【大阪府】マスコミはなぜかスルー 吉村府知事「退職金の給料上乗せはデマ」に自民府議が議会で追及!

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By Jun mishina

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「退職金ゼロ」を掲げ、身を切る改革をアピールする吉村洋文・大阪府知事。これに対して、退職金を給与に上乗せしていると一部で指摘されると、吉村氏はSNS上で「デマ」と反論したのだ。ところが9月30日の府議会で、自民党・占部走馬府議の質問に対し、総務部長は退職金廃止に伴う給与への振り替えを説明。制度上、上乗せは実施されており、これを「デマ」と切り捨てる説明には疑問が残る。(写真=府議会で答弁する吉村府知事)

自治体議員泣かせの身を切る改革

身を切る改革をめぐっては過去、様々なトラブルを報じてきた。2023年の統一地方選で躍進した維新だが、その後、離党者が相次いだ。

地方では党に意見する議員などを「排除」するために身を切る改革(寄付)の未達成を理由に除名、離党勧告処分にしてきた。

実際は自治体議員泣かせの制度である。

「関西らしい発想ですよ。東京の場合、報酬を増やしてもいいからその分、仕事をしてくれという考え方が強い」(都内の自治体議員)

身を切る改革の是非はともかく少なくとも大阪では評価を得たので、府議会・市議会、各地の自治体で維新が圧倒したのだろう。だが検証は必要だ。

吉村氏の身を切る改革アピールについて9月30日、府議会で占部氏が指摘した。8月26日、吉村氏はXにこう投稿した(画像参照)。

「退職金を分割して給料に上乗せしている」と以前から指摘されてきたのだが、吉村氏はこれを「デマ」として反論。そこで占部氏は上乗せ説について直接、府に説明を求めたのだ。

府知事に就任した時点で退職金は廃止だが

占部氏はXの投稿をパネル化した上で、こう切り出した。

「この投稿を見ると知事は1期4年の退職金は4000万円で現在3期で1億2000万円の退職金をもらっていないと発言されました。私の記憶では大阪府知事の退職金を廃止した時に一期4年で4000万円という高額な退職金ではなかったと記憶しています」

その上で総務部長に廃止直前の退職金について質問。すると総務部長はこう答弁した。

「知事の退職手当について従来は他の都道府県と同程度 の4176万円でしたが、平成24年度から 引き下げられておりまして、廃止前の平成27年の時点で1任期あたり1257万6000円でございます」

廃止直前の退職金を聞いたのにもかかわらず、わざわざ以前の金額を出してきた。まるでXの投稿をフォローするかのようだ。

ここで補足しておこう。知事の退職金は、かつて制度上、1期4年で4176万円と定められていた。しかし、その後に引き下げられ、2015年9月1日付の大阪府特別職報酬等審議会「答申等の概要」では、1257万6000円だ。約4000万円の退職金は廃止されており、1257万6000円まで減額されていた。

そして2015年11月27日、松井一郎府知事(当時)の2期目から退職手当は廃止。また大阪市長の退職手当も同年12月19日、吉村氏の市長就任に合わせて廃止となったのだ。

府知事・市長の退職金についての経緯を吉村氏が知らないはずがない。そこで1期4000万円を持ち出すのはおかしい。それ以前に吉村氏が知事に就任したのは2019年。つまり府知事になった時点でそもそも退職金は廃止されているので、改めて誇るような話ではない。

占部氏も「知事が立候補した時に退職金という制度はなかったので、知事が本来(退職金を)もらえたということはないのでそれをアピール するというのもそもそもいかがなものかと思います」と指摘したのは当然だろう。

給料の上乗せは総務部長も認めた!

占部氏が質問で使用したパネル。

問題は給料の上乗せは「デマ」という反論の妥当性である。

総務部長によれば、平成27年の特別職報酬等審議会は、公選職に退職手当を支給することは性質上なじみにくい面があることや、民間企業で役員退職慰労金の廃止が進んでいることを理由に、知事の退職手当を廃止すべきとの意見を示した。しかし廃止にはカラクリがある。

同時に同審議会から退職手当の廃止により他の都道府県と比較して任期中の総収入が低くなることから給料月額に復元する答申を受けたというのだ。

その上で「平成27年11月27日より退職金が廃止され、給料月額につきましては 131万円から150万円に改定されました」(総務部長)という説明だ。

つまり給料の上乗せは「デマ」ではなく事実だった。ところが総務部長自らがなぜか〝身を切る改革アピール〟を始めた。

「知事が独自に実施している30%カットにより退職金廃止前の額である131万円を大幅に下回る106万4000円となっております。1任期あたりの給与総額は全都道府県中最も低い額となっております。全国47都道府県の1任期あたりの 総収入の平均額は約1億1700万円で吉村知事の収入額はこの額より40%低い約7100万円となっております」(総務部長)

質問されていないのに、知事の報酬カットを持ち出したのはどういう意味があるのだろう。これには占部氏も「忖度の闇」と論じた。

こうした追及に対して吉村氏は「変更前の131 万円から下がってるようなグラフがあってもいいのかなという風に思いますけども、グラフを訂正していただけたらと思います」と反論した。

確かに、現在の実支給月額106万4000円は、退職金廃止前の制度上の月額131万円を下回る。しかし、それによって退職手当相当額を給与に振り替えた事実が否定されるわけではない。

給料の上乗せが「デマ」という吉村氏の主張は明らかに誤り。もし報酬カットを訴えるのであるならば、給料への上乗せを認めた上で、月額106万4000円にしたことを説明した方が適切だった。もっとも本当に誇るべきことは給料カットではなく、あくまで吉村府政の成果であるべきだ。

議会中、占部氏からXの投稿について訂正を求められた吉村氏だが、今のところ報酬に関する投稿は確認できない。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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