【連合自治会長事件】和歌山政財界に蠢く地元グループに迫る!

カテゴリー: 政治 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

5月20日のエントリー【連合自治会長事件】コロナ支援活動で浮上した芦原人脈を公開したところその後、各所から指摘があり複数の問題が浮かび上がった。それぞれ事情が異なるので今後、一つずつクリアしていく。今回は昨年、話題になった自民党・二階俊博幹事長、門博文衆議院議員と金井克諭暉よしゆき被告らの集合写真から見えた“ 地元グループ”を検証していく。

「複数の問題」とは記事中で紹介したある一枚の写真が原因だった。本稿の主要なテーマではないが、読者からの指摘を受けたので追跡してみよう。こんな問題だ。

隣にいる犬は和歌山市のパトロール犬「もか吉」。全国メディアでも紹介された人気者だがこの犬をめぐりトラブルが起きていた。

前稿でも指摘した通り、金井被告の還暦パーティーの発起人について調べたところ和歌山市・松井紀博市議が浮上した。そこでイメージ写真として昨年4月の統一地方選のポスターを掲載してみた。本来はただ人物紹介で使用したに過ぎないが実に大きな意味を持つ一枚なのだ。「ところ 芦原文化会館」という文言に複数の地元関係者が疑問視する。

「芦原文化会館は同和事業に関係した行事しか使用できなかったのでは?」

「地域住民以外は利用できないのではなかったか?」

昨年の演説会とは言え今更ながら疑問が噴出した。同館は過去、金井被告が私的占有しており、芦原地区特別対策協議会(芦対協)の事務局があったのは当サイトも含めて多数報じられた。こうした経緯があってか、芦原文化会館の使用許可については特に共産党系団体には厳格だった。「手芸のため申請したが不許可だった」(地元新婦人の会関係者)という証言も見逃せない。また昨年末、金井逮捕を受けて市民グループが同和行政を追及する学習会を開催するため芦原文化会館に使用許可を申請するも市は拒否。市側の理由は「地域外の人が、会議で使用することができないため」だった。傍目から見ても拒否理由が「共産党絡み」というのが明々白々。この点について昨年12月議会で森下佐知子市議が質したところ尾花正啓市長は

文化会館の貸し館の使用許可については、人権同和政策課の専決業務となっているため、把握しておりませんでした。確認したところ、今回の隣保館使用許可申請書は、目的に合致していなかったため、不許可と回答したとの報告を受けました。

と不許可理由を説明した上で

本市の文化会館の運営については、社会福祉法並びに隣保館設置運営要綱、和歌山市隣保館条例により運営しているもので、使用許可においては、使用目的や地域内外により判断しております。地域改善対策協議会意見具申には、隣保館について、周辺地域を含めた地域社会の中で、福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となる開かれたコミュニティセンターとして発展していくことが望まれるとあるように、広く地域内外の住民が使用できるよう検討してまいります。

地域内外、使用目的を問わず利用できると答弁。当時は市長と市側の説明が矛盾しているとの指摘も起きた。では松井市議の演説会についてはどういった使用許可だったのか。和歌山市に聞いてみると芦原文化会館の使用許可については「人権同和政策課の専決業務」と聞いていたが、市選挙管理委員会から回答がきた。

「選挙管理委員会が各施設に選挙期間中の空き状況について照会をかけて空いている施設を指定して演説会等に使用してもらいます。公職選挙法では第161~164条が根拠になっています」

との説明だ。照会と言っても芦原文化会館が“ガラガラ ”というのは大いに想像がつく。ある市民に言わせれば「自治会長会合の開催日の約10日前くらいに芦原文化会館を見学したところすでにテーブルやイスがセッティングされて出席者のネームプレートまで置かれていた」という有様だ。これはいい加減に和歌山市側も正直になってほしい。同館の使用許可は「人権同和政策課の専決業務」というよりか、芦対協の胸三寸ではなかったか。

とは言え市長がすでに広く利用できることを明言した以上、使用許可を制限するものはない。共産党の選挙演説でも手芸でも自由に利用するのがよろしかろう。そしてもう一点、上記ポスターで浮上した別の問題が松井市議の隣の犬だ。和歌山市の事業「ぼうはんパトロール犬」の第一号であり、メディアでも取り上げられた人気犬「もか吉」だ。愛くるしい犬だがこのもか吉をめぐる陰惨なトラブルがあったので、これは次号に続くとして本題に移ろう。

