【和歌山自民】世耕弘成氏が復党で 保守分裂の和歌山市長選にも影響 !世耕派・尾崎太郎県議が有力候補へ

By Jun mishina

自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で2024年4月に離党した世耕弘成衆院議員。その後、衆院和歌山2区への鞍替えを表明し2024年10月の総選挙で二階伸康氏を大差で破り当選。その後、自民党和歌山県連とは選挙協力を交わし2月の総選挙も再選した。そして世耕氏は5月28日、鈴木俊一幹事長に復党願を提出。これにより世耕氏の復帰の可能性が高まったが、すでに8月の市長選への影響が囁かれる。(写真=今年2月の総選挙で演説する世耕氏)

6月6日に県連で復党について協議

昨年、自民党和歌山県連は卜半町から県庁近くのビルに移転した。入居先にはかつての自民党のドン、二階俊博氏の事務所もある。引退したとは言え、いまだに二階氏の存在感が伝わってくるのだ。

現在の和歌山県連が入居する和歌山市広道のビル。
県連と交わした選挙協力の確認書。

2024年の衆院選で二階氏の後継者、伸康氏を比例復活も許さない大差で破った。

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世耕氏の圧勝の要因の一つとして学会票を取り込んだことがある。世耕氏の影響力は大きさは昨年の参院選でも明白だ。世耕氏は無所属で立候補した望月良男氏を応援。自民党が公認した二階氏との対決が注目されたが、望月氏が制した。

今年1月には世耕氏は県連と協力関係を結んだ。いよいよ復党への道筋が立ったようだが、そこからの動きがどうも鈍かった。

「世耕氏は高市首相に近いけど、そう簡単にはいかない」と自民党関係者。

最も大きな障害とみられるのが麻生太郎副総裁との関係のようだ。

「麻生政権末期に石破茂、中川秀直氏らが仕掛けた〝麻生おろし〟に世耕氏が協力。反麻生の受け皿になった『速やかな政策実現を求める有志議員の会』の代表世話人になったことは今でも麻生氏周辺から恨まれている。復党の手続きもかなり慎重に進めたようだ」(前同)

そこで高市首相の応援グループ「国力研究会」が多くの議員を集めたのを見て、5月28日に復党願を提出したという。

「6月6日に和歌山県連で世耕氏の復党について協議され、復党が認められる見通しです」(地元記者)

だが県連内ではまだ二階派議員も残っており、反発が起こりそうなもの。ところが世耕氏に風が吹いたというのだ。

「県内最大の建設業界団体の役員企業に談合疑惑が囁かれています。そこに二階派の有力者も名前が挙がっているため、世耕氏の復党問題どころではない、というわけです。」(同前)

こうした裏事情からすれば世耕氏の復党は時間の問題ではないか。むしろ世耕氏の復党が前提で動く関係者もいるようだ。8月9日投開票の和歌山市長選では世耕氏の動向が注目されている。

世耕氏の復党を呼びかけた尾崎太郎県議

当初、県連は和歌山市・犬塚康司副市長の擁立を目論んだが、犬塚氏が固辞。市中枢にいる犬塚氏にすれば、和歌山市長職は魔境に放り込まれるのも同然だと知ってのことだろう。

そこで多数の候補者が名乗りを挙げた。

旅田卓宗氏(81歳・元和歌山市長)、片桐章浩氏(64歳・現職和歌山県議)、浜田真輔氏(64歳・現職和歌山市議)、尾崎太郎氏(60歳・現職和歌山県議)、福井清光氏(57歳・神職・自営業)*年齢順

旅田氏は元市長。かつては、し尿処理団体のストライキを受けて自らバキュームカーに乗った猛者。また地元の同和団体「芦原地区特別対策協議会」の有力者とも対峙した。片桐氏は牛肉投資詐欺に加担した疑惑を追跡中。浜田氏は自民党の公認候補になると囁かれる。

尾崎氏の父、吉弘氏は元市長。不正融資事件などに絡む加重収賄罪で起訴され1998年、任期中に辞任。尾崎氏にすれば親子二代のリベンジ戦だから負けられない一戦だ。福井氏は新興宗教団体「自然社」で教師を務める。県知事選の候補者説明会に出席するなど政界に関心があるようだが、失礼ながら泡沫候補だろう。

これまでは浜田氏が有力視されてきたが、旅田氏は高齢だが、市内での知名度は侮れない。しかも保守系の分裂候補のため旅田氏にも可能性がある。

しかし世耕氏が復党願を提出したことで、尾崎氏が本命視されるようになったのだ。その理由は、尾崎氏と世耕氏の近さにある。

尾崎事務所にて世耕氏と。(尾崎氏のブログより)

世耕氏について「兄貴分」と慕う尾崎氏。

「世耕氏の復党を呼びかけたのが尾崎氏なんですよ。世耕氏が復党すれば県連の最高実力者になることは明らか。自民党の公認が尾崎氏になる可能性が高まりました」(前出記者)

非常に因縁深い市長選になりそうだ。

1995年、当時市長だった旅田氏の後任を争う和歌山市長選で、自民党候補だった尾崎吉弘氏が浜田氏(新進党・公明党推薦)を下して当選。ところが先述した通り吉弘氏は志半ばで辞任。その後任というのが旅田氏だ。90年代の闘争が再現されることになる。

高市政権時代は今のところまずまずの支持率だが、かといって自民党自体が人気だとは限らない。各地の首長選で自民系候補が落選しているのもその証拠だ。

保守分裂の間隙を縫って旅田氏が有利に進めるという見方も出てきた。だが一方、復党するであろう世耕氏を味方に尾崎氏が支持を集める可能性が出てきた。

どちらにしても90年代から続く因縁に終止符が打たれる夏の和歌山市長選。仮に尾崎氏が制した場合、二階王国からいよいよ世耕王国になりそうだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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