【鳥取県】歌詞の「女子力」が 問題視され ガールズバンドの歌が 公開停止になる

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昨今、鳥取県では市町村が行う「同和」や「人権」にからむ取り組みに、県が横槍を入れるということが度々起こっている。そして今度は、鳥取県倉吉市で県男女共同参画推進員が地元ガールズバンドの歌詞の一部を問題視したために、CDが回収され、Youtube動画が非公開になっているという事態が発覚した。

それほどのことになるということは、歌詞に差別用語でも入っていたのかと思ったら、問題視されたのは「女子力」という言葉だけなのである。

「女子力」が問題だとする根拠は朝日新聞のアンケート

先日、本サイトのコメント欄に、本年7月22日の日本海新聞に以下の記事が掲載されたとの情報があった、

小中学校で流れた曲の一節「女子力」
「固定観念を助長」男女共同参画推進員が指摘

鳥取県男女共同参画推進員は22日、倉吉市内の小中学校で流されていた同市出身のガールズバンドの曲「スタミナ納豆」の歌詞の一節の「女子力」との言葉が「女性の固定観念的なイメージを助長する」とした県民の苦情を審査した結果、男女共同参画の観点から「問題なしとはいえない」と指摘し、野川聡副知事に報告した。
審査案件は5年ぶリ。曲はスタミナ納豆が給食で提供される日などに流された。
推進員は、女子力という言葉を「男性が女性に期待する役割に応える力を指して使われることが多い」と分析。「筋力付くし女子力上がる」という歌詞のフレーズについて「男性は筋力で評価され、女性は容姿やしとやかさなどで評価されるといった性別による固定的な役割分担観念を助長する恐れがある」とした。
その上で、教職員研修の一徹底や、県が作成する研修プログラムでの今回の事例の活用などを求めた。
市教委などによると、曲を作ったバンドは「マーブルキッズ」。市内の小中学校にCDを配布し、1月の歌のお披露目の日と、2月にスタミナ納豆が給食に出た日に流れたという。2月下旬に推進員の聞き取りがあり、CDは回収。市教委はマーブルキッズに歌詞の変更を依頼している。
野川副知事は「この件に限らず、普段見過しがちな言葉についても考えてみたいと述べた。
(岡宏由紀)

記事に出てくる男女共同参画推進員の意見書は、鳥取県のウェブサイトで公開されている

男女共同参画推進員が意見書を出したきっかけは、本年1月23日に、倉吉市内の小学校で流されていた「スタミナ納豆」の歌の歌詞の中の「女子力」という言葉が「女性の固定観念的なイメージや立場が反映」されていると問題視し、審査を要請する申出書が提出されたことである。

この意見書は結論として、「スタミナ納豆」の歌の歌詞を「問題無しとはいえない」…要は「問題がある」としているのだが、その理由は不可解である。まず、概ね次のことが指摘されている。

・「スタミナ納豆」の歌については地元ガールズバンドの善意で作られたもので、倉吉市との間で金銭のやりとりはないこと
・倉吉市教育委員会から強制されたものではなく、各学校の現場の自主判断で歌を流していること
・現場の教員や児童生徒、地域住民からの批判はないこと

このことからすると、何も問題ないように思われるのだが、朝日新聞がウェブサイトで行ったアンケートで「女子力」という言葉に対する批判的なイメージが多かったことから「問題無しとはいえない」とされてしまったのである。無論、朝日新聞のアンケートは朝日新聞のウェブサイトの読者を対象としたもので、広く一般を対象とした調査とは程遠いものである。

