【和歌山県】二階俊博が 次期知事選、岸本周平擁立の “噂の真相 ”

カテゴリー: 地方, 政治 | タグ: | 投稿日: | 投稿者:
By 三品純

衆院選小選挙区の10増10減によって政界のドン、二階俊博元幹事長のお膝元、和歌山県が慌ただしい。中村愼司前市長の死去に伴う2月27日の紀の川市長選は、岸本健現市長(前県議、自公国民推薦)が当選したが、水面下で権謀術数があったのをご存知か。和歌山は定数3から2になるが、その代理戦争というのが先の紀の川市長選。自民、国民、仁坂吉伸和歌山県知事を巻き込み関係は複雑だ。もちろんその中心には「二階俊博」が鎮座する。

岸本市長の民主党時代は黒歴史

紀の川市・岸本健市長。この名前、政治通ならば旧民主党衆議員議員を連想した人もいることだろう。話はかなり遡る。

岸本市長は『週刊新潮』(04年10月21日号)で旧民主党参院選候補だった川条志嘉元衆議院議員(後に自民党)に対するパワハラ、セクハラ発言が告発された。当時を知る政治記者によれば

「岸本氏とその秘書が川条氏に不適切発言したという記事でしたね。この秘書というのが横峯さくらパパこと横峯良郎氏の秘書や新党きづなの党幹部だった人物。両人ともヤンチャのまま大人になった感じです」

とやんわり語るが要は筋がよろしくない、という意味だ。岸本市長は高校時代から地元で悪評が取沙汰されてきた。

岸本市長の父、故・光造元衆議院議員は橋本龍太郎内閣で農水政務官を務めた人物。「人格者として知られたが、二階さんとは距離があった」(元県議)という。父の死後、健氏は石田真敏現衆議院議員(元海南市長)との公認争いに敗れ旧自由党、旧民主党を渡り歩いた経緯がある。自民党入党を希望したが長らく県連の反対にあって公認を得られたのは2011年の県議選だった。

面白いことに岸本市長の選挙リーフレットの類には履歴に「民主党」の文字が見当たらない。「黒歴史」というものだろう。

県議になった当時、岸本市長は将来的に地元のトップ(首長)を目指したという。

念願がかなって自民、公明、国民民主党推薦の岸本健現市長が誕生するのである。「岸本陣営には自民党員、公明党関係者に混じって部落解放同盟員の姿もありました」(地元住民)

「衆議員議員」とポツリ。民主党は?

当初、対立候補の森田幾久氏(元紀の川市議)に苦戦が予想されたという。岸本支持者は「森田陣営には隣接する自治体首長らから為書きが寄せられ接戦を覚悟したが…」と振り返るが、結果はダブルスコア。やはり自公国民の支援は大きく、また「仁坂知事が岸本支持を表明したのも大きい」(森田陣営)と終わってみれば順当な勝利。ただし自民党は一枚岩ではなかった。

「石田真敏衆議員議員(岸田派)がアンチ岸本健。石田さんは為書きをまず森田候補に送っていました。もちろん自民党の関係上、岸本事務所にも為書きを送ったが、石田さんが応援に来ないから“おかしいやないか ”ということで外したそうです」(地元記者)

石田氏の“塩対応 ”には岸田派‐二階派という対立構造もあるが、「岸本(市長)氏が県議選に出馬する時に旧粉河町支部自民党へお願いに来たんですよ。自民党入りする条件が『石田さんの応援』だったが守られていません」(自民党関係者)といういきさつもある。

「二階さんの盟友、中村愼司前市長の後押しもあり県議会議長にもなったが正直、自民党内でもわだかまりがあります。旧民主出身ですしね」(同前)

表面上は二世議員の首長当選。しかし周囲は岸本市長でなければいけない理由があった。

岸本周平氏の二階派入り構想があった

岸本健事務所で演説する同姓の国民民主党・岸本周平衆議院議員。考えてみれば自公候補を率先して同氏が応援するのも妙な話だ。紀の川市とこんな因縁がある。

「以前、県議選(紀の川選挙区)で岸本(周)さんはある候補の応援を中村前市長に依頼したのです。ところがこの候補が他県から住所変更するのを忘れて立候補を断念。中村前市長にすれば“ アホか”という話だけどこの時に岸本(周)さんと意気投合したのです」(地元記者)

