紀州の“同和のドン”金正則と 和歌山市の闇を追う

カテゴリー: 社会 | タグ: | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

※写真は大江康弘元参議院議員のFacebookより。

関西電力幹部を屈服させた“北陸同和のドン ”こと高浜町元助役・森山栄治の衝撃ニュースの余韻が残る中、今度は紀州の同和のドンが不正蓄財!? 和歌山市・芦原地区連合自治会長 、金井かない克諭暉よしゆき(本名/金正則)が先月23日、詐欺の疑いで逮捕された。この本名の通り、在日コリアン三世でもある。金井は和歌山市の公共事業に絡み落札した業者から「協力金」という名目で現金を「騙し取った」とされる。

芦原地区とは和歌山市雄松町、汐見町、三沢町、島崎町からなる地域で和歌山県最大の部落だ。『全国部落調査』によれば昭和9年のデータで芦原は1797戸、人口7933人としている。他地域と比較すると堺市ですら同時期のデータは881戸、人口3033人だからいかに大きな部落か理解してもらえるだろう。そして事件の舞台となる「芦原文化会館」についても触れておこう。同館はいわゆる「隣保館」だ。『わかやま新報』(2015年12月21日)によると芦原文化会館は昭和29年6月1日、島崎町5丁目に全国4番目の隣保館「市立和歌山隣保館」として設立されたそ。そして昭和47年12月3日の「芦原文化会館」に名称変更し、雄松町1丁目に移転された。現在は島崎町6丁目に真新しい建物が建っているかこれは平成27年に新築移転されたものだ。

歴史ある芦原文化会館。

そんな地域で2012年から連合自治会長を務めた金井は先述したが在日コリアン。しかし、れっきとした芦原地区生まれである。地域住民によれば何の仕事をしているのかはっきりしないが、ただの気の良い兄ちゃんという感じで、また暴力団員でもない。だから同和のドンというほどの人物なのか悩ましい。とは言え金井のやり口は「ドン」の要素に満ちている。金井は和歌山市の公共事業に絡み業者から現金を騙し取っていた。 『毎日新聞』(10月24日)によれば

逮捕容疑は2014年度に和歌山市が発注した同地区の公共工事を落札した業者に対し、個人で受け取るつもりなのに「芦原地区のために協力金として30万円を納めてほしい」などとうそを言い、現金をだまし取ったとされる。「事実については覚えていない」と容疑を否認しているという。 同署によると、受け取った30万円は同自治会の口座には入っておらず、金井容疑者が私的流用したとみている。

逮捕のきっかけは10月2日、経営するスナックが無許可営業ということで金井は妻とともに逮捕された。地元住民は「長年、経営していたのになんで今更、逮捕なんやろ」と不思議がったという。おそらくこの逮捕は「詐欺罪」への布石であり、別件逮捕の可能性もあっただろう。和歌山市が発表したリリース(10月24日付)にはこうある。

昨年、警察から、金井芦原連合自治会長が公共工事に対する地元協力金を要求しているという話があり、捜査協力の依頼がありました。今年に入って、ある業者から「芦原地区内の業務を入札で落札し契約した後に市職員と金井連合自治会長に挨拶にいった。市職員が退出した後に会長から「地元への協力金」として現金を要求され支払った。」との訴えがありました。この訴えに基づき警察OBの職員とともに調査を行いました。

金井が自治会長の立場、それもただの自治会長ではなく和歌山県最大の同和地区全体のトップとして役所にはもちろん業者にも知られていた。このことが影響しなかったわけはない。皮肉にも和歌山市のリリースに書かれた担当部署に人権同和施策課があることがそれを暗示している。

その手口を検証すると当然、金井にも非があるが、むしろ和歌山市こそが罪深い。弊社に告発してきた関係筋はこんな実態を明かす。

「芦原小学校管区で公共事業が発生した場合、請け負う業者は契約前、和歌山市役所に呼び出されるのです」

そして業者は市職員からこう告げられる。

「契約前に連合自治会に説明に行くので●日●時●分、芦原文化会館の駐車場に来てください。時間厳守でお願いします」

と言ってもその日、業者の都合がいいわけではない。日時の変更はできないものか聞いてみると市職員はこう要求してくる。

「連合自治会の指定時間を守ることが先決です。経営陣も連れて来てください」

自治会長の部屋とは思えないゴージャスさ。(*写真は和歌山市報道資料より引用)

本誌も過去、同和地区が絡む公共事業を取材してきたがこんなやり方は初めて聞いた。そして業者と市職員が面談に行く。会場は会長室ということだ。会館の専従職員が

「●●建設さん、控室にお入りください」

こんな風に告げる。控室には険しい顔つきの業者とその担当市職員が待つ。会長室には金井、そして副会長がいる。すると金井は市職員を激しく罵倒する。

「おう! お前、見慣れん顔やな」

職員は平身低頭で答える。

「はい、今年4月に配属されました」

「ほぉう、またえらい“早い ”挨拶やないか」

こんな嫌味も言われる。ひととおり叱責した後、市職員に対しては「もうええわ、お前ら帰れや」と金井は告げる。そして金井と業者の話し合いになる。金井は態度を変えて

「驚かせてすまなんだな。役所のやつが役に立たんからつい言うてもうたわ。事業内容はわしらが聞いてもよく分からんから説明はええよ」

本誌も過去、隣保館や行政施設で皮張りソファの部屋に通されることがあった。(*写真は和歌山市報道資料より引用)