二階・金井写真の同席者がマスク寄付

尾花市長と中山氏のツーショット。
市のFacebookでも紹介されていた。

次は別の情報提供者の話。「記事タイトルにあった“コロナ支援活動 ”と言えばですが…」こんな風に切り出したのである。

「昨年の『FRIDAY』(2019年11月22日号)でも話題になった二階俊博幹事長と金井被告のツーショット写真にも写っていた良誠工業(和歌山市松江北)の中山勝裕社長らが和歌山市にサージカルマスクを寄付したんですよ。この様子はテレビ和歌山や地元紙でも紹介されています」

ツーショット写真とはタイトル画像の通り。前列左の金井被告の後に中山氏がいる。和歌山市秘書課の説明によると寄付をしたのは和歌山市の経営者グループ「仲良会」の会員企業。良誠工業の中山氏ら5社が5月25日、市庁を訪問しサージカルマスクを1万枚寄付した。同課によると障害者施設や介護施設に配布する予定だという。

和歌山市内11社の経営者で構成する「仲良会」のメンバー。賞状を持つ中山氏。

中山氏と言えば同和減免、人権資料館…「芦対協」が和歌山市に仰天要求!でも紹介している。この時は同氏が和歌山市西高松の飲食店「A」で開催した忘年会を直撃した。実はこのAが意外な意味を持つのである。

「A」、それからマスク寄付のメンバーを照合するとある事実が浮かび上がる。解説するのは金井被告とも面識がある地元業者の話だ。

「実はこのAという屋号なんですが、地元暴走族グループ名に由来しているんですよ。市内の明和中学校の出身者を中心にしたグループで中山さんもAの元メンバー。それから仲良会に参加している経営者の中にもA出身者がいますね」

さらにこの人脈は政界にも連なっていると同氏。

「元メンバーのN氏が仲良会に所属する自動車会社に勤務していたんですが、そこをリストラされたんです。その後、この人物は中山氏の親族企業勤務を経て、門博文議員事務所の地元秘書に採用してもらったのです」

詐欺罪で逮捕された金井被告との集合写真という時点で昨年から地元ではブーイングが鳴り止まない。和歌山の政治経済ポータルサイト「 和ネット」を見ても関心の高さがよく分かる。おまけに金井被告の盟友とも言うべき中山氏の人脈が門事務所に連なるのも妙な話だ。N氏を通じて地元経営者グループが門氏ら国会議員に陳情しやすくなると、こう邪推されても仕方がない話。

そこでN氏と中山氏らとの関係、また過去の履歴について門事務所に問うと、同事務所名で

弊社秘書の個人情報等に関するお問い合わせをいただきましたが、個人情報の観点から第三者には回答しておりませんのでご理解ください。

前回、質問した時は無回答だったので少し前進したかも。

との反応があった。また良誠工業の中山氏にも同様の質問をしてみたが回答はなかった。この点については続報を待ってもらいたい。一方、こうした人脈について芦原地区問題に詳しいウォッチャーはこう分析した。

「二階―金井写真の背景が見えた気がするんですよ。元は金井の個人的なつながりと思っていたんですが、知人を門事務所秘書にするあたり中山氏―門議員というルートが金井被告を二階さんにつなげた。こういう見方もできるでしょう。それに金井個人のルートで実現していたならば“手下 ”の自治会役員たちが写っていたはずですよ。となると金井も“利用されていた”という図式が成り立ちませんか。もちろん彼にも責任があるのは言うまでもありませんが…」

確かに説得力がある意見だ。役所や業者を震え上がらせた金井被告だが、それも芦原地区特別対策協議会という地域事情が大きい。だから金井だけの威勢で二階幹事長まで動かせるとは思えない。つまり金井を取り巻いた人脈を検証しなければ連合自治会長事件の本質は見えてこないだろう。でなければ金井が去っても、再び別の芦原地区のドンを生むだけだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【連合自治会長事件】和歌山政財界に蠢く地元グループに迫る!」への1件のフィードバック

  1. 知らない事を知りたい

    凄い取材記事ですね。和歌山は個人的にナゾな地域なので面白かったです。竹中の名前が出てきたら、、お笑いですね 高知もナゾ地域・・

    返信