韓国人教授と暴力の闇 関学大・金明秀教授と大学の対応を問う①

三品純 By 三品純

反ヘイトスピーチ、反差別を訴えるカウンター活動が活発になって久しい。カウンターの活動家はメディアで好意的に取り上げられ、協力関係にある議員、学者、著名人、メディア関係者も少なくない。しかし人権問題、差別解消を訴えるカウンター団体内で壮絶なリンチ事件が起きたことも見逃せない。さらに人権問題を教え、反差別運動にも関与する在日韓国人で関西学院大学社会学部のきむ明秀みょんす教授による同僚教授への暴力行為が取沙汰されている。さらに甲南大学でも同様に韓国人教授によるパワハラが起きているという。ところが両教授ともに大学からの処分はない。なぜ彼らは「暴力」に走ったのか? そしてなぜ周囲を取り巻く人々は彼らの「暴力」を看過するのか。

金氏が参加する人種差別実態調査研究会の「日本国内の人種差別実態に関する調査報告書」の一部。

関西学院大学社会学部教授・金明秀。大学教授という肩書を持つ人は数あれど、この人物がどの程度の知名度を誇るかの分からない。決してタレント教授というわけではない。しかし“反差別業界”では有力者である。このところ社会学者なる人々は専門的な研究というよりも、安倍政権からW杯、アニメまでとりあえず旬の話題には何でも飛びつきモノを申す意見屋稼業にも見える。その点、金教授は何を生業としているのか。関西学院大学の研究者データベースによると金明秀教授の専門は「量的データの統計解析を通じて社会階層論(民族的階層化)と社会意識論(ナショナリズム、差別意識)に取り組んでいる」となっている。つまり民族問題、人権問題が同氏の研究テーマだ。著作を見ても『在日韓国人青年の生活と意識』(東京大学出版会)、『レイシャルハラスメントQ&A』(解放出版社)などやはり外国人の人権問題、とりわけ在日コリアンの人権に取り組んでいる。時に「関西カウンターの理論的支柱」こんな評価もある金氏。インターネット上でもSNSを通して主張を展開するが、とにかく激しい口調が印象的だ。以前、タレントのフィフィさんとツイッター上で論争になった際はこう投稿している。

あ、やっとじこぼうさんのツイートの意味が分かった。サイッテーやな、フィフィ。以後は手加減しないよ。2012年11月16日

またしばき隊リンチ事件の被害者に対しては

室井、おまえ、自分を守ってもらってるっていう自覚はあるのか? 自分の彼女を守ってもらってるっていう自覚はあるのか?

とても物騒な文言が並ぶ。しかしこれまでの投稿を見ると総じて在日コリアン、シンパ、反差別仲間の行為に対しては常に擁護的。その反面、敵とみなした者に対してはとても高圧的だ。「仲間に対しては結束が固く、敵に対しては狂暴」これはアウトロー、不良の世界でもありがちな現象である。「愛国主義はならず者の最後の隠れ家」とはイギリスの詩人、サミュエル・ジョンソン(1709~1784年)の名言だ。いわゆる左派、反差別の論客はしばしサミュエルの言葉を引用する。しかしカウンターの面々は、デモになれば刺青を誇示し、中指を立て、時には暴力も辞さない。「反差別はならず者の最後の隠れ家」こう評していいのではないか。そんな一派の理論的支柱が金氏というわけだ。

同僚教授への暴力行為、しかも相手は「在日コリアン」

過去にも暴力行為が取沙汰された金氏だが、今回、暴力を振るった相手というのが同じ関西学院大学の同僚教授、建志けんじ氏。同じ在日コリアンである。金氏の暴力行為についてツイッター上で投稿が相次ぐ中で、李氏も2014年4月26日、こう訴えた。

ちょっと長くなるけど、愚痴を言います。元々ツイッターってこういうことをつぶやくためにあるのだから、許されると思うので。僕は去年、某同僚教授に殴られた。無抵抗の僕を13発も殴り続けたその男は、わざとむかつく態度をとって僕に殴り返させようとした。実はそれがいちばん許せないことだった。

この某同僚教授というのが金明秀である。この暴力行為についてはすでに金氏の代理人が謝罪しており、李氏との間で和解が成立していた。本来ならば和解の時点で金氏は“黙して語らず”の態度を貫くべきだが、ツイッター上などで暴力行為を否定するかのような投稿をしていた。しかし今年になり多くの人が彼の「暴力行為」を知ることになる。それは関西の労働組合、新世紀ユニオン(大阪市福島区)の角野守執行委員長のブログ「委員長の日記」だ。現在、新世紀ユニオンは金氏の暴力行為について関西学院大と団体交渉を続けている。

