【大東市】市営住宅をめぐる全日本同和会との密約、贈収賄疑惑も

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By 宮部 龍彦

3年前、大阪府大東市の市立深野園住宅の敷地の一部が部落解放同盟全国連合会(全国連)支部長によって勝手に有料の駐車場にされていたこと、さらに同住宅の一部が全日本同和会の関係者によって改修されて本来の公営住宅の目的外の使用にあたる、メダカ屋が開業されていたことを報じた。

そして、今年になってから市営住宅を巡って「贈収賄疑惑」が浮上している。

なぜ大東市では市営住宅で同和団体に関係する不正が起こるのか。その背景となる、全日本同和会と大東市の間で交わされた「密約」と言える文書を独自入手した。

問題の文書は「平成10年2月26日大東建第701号 大東市営住宅の家賃改正に伴う合意について(伺い)」というものである。大東市はこの文書の存在自体は認めているものの、情報公開請求に対しては肝心の合意の内容は非公開にした。非公開理由は、公開すると事務事業の円滑な実施に著しい支障があるからだとしている。

今回、筆者が入手したのは非公開となった「1 合意事項」の後の部分だ。その内容は次の通りで、13項目にわたる。

① 住宅入居の申請時における申請者の所得制限は行わないこと。
② 住宅入居後における、収入超過および高額所得階層に該当する者に対する明渡し手続き並びに明渡し請求は行わないこと。
③ 徴収家賃の設定は、別表1のとおりとし徴収の実施は平成11年度よりとすること。なお、別表に記載する平成12年度からの徴収金額については決定金額としないこと。
④ 前項を適用する者とは、徴収実施に伴う申請手続き(様式は別に協議する。)を経て対象とされた者に限定すること。
⑤ 前項の適用外の者については、別表2を適用すること。
⑥ 家賃算定基礎額については建設大臣より毎年通知があり、また経過年数係数についても変わるため、全日本同和会大阪府連合会大東支部と毎年協議を行い、整えた後に実施すること。
⑦ 徴収家賃については、良好な住環境の維持を目的として、住宅整備予算に全額充当すること。
⑧ 住宅修繕費負担区分については、低所得者に対する負担の軽減方針で、現内容を検討し、家賃改正の適用時までに同支部と協議を行い、整え実施すること。
⑨ 住宅改修計画については、早々に同支部と協議を行い、年次的に改修すること。
⑩ 松野園住宅A・B・C棟の建替えについては、早急に委員会を発足し、平成13年度に工事着工とすること。
⑪ 深野園住宅については、適切なる住宅として提供できるように、具体的な内容を提示し十分な調整を図ること。
⑫ 家賃改正に伴う調査については、個人のプライバシーを厳守すること。
⑬ ねたみ意識等を生じさせないため、市民に対し、同和問題の啓発を十分に行うこと。

特に重要なのは①、②だ。通常、公営住宅には所得制限があり、所得が要件を超えれば退去させられることがある。しかし、合意の通りであれば、少なくとも合意の対象とされた全日本同和会関係者には所得制限が適用されないということになる。さらに③から⑧を見る限り、家賃や修繕費負担についても特別な扱いがされていたように読める。

全日本同和会との合意内容については秘密扱いということもあって大東市の説明は期待できないのだが、表向きは現在では有効ではないということになっているようである。

例えば、昨年の3月、市議会で光城敏雄議員から公営住宅で「特別な枠」がないか質問がされたが、担当者は「特別な枠」の存在を否定し「家賃につきましては、その方の収入に応じて、それと部屋の広さとか、建物の古さ、設備の状態、それに基づいて計算されますことから、人によって特別に分けていると、そのようなことはございません」と答えている。

しかし、市が開示した、市営住宅に入居している高額所得者一覧を見ると、実際に高額所得者認定・収入超過認定が長期に及ぶ例がある、中には19年というものもあり、しかも密約で触れられている深野園住宅や松野園住宅に集中している。

そもそもの問題として、既に効力のない合意であるなら、なぜ約30年も廃棄されずに保有されたままになっているのか、しかも事務事業に支障があるとして非公開になるのかという点だ。効力のないものなら公開しても今の事務事業に支障はないはずだ。情報公開請求に対する市の対応は、密約が有効であると認めているようなものではないか。

空家修繕をめぐる贈収賄疑惑が

この問題を調査しているうち、今年になってから市役所内で市営住宅の空家修繕をめぐって、住宅管理課の職員2名と複数の業者との間で、不適切な金銭のやり取りがあったのではないかとの疑惑が庁内で広がっていることが分かった。

人事課に匿名の告発があったのが発端で、2人の職員は疑惑を確認する聴取がされて以降出勤していないと取り沙汰されている。具体的にその職員が誰であるか、そして業者名についても複数の市議会議員の間で知れ渡っていた。筆者が人事課に取材したところ「一切答えられない」とするだけで、疑惑自体を明確には否定しなかった。

名前があがった業者のうち1社に確認したところ、「1年前から大東市の仕事はしていない」ということであった。しかし、大東市が開示した昨年後半の市営住宅の空き家整備工事の費用支出の一覧にはしっかりとその業者の名前が載っていた。

名前の挙がった別の業者にも連絡を試みたが、電話が解約済みか、電話に誰も出てこないといった状況である。

市営住宅の空き家整備工事全般にも不自然な点は多い。上記の表を見たところでも、空き家整備にしては1戸あたりの金額が高額であり、小分けにしつつ少数の業者への発注が繰り返されており、高額所得者の問題と同様にこれも同和住宅に集中しているように見える。市営住宅の募集は通常はまとめて行われるものなのに、なぜ競争入札にして集中して発注しないのかという点も疑問がある。

本件は今後も調査を続ける予定である。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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