前回の訴訟進行状況(2026年6月11日現在)から4か月がたち、その間に判決や決定がいくつも出ました。前回の記事を覚えている方は少ないと思いますので、なるべく初めての方にも分かるようにレポートします。まず、10月7日に東京高等裁判所で言い渡された、さいたま第1次訴訟の控訴審判決から報告します。
さいたま第1次訴訟 東京高裁は双方の控訴を棄却、筆者は上告
部落解放同盟埼玉県連合会(以下「県連」)と個人の原告1人が、2023年12月に示現舎の代表である筆者(宮部龍彦)を訴えた裁判です。連載「曲輪クエスト」の埼玉県内の記事28本の削除と公表の禁止、それに県連と個人原告がそれぞれ330万円の損害賠償を求めていました。一審のさいたま地裁(関根規夫裁判長、中村暢明裁判官、中本裕子裁判官)は2025年12月17日、28本すべての削除と公表の禁止を命じましたが、賠償は個人原告への11万円だけで、県連の請求はすべて退けました(一審判決)。
10月7日、東京高裁第15民事部(林俊之裁判長、武藤貴明裁判官、栗田正紀裁判官)は双方の控訴を棄却し、一審の結論をそのまま維持しました(控訴審判決、個人原告の住所だけ黒塗り)。理由もほとんどが一審判決の引用です。筆者は控訴審で、一審の訴訟指揮が公正を欠いていたこと、ある地域に住んでいることを出生に由来する属性と同じように扱ったこと、削除と公表禁止の範囲が11万円の損害と比べて著しく釣り合わないことなどを主張しましたが、高裁は「当審における1審被告の主張を踏まえても左右されない」と述べるだけで、一つひとつの主張には理由を示していません。
原告側の言う「差別されない権利」は、高裁も一審の「かかる権利の内実が明らかとはいえず」という判断を引用して、権利とは認めていません。認めたのは、個人原告のプライバシーと「不当な差別を受けることなく平穏な生活を送ることができる人格的な利益」の侵害です。朝日新聞は「被差別部落めぐる記事、高裁も削除命令 『差別受けない利益』認める」と報じましたが、原告側の求めた「権利」は一審に続いて認められなかったわけです。県連が会員や県内の部落の住民に代わって裁判をするという主張(任意的訴訟担当)と、県連の業務が妨げられたという主張も、一審に続いて退けられました。
筆者は10月8日付で、上告と上告受理の申立ての書面を東京高裁に送りました。理由はこれから出す理由書で述べます。上告したので判決は確定しておらず、削除と公表禁止には仮執行宣言(確定前でも強制できるようにするもの)も付いていないので、確定するまでは強制されません。
最新の状況は特設ページで
期日や書面の提出期限は、特設ページ「裁判の状況」で随時更新しています。次の期日がいつなのか、傍聴できる公開の法廷なのかは、こちらで確かめてください。訴状や準備書面、判決なども、事件ごとの「書面一覧」から読めます。
はじめての方へ
筆者(示現舎)が当事者になっている裁判は、いま続いているものだけで訴訟が9件あります。始まりは2016年の全国部落調査事件で、示現舎が戦前の1936年に作られた資料『全國部落調査』の復刻版の出版を予告し、筆者がその内容をウェブサイトに載せたところ、部落解放同盟などが出版禁止などの仮処分を申し立て、東京地裁に提訴しました。この裁判は、原告本人や親族の住所・本籍(過去のものを含みます)がある都府県の範囲で出版などを禁じる東京高裁の判決が、2024年12月に最高裁で確定しています。
その後、解放同盟の各地の組織が、連載「曲輪クエスト」(各地の同和地区を訪ねて写真と文章で紹介するもので、以前は「部落探訪」「人権探訪」という名前でした)や動画サイトJINKEN.TVの動画の削除などを求めて、埼玉、新潟、大阪で裁判を起こし、2025年12月には部落解放同盟が東京地裁に2度目の裁判を起こしました。筆者の側からは、選挙報道をめぐって神奈川新聞と毎日新聞を、情報公開をめぐって下妻市を訴えています。
なお、公開の法廷で開かれる口頭弁論は誰でも傍聴できますが、争点を整理する弁論準備手続や進行協議は非公開です。
解放同盟などから訴えられている裁判
さいたま第2次訴訟(さいたま地裁)
