日本沖縄政策研究フォーラム(仲村覚理事長)が主催した講演会に琉球新報、沖縄タイムスの記者らが押しかけトラブルになった。騒動はXでもトレンド入りしたほど。無許可取材や登壇者への“待ち伏せ取材”などもはや「報道」というよりも「私的制裁」の領域だ。活動家肌の記者らは「取材」と称し、保守派の集会、行事、街頭演説にやってくるが、もはや「妨害」「嫌がらせ」のレベルだ。マスコミ関係者の独善的な正義心には空恐ろしさを覚える。(写真=当日の様子をYouTubeで報告する阿部記者)
沖縄の保守派の集会に活動家記者たちが乱入
8月29日、沖縄県空手会館(沖縄県豊見城市豊見城)で開催された「大東亜戦争奉慰顕彰祭・講演会」は佐藤正久前参院議員、杉田水脈前衆院議員、参政党・塩入清香参院議員ら保守派の政治家や言論人が登壇。また主催団体・日本沖縄政策研究フォーラム理事長の仲村覚氏は「沖縄県差別のない社会づくり条例」による県の処分を撤回させた。
【沖縄県庁】マスコミも連帯「沖縄県差別のない社会づくり条例」で〝吊るし上げ〟氏名公表を狙うも断念!
この一件もあり、仲村氏には琉球新報、沖縄タイムスの記者から厳しい目が向けられている。
だが、記者らが最大のターゲットとしたのは杉田氏だろう。杉田氏は左派からの憎悪を受けてきた保守政治家だが、その発言は注目されやすい。
またもう一つの関心としては沖縄県知事選(13日投開票)に立候補している古謝玄太氏が来場するとの情報があったからだろう。そこで集会の発言を〝キリトリ〟して反響を狙おうというのだろう。
攻撃的な意図があったのは言うまでもない。このため主催者側は事前に取材禁止である旨を告知した。だがそれで引き下がる相手ではない。

会場には沖縄タイムスの阿部岳記者が訪れたが事前に通知した通り取材はNG。そこで阿部氏は会場付近の写真をXに投稿した。また予期せぬ人物の姿もあった。
「気付かなかったのですが、琉球新報編集委員の南彰氏は一般の参加者として会場に入っていました。国歌斉唱の時も起立し静粛にしていたので特に注意などはしていません」(主催者)

阿部、南両氏の行動は異なるが、新報&沖タイの両活動家系記者が揃ったのである。〝招かざる客〟は他にもいた。フリージャーナリストの横田一氏も来場。横田氏といえば攻撃的な取材方法で知られる人物だ。正確には「取材」というよりも「攻撃」といった方がいいかもしれない。国民民主党などから出入り禁止処分を受けた。
関係者にすればまさか沖縄までやってくるとは予想もしなかったのだろう。
「誰かの専属のカメラマンかと思っていたところ横田一氏と判明しました。そこで退室を促しましたが、聞き入れません。そこで警察に通報しました」


後日、横田氏の直筆の念書が公開されたが、紙はひどくしわが寄り、傷んだ状態だ。主催者が当時の状況を説明する。
「警察の仲介で動画を公開しないという念書を横田氏に書いてもらいました。これを受け入れれば解放するということでカメラのSDカードから動画の削除を求めましたが拒否。結局は解放することになりました。横田氏とスタッフのやり取りの中でくしゃくしゃになりましたが、あの念書の約束は生きていますよ」
ところが後日、横田氏は自身のYouTubeで当日の映像を無断で公開した。約束を破ったわけだ。横田氏のライフワークを考えれば想定内の行動である。ここで重要なのは、活動家肌の記者たちが、講演会や記者会見を情報収集ではなく糾弾の場に変えてしまうことだ。
横田氏のようなフリーランスならばそれもあり得るだろう。だが曲がりなりにも新聞社、テレビ局など報道機関に所属する記者たちが傍若無人に振る舞うシーンは多々ある。会社側がこれを野放しにしているとすれば、記者の取材倫理だけでなく、報道機関の社内ガバナンスも問われる。
ところが「表現の自由」「報道の自由」という大義で正当化されるのが今のマスコミ業界である。
やはり取材ではなくて「詰問」と「揚げ足取り」

