【新潟県立高校 糾弾文書】2024年5月23日新潟地裁口頭弁論 審査請求 そして解放同盟からの 提訴の状況

カテゴリー: 訴訟 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

「この学校にいる 同和地区出身者は 何人だ!」解放同盟と 新潟県教育の 異常な関係の記事を発端に、現在、新潟では3つのことが並行して進んでいる。

1. 新潟県教委が荒川高校糾弾の関連文書の公開を行うよう、筆者が提訴した裁判。
2. 上記の文書を公開しないように解放同盟側が求め、さらなる公開を筆者が求めた2つの審査請求。
3. 解放同盟側が筆者を訴えた裁判。

今回は、それぞれの状況についてレポートする。

次回口頭弁論は 8月1日にリモートで

前回の口頭弁論のレポートはこちらを見ていただきたい。

5月23日午後3時30分、荒川高校糾弾の関連文書の公開を執行するように筆者が新潟県を訴えた裁判の2回目の口頭弁論が行われた。県側から、ようやく以下の実質的な答弁内容が提出された。

2024-05-10-準備書面(1).pdf

新潟県側の主張は、情報公開の執行停止は、あくまで審査請求の手続の一環であるため、訴訟の対象外であり、却下すべきものであるということである。法律論なので少し難しい話になってしまうが、執行停止という措置が適切かどうかはともかく、審査請求という手続きの中で新潟県教委の権限として暫定的に行ったことなので、裁判所が手を出すべきものではないといったところであろう。

ただ、それはあくまで審査請求の手続きが文字通り迅速に行われた場合に言えることであって、今回のケースには当てはまらないと筆者は考えている。行政事件訴訟法は、審査請求が長引く場合(具体的には3ヶ月以上)は、審査請求の結果を待たずに訴訟を提起できるとしており、もし新潟県側の主張が通るのであれば、取り消しを求める審査請求に対しては、審査請求の手続を先延ばしにすることで、行政側がいつまでも執行停止のまま放置できることになってしまう。そのため、裁判所は相当期間が経過するまで訴訟の手続きを停止することはできても、却下はできないというのが筆者の考えである。

このことについて、筆者が裁判所から認否を求められているため、さらに次回の口頭弁論も行われることになった。期日は8月1日で、希望により筆者は神奈川県からPCを使ってリモート参加できる見込みである。

筆者としては早く判決を得るために、情報の部分公開そのものではなくて、執行停止に的を絞って提訴したのであり、今回での結審を希望していたが、さらに続くこととなった。長引くようであれば、単なる情報公開の執行ではなく、公開範囲を広げることを求めて提訴することも検討している。

いずれにしても、事案の性質上、新潟県教委が審査請求の手続を早く進めて執行を行えば、裁判は取り下げられることになる。

なお、口頭弁論には司法研修生が3人見学に来ていた。口頭弁論が終わって、法廷を出た直後、傍聴をしていた謎の老人に「新潟に来い!」と捨て台詞を吐かれた。おそらく解放同盟関係者だと思うが、この言葉の意味については後述する。

解放同盟が 新潟県教委に 文書の返還を求めていた

訴訟と並行して、解放同盟側が問題の文書の公開を止めさせようとし、筆者側はさらに公開させようとそれぞれ審査請求をしている。これらについて、ようやく新潟県教委から弁明書が送られてきた。

以下が、解放同盟側の審査請求に関するものである。

甲16 弁明書の送付及び意見書等の提出について.pdf

この内容から分かったのは、公開対象の文書に、解放同盟が県立高校に提出した文書が含まれており、情報公開請求が行われた後になって「内部資料として作成し、たまたま誤って県教育委員会に手渡した文書」であるから返還を求めたということである。

それに対して新潟県教委は「誤って入手した文書であるとは認識していない」「仮に今回返却した場合には、公開が好ましくない文書について返却することで公開請求の対象から外すという行為を容認することとなり、情報公開条例の趣旨を損なうことにもなりかねない」と弁明している。

