後世の世界史の教科書には「新型コロナウイルス」が記載されるに違いない。各国で感染者が報告され日本国内でも関西に始まり北海道、関東、東海地方と拡大の一途。国民全体に不安が広がる中、スポーツ、芸能、各種興行、市民・政治活動など様々な分野のイベント・催事で中止、延期が起きている。さらに海外旅行客を呼び込むインバウンドにも影響大。外国人観光客、特に中国人旅行者が減少したと業界から悲鳴が…。という状況の中、関西で最もインバウンド特需を取り込んだ“ あの場所”はコロナなどお構いなしの大盛況…ではなく絶不調だった。
Jリーグの公式戦延期、プロ野球の無観客試合、EXILEとPerfumeのコンサートの中止というインパクトは計り知れない。また小中高校の休校、就職説明会、政党会合、学会、こうした分野にも中止、延期の波が押し寄せている。そして社会運動分野でも例外なくコロナ中止が…。普段は異常な熱気を帯びる市民集会、デモも続々と「中止」を余儀なくされている。「開催をめぐり意見が対立して実行委員会を降りた」と話す運動家。単にコロナ対策だけではなく内部の人間関係にも波及するという事態。
また印象的なのは3・1朝鮮独立運動のキャンドル行動の中止。ご承知の通り3月1日は1919年、日本統治時代の朝鮮で起きた「3・1運動」の記念日。日本の左翼活動にとっても重要な出来事であり、毎年この日は3・1運動を祝したアクションがキャンドル行動だ。東京・新宿アルタ前でキャンドルを手に歴史認識問題を問うデモ活動である。主催する日韓民衆連帯全国ネットワークのHPによればやはり「新型コロナウィルスの感染拡大」を危惧し中止に踏み切ったようだ。日韓問題に対しては異様な情熱を見せる面々ですらコロナウイルスに対しては恐怖したようだ。
活動好きな“ こんな人たち” も中止を選ぶのだから、いわんや「旅行」など真っ先に控えるというものである。さて厳しい状態になった観光業界。
そもそもインバウンドは「アベノミクス」による円高是正、格安航空会社の就航増も追い風となり現在の市場規模は4兆円を超える。また各自治体も訪日観光客の誘致に力を重視するが、中でも大阪府、京都府は最もインバウンドで注目されている地域だ。特に大阪市内と関空をつなぐ南海線は大きなキャリーバックと外国人観光客で溢れている。
そんな大阪市にあって特に好調だったのが「黒門市場」(中央区)だ。大阪の台所と言われるこの市場には鮮魚店、精肉店、青果、各種食材、飲食店がひしめく。難波の料理屋、居酒屋といった飲食店が黒門市場で材料を仕入れ場内は活気に満ちている。そしてこの魚介、精肉を活かして屋台風、露店風の店が増えいわゆる食べ歩きができる。寿司、串焼き、あるいはデザートに外国人観光客が列をなす。
「家賃50万円でも黒字です。まさにインバウンドさまサマ」
ある飲食店経営者はこう明かす。モノの価値や金銭感覚は様々だろうが、正直この黒門市場グルメは決して安くはない。ただこれも観光地プライスというもので場所代、雰囲気代込みというものだろう。それでも観光客は買っていく。市場というよりももはや食のテーマパークといった様相だ。
その特徴としては
「欧米の観光客は調理をするところを見て楽しんでいる。逆に中国、アジア系のお客さんは買って食べて楽しむ」(同前)
という傾向があるという。つまり黒門市場の景気はアジア系の観光客の存在が大きいようだ。
今回、取材したのは平日のランチタイムどき。平日ということもあり客足は鈍いのかと思ったがそれは間違い。平日だろうがランチタイムは観光客でごった返すという。この日も外国人観光客と思しき人たちが記念撮影をしたり、食べ歩きをしているが場内の小売業者に言わせれば
「平日の割にお客さん来てるって? とんでもない。普段の8割減。昼のこの時間でこれだから困ってますよ」
