狂乱の 都知事選、石丸伸二落選後に 閉鎖された石丸 ミームコインで ビジネス選挙時代の 到来か?

カテゴリー: 政治, 社会 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

都知事選の狂騒は続く。惨敗の蓮舫氏はSNS上で著名人や報道機関など関係各所に噛みついている。逆に大健闘だった前安芸高田市長、石丸伸二氏は政界、マスコミも興味津々。選挙運動中は石丸人気に便乗し切り取り動画で稼ぐ商機でもあったが「石丸ミームコイン」まで存在したのは知られていない。

有力候補者が ビジネス、エンタメに なる時代

ノリがバブルっぽい。

石丸氏と蓮舫氏、都知事選2位、3位の両氏は同じ敗者でも明暗を分けている。

6月30日、バスタ新宿前で開催された蓮舫氏の街宣は「新興宗教」「内輪ウケ」と揶揄されたものだ。あの雰囲気は到底、広く有権者に共感を広げるものではない。蓮舫氏はまるでやぐらの上に立つ巫女。「小池許すな」「木を切るな」と蓮舫氏の神託に心酔する聴衆、そして踊る。現代社会に蘇ったシャーマニズムかと見間違うほどだ。

蓮舫氏にとって不幸なのは政治運動というよりも蓮舫氏をダシにした非日常を好む支持者が集まってきたことだ。いまだSNS上で荒ぶる支持者たちは「蓮舫氏のため」というよりも「選挙運動の余韻」が正解ではないか。

逆に石丸氏はしてやったりに違いない。安芸高田市時代以来の話題性、発信力に便乗してYouTuberらが殺到。配信される切り取り動画はいずれも人気で収益を生む優良コンテンツである。石丸氏自体がエンターテインメントと化したことは見逃せない。

あるいは石丸陣営からは投資、自己啓発セミナーのような雰囲気を感じ取った人もいたはずだ。石丸陣営から放たれるセミナービジネス感を何者かが察知したのか、「石丸ミームコイン」なるものまで登場していた。

Solana(SOL)を 使った石丸 ミームコイン

歴史的な掲示板。

石丸氏が出馬表明すると財界人、インフルエンサーたちが支持を表明した。カタカナビジネス用語、自己啓発、そんなものが似合う面々だ。オリエンタルラジオの中田敦彦氏とも対談したが両氏の支持層は似通っている。

石丸氏は安芸高田市長時代から得意にするネット戦略を駆使して都知事選を戦った。石丸氏の政治活動にとってネットは欠かせない。

ネット上で石丸人気が上昇するとmovetotokyo.netというドメインで「石丸ミームコイン」なる仮想通貨が開設された。石丸氏のキャッチフレーズ「東京を動かそう」を踏襲したのは明白。

ミームコインとはインターネットで話題の人物、モノをパロディや風刺した仮想通貨だ。今年3月、詐欺罪でNY連邦地裁から懲役25年の判決を受けたFTX元創業者のサム・バンクマン=フリードが推奨したSolana(SOL)を採用している。

今年6月17日から発行されるとあるが、海外の仮想通貨取引所で売買可能だったようだ。しかし図ったようなタイミングで都知事選終了後に閉鎖。サイトは全て削除された。

石丸氏本人のものと勘違いしそう。
石丸ミームコインのチャート。

仮に石丸氏が当選した場合、何倍にも爆上がりしたことだろう。問題は誰が運営者かということ。ミームコイン自体はもともとネットの注目ワードをパロディにしたものだ。同サイトには英文の説明文があった。

暗号通貨ISHIMARU Meme Coin はエンターテイメント目的で作成された暗号通貨であり、石丸伸二と提携または承認されていません。ISHIMARU Meme Coinは、石丸伸二の人物、イメージ、または肖像に関連する要素を参照または組み込む場合がありますが、石丸伸二による直接の支持、所属、または支持を意味するものではありません。ISHIMARU Meme Coin と石丸伸二氏との類似点や関連性はまったくの偶然であり、風刺やユーモアを目的としたものです。

「石丸氏との類似性、関連性はまったくの偶然」であるはずがない。無論、石丸氏由来のはずだ。しかもWebサイトのアイキャッチには明らかに石丸氏と思しきイラストがあった。そして「石丸ミームコイン」の目的はこう掲げられている。

暗号通貨 ISHIMARU は 2024 年 6 月 17 日に発行され、東京の発展を支援し、都民の生活を改善することを目的としています。このプロジェクトは、資金の 50% を次のような活動に使用することを目指しています。