騒動は続く。
阿部記者は同日、自身のXに、沖縄入りした杉田氏に「にわか仕込みのうちなーぐち」で質問したと投稿した。
阿部氏が杉田氏に投げかけたのは、「御胴や何んち讒物言びけーいさびーが?」という問いだった。阿部氏自身の訳によれば、「あなたはなぜデタラメばかり言うのですか?」という意味だ。
これに対して杉田氏は、「ありがとうという意味ですか?」と答えたという。阿部氏はこのやり取りを紹介し、杉田氏について「容易に理解はしていなかった」と評した。
しかし、これは通常の意味での質問なのだろうか。
取材対象者に事実関係や見解を問うのではなく、相手が理解できない可能性の高い表現をあえて使用した。そして杉田氏の反応をインターネット上で公開する。しかも問いかけの内容は、最初から杉田氏を「デタラメばかり言う人物」と決めつけるものだった。
対話を求める取材というより、相手を試し、失敗した姿を見せるための“引っかけ問題”に近い。
阿部氏は別の投稿で、杉田氏が琉球諸語の独自性を否定することについて、「明治政府が琉球国をつぶし、言葉を奪った同化政策をなぞる暴力」だと批判。「私を含む日本人は、杉田氏の暴力をやめさせる責任を負っています」と主張した。
ところが、杉田氏が質問を理解できなかったことは、琉球諸語の独自性を証明するものではない。沖縄県内でも地域や世代によって言葉は異なり、現在の日常会話では使われない表現も少なくない。特定の言い回しを理解できなかったという一例をもって、杉田氏の主張全体を否定したことにはならない。
むしろ「にわか仕込み」と自認する阿部氏が、うちなーぐちを取材対象者への攻撃材料として利用したことに、沖縄県民から疑問の声が上がるのも当然だろう。
主催者は「取材倫理を欠く」と抗議
日本沖縄政策研究フォーラムは声明で阿部氏とみられる沖縄タイムス記者について
「事前の取材申請や主催者の許可なく受付に来場。取材を申し込んできましたが、会場内部への入場は認めておらず受付で取材を拒否しました」
と説明する。
ところが退去後も施設の廊下や出入口付近で杉田氏を待ち、「合意のない一方的な問いかけ」を行ったと主張。これを「著しく取材倫理を欠く突撃取材」と批判した。
イベントルーム内だけでなく、施設のエントランスなどの共用部分であっても、管理者の意思や施設の利用規則に反し、待ち伏せや撮影によって利用者の通行や催事運営を妨げた場合には、施設管理上の問題となり、管理者から退去を求められる理由になる。
同会は、十分な対話や正規の取材手続きを経ないまま、断片的なやり取りを切り取った内容が掲載されたとも指摘する。その上で、沖縄タイムス社関係者について、今後の主催イベントへの取材・入場を一切認めない方針を示した。
なお、杉田氏は、沖縄タイムスや琉球新報などの記者が会場内に入り、禁止されていた録音・撮影をしたとの趣旨をXに投稿した。これに対して阿部氏は、沖縄タイムス記者は「入り込み、禁止されている録音、撮影を行っていました」などの行為はしていないと否定し、訂正を求めている。
しかしこの反論は無理がある。阿部氏自身が杉田氏にうちなーぐちで問いかけ、その反応をXに掲載したことは、本人の投稿から確認できる。少なくとも阿部氏が講演会当日、杉田氏に接触する目的で現場を訪れていたことは否定できない。取材の場で、あえて沖縄の方言を用いて問いかけることに、どのような報道上の意味があるのだろうか。事実を引き出す行動ではなく「挑発」とみられても仕方がないことだ。
なぜ日本沖縄政策研究フォーラムは取材拒否をしたのか。民間の任意団体だから取材に応じるという義務はない。
さらにメディア側に考えてほしい。仲村氏ら関係者は日常的に報道陣へ不信感を抱いていた。
同団体の仲村氏らは沖縄県民を先住民族と位置づける国連勧告に対し、沖縄県民の立場から反論する活動を行っている。だがそうした活動についてマスコミが取り上げることはない。しかしその反面、著名人が登壇するような講演会には発言の一部を切り取って論難する。報道機関としてフェアではない。
琉球新報・南氏についてはトラブルを起こさず静粛にしていたがその後、南氏が講演について記事にしたことはない。一体、何のための参加だったのか質問してみた。
「南彰編集委員は参加料を払って講演を観覧しました。記事にする予定はございません。取材ではないので、これ以上お答えすることはございません。」(編集局)
また沖縄タイムス・阿部記者には「杉田氏の発言の何を問題視したのか」「「無許可での盗聴・盗撮は事実ではない」としているが、会場付近の写真をXに投稿した行為は、無許可撮影に当たらないのか」などを問うた。
「8月29日の弊紙記者の取材におきまして、違法・不当な行為は一切ございません。なお、個別の取材の過程につきましては、従来よりお答えしておりません」(編集局次長)
革新政党やオール沖縄、基地反対団体には寄り添う姿勢を見せる両紙記者。その誠意を僅かでも沖縄保守へ注げば取材拒否という対応にはならなかったはずだ。
(追記とお願い)
弊社は滋賀県、国立市が後援する部落解放同盟の集会から排除されたことがあります。日本沖縄政策研究フォーラムの取材拒否を批判する方がおられた場合、ぜひ滋賀県、国立市、部落解放同盟にも抗議をお願いします。しかもこちらは自治体も関係する公的な行事です。



