【大垣市会社役員 強盗事件】Z世代に 伝えたい!闇バイトに 待つ恐怖と 裏切り

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By Jun mishina

昨年5月2日、岐阜県大垣市の会社役員宅に押し入り2200万円入りの金庫などを強奪した実行犯、本間裕司被告(19)と河端海成被告(19)の公判が岐阜地裁で8日から始まった。2人は大筋、起訴内容を認めたが、被告人尋問で語られた犯行と顛末は恐怖の一語。被告の供述をもとに壮絶な内幕をレポートする。

指示役は 銀座ロレックス 強盗事件の少年

指示役、実行犯、案内役など合計14人が逮捕された「大垣市会社役員強盗事件」。

指示役・首謀者というのが昨年5月、銀座ロレックス専門店に白昼堂々と強盗に押し入って強盗罪で起訴された梓沢竜磨被告(当時19歳)。少年法で起訴後、実名公表が可能な「特定少年」になったことも話題になった。その梓沢が昨年、神奈川県に住む本間、河端現両被告に「闇バイト」を紹介したことが発端だ。

社会を震撼させた銀座ロレックス強盗事件。

本間と河端は川崎市在住。本間は梓沢と多少、面識があったが河端は初対面という関係だ。それぞれの略歴を列記する。

本間は10歳頃まで上海で育つ。母親は将来、アメリカか中国で教育を受けさせる予定で来日させた。10日、本間母の情状承認では中国語の通訳がついたことを考えると、国籍は日本だが実質は中国人ともいえる。

河端はとび職などで日給1万2千円程度稼いでいたが金には困っていた。

異なる境遇だが共通するのは「前科」があること。荒んだ青春期のようだ。

そこで降ってわいた梓沢の闇バイト。

「成果なしでも10万円を保証する」

梓沢の甘い誘いに応じた本間、河端両被告。

仕事内容が「強盗」だと聞かされたのは岐阜に到着してからだ。しかしもう引き返せない。というのは梓沢が運転免許証画像の提示を求めた。本間は免許を所有していなかったが、河端が見せてしまった。

素性が知れてしまったので拒否したら報復されるかもしれない。振り込め詐欺における受け子の心理的恐怖と酷似する。

本間は梓沢から「これは(経営者の)息子から聞いた話だがあの家には12億円がある。それを奪ってこい」などと指示された。

無論、この息子話は出鱈目。被害者は資産家に違いないが、まさか12億円もの現金を保管するなどまずありえない。仮に存在したとしても1億=10㎏で12億円になると120㎏。これを運び出し逃走することがどれだけの労力が必要なのかイメージできないものか。

総じて手口と行動は無計画、短絡的、稚拙だ。裏返せばノウハウがない若者でも凶悪犯罪へ導くのが闇バイトの危険性とも言えよう。

SNSには高額報酬を謳う投稿が無数にある。

東邦ガスを名乗って 被害者宅に押し入る

岐阜では本間と河端は昨年4月30日、梓沢が用意した実行役2名と合流。作業着や結束バンドをガテン系専門店、総合ディスカウントショップで仕入れ、本間は護身用にバールを用意した。いずれも日本各地で展開する有名店だ。

12億円を狙うにしては安易な準備である。そして被害者の会社経営者宅に向かう。なぜ大垣市に縁がない彼らが被害者宅を狙ったのか。それにも背景がありそうだ。

被害者証言によると経営者宅の住所が闇サイトに掲載されていたという。「資産家」としてターゲットになっていたのだろう。

そして事件当日5月2日。梓沢とは通信でつながっておりリモートで指示される。

「東邦ガスですが検針に来ました」

下調べを全くしていない証拠。大垣市は東邦ガスではなくて大垣ガスだ。被害者は多少、不可解に思ったが、ドアを開け応対。そこに本間たちは押し入った。

だが梓沢から聞かされた「12億円」など存在しない。金庫を開けるよう被害者に要求するが、恐怖で手が震えダイヤルが操作できない。だんだん犯人グループも焦り始めてきた。そこで本間らは他に金目のものがないのか物色し始める。

これが幸いしたようだ。一瞬のスキをついて被害者は外に脱出。対して一味は金庫の他、卓上にあった30万円を持ち逃走したのだった。

途中、警戒中にパトカーに追跡されたが、なんとか逃げ切った。驚いたことに逃走中も梓沢とはリモートでつながっており「金庫を守れ」などと指示が飛ぶ。

だが最終的に梓沢からは「サヨナラ」などとメッセージが送られた。本間と河端は窮地に至ってようやく“使い捨て”であることを理解したのである。

インスタグラムに 2200万円をアップ

ならば金庫の中身は自分たちで持ち逃げしてやる。バールを買い直して金庫を開けたところ中には2200万円が入っていた。

本間と河端は金庫以外で奪った30万円のうち20万円を案内人に渡し逃がした。2人は、タクシーを使って名古屋から静岡を経て川崎へ帰宅。だがここからが彼らにとって本当の恐怖になっていく。

指示役の梓沢が追い込みをかけてきたのだ。なんと本間と河端の身柄に1千万円の懸賞金がかかったことを友人に聞かされた。

どうやら強盗で大金を入手したことが半グレ仲間の間で広まったようである。

実は金庫を開け2200万円を発見した後、「勝利」などと文言とともにインスタグラムへ現金を投稿してしまったのだ。犯罪を起こしているのにインスタグラム投稿とは思慮や判断能力が欠落している。またインスタ投稿に「Z世代」らしさを感じてしまうのは筆者だけではあるまい。

本間は2200万円のうち100万円を抜いて残りを自宅に隠した。ところが母親に発見されてしまう。母親からは自首を勧められたが本間と河端は潜伏生活を選んだ。

頼った先輩に 裏切られた

困った2人は河端の先輩を頼り相談してみた。

すると先輩は「逃亡させる」と本間と河端を横浜市の本牧ふ頭へ連れて行く。ところがここからが「事実は小説より奇なり」というもの。なんとそこには梓沢一味が待ち構えていたのだ。事件ドラマのような話だが、頼ったはずの「先輩」は本間と河端を売っていた…。

梓沢一味は車の窓ガラスを割り、催涙スプレーを吹きかける。本間と河端は逃げ込んだ建物に入ったところ通報され建造物侵入で逮捕。その上で大垣市での強盗を自白することになる。

結果的にはこの供述が自首扱いになったようで、公判前整理手続きでも自首として認められた。皮肉にも建造物侵入で逮捕されたことが幸いとなったのだ。

印象的なのは被害者が大金を奪われ、骨折など怪我を負わされたものの「家族を大切にし更生してほしい」と温かい言葉をかけたこと。厳罰を求めることもできたのに被害者の温情がどこまで被告らに伝わったのか。それは今後の更生が示すだろう。

現在、闇バイトが社会問題化しており今後も同種事件が起こる可能性は高い。SNSを見れば怪しげなバイト募集はいくらでもあるが、案件が「犯罪行為」ならば予備軍はいくらでも存在するということだ。

しかし悪銭身につかずというもの。待つのは恐怖、裏切りということを分かってほしい。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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