同ブログ7月9日分「本日、**大学へ団体交渉を申し入れました!」というエントリーではまだ大学名、当事者名も伏字だった。ところが7月13日「暴力事件に関する関西学院大の不可思議な対応!」では金氏の実名も関学大も明かされていた。人権運動家の顔を持つ金氏が暴力沙汰とは一体どういうことなのか。

そこで金氏に今回の暴力行為について取材を申し込んでみると、メールでこう返信があった。

せっかくのお申し出ですが、同ユニオンに対しては法的対応を検討していますので、その支障となりかねない取材はお断りいたします。

また新世紀ユニオンの事務所を訪れ、角野執行委員長に話を聞いた。角野氏によると当初、実名を明かすつもりはなかったという。それでもブログ上で公表したのは関学大側の対応に問題を感じたからだった。「李氏と和解したにも関わらず金氏が暴力行為について否定するかのような発言をしていること。また大学側が処分をしない上、こちらの申し入れに対してとぼけるかのような態度なので公表に踏み切ったのです」(角野氏)と説明する。さらに角野氏は“あの事件”を例に関学大を批判する。

「日大アメフト部と関学大アメフト部の定期戦で日大選手による危険な反則タックルがあったでしょ。日大の対応に対して関学大は厳しく対処し処分を求めたのに、学内の問題に対しては“処分しない”というのは筋違いですよ。(金氏が)法的対応を考えている? うちにはそんな書面が来てないしそもそも本人が暴力行為を認め和解しているのに法的対応というのはおかしい」

関学大のシンボルでもある時計台(旧図書館)。

日本大学フェニックス反則タックル問題は多くの人が知るところだろう。今年5月6日、東京調布市内で開催された関学大ー日大の定期戦で日大選手が反則タックル、ラフプレーを繰り返したことは社会問題にもなった。当時の日大の対応はあまりに不誠実で、不透明だった。そして角野氏の指摘通り、関学大は被害者側選手の保護者とともに厳しく日大を批判した。ところが関学大は学内の問題に対して十分な説明も処分もしていない。この態度は矛盾している。

現在、大学教授によるパワハラ、セクハラはたびたび報じられる。「科学界のインディ・ジョーンズ」と言われた生物学者で広島大学教授の長沼毅氏が2017年、学生への暴力行為で略式起訴され30万円の罰金命令が下された。ところが金氏については刑事罰どころか学内の処分すらない。

だから直接、この件について金氏に問う必要があると思い、関学大社会学部の事務室を訪れて面会を求めた。するとそこに偶然、金氏がやってきた。暴力行為についてや新世紀ユニオンのブログについて問い、改めて取材を申し込んだ。

「メールでも説明した通り、取材を受けません」

ツイッター上では厳しい言葉で投稿することもある金氏だが、この時は打って変わって穏やかな態度で取材を断った。「ではこれで」こう事務員に引きはがされてしまい面談できたのは僅かだった。「反差別」「人権」を掲げるからと言って「暴力」が許されるわけではない。しかも専門家であればこそより自制をすべきではないか。彼は以前、反差別の暴力行為について批判的な見解を示した人物に対して2013年9月21日、ツイッター上でこう投げかけた。

「暴力」は主体を不鮮明にしがちなマジックワードです。誰の誰に対するどういう「暴力」なのか説明せずにただ「暴力」というのは悪質な印象操作です。

暴力は主体を不鮮明する、とは字面だけではいかにも“学術的”な表現だ。ならばここで言う「暴力」を「差別」に置き換えてみよう。

「差別」は主体を不鮮明にしがちなマジックワード

むしろこちらの方がしっくりこないだろうか。同和事業における不透明な補助金、助成金、窓口の所在地が分からない謎の人権相談事業、世襲される同和団体の役員、朝鮮学校のズサンな経営、挙げたらキリがない。これを検証したら「差別者」と言われるのが本誌である。今や野党議員を批判しただけでもヘイトと言われるご時世だ。自身に不都合な事態が起きれば「差別」と逆上してきたのが「人権」の一側面だ。金氏に限らず反差別、人権活動家に向けられる批判はこうした態度に無自覚だからだ。

また関学大の態度も不可解だ。もし大学側が金氏の在日という出自に対して「配慮」「忖度」しているのならば言語道断。むしろそのことの方がよほど「差別的」で在日コリアンへの偏見を助長するのではないか。8月2日、新世紀ユニオンは関学大との間で二回目の団体交渉を行う予定である。そこで大学側から適正な説明があるのか。

人権問題の講演会で講師として登壇している。

韓国人教授と暴力の闇 関学大・金明秀教授と大学の対応を問う①」への2件のフィードバック

  1. .

    別の意味のマジックワードで「反日」というのもありますわな。

    自民党議員を批判しただけでも「反日」と言われるのはよくあること。

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  2. 三品純三品純 投稿作成者

    それも然りですね。だから右の論壇の世界でも「反日」というレッテルを恐れて本音を隠している人もいると思いますよ。

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