見た目以上に厳しい状態のようだ。というのもインバウンド特需によって場内の家賃が上昇したというのは先述した通り。また人の集まりの“奥行き ”のなさもよく見て取れた。というのはもちろん店先で購入した飲食物を食べ歩くことも可能だが、各店舗ではテーブル席もありそこを利用することもできる。単に路上に人が多いだけではなく店の中にも客がいる。
ところが現在(2月28日撮影)の時は店内はガラガラだ。一本数千円という神戸牛の串焼きの煙は立つが、しかしそこに人はなし。かといってこの近辺で生活する日本人が買うとも思えない。
と、黒門市場が厳しい状況の中、今度は近隣の西成商店街に目を移そう。かつては西成のドヤは労働者の生活の場。安宿は “おっちゃん ”たちのものだったがこのところ海外旅行者がドミトリー、ユースホステルのように利用し雰囲気を変えている。「ドヤの街からヤドの街」とは定番の自治体のキャッチコピーだが西成の場合、まさにこのコピー通りに町が変貌しつつある。
通天閣下のジャンジャン横丁、 動物園前一番街・二番街は長年、人気スポットで外国人観光客だけではなく日本人観光客にも人気。そんな中でここ最近、集客の一助になっているのが西成の新名物・中国人カラオケ。
当初、西成はコロナウイルスの影響は受けず、観光客が訪れているという話を聞いていたが実際に行ってみるとまるで状況は違っていた。昼時ならば殺到する串カツ店、寿司屋、通常ならば行列ができる店ですらガラガラだ。そして中国人カラオケと言えば
「ここ(一番街の中国人カラオケ)は相変わらず繁盛しているって。誰が言ったんですか、そんなこと…」
とカラオケ経営者は呆れていた。
さらに古参の小売り業者は「飛田新地(色街)に行く人も明らかに減っているね。外国の若い子なんかおるでしょ。怖いもの見たさでプラプラ見に来る子らね。ああいうのもすっかり消えたよ」と嘆いていた。
いずれにしても国策で進めたインバウンドだが、やはり今回のような騒動になれば旅行者は離れるもの。しかし海外旅行者を当て込んでいただけにダメージは大きい。それよりも本来は日本人旅行者をしっかり呼び込む方策が必要では? コロナ騒動は日本のインバウンド政策の転換につながらないか…。
今こそ日本人の国内旅行を活性化させるよい機会だと思います。京都なんかも中国人がごっそり消えて観光しやすい状況です。観光に限らず一国(中国に限りませんが)頼みの政策はもう止したほうがいいのではないかと思います。
今回のコロナ騒動でちょっと見直しにならないかと。
日本の極みプロジェクト 世界から大富豪が訪れる国へ
これ書いた秋元司氏もああいう顛末なわけで
インバウンドを進める議員はうさん臭さを感じます。
どこへ行っても外国人ばかり。日本でありながら外国人優先の接客や対応には、どれだけうんざりしている人が多いことでしょうか。経済の斜頸を良しとしない方々は「インバウンド」に飛びついた。結果、静かに入れない温泉宿や1泊メインの外国人客が多いホテル(連泊プランがありながら料理が毎日同じ)からは日本人客は離れてゆくばかり。ある意味、安易な金儲けに走った結果、感染症が見えざる神の手のごとく、今までの商売のやり方を問うきっかけとは皮肉としか言いようがない。
余談ですが、クリーンのイメージが強い日本でありながら、今や東京のどこでも街中にごみが散乱している。観察すると、高齢者のマナー(ごみの分別をせずに捨てているため清掃車が注意書きのシールを貼って置いていく/ポイ捨て)と経済格差の結果が生活のあらゆる場面でにおいても無視できないように、外国人(旅行者だけにとどまらず、経済労働者等)の急増も原因だと思います。この際、しっかりと考えて、バブル経済の再来をバカのように夢見ず、踊らされない施策が重要だと切に思います。
マナーというと中国人を連想するけど欧米男性も
たちの悪い人がいる印象です。
祇園では舞妓さんをカメラで追い回す白人男性が大勢いるそうで。
個人的には電車の中の中国語、韓国語表記は絶対に要らないと思います。
英語で事足りるし肝心な時に分からないですよ。
特に知らない土地の車内だと。