【衆院選特集】維新は追及できるか? 大阪メトロの中国〝ポンコツ〟EVバス導入の裏にノンキャリ役員

By Jun mishina

自民党と日本維新の会が全国86選挙区で競合する。〝高市人気〟で自民優勢ムードの中、さすがに大阪選挙区だけは維新が圧倒的だ。有権者は維新が行政改革で成果を挙げたとみているのだろう。しかし大阪・関西万博のアクセス用に大阪メトロが導入した中国製EVバスはトラブル続きの欠陥品。維新へ責任を問う声も出てきている。(写真はF8小型バスとF8大型バス)

自維の競合86選挙区で大阪は維新が圧倒的

衆院選は前半戦を終え自民党優勢が報道されている。共闘関係にある維新とは86選挙区で競合しており、自民党調査や報道機関等の調査から情勢をまとめた。

自民党は43選挙区で優勢、維新は18選挙区で優勢、20選挙区が接戦、4選挙区で中道改革連合が優勢、1選挙区で国民民主党が優勢という結果だ。維新は大阪選挙区で7区が接戦以外、すべて優勢と出た。報道機関やシンクタンクの調査でバラツキがあったとしても大阪での維新圧勝は揺るぎない。

しかも大阪府知事選、大阪市長選(2月8日投開票)のW選挙で吉村洋文知事、横山英幸市長の再選は確実。維新の壁はあまりに高くて厚い。身を切る改革、ムダ削減で府民の信頼を得たわけだが、とてつもない厄介者を抱えたことを維新幹部は知らないはずがないだろう。

大阪メトロ「事業戦略ビジョン」より。

大阪市城東区森之宮の大阪メトロ駐車場には大量のバスが行き場をなくして駐車されている。大阪メトロが万博開催にあわせてEVモーターズ・ジャパン(以下、EVMJ)から万博用150台、そして昨年1月に小型バスを40台、合計190台を購入した。ところがブレーキホースの不具合などが発覚。大阪メトロは国土交通省の検査後、EVMJ社のバスを使用中止にした。こうした理由から大阪メトロ駐車場は中国EVバスの墓場になったのだ。

大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)の前身は旧大阪市交通局。大阪市が出資して、2017年に設立された。半官半民の企業であり、万博にも関わったとなると吉村・横山両氏に責任を問う声が起きても仕方がないことだ。

国費103億円 万博・市内バス輸送実証は「失敗」と世に示した

2030年までの事業スキームだった。

なぜ〝ポンコツ〟中国EVバスが大量に導入されたのか。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築プロジェクト」に大阪市高速電気軌道株式会社、関西電力株式会社、株式会社ダイヘン、株式会社大林組、東日本高速道路株式会社が応募したことだ。

正式名称を「EV バスの運行管理とエネルギーマネジメントシステムを一体化させた各種先端技術開発実証」という。事業の狙いはこれだ。

 「EMS×FMS」(電気バスの運行管理と一体となったエネルギーマネジメントシステム)を用いて、運輸事業者が事業所に電気バスを大量導入した場合の電力使用の負荷平準化や、再生可能エネルギーの有効活用を行い、効率的なエネルギー利用が可能な社会を実現。

大阪メトロは「商用車のEV 化を促進し、CO2 削減、エネルギー最適化効果を発現」「エンドユーザー、施設管理者、コンソーシアム参加事業者それぞれが収益向上、コスト削減等のメリットを享受可能なビジネスモデルを実現」と効果を掲げる。

計画では大阪メトロが万博で輸送用に使用したEVバス、閉幕した後に市バスとして転用。DWPT(走行中ワイヤレス給電)を活用することで稼働中のEVバスに給電を可能にするという。すべて遠隔制御サーバーによりバスの運行管理から充電制御まで管理される。円滑なバスの運行管理ができる上、事業所の電力使用を最小化し、再エネ由来の電力を最大化できるという。大阪メトロ、関西電力ら4社がこの事業スキームを考案した。

