「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)社長(当時)、大東隆行氏を2013年12月19日、同社前で射殺したとして京都府警と福岡県警の合同捜査本部は服役中の工藤会幹部、田中幸雄容疑者(56歳)を殺人容疑で逮捕した。社会を震撼させた凶悪事件だが、不気味なのはマスコミが「部落解放同盟」との因縁を一切報じないことだ。
未解決事件から 一転、容疑者逮捕へ!
大東氏殺人容疑で逮捕された田中容疑者は2008年、福岡市内で大手ゼネコン「大林組」社員らが乗る車を銃撃したなどの罪で福岡刑務所に服役中だった。田中容疑者はいわゆる“ヒットマン ”といった存在で経歴は謎めいている。彼の存在によって暴力団が衰退したとはいえ、いざとなれば民間人が組織のターゲットになることを多くの人が実感しただろう。
田中容疑者の素性、動機、王将との関係はどこまで解明できるのか。深すぎる闇に今後、どう取材、検証を進めたらいいのか思案している。
しかしマスコミがいかに黙殺しようとも本件に同和が影響していることは確かだ。
「食は王将にあり、豚肉一日7千キロ、卵一日5万個…」
平成初期、こんなナレーションで始まる王将のテレビCMを覚えているだろうか。とても食欲をそそられたものだ。当時の人気アニメ『らんま1/2』のスポンサー企業だから印象に残っている人も多いかもしれない。今や王将は“ 国民的飲食チェーン”に成長した。しかし広く親しまれる一方でスパルタ方式といわれる内部研修などそれは「ブラック企業」を想起させる。「社長が銃殺」は無論、許されない事件、悲劇だが、同時に改めて“ワケあり企業 ”を露呈した。
ワケありと評した最大の理由は事件の渦中に部落解放同盟中央本部、故・上杉佐一郎元中央執行委員長の実弟で実業家、上杉昌也氏(78歳)が浮上したことだ。
王将と 不可解な 関係、上杉佐一郎氏 25歳下の 異母兄弟
昌也氏は1944年1月24日生まれ。いわゆる「焼け跡世代」だ。
兄、佐一郎氏は1919年(大正8年)生まれで生存していれば現在は103歳。昌也氏は25歳下で親子ほどの違いがある。戦前は多産だから大きく年が離れた兄弟はありえるが、両氏は事情が違う。
昌也氏は両氏の父、亀吉の二度目の妻の子。つまり異母兄弟だ。昌也氏が生まれた頃はすでに佐一郎氏は復員し、解放運動に身を投じた頃。このため兄弟といっても同居したことはなかったという。
解放同盟と上杉佐一郎の名前を出したところで一部からは「同和と関連付けるな」という反発が起きるものだ。SNS上で憤激するユーザーの姿は目に浮かぶ。しかしハンナン事件、飛鳥会事件、そして関電金品受領問題、同和をめぐる事件、トラブルは枚挙にいとまがない。
社会的に大きな事件の裏に解放同盟関係者、同和行政がある。関連付けるな、というのは“ 思考停止”に過ぎない。まず同和が抱える暗部を直視しない限り、同和の不祥事は根絶できないだろう。
王将成長の 裏側で 170億円が 未回収
昌也氏は今月2日のNHK「クローズアップ現代」他、各メディアの取材に応じている。事件の関与を取沙汰されてきたため、いずれのメディアでも自身の潔白を訴えた。こうした場合、下手に雲隠れするよりも積極的に表に出た方が得策だ。メディア露出はそうした判断もあったかもしれない。
昌也氏と王将の関りについてはすでに広く報じられたが、概要を述べておこう。
2016年3月、王将は第三者委員会による「調査報告書」を発表した。昌也氏との不適切な関係は14項目に及ぶ。OFS=王将フードサービス。
①戎橋店の土地建物購入手数料の支払い→餃子の王将戎橋店で平成2年に発生した火災で同店建物上階に居住していた建物所有者らが死亡。OFSは建物所有者遺族との土地建物買収交渉を昌也氏に依頼。王将は同氏に買収工作資金として1億円を渡した。