岸本(周)氏は長らく二階元幹事長の側近、門博文前衆議員議員と和歌山一区で争いいずれも勝利してきた。ところが二階元幹事長とはウマがあう。

「国民民主党結党以前に二階派入りする計画もありました。細野豪志衆議院議員と同様に特別会員という形ですよ。その場合は岸本さんが小選挙区、門さんが比例で収まりました」(前出自民党関係者)

二階派といえば“来るもの拒まず ”で旧民主党議員の受け皿派閥と化した。そうした経緯からすれば岸本氏の二階派入りは大いにありえた話。しかし決断できなかった。過去選挙ではいずれも門氏を退けた実績もあるから、さぞかし地元では人気かと思いきや

「維新の有名議員が和歌山で講演会を行った時に“岸本(周)さんは国民民主党内で干されている ”と話すと会場は大ウケでした」(前出地元記者)

どうも岸本人気というよりも、門氏の人気がなさすぎたという方が正確かもしれない。

国民民主党は国政レベルで自民、公明と接近中。岸本氏は国対委員長を務めるがこの局面で全く存在が見えてこない。東大卒、元財務官僚のエリート、与党の対立候補を退けてきたが、国会議員としては先が見えてきた!? そこで二階氏が画策したのが岸本(周)氏の「知事選出馬」という仰天プランである。

仁坂知事が二階元幹事長と手打ち!?

かねてより仁坂知事と二階元幹事長にはすきま風が。ところがコロナ対応で仁坂知事が評価を高めたこともあり仁坂知事の存在感が高まった。でもなければ岸本擁立で動くというのもありえた。二階‐仁坂両氏に共通するのはIR推進、対して岸本氏は慎重派。となると二階元幹事長と齟齬が生じそうだが全く障害にならない。

「二階さんが希望するIR設置運営事業の優先権者はサンシティ。しかし同社が撤退しクレアベストに決定したから“ (誘致は)もうどっちでもいい”というスタンスです」(前出自民党関係者)

ドンにとってもIRはもう過去の話か。

実は本日18日にも岸本(周)氏が知事選出馬を表明すると地元で囁かれており、事務所に聞いてみると

「確かに知事選にというお問い合わせはいただいていますが、そのような事実はありません」

と説明した。どうも少なからず同様の質問がある雰囲気だ。確かに二階氏のバックアップは強力に違いないが、さすがに仁坂知事という壁は高い。

しかも

「仁坂知事は普段、東京住まい。そこで最近、二階さんに直談判して一応、手打ちのような話になりました」(前出地元記者)

ということで岸本氏の知事転向説はご破算の様子だ。本来は二階氏に近い岸本健市長だが、仁坂知事が支持を表明したのも両者の雪解けの可能性が高い。

そこで定数1減という難題が絡んでくる。まだ選挙区割りが決定しておらず一区は和歌山市+岩出市に紀の川市か海南市のいずれかになる見通しだ。お分かりだろうか。紀の川市が一区入りするかで小選挙区事情が一変する。現時点では石田氏と岸本氏が一区の候補になる可能性が高い。岸本氏としては自身に近い岸本現市長の当選は生命線だったのだ。そこにあっさりと自公に相乗りした国民民主党の事情があった。

対する石田氏の地元は岩出市で、中芝正幸市長とも懇意。ここで紀の川市も自身の勢力範囲にしておきたい。このため知己がある森田候補を推したというわけだ。

岸田現市長と争った森田候補陣営の有力者は「あらゆる政治事情に巻き込まれた選挙選だった」と頭を抱えたが、定数減の陣取り合戦も影響していたのだ。そしてその裏にはドンの存在感が。政権中枢から離れたが和歌山県についてはやはり「二階王国」である。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【和歌山県】二階俊博が 次期知事選、岸本周平擁立の “噂の真相 ”」への2件のフィードバック

    1. 三品純 投稿作成者

      お育ちは海南ですが現在の選挙本拠地は岩出市という意味でございます。
      説明不足すみません

      返信

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