しかしその結果、記事にある通りCDが回収され、該当部分の歌詞の変更が検討されるという事態になっている。

しかし、本当に問題があるような歌詞だったのか。倉吉市のウェブサイトではまだ歌詞が公開されている。その内容は次の通りだ。

スタミナ納豆 作詞 宮本晶子 作曲 佐伯美和

(す)きなもの きらいなもの
(た)べものは
(み)(な)生きもの
(な)かよくして
(つ)めたくしないで
(と)もだちと
(お)なじように
納豆食べるよ 納豆食べるよ
筋力つくし女子力上がるし
納豆食べよう 納豆食べよう
明日も元気でいてね
簡単なことです
嫌いにはたくさんの
理由をつけて
文句も言いたいよ
大切なことです
好きに理由はいらないの
いらないの
納豆食べるよ 納豆食べるよ
混ぜれば ふしぎ
美味しくなるなる
納豆食べよう 納豆食べよう
笑えば 楽しくなるね
むずかしいことです
人はみんな 違うの 考えも理想も肌色も
大切なことだけ
目には見えなくできている
できている

ご覧の通り、全体的にはむしろ多様性を認めるということがテーマである。人権・同和にからむ問題では、政策や運動に協力したつもりなのに、なぜか逆に槍玉に挙げられるという現象が度々起こるのだが、男女共同参画もその例に入るということだろうか。

男女共同参画推進員の存在意義は?

倉吉市のウェブサイトより

倉吉市給食センターに経緯を聞くと、今年の2月頃に県の男女共同参画推進員からこの問題について聞き取りがあったという。2月中は「スタミナ納豆」を出した時に各学校で歌が流されたが、2月末にCDが回収された。

ただし、市の教育委員会からマーブル・キッズに歌詞の変更を依頼したというのは事実ではなく、7月22日に県の男女共同参画推進員から意見書が出されたことを伝えたところ、マーブル・キッズ側から歌詞を変更するという申し出があったという。

そして、実際のところ「スタミナ納豆」の歌に対しての苦情は、倉吉市の学校現場やその周辺では全く無い。県男女共同参画推進員に対する申し出については誰が出したものか守秘義務を理由に県が教えてくれないため、倉吉市内の住民によるものかさえ全く分からないという。

なお、今後この歌の扱いを聞いたところ、そもそも3月からコロナウイルスの影響で学校給食が停止されてしまい、再開された後もスタミナ納豆は衛生管理の都合上夏季には出せないため、もし再び「スタミナ納豆の歌」が流れるとすれば10月以降になるのだという。

「スタミナ納豆」の歌はマーブル・キッズによってYoutubeでも公開されていたのだが、現在は非公開になっている。その理由についてマーブル・キッズに聞いてみたら「ただいま歌詞を一部変更するにあたり、いったん動画は取下げています。 夏休みが終わるまでには、なんとかご覧いただけるようにしますので、今しばらくお待ちいただければと思います」という返事であった。

無論、男女共同参画推進員の意見書では、公開停止や歌詞の変更は求めていない。「県職員や市町村職員、県民に対する研修や啓発を徹底していこう」といった内容である。

それにしても、例えば同和問題に絡んで「差別事件」があれば糾弾会が行われ、最後は行政や企業は同和研修を推進せよという結論になって、そのための予算が出される…という流れに非常によく似ているように感じるのは筆者だけだろうか。

そして、そのとばっちりを受けたのは倉吉市の教育現場と、なによりマーブル・キッズである。県男女共同参画推進員としては「いや、自分たちは歌詞を変えろとは言っていない」「何かを強制したのではない」と言うことも出来るだろうが、言葉どおりに意見書を無視して平然と施策を続けてよいのであれば、男女共同参画推進員など存在しなくてもいいのではないか。

逆に自分たちが市町村や民間人に影響力を持っているという自覚があるのなら、相応の責任を持って判断をするべきではないか。

なお、鳥取県では「男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情」を受け付けているということだ。

【鳥取県】歌詞の「女子力」が 問題視され ガールズバンドの歌が 公開停止になる」への1件のフィードバック

  1. アバターうましかの一つ覚え

    表現の自由を声高に叫ぶ人ほど他者の表現(の自由)を狩りとるし、平等を声高に叫ぶ人ほど差別したがる。
    たかが一メディアの偏っていることが容易に予測できる、それもアンケートごときに行政が振り回されるとか頭がおかしいとしか言いようがない。

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