② 祇園の不動ビルの購入→平成7年、OFSは昌也氏の関係企業から祇園のビルを5億3千万円で購入。取締役会の承認を得ないでの購入だった。同ビルは平成18年、わずか8千万円で売却。
③ ハワイの土地建物の購入→昌也氏の関係企業が所有するハワイの土地建物を 18 億 2900 万円で購入した。報告書では「購入に関する取締役会決議が存在するが,購入理由等の記載は無く、その取得経緯や経済合理性は明らかでない」としている。土地はOFSの子会社「(株)キングランド」が所有し、平成15年に5億9800万円で売却された。
④伏見店隣接土地の買付資金の交付→OFSは、昌也氏の関係企業に王将伏見店隣接地の買付を委託。買付資金33億円を交付。取締役会の承認は存在せず。
⑤キングランドを通じた グループ企業への貸付→平成 10 年 4 月から同年 9 月までの間、王将子会社キングランドを通じて昌也氏グループ企業に合計 185 億円を貸し付けた。
⑥福岡・赤坂のビルの購入→平成12年、OFSは赤坂(福岡市中央区)所在の 9 階建てオフィスビルを 12 億 3700 万円で購入した。平成14年、OFSは5億2千万円で売却。
⑦ 前渡金→仕入れに関わる前渡金10 億円が業者から返金後、行方不明。
⑧ ゴルフ会員権の購入→OFSは昌也氏関係企業のゴルフ会員権 10 口を 2 億 7100 万円で購入した。同購入に関する取締役会の承認なし。
⑨昌也氏関係企業のホテル棟を購入→OFSは昌也氏関係企業が所有するホテル棟を 31 億円で購入。平成17年に昌也氏の別企業に7億7千万円で売却。
⑩ ヘルスケアー原鶴の購入→OFS は昌也氏関係企業から「ヘルスケアー原鶴」(福岡県うきは市)の建物を 4 億円で購入。平成17年に別の昌也氏関係企業に5千円で売却。
⑪ B1 社クラブのゴルフ場隣地の購入→OFS は昌也氏関係企業からゴルフクラブ(現朝倉市)隣地を27 億 9100 万円で購入した。平成18年、昌也氏別企業に2 億 8000 万円で売却。
⑫ 養鶏場施設土地の購入→平成12年、OFS は三輪町(現筑前町)所在の養鶏場の土地をを 3 億 5000 万円で購入。平成18年、OFS は昌也氏別企業に5千万円で売却。
⑬ 福岡・高宮のマンション購入→平成12年、OFS は昌也氏関係企業から福岡市内のマンションを2 億 2000 万円で購入。報告書では「取得経緯や経済合理性は明らかでない」と指摘。平成13年に昌也氏別企業に7千万円で売却。
⑭ 雲仙旅館の購入→平成13年、OFS は昌也氏関係企業から雲仙旅館の土地建物を20億円で購入。平成15年、同氏関係企業に2 億 8700 万円で売却した。
報告書では昌也氏グループ企業との取引について「取引金額は約 260 億円であるが,貸付金等の代物弁済として受けた約 53 億円が取引金額に含まれており、純額では約 200 億円の資金が流出し、このうち約 170 数億円が回収されないままとなっている」と指摘された。
約170億円という莫大な資金が未回収という異常事態で、並みの企業ならば経営が傾きかねない。それも取引の多くは取締役会の承認を得ておらず、特定企業への不可解な融資と取引だ。
こうした負の遺産を整理していた大東氏が何者かの企てにより射殺されたというのが専らの見方である。
旧民主党議員の ポスターもあった 福岡センチュリー ゴルフクラブビル
異常な不動産売買と貸付。これを読み解くにはまず2つの企業を挙げなければならない。
一つは株式会社福岡センチュリーゴルフクラブ(本社:福岡市中央区赤坂一丁目14番22号)、もう一つは京都通信機建設工業(同)。
いずれも京都市内にも事務所(左京区上高野上荒蒔町4番地9)を置いた。前原誠司、福山哲郎両議員のポスターが社屋前に貼られていた。いずれも同和団体と縁がある政治家。
前原議員については同和とズブズブ! 前原誠司に改革保守の 「希望」はある!?