県連と個人8人が2025年12月に起こした裁判で、第1次とは別の埼玉県内の記事などの削除と公表の禁止、それに原告それぞれに330万円の損害賠償を求めています。担当はさいたま地裁第2民事部(篠原康治裁判長、石田憲一裁判官、中本裕子裁判官)です。原告側が請求を広げて記事を10本増やしたので、差止めを求める記事は23本になりました。
6月17日の第1回口頭弁論では、原告側の意見陳述に続いて筆者も準備書面3を読み上げ、「法廷は集会所ではない」として、支援者を動員して法廷を政治的なアピールの場にしていることを批判しました。7月30日の進行協議で、裁判所は、差止めには原則として個人原告それぞれとの関係が必要だという考えを示し、記事ごとの関係を具体的に示すよう原告側に指示しています。
ところが原告側が期限に遅れて9月24日付で出した書面では、個人原告8人が自分と関係があるとした記事は6本だけで、23本のうち17本はどの個人原告とも関係が示されていません。その書面自身も「本件記事では、原告個人名や原告個人宅が特定して記載されているわけではない」と書いています。9月28日の進行協議では、裁判長が原告側に期限を守るよう注意し、原告らが住んでいることを示す客観的な資料を出すかどうか検討するよう述べました。原告側は、広げた地域に住む人を原告に加える別の訴えを起こしたと言っていますが、その訴状はまだ届いていません。次回は11月4日14時30分に進行協議(非公開)、2027年2月10日14時30分に第2回口頭弁論(公開)です。(書面一覧)
東京第2次訴訟(東京地裁)
部落解放同盟と個人9人が2025年12月に、示現舎、筆者、三品純の3者を訴えた裁判です。全国部落調査事件の判決のあとも筆者の発言などで権利を侵害され続けているとして1,100万円の損害賠償を求め、出版などの禁止を、その判決が認めた範囲を超えて広げるよう求めています。担当は東京地裁民事第31部(堀内元城裁判長、桑原眞貴裁判官、山中優太裁判官)です。
裁判所から和解の打診もありましたが、筆者と示現舎は8月13日、和解には応じず判決を求める上申書を出しました。原告側は9月に、全国部落調査事件の判決が禁止を都府県の範囲に限ったことは「本二次訴訟において是正されるべき」だとし、個人原告9人の住民票などの記載と訴状の一覧表とを公証人が突き合わせた公正証書も出しています。9月24日の弁論準備手続では、裁判所が、筆者の発言を一つひとつの不法行為とみる場合に3年より前の発言の時効をどう考えるのかを原告側に確かめました。筆者と示現舎は10月末までに反論を出し、次回は11月27日14時の弁論準備手続(非公開)です。(書面一覧)
新潟訴訟(新潟地裁)
部落解放同盟新潟県連合会(以下「新潟県連」)と個人3人が2024年1月に起こした裁判で、新潟県内の記事や動画と、県立高校での「確認会」について書いた記事の削除と公表の禁止、それに原告それぞれに220万円の損害賠償を求めています。担当する新潟地裁第一民事部の裁判官は、鈴木拓児、伊藤孝至、髙橋健斗の3人です。
筆者は8月28日に準備書面6と準備書面7を出し、対象の地域の地名や歴史は明治時代以降の行政資料や解放運動の側の刊行物にも書かれてきたこと、名誉毀損だとされた記事について原告側の引用が原文と違っていること、確認会については新潟県連自身の報告集や県教育委員会の文書に裏付けがあることなどを主張しました。9月18日の第7回口頭弁論で、11月18日13時30分から証人2人と筆者本人の尋問を行うことが決まりました。順番は元新潟県教育次長、新潟県高等学校教職員組合の執行委員長、筆者です。弁論終結は2027年2月3日の予定です。(書面一覧)
大阪訴訟(大阪地裁)
部落解放同盟大阪府連合会などが2024年7月に、西郡支部などが2025年9月に起こした二つの裁判で、一緒に審理されています。大阪府内の記事とJINKEN.TVの動画の削除などを求めるもので、担当は大阪地裁第22民事部(松本展幸裁判長)です。原告側は8月21日に請求を広げ、対象を44記事・29動画に増やしました。