EVバスを用いた実証実験を2030年まで続けるスケジュールだったが、バスの不具合で計画は中止せざるを得ないだろう。

対して大阪府・大阪市は「大阪スーパーシティ全体計画」を策定しておりその事業の一環として「万博会場へのアクセスの一部において、EV(電気)バスなどの自動運転(レベル4相当)を公道で実施」「万博会場内の移動の一部において、EV(電気)バスの自動運転(レベル4相当)を走行中給電などの新技術を搭載し実施」を挙げている。EVバスの実証実験が失敗した以上、大阪府・大阪市も方針転換が必要になるだろう。

なにしろ同事業の総予算は約174 億円。そのうち国費による補助が約103億円だ。EVバスの屍が累々と横たわる光景からしてプロジェクトの見通しは暗い。莫大な予算がついたにも関わらず実績が不透明なEVMJ製バスを爆買いしたことは大問題だ。この責任の所在はどこにあるのか。

大阪メトロ子会社社長がいきなり役員入り

大阪メトロに対して内部文書を情報開示請求してみたが結局、導入台数以外はすべて非公開という結果だった。同社は半官半民だが、しかし情報開示請求については規則で「大阪市情報公開条例」に準拠したものだ。ところが実質、全面的に非公開という結果に闇を感じてしまう。

EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)のEVバス導入が何らかの利権に繋がっていたというのが関係者の一致した見方。そして導入に関わったというのが大阪市元職員で現在、大阪メトロの取締役に名を連ねるM氏だ。

「1988年、大阪市役所にノンキャリアで採用された人物です。大阪メトロには2018年に入社、2021年に交通事業本部長、そして2024年4月に取締役に就任しました。また子会社のOMタクシーの社長も務めており、本社役員として昇進しました」(大阪市関係者)

このM氏がEV バスの実証実験の中心人物だ。

「大阪メトロは実証プロジェクトに関するチームを編成しました。M氏が主任研究者及び研究開発・実証実験総括に名を連ねています」(前出関係者)

M氏はまるでEVバスの専門家のようだ。同氏が社長を務めたOMタクシーとEVバスの因縁は深い。

「昨年9月に、OMタクシーが運航するEVバスが事故を起こしたのです。例のEVMJ社製のバスですよ。EVMJ社EVバスを猛烈にプッシュしてきたのがM氏」(前同)

昨年10月13日、自動車生活ジャーナリスト・加藤久美子氏がFRIDAYに寄稿した記事「【独自】証拠動画を入手…大阪万博で大量購入された中国製バスで続出する「操縦不能トラブル」の実態」によれば、バスは突然、ハンドル操作が不能になったという。しかしその後、EVMJ社の検証では「運転手のわき見運転」という結論だった。

M氏が社長を務めたOMタクシーはEVバスの有力な納入先であり、またEVバスを用いた商業実証でも同氏が中心にいる。

そうした実績が認められノンキャリアながら大阪メトロの役員にまでキャリアアップした。M氏の処遇についてはEVバス利権に貢献してきた論功行賞という推測の一方で、役員に昇進させて全責任を負わせる可能性も指摘されている。

森之宮に横たわるEVバスは廃棄か再利用かで大阪メトロ内は揺れているという。大阪府政、大阪市政にも大きく関わる問題だが、維新の議員団が追及できるのか興味深い。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【衆院選特集】維新は追及できるか? 大阪メトロの中国〝ポンコツ〟EVバス導入の裏にノンキャリ役員」への5件のフィードバック

  1. 白山のび太くん

    >1988年、大阪市役所にノンキャリアで採用された人物です。

    地方自治体の職員採用に「キャリア」「ノンキャリア」があるのか?

    この場合の「ノンキャリア」とはどんな意味なのか?

    返信
  2. 白山のび太くん

    >1988年、大阪市役所にノンキャリアで採用された人物です。

    地方自治体の職員採用に「キャリア」「ノンキャリア」があるのか?

    返信
  3. 若松

    プロフィールが他の方とごちゃまぜになってますよ!ちゃんと裏取ったんですか?

    返信