インフラ整備:交通機関の整備や公共施設の更新など、東京のインフラを整備する事業。環境保護: 緑地の保全、再生可能エネルギーの促進、都市緑化への取り組み。

教育支援:学校および教育施設の設備を改善し、教育プログラムを支援します。

地域社会の発展:地域社会の活性化と住民参加プロジェクトの支援。

文化芸術の振興:地域の文化芸術活動の支援、イベントの開催。

$ISHIMARU は、これらの取り組みを通じて都民の生活の質の向上を目指します。これを通じて、東京をより良い場所にするためのさまざまな活動を支援します。

都知事候補の石丸氏と無関係という割になぜか「東京の発展を支援」「都民の生活を改善」を目的にしている。あたかも公益性を有し、まるで基金のようだ。

よく事情を知らなければ石丸氏本人が運営するプラットフォームと勘違いしてしまうだろう。

明らかに本人を意識したアイキャッチ。

都知事選で石丸氏が注目されたのは海外メディアにも広く報じられた。切り取り動画だけで膨大なアクセス数が稼げる石丸氏は国内外を問わず魅力なコンテンツである。

ここでいくつかの疑惑が浮上する。それは石丸氏自身も「石丸ミームコイン」の存在を黙認して運営させていたこと。またネット上のインフルエンサーらも「石丸ミームコイン」を知りえて“ 爆上がり”狙いで支持を打ち出したという可能性だ。

中には都知事選終了後、石丸氏の言動、マスコミへの対応が独善的、傲慢だとして批判に転じた有名人、インフルエンサーもいた。もちろん偶然かもしれないが、「石丸ミームコイン」が閉鎖後、批判に転じるというのは意味ありげではないか。この点も疑惑を深めている。

石丸伸二現象で 選挙運動が 変わる?

つまり石丸ミームコインが閉鎖、もしくはある程度、収益を得たからもう石丸氏は支持する必要がないという見方だ。都知事選以前から石丸氏を評価する有名人、インフルエンサーは少なくなかった。もし今に至って石丸氏を疑問視するならば情報収集能力や判断能力の欠如を疑った方がいい。

安芸高田市 石丸市長 議会との 対立の原因は 同和行政?(前編)

安芸高田市 石丸市長 議会との 対立の原因は 同和行政?(後編)

当サイトは早期から石丸氏について検証を続け、その裏の顔をレポートしてきた。また弊社以外でも石丸氏を疑問視してきたメディアは存在する。石丸氏についての情報は多数あったにも関わらず選挙後になって「(石丸氏に)がっかりした」「残念だ」というのは単に目が節穴か、あるいは「石丸ミームコイン」閉鎖でもう用済みか? こういう疑問が出てくるのも当然のことだ。

それにもし無関係ならば石丸氏本人が何らかの注意、警告を発するべきだと思うがそのような痕跡はない。どんな質問に対しても眼中にないという態度で受け流してきた石丸氏だから「石丸ミームコイン」について問うても一笑に付す程度だろう。

だが過去にも同種案件があり、暴露系YouTuberでネット界を席巻した東谷義和氏もその名を冠した「ガーシーコイン」が無断で発行された。これに対して東谷氏は2022年5月24日の旧Twitterに「みんな騙されて買ったらあかんで」と警告したものだ。石丸氏の場合は元首長、都知事選候補でより信頼性が高い。「石丸ミームコイン」には無関係との説明があるが、それでも一般人が真に受けやすい状況がある。ならば石丸氏も同様に「石丸ミームコインは無関係」だと注意喚起すべきではないか。

石丸氏本人にX上で呼びかけてみたが反応はない。選挙対策本部長を務めた小田全宏氏に質問状を送ってみると「ご質問頂きました件に関しましては、全く存じておりません」との返答があった。また石丸陣営の選挙プランナー、藤川晋之助氏にも確認してみたが「こちらが把握できることではありません」(藤川選挙戦略研究所)と同様の反応だ。

幸いなことに「石丸ミームコイン」に投資して詐欺にあったなどの被害は聞かない。狂乱の都知事選フェスティバルのこぼれ話で終わったのが何よりだ。

しかし示唆に富んだ現象ではある。石丸ミームコインを含め今回の都知事選で見せた「石丸伸二現象」によって選挙スタイルは転換期を迎えたのではないか。

従来からSNSや街宣での熱狂は必ずしも票に直結しなかったものだ。それは蓮舫氏、過去では山本太郎氏も然り。今回の都知事選でも蓮舫陣営は全力で「オシャレ感」「盛り上がっている感」を演出したが、無党派層の若者が共感することはなかった。

ところが石丸氏の場合はSNS人気、街宣人気が票に直結したのは驚異的だ。この現象は都知事選史上初の現象だろう。しかも選挙運動という概念そのものを一変させたかもしれない。それは注目の候補者がアイコン化されてビジネス、エンターテインメントになる。まさに石丸現象だ。とりわけ「石丸ミームコイン」は最たるものだろう。

もはや昭和、平成時代の予定調和的な選挙は終焉を迎えたようだ。「清き一票」といった標語は遺物にすぎない。令和流は「バズる要素」次第で娯楽となり、候補者・支援組織・業界団体だけではなく一般の有権者にもビジネスチャンスになりえる。当選せずとも候補者・選挙運動自体がビジネス、利益を生み出す時代なのだ。石丸伸二とはその鏑矢かもしれない。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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