無様な話であるが、これに関しては新潟県教委の言っていることが正しいだろう。文書の公開決定までにかなり時間がかかったのは、このことで一悶着どころか、相当な悶着があったことが想像できる。

筆者の側の審査請求についても弁明書が提出されている。新潟県教委は事務事業に支障が出る部分は非公開にするということであったが、教員が生徒の親が部落出身というようなことをべらべら喋るようなことは、法的保護に値するような事務事業ではないだろうというのが筆者の主張である。

甲17 弁明書の送付及び反論書等の提出について.pdf

ここでも新たな事実が分かっている。新潟県教委は糾弾会について「出席者が生徒の心情や背景、プライバシー等を深く掘り下げたり、思想・信条など踏み込んだ発言をすることが必要な場合もあるが、会議内容の公開が前提となると、出席者の踏み込んだ発言が抑制され、会議の目的を果たすことができなくなるおそれがある」としているので、高校教員が解放同盟との間で生徒のプライバシーに関わるような情報をやり取りしていたことは事実として間違いないだろう。

しかし、一方で新潟県教委は「請求人は、県立高校の職員から連合会に児童・生徒のプライバシーに関する情報が継続的に漏洩していたり、連合会において違法な情報収集が行われており、法的保護に値するような事務ではないとの主張をしているが、実施機関においてそのような事実があることは承知していない」としている。さきほどの説明と矛盾しているように思える。

筆者はこれらに対する意見や反論を求められているが、解放同盟側の審査請求書や対象文書の表題などを提供されていない状況である。新潟県情報公開条例によれば、筆者はそれらを閲覧できるはずだが、新潟県教委によれば手続きに時間がかかるため、それらを見る前に意見書か反論書を出さなければいけない状況になっている。

解放同盟から 訴えられた裁判の 口頭弁論は延期に

部落解放同盟新潟県連合会側が筆者を訴えた裁判については、5月24日に口頭弁論期日が設定されていたが延期となった。筆者が裁判官の忌避を申し立てたからだ。

2024-5-14-忌避申立書.pdf

理由は、以下の閲覧制限の決定を出した裁判官が公正な裁判を行う可能性がないからだ。

2024-3-11-閲覧制限.pdf

閲覧制限の対象は、法律上は「訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密」に限られるはずだが、現に公開されており、まさに訴訟によってその是非が判断される対象となっているウェブ上の記事にまで閲覧制限がかけられており、これは事実上訴訟の結果を先取りしたものだ。

閲覧制限の決定をするまでに筆者に出来るはずの意見聴取もされておらず、裁判官が結論ありきの裁判をしようとしていることが明らかであり、このままでは口頭弁論等の手続きが全て無駄な労力になってしまうので、裁判官を忌避することにした。

また、代理人がいない筆者が新潟地裁まで出頭するのは費用も時間もかかる一方で、解放同盟側には東京の弁護士事務所がついているようなので、横浜地裁に移送するように申し立てをした。申し立ては一度却下されたが、さらに即時抗告している状況である。

「新潟に来い!」と捨て台詞を吐いた老人は、このことに不服があるものと推定される。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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【新潟県立高校 糾弾文書】2024年5月23日新潟地裁口頭弁論 審査請求 そして解放同盟からの 提訴の状況」への3件のフィードバック

  1. .

    老人の真意は「新潟の部落をもっと探訪しろ」ではないでしょうか?
    #60a989ee6d1e6ba87753b99e665ae65d

    返信
    1. 匿名

      そうかな??
      私は解同の行き過ぎた活動には辟易するが、部落訪問は解同に属さない一般の部落民も迷惑がってるからやめたほうがいいと思う。
      捨て台詞かどうかは宮部氏の主観だからヨコにおいて「新潟へ来い」はこの裁判に関係してだと思うけど。

      #506a201f448095821cab418c13999f87

      返信
    2. 宮部 龍彦 投稿作成者

      それもあり得ますね。どうしても新潟にまた出頭しないといけないなら、大いに探訪します。

      返信