をそれぞれご参考に。
両氏のポスターは“ いかにもな”光景で苦笑したものだ。大東暗殺後、同社屋を訪れて居合わせた職員に責任者(昌也氏)へのアポイントを依頼したが、「朝倉市で聞いてください」という以外はけんもほろろという態度だった。
先の王将との不動産取引にはこの2つの会社が大きく関わっている。
さて一部メディアは昌也氏を怪しげな事業に手を染めた「不肖の弟」と報じて、佐一郎氏を偉大な兄と比較していたのが印象的である。そうだろうか? 佐一郎氏もまた王将との関係が指摘されてきた他、市内の土地買収交渉でその名が浮上した。
ただ一概に同和団体関係者を責める訳にもいかない。厄介な問題が発生すると行政・企業は同和団体役員を交渉人に立てることは往々にしてある。佐一郎氏ほどの大物ならばなおのこと。ただしそんなビッグネームをもってしても解決できなかった問題がある。
日本最大級のアンタッチャブル地帯「崇仁地区」だ。
旧武富士の顧問弁護士、辻元清美参議院議員の弁護人を務めた前田知克弁護士は1992年12月、「崇仁地区解放と土地買取の経過」と題したレポートをまとめた。敏腕弁護士をもってしても崇仁地区はかなり厄介な問題だった。文面からもその苦慮が滲み出る。その一文を拾ってみよう。
総理府総務庁との話し合いの斡旋などもしたり、京都府議会議員や市議会議長などに会ったり、京都市の同和対策部門の職員と会ったり、社会党の土井委員長(たか子)に解放同盟の上杉委員長を紹介してもらったりして同和地区の解消と京都の発展のために努力をしたりしたが、はかばかしくは進展しなかった。
佐一郎氏ほどの大物でも崇仁地区は異次元の存在なのだろう。
とはいえ生前の佐一郎氏の威光はダントツだ。その弟、昌也氏の異常な取引が可能になったのも佐一郎氏の存在と無関係ではあるまい。
解放同盟関係者によれば昌也氏の全盛期はかなり羽振りが良かったという。
「美空ひばり親族の後見人をやったり、自家ヘリコプターも所有していたよ。佐一郎さんをバックにした? そんなことは知らん」
上杉兄弟と美空ひばりは密接な関係にあった。
昌也氏が美空ひばりと接触したのは1986年頃という。それまでは面識がなかったが昌也氏を頼った。
1987年、美空は済生会福岡総合病院に緊急入院する。闘病生活については週刊誌、テレビなどでも報じられた。しかしなぜ福岡の病院なのか。それは佐一郎は同院院長の主治医であり親交があったからだ。ひばり入院は佐一郎氏の勧めがあった。
昌也氏、佐一郎氏は異母兄弟で距離があったが、昭和のスター・美空ひばりとの親交をみるに事業でも関係があったと思われる。
こうしたエピソードは「人権」という美談で語られるが、しかし王将との取引をみると「人権問題」「同和問題」が抱える闇も見逃せない。また芸能界と同和の蜜月関係も改めて実感したものだ
先の解放同盟関係者によれば一時期、昌也氏は京都市山科区に住んでいた。奇しくも王将本社の所在地である。どうもこの周辺地域はキナ臭い。解放同盟役員が経営する「村井建設」(伏見区)は2004年、社屋玄関に銃弾が撃ち込まれた。
古都・京都は日本屈指の観光地であり、パワースポット。その反面、別のパワーがぶつかり合うスポットでもある。
住専問題にも 関わった昌也氏
昌也氏の不動産事業では重要な「京都通信機建設工業」。この名前を聞いてどんなイメージを抱くだろうか。通信機器メーカー、あるいは電話機に関する会社、そんなところだろうか。しかし同社の実態は不動産会社だ。1984年に設立されたが登記簿の「目的」欄をみると「ゴルフ場経営」が先頭にくる。
同社は平成史に刻まれる「住専問題」(住宅金融専門会社)にも関係するのだ。個人向けの住宅ローンを主に取り扱うノンバンクはバブル崩壊後、融資先が返済不能になり不良債権化。1995年、大蔵省(当時)が住専を調査したところ、6.4兆円の損失が判明した。
ある年齢層には「住専問題」から「末野興産」の名を連想するだろう。末野興産・末野 謙一元社長が住宅金融専門会社数社から約2549億円の融資を受けたが破綻。反社組織との関係も指摘されマスコミではタブー視されたが1996年、国会で参考人招致を受けたことから広く報じられた。
各メディアで住専問題に関与した企業が浮上する中で、住宅金融専門会社大手「総合住金(株)」があった。
京都通信機建設工業は総合住金の有力顧客で約130億円の融資を受けていた。末野興産はもちろん、朝日住建、川辺物産、そして総合住金、当時の不動産業者、または事件史マニアならばこの名を耳にしたことだろう。また住専といえば在日韓国人ながら大阪府内で同和行政にも食い込んだ経済フィクサー、許永中の名も忘れられない。こうした怪企業、怪紳士が暗躍したのが住専問題だった。
ところが当時、京都通信機建設工業は報道対象にならなかった。確かに融資額でいえば末野興産などより小さいが、それはむしろ“ 佐一郎氏実弟の会社”という背景が作用したと考えられる。
そして京都通信機建設工業の事業が先述した王将の14項目につながるが次回の話にしよう。
結局現在の部落差別(?)ではこういう裏社会で暗躍するようなイメージからくる怖さを多分に含んでいることを同和側が認めないと変わらない気がしますね。
今だに教えている歴史だの穢れ思想だのとは別次元の差別になっている。そもそもなんだか怖いから避けることを差別と言うのかな?
組事務所の前は通学路から外すのに。
>今だに… 正しい日本語を使いましょう!