今月13日、大阪市泉南市で開催された音楽イベントにて出演者へのセクハラが発生。騒動は大きく報じられたがここに至って主催企業、「(株)トライハードジャパン」(大阪市中央区、以下トライ社)への疑問が高まっている。新興企業ながら大阪府内の公共事業を手がける同社の人脈は日本維新の会に連なる。
中国からの 留学生が 一大エンタメ企業に
福島第一原発の処理水放出をめぐって中国が海産物の輸入禁止など圧力を強めている。自国の原発からも大量のトリチウムを放出しているにも関わらず、だ。しかも日本の野党、マスコミ、活動家も中国の振る舞いを助長、扇動してさえいる。
この通り中国からの外圧はもちろんのこと。そして日本国内では中国人脈が政治、行政、財界への影響力を強めている。
当サイトはこれまで大阪政界、財界と中国の関係をレポートしてきた。前回はセクハラ騒動で話題になった「ミュージックサーカス2023」の主催企業、(株)トライハードジャパンについて中国との接点を指摘。
【泉南市】セクハラで 炎上、音楽イベント 主催企業顧問の 警察庁OBは 中国系企業の ケツ持ち?
同社社長は中国出身でナイトクラブのプロデュースで成功を収めた。同社HPのプロフィールに「めぐり逢う全ての人と共に笑い、共に感動する!そこにエンターテイメントの熱い志と闘いがあります」とのメッセージがある。この通りエンタメ、レジャー業に意欲を持つ若手経営者だ。
『企業家たちの挑戦ストーリー』(TOKYO MX)で同社、大付社長は一介の中国留学生から起業した成功談を語っている。同番組では松井一郎前大阪市長、吉村洋文大阪府知事も一目置く存在で「ナイトビジネスの革命児」と紹介した。トライ社を泉南市、大阪市で公共事業を請け負う有力企業に成長させた手腕は見事なもの。だが政治、行政との関係は別問題だ。
維新、大阪観光局との 蜜月を問う
かねてから日本維新の会と中国資本、華僑との関係性を指摘した。図らずもミュージックサーカス2023の騒動によって中国人脈との関係が世に広まることになる。大付氏のFacebookでも吉村知事、横山市長を応援する投稿や同社役員とのツーショット写真が確認できた。
そのこと自体を問題視する訳ではない。しかし同社は泉南市、大阪市といった自治体の公共事業を請け負う立場にある。7月29日のFacebookによれば当の本人が大阪文化館のホールイベント指定管理業者になったことを報告した。つまり泉南市のみならず大阪市とも利害関係があることがお分かり頂けるだろう。
その上でもう一人の関係人物を指摘しなければならない。大付氏のFacebookのプロフィール欄をみると「一般社団法人大阪観光局アドバイザー」とある。大阪観光局といえば先のミュージックサーカス2023の後援団体であり、2013年、松井一郎大阪府知事(当時)と橋下徹大阪市長の(当時)の時代に発足した。インバウンド政策を重視する大阪府・市・維新の肝入りの組織だ。
京都市長選維新候補にも 名が挙がる観光局代表理事
大阪観光局・溝畑宏代表理事。京都市の門川大作市長が今季限りで勇退し、来年の市長選に出馬しない意向を受けて現在、京都政界は色めきだつ。京都は共産党系、旧民主系が強い地域で勢いがある維新にとっても大きな壁。そこで市長選の維新候補として溝畑氏の名が浮上している。
おそらくサッカーファンならば溝畑氏に対して好印象はないはずだ。溝畑氏は元自治官僚。大分県に出向中の2004年、公務員を辞し大分トリニータの代表取締役に就任。ところが2009年に同クラブは経営破綻に陥り、溝畑氏は引責辞任に追い込まれた。ところが旧民主党政権時代、2010年に観光庁長官に就任した。トリニータでの失脚から一気に出世だから驚き。洛星中学校・高等学校から東京大学法学部という経歴のため京都政界、民主党政権にも人脈があったためだ。いわゆる「お友達人事」として当時は報じられた。
そして2016年に大阪観光局代表理事に就任。溝畑代表理事の下、大阪観光局は「LGBTQツーリズムセミナー」など独自の観光事業を展開している。
溝畑氏は大分トリニータ社長時代、集金のためにスポンサーとの宴席で裸踊りを披露した人物だという。行政関係者の間では「風変わりな人」で有名なのだ。エンターテインメント事業に関わる溝畑氏だからお堅い“ 役人風情”よりも“面白おじさん ”であるのは悪くない。しかし公の機関のトップとしては疑問が多い。
8月7日、溝畑氏のFacebookによればトライ社・大付氏や観光局幹部から誕生祝いを受けたことを報告した。大阪市の事業を請け負う企業のトップが宴席。これは接待ではないのだろうか。
2月には溝畑氏は大付氏らとスキー場のナイトツアーに参加したことを報告。いずれも双方のFacebookで同様の内容が投稿されている。蜜月の関係と表現しても差し支えないだろう。
こうした関係性について大阪観光局は「妥当」という判断なのか。回答はまた後日、報告したい。
「身を切る改革」で関西圏を中心に党勢を伸ばす維新だが、関係人物は溝畑氏のようないわくつきが目立つ。またトライハードジャパンでも見られるよう“ しがらみ”がないとは言えない。しかも少し掘り下げれば「中国人脈」が見えてくるのだ。