原告側は第5準備書面で、証拠にする動画のうち1本は「原告らの手元で提出できる状態にない」として筆者に提出を求めてきました。8月26日の第7回口頭弁論で筆者は、ほかの動画は出ているのにこの1本だけ出ていないのは納得できないので、任意の提出には協力できないと述べ、その後、原告側はこの動画を10月2日付で証拠として出しています。筆者は10月13日までに反論の書面を出し、次回は11月11日11時の第8回口頭弁論(公開)です。(書面一覧)
茨城訴訟(水戸地裁)
部落解放愛する会茨城県連合会の役員5人が2026年2月に起こした裁判で、筆者が2023年1月にツイッター(現在のX)に載せた、愛する会の本部を訪ねたときの写真と文章が侮辱に当たるとして、1人22万円、合計110万円の賠償を求めています。下妻簡易裁判所から水戸地裁に移されました。
原告側が期限に遅れて書面を出してきたので、筆者は8月22日に準備書面1で反論し、9月25日に弁論が終結しました。判決は12月18日11時45分です。(書面一覧)
全国部落調査事件の仮処分と間接強制(横浜地裁)
2016年の仮処分には、違反すると1日につき申立人それぞれに10万円を支払わせる間接強制の決定が付いていましたが、横浜地裁第3民事部の岩田瑶子裁判官は2026年3月31日、部落解放同盟の申立ての分を全部取り消し、個人4人の分も兵庫県・東京都・福岡県・京都府の部分を除いて取り消しました。前回の記事から動きはありません。(書面一覧)
筆者(示現舎)の側から起こした裁判
川崎市情報公開訴訟(市の勝訴で確定)
川崎市が補助金を出している「人権・同和対策生活相談事業」の文書で、市が部落解放同盟と全日本同和会の川崎支部の代表者や役職者の氏名などを黒塗りにしたので、示現舎がその取消しを求めた裁判です。横浜地裁第1民事部(岡田伸太裁判長、向井敬二裁判官、濱中利奈裁判官)、東京高裁第14民事部(佐藤哲治裁判長、杉本宏之裁判官、小田真治裁判官)とも市の判断を認め、最高裁第三小法廷(平木正洋裁判長、林道晴、渡辺惠理子、石兼公博、沖野眞巳の各裁判官)が9月9日に上告を棄却し、上告審として受理しないと決めたので、市の勝訴で確定しました(最高裁の決定)。
ただ、確定した東京高裁の判決は、氏名が公表されると誹謗中傷の対象とされて団体の事業活動が妨げられるおそれがあるとしたうえで、「このことは当該役職者の同和地区とのかかわりの有無によるものではない」と述べ、「同和団体の実態を判断する必要は見受けられない」ともしています。誹謗中傷のおそれは、同和地区とかかわりがあるかどうかとは関係がない、と裁判所が判断したわけです。
下妻市情報公開訴訟(東京高裁で控訴審)
下妻市が持っている、部落解放愛する会茨城県連合会の機関紙『荊棘』を公開しない決定の取消しなどを求めた裁判です。水戸地裁民事第1部(森岡礼子裁判長、本多健一裁判官、加藤陽大裁判官)は8月7日、『荊棘』は発行元の事務所で買えるので、条例の「不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの」に当たり、公開請求の対象ではないとして請求を退けました(判決)。筆者は控訴し、発行元は最新号しか売っていないので、一審の基準に照らしても過去の号は除外に当たらないと主張しています。控訴審の第1回口頭弁論は11月19日11時、東京高裁812号法廷(公開)です。(書面一覧)
神奈川新聞訴訟(横浜地裁川崎支部)
2025年10月の川崎市長選挙の報道をめぐって、神奈川新聞社と石橋学記者を訴えた裁判です。候補者を紹介する企画から筆者だけを外したことや、「レイシスト」などの表現を問題にして、240万円の賠償を求めています。新聞社側は準備書面(1)で、「レイシスト」などの表現は真実(全国部落調査事件の判決など)に基づく意見・論評だと反論し、筆者は8月23日の準備書面1で、ふれあい館の事業報告書や市議会の会議録、石橋記者の過去の記事などを示して再反論しました。新聞社側の準備書面2も出て、双方が11月13日までに次の書面を出します。次回は12月1日11時(公開)です。(書面一覧)
毎日新聞訴訟(横浜地裁川崎支部)