業者は一安心、と思ったかもしれない。しかし

「地区内の事業をやる業者に自治会への寄付をお願いしているんや。決して強制やないで。できれば、や。社長さんとよう相談してや」

こう金井は寄付を求めるのだ。無論、「強制ではない」という言葉をその通りに受け取る業者はいないだろう。逮捕容疑は詐欺だか実態は恐喝に近い。

さらに、金井の実兄が経営する警備会社を強引に下請けに入れさせていた、秘密のはずの予定価格を市役所職員が金井の前では当たり前のように話していたという証言もある。地元協力金は金井の集金システムの一端に過ぎない。

二階幹事長ともツーショット写真!?

会長室は事実上金井の独占、私物化の状態になっていた。10月24日、和歌山市は 「公共施設の私的占有への対処について(依命通達)」と通達した。

この度、芦原連絡所及び芦原文化会館の会議室等が、連合自治会長に私的占有されてい たということが判明した。 このことは、市民の疑惑や不信を招く行為に他ならず、長年に渡る悪しき慣例によるも ので、この機会に、施設内に公務と関係のない私物がないか点検し、私的占有となってい る場合は直ちに撤去させること。 所属長は、各施設管理者に今回の取組について周知すると共に、必要な指示を行い、別 紙様式で市長宛てその結果を報告すること。

ゴルフバックなどの私物がズラリ。(*写真は和歌山市報道資料より引用)

ここで言う「私物」というのは単に部屋を私的に利用していただけではない。ここにいる職員をまるで「秘書」のように使っていたという。

地元ではただの「マイルドヤンキー」のような印象で語られる金井だが、意外と政治力もあるようだ。実は金井が逮捕された後、永田町人脈・政治記者界隈の間で、金井と自民党・二階俊博幹事長との関係が取沙汰された。

「二階さんとのツーショット写真も出回っていて、近く写真週刊誌あたりが記事にするようです」(全国紙政治担当)

パーティー会場、イベント、あるいは飲食店などで政治家に記念撮影を求めるのはよくあること。単にツーショット写真で二階追及というのも無理がある。ところが

「記念撮影の場所というのが幹事長室のようなんです。なんでも二階氏の側近で同じ和歌山が地元の門博文衆議院議員が仲介したとも 」(同前)

場所が幹事長室となっては単なる記念撮影というわけではあるまい。それにただの挨拶というだけで幹事長室に入れたとも思えない。なにしろ公共事業には強い二階幹事長だ。これが事実ならば何らかの陳情活動であったのは言うまでもない。

二階氏また同派の議員は「部落差別解消推進法」の成立にも一役買った。おそらくは「同和人脈」との関係を築こうというのだろうか。いずれにしても自民党人脈が出てきた以上、メディア・野党の格好のターゲットになるはずだが、ところが皮肉にも芦原・金井案件は「同和絡み」という爆弾もある。また同時に本件は行政の暗部も露呈しており、想像以上に問題は根深いと予想する。この先の深層部分については続報を待って頂きたい。

続報:
曲輪クエスト(158) 特別編 和歌山市“芦原地区” 前編 自治会長逮捕の背景は?
曲輪クエスト(158) 特別編 和歌山市“芦原地区” 後編 芦原地区の特異な状況とは?

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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紀州の“同和のドン”金正則と 和歌山市の闇を追う」への8件のフィードバック

  1. とある隣保館職員

    取材お疲れ様です。
    最近、同和地区のボスに関するお金の話題が絶えないのは何かの流れでしょうか。その関係で出てきた政治家の名前がどこかで聞いたことあると思ったら部落差別解消推進法成立の経過で出てきた名前でした。

    ・2015年夏頃から和歌山県で部落問題に関わる個別法を求める気運が盛り上がる
    ・県議会で法制定を求める決議が行われる
    ・同年11月に「人権問題解決に向けた和歌山県集会」が開かれる
    ・集会実行委員長は二階俊博自民党総務会長(当時)
    ・集会では稲田朋美自民党政調会長(当時)が記念講演
    ・「人権問題については個別法で対応する。部落差別は厳しい状態で存在している」と発言
    ・2016年2月自民党政務調査会の中に「部落問題に関する小委員会」設置
    ・同年12月部落差別解消推進法成立

    と、部落差別解消推進法成立過程で同和のボスと関係があるとされている自民党議員さんの名前が出でくるのは、何か感慨深いものがありますね。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      毎度です。そのあたりの時系列をまとめようとしていたら書いてくださってありがとうございます。
      あのときの記事は覚えています。稲田の写真が出ましたね。
      さてご指摘通り同和がらみが続くんですけど実は今奈良県の問題も連動しているんですよ。
      これも同和、自民がらみです。

      返信
    1. 三品純 投稿作成者

      実は地元の方に教えて頂いて参考にしています。まち掲示板ですけど、すごい事情通と思しき方の投稿がありますよね。

      返信
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