「間違いないです」。6月16日、津地裁で開かれた公判で4件(ごみ箱設置、掲示板設置、集会所修繕、防犯灯設置いずれも補助金詐欺)の起訴内容を認めた田邊哲司被告。しかし本来、この4件は一連の問題の“本丸 ”ではなく関係者、市民から余罪の追及を望む声が強い。しかし裁判での「6月9日付けの追起訴(防犯灯)で完了です」との検察官の説明には愕然とした。津市政を震撼させた同事件だがわずか4件で幕引きになりそうだ。これ以上、事件に深入りすると市幹部にも及ぶ上、もちろん「同和の壁」もある。そして同日深夜に「田邊が保釈された」との情報が入った。(追記 保釈金は500万円)。対して地元からは「執行猶予がつくのでは?」「報復される」といった不安の声が漏れる。(写真は保釈後の自宅周辺)。
補助金1000万円返還の効果があった!?
上下紺色のスウェット姿。後頭部の肉付きはいいが、肩から背中まで力がなく弱々しい。裁判でもなければ“休日のお父さん ”の姿だ。田邊被告の肉声については市内の業者とのやり取りを公開したが裁判での声はかつての業者や市職員に対するものと異なりか細い。ただ弁護人とたびたび会話し、初公判の時よりは余裕が見られた。
おそらく6月11日に①ごみ一時集積所設置等事業補助金②自治会掲示板設置補助金③集会所建築等補助金④防犯灯設置補助金の総額1060万3346円(遅延損害金を含む)を返還したことの影響だろう。
それにしても短期間のうちに1千万円超の弁済ができたのに驚き。この原資について市関係者は証言する。
「イオ信用組合(津市桜橋)に預金があるんですよ。縁者と分割で預金しているようで全資産を把握するのはまず無理でしょう。その関係からイオ信の職員がJAZZ(田邊被告が親密女性らと経営するスナック)に来ていました」
イオ信用組合(本部・愛知県)とは東海地方を中心に営業する在日朝鮮人系(朝鮮銀行系)の信用組合だ。愛知、岐阜、三重、石川、福井、静岡の6県に店舗がある。東海地方の朝鮮銀行の吸収する形でイオ信用組合に改称した。もちろん日本人でも預金できるが、まず一般人は無縁だろう。それにしてもまさかの“同和と在日 ”案件だったわけである。カネの出所はともかく弁済した以上、「執行猶予付き」と囁かれるのもよく分かる。
同種案件で比較してみよう。当サイトも長らく報じた和歌山市芦原地区連合自治会長事件は業者から協力金と称する約80万円の詐取と自治会運営費約20万円を飲食代金に使った横領で金井元自治会長に1年10か月の実刑判決。本件も同様に「(余罪は)これだけではない」との声が漏れた。言うまでもなく和歌山市幹部、市職員に類が及ぶことへの“忖度 ”だろう。金井氏の場合、実刑判決が下ったのは最後まで詐欺を認めず無罪を訴えたこと、また弁済がないことが大きい。
それに対して田邊被告は初公判から反論がなく起訴事実を認め、弁済も終えた。
和歌山市の金井元自治会長の場合、津市ほど大規模で巧妙な補助金詐欺を行ったわけでもないし、あるいは市職員への土下座、丸刈り、私的な用事など聞いたことがない。双方の自治会長問題を比較すると“ どっちもどっち”の感は否めないが事実関係としては田邊被告の方が遥かに陰湿で過酷だ。
このため起訴4件では手ぬるいと感じるのも無理はないだろう。司法が事件の核心部分に踏み込めないのは役所と同和の壁なのは明白だ。また津市議会でも追及に対して市側はなんとしても幕引きを図りたい姿勢がありありと伺える。
田邊被告の保釈後、もし市職員と接触があった場合、内部統制室に報告するというメールが市庁内に送付されたという。まさか保釈中に行動を起こすとは思えないがこの事件、何が起きるか正直分からない。
自治会資料から見えた田邊被告が自治会長になった理由
残念ながら市役所の調査はもちろん司法にも期待できない。何らかの糸口はないものかと警察から返還された相生町の関連資料を閲覧する機会を得た。特に目ぼしいものはないがただ一つ、旧相生町自治会の異様さを物語る一枚の資料を見つけた。
文書は「誓約書」と記載されている。津市民、角田正輝(故人)がなぜか相生町自治会から330万円を借りていたが、その借用書というわけである。貸主の欄に「相生町自治会」と「自治会長」、そして田辺哲司の名がある。田邊被告が自治会長に就任する以前のことだ。地域住民はこう話す。
「角田氏が返済に応じないため、田邊(被告)が“ オレが取り立てるで回収できたら自治会長にしてくれ”と前自治会長と約束したのです」
そしてこの回収がまるで“茶番 ”なのだ。
「月5千円の返済計画なんですが、田邊は数回、自腹で5千円を振り込んで“ 回収している体”にしていたのです。そのうちに角田氏が亡くなったので借金はチャラ。これが(田邊被告が)自治会長になったいきさつです」
330万円が回収不能という事態は民間企業であれば大事だ。角田氏も土建業を行っており、同業者からは口うるさい人物で通っていた。同氏も町の“厄介者 ”で通っていたが、それよりさらに声の大きな田邊被告が借用書を書かせたというわけだ。
「その後、親族も大変なようだ。5月に娘婿さんが市内に停泊していたプレジャーボートから釣り竿を盗んで逮捕された。盗品は転売していたらしい」(角田氏知人)
自治会から330万円もの借金をして、回収役を買って出た人物が自治会長になり一連の事件を起こした。そして借り主の親族が窃盗で逮捕という顛末―――。
自治会長取材で何を見聞してもさほど驚くことはなくなったが、この借用書によって改めて事件の背景にある問題の根深さを実感したのであった。
警察には、相生町内の公共工事を協力費の名目で、金銭を強要した容疑でも捜査してもらいたいですね。
市長さんよ、これで幕引きか?
選挙が来たらあんたの政治も幕引きになるんだから、黒いやつはみな道連れにしないとあんたが後悔するぜ
検察と市幹部との協議の結果これ以上踏み込まないと決定したのでしょう。
だが、市長や幹部職員は身の保身のために膿を完全に出しきらずに田邊の悪行を闇に葬ったらまた同じことが起きる気がします。市長以下「自分が定年までやり過ごせば良い」と言いう考え方が有る限り津市は良くならないでしょう。