2025年8月に筆者が川崎市長選挙への立候補を表明した記者会見を報じた記事をめぐって、毎日新聞社と矢野大輝記者を訴えた裁判です。会見で言っていないことを言ったかのように書かれたとして、240万円の賠償を求めています。
毎日新聞側は準備書面(1)で、記事は会見での主張を適切に要約したもので、正当な論評だと主張しています。これに対し筆者は10月2日の準備書面2で、記事がかぎかっこ付きで筆者の発言とした「だって放火したら危ないじゃないですか」は、記者自身が会見の録音を聞き直して訂正した反訳書のどこにもなく、筆者が実際に答えたのは「だって誰も火つけなくてもあれ燃えますから」という、放火を前提としない発言だったと指摘しました。次回は11月10日11時(公開)で、この期日で弁論が終結するかもしれません。(書面一覧)
審査請求・苦情申出
行政機関が文書を開示しない決定には審査請求で、裁判所の判断には最高裁への苦情申出で、不服を申し立てています。
- 相模原市(2024年12月) 国連NGO横浜国際人権センターへの補助金の文書の黒塗り。市の審査会の答申と裁決を待っています。
- 兵庫県(2025年1月) 神戸中華同文学校と兵庫朝鮮学園の状況調査票。9月に県から、公開を前提に審査しているとの電話がありましたが、書面はまだです。
- 富田林市(2025年10月) 大阪法務局などへの削除要請に関する、筆者本人についての文書。裁決待ちです。
- 横浜市(2026年3月) 「ふれあい広場フェスティバル」の文書の黒塗り。市の審査会で審理中です。
- 法務省(2026年7月) 人権擁護委員制度の広報動画を株式会社baton(QuizKnockの運営会社)に発注したときの見積書の黒塗り。9月30日に審査会へ諮問されました。
- 法務省(東京法務局・大阪法務局)(2026年10月1日付) 両法務局は、筆者が管理するウェブサイトやYouTube・Xの投稿を人権侵犯事件として扱い、筆者(大阪は示現舎にも)に「説示」(改めるよう説く措置で、法的な強制力はありません)をしました。その記録の開示を求めたところ、東京はこれまでに開示した35頁のうち16頁、大阪は75頁のうち22頁が全面黒塗りだったので、審査請求をしました。
- 下野市(2026年4月28日) 元TOKIOの山口達也氏を招いた人権教育講演会の講師派遣の委託料。市の教育委員会が6月26日に決定を変更して開示し、目的を果たしました。契約額は40万円(税込)でした。
- 最高裁への苦情申出 傍聴券の配り方や警備がどう決められているのかを知るため、裁判所に文書の開示を申し出ています。さいたま地裁(さいたま第1次訴訟の期日の分)は一部しか開示しなかったので7月3日に、東京高裁(全国部落調査事件の控訴審の分)は文書の有無も答えなかったり無いと答えたりしたので9月29日に、最高裁へ苦情を申し出ました。さいたま地裁の分は審査委員会の答申待ちです。
これからの主な期日
- 11月4日 14:30 さいたま第2次訴訟 進行協議(非公開)
- 11月10日 11:00 毎日新聞訴訟 第4回口頭弁論(公開・横浜地裁川崎支部)
- 11月11日 11:00 大阪訴訟 第8回口頭弁論(公開・大阪地裁)
- 11月18日 13:30 新潟訴訟 証人尋問・本人尋問(公開・新潟地裁)
- 11月19日 11:00 下妻市情報公開訴訟 控訴審第1回口頭弁論(公開・東京高裁812号法廷)
- 11月27日 14:00 東京第2次訴訟 弁論準備手続(非公開)
- 12月1日 11:00 神奈川新聞訴訟 第4回口頭弁論(公開・横浜地裁川崎支部)
- 12月18日 11:45 茨城訴訟 判決言渡し(公開・水戸地裁)
- 2027年2月10日 14:30 さいたま第2次訴訟 第2回口頭弁論(公開・さいたま地裁)
日程が変わることもあるので、お出かけの前に特設ページで確かめてください。これまでの経過報告は「訴訟」カテゴリにまとめています。




同和地区を作って住人に被差別階級のレッテルを貼って従わせて
行政から恐喝するパヨクと寄生地主は反社会勢力
住人一同を代位して同和会や解同へ損害賠償請求できないかな
パヨクのしてることは長年の公害