き特例減免を行っています。平成31年度以降については、住民の方々の日々の生活に直結する問題でもありますので、必要な施策を進めてまいります。次に、入居基準に関しましては、市独自の基準ではなく、法律で定められているため、収入や世帯状況による控除等によって制限されています。しかし、芦原地区では、少子高齢化が進展し、コミュニティバランス等の問題が生じています。この問題解消を図るため、平成28年度4月より市独自施策として子育て世帯への入居基準の拡充を実施いたしました。また、空室の一部について、新婚・子育て世帯や若年世帯を対象に中堅所得者向け住宅として活用できるよう、今後も少子化対策の施策について検討してまいります。

これまで市長会見などでも芦対協との関係ついて説明があったが、家賃減免についての言及はなかった。 住宅第2課に確認してみると同課課長の説明によれば「誰でもというわけではなく所得に応じて家賃を決めている。要綱が存在し、それに基づいて減免をしている」ということだ。また同和減免という点についても否定はしなかった。要綱については今後、また公文書開示請求をかけるのでさらに検証が必要だ。

少子化なのに子ども会交付金増額の怪

現在、日本全体が少子化にあるのはご存じの通り。芦原地区も少子化が進んでいる。このため2019年6月6日の交渉では「芦原地区のまちづくりについて」「少子化対策について」という要望があった。まずこれに対する市側の回答を見てみる。

令和元年5月1日現在の国勢調査基準人口によりますと、芦原地区の人口は1,985人で、この一年での減少率は市全体の率よりも高く、他の地区と比べても人口減少が進んでおり、人口減少・少子高齢化対策、地域コミュニティの活性化などに主眼を置いたまちづくりを進めていく必要があると考えています。市営住宅に関しては、子育て世代の転出抑制と転入促進を図るための施策として、引き続き、子育て世帯の新規入居者等に対する収入基準の拡大等を実施しています。また、建替え等により生じた未利用地については、売却すべく「芦原文化会館だより」で募集しています。

教育と保育の面については、より質の高い幼児教育・保育の提供としての、幼稚園と保育所の統合による幼保連携型認定こども園の整備においては、現在、工事を進めており令和2年4月の開園をめざしております。今後も学力向上面などできめ細かな指導を進めるなど学校教育の充実に取り組んでいく必要があると考えています。

地域コミュニティの活性化については、地区内の公共施設を極力、同一施設内に集約していくことで、活動拠点としての利便性の向上を図っていく必要があると考えています。今後も芦原地区の住民の方々や安全・安心な生活が送れるよう、「まちづくり」や「少子化対策」などについて、地元の皆様のご意見を賜りながら、関係部署と連携して進めていきます。

芦原も深刻な少子化状態にあるのは説明通りだ。その一方で同日の要求では「子ども会運営交付金の増額について」という項目がある。対して市は

子ども会運営交付金は、学習面や生活面の課題など解決していかねばならない教育的課題が数多く存在している状況の中、子どもたちが主体的に行動していく力の育成を図るために、各種活動にかかる経費を交付するものであり、その意義は大きいものと考えています。交付金の増額につきましては、今後も、子ども会活動の必要性を強く訴えながら、現状の交付金を維持、確保するとともに、増額要望も行ってまいります。

子供が少ないという一方で交付金だけは増額せよというわけだ。実はこの制度、県と市がそれぞれ25万円ずつ負担し、子ども会一単位50万円を交付するもの。これも同和事業の一つで、和歌山県・和歌山市議会の両議会で取り上げられてきたが、全く検証もない。むしろ市側の態度はむしろ継続に対して意欲的ですらある。

それに自治会連合会問題が発覚してから市側の説明にはない事業や要求だ。一方、和歌山市は昨年12月27日、「和歌山市芦原地区工事等に関する職員及び業者に対する調査結果」を発表し、本件については幕引きを図ろうという方針が透けて見える。しかし「掘り起こせばさらに出てくる和歌山市」という標語を与えたいほど同市政の闇は深い。

少子化なのに莫大な補助金。雑賀光夫県議の資料より。
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三品純

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

同和減免、人権資料館…「芦対協」が和歌山市に仰天要求!」への3件のフィードバック

  1. アバター和歌山市民

    本当の意味での情報開示が大きな意味をもっている まず現状を知ること
    今後とも事実を明らかにしてください。

    和歌山市職員も積極的に情報提供してください。

    返信
  2. アバター卑怯者に罰を

    今年に入って、大阪地検特捜部が和歌山市役所に挨拶に来たという話があるそうです。
    自治会長逮捕の件か、ツタヤ図書館絡みでの話だろうという噂でもちきりです。
    和歌山市、今年も色々な歪みが明らかになりそうですね。

    news.wa-net.net/?p=10550&unapproved=3163&moderation-hash=32695d70d996b502e2595a57d3c035c3#comment-3163

    返信

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