【交野市】「キチガイ」発言は含まれずも山本景市長に対する問責決議が可決 賛成した共産党にどよめきも⑲

カテゴリー: 政治, 行政 | タグ: , , , , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina
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問題発言は数知れない交野市・山本景市長。これに対して同市議会の会派大阪維新の会は6月12日の本会議で「山本景市長に対する問責決議」を提案し、可決された。これまで山本氏の独壇場だった交野市議会だが、僅かながら風穴が空いた格好だ。成否を分けたのは従来、市長派だった共産党が賛成に回ったことだろう。討論に移る際、共産党会派が賛成の立場で始めた時、傍聴席からはどよめきが起きたほどだ。問責決議を受けて山本氏は「政治的な意図」と反論している。(写真=山本氏のX投稿)

粘着されてきた維新が立ち上がった

決議案前文。

2013年、LINEグループ上で女子中学生を恫喝した問題により、当時所属していた大阪維新の会を離党した山本氏。その後、党に逆恨みするように維新批判を続けてきた。また、市長就任後は反対派市議、市民に対して辛辣な発言を繰り返している。

万博問題をめぐっても維新憎しで〝口撃〟してきたが昨年10月、Xに「キチガイのイシンジャー」と投稿。今の時代、政治家にとってSNSは「公の場」。そこで首長が「キチガイ」という不適切語を用いるのも珍しい。X上での振る舞いはとても公人と思えないもので、一般ユーザーに対し中傷することも少なくない。

もともと交野市を特集し始めたのは昨年9月の定例会で答弁中の山添学副市長に対する暴言問題だ。議事はストップし、その間、山本氏は机上の資料を投げつけるといった行為が確認された。

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そこで維新会派は副市長に対する言動やSNS上の投稿を含めて、問責決議を12日の定例会で提起した。決議文にはこうある。

山本景市長は、自身のSNS上の発信において、他者に対し、明らかな差別発言や、不特定多数の者に対し「恐ろしいほど頭が悪いですね」、「頭がおかしいのでしょうか」、「嘘つき」などの侮辱的な表現を用いるなど、人権への配慮を欠くどころか、他者の人格や尊厳を損なう発信を繰り返している。 また、2025年日本国際博覧会のシンボルとして建設された大屋根リングを「ゴミリング」と表現し、本博覧会等に関連して、「ファシズム」といった過激な表現を用いるなど、その発信内容は行政の長としての品位を損なうものであり、市民に不信や対立を生じさせかねない不適切な言動であると言わざるを得ない。 

「明らかな差別発言」とは具体的に示されていない。交野市政に関心を寄せる市民やウォッチャーなら「キチガイのイシンジャー」のことだと分かるはずだ。

維新関係者によれば

「議会事務局からさすがに行政文書内に〝キチガイ〟という言葉を記録できないという指摘を受けて〝差別発言〟に置き換えたのです」

と明かす。

非常にインパクトがある上、重大な問題なので決議文に加えてもらいたかったものだ。不思議なのは「差別問題」に敏感なマスコミ、野党が「キチガイ発言」について全く問題にしなかったこと。発言主が自民党系の首長だった場合、壮絶な追及が待っていたことだろう。ところが山本氏なら許されてしまうのだ。本来はどう考えても首長としてあるまじき振る舞いだが誰も注意できない。これが今の交野市の現状である。

しかも問責決議案の提出といっても、筆者は公正な討論などできるはずがないと予想した。というのは坂本顕議長が市長派だからだ。決議潰しに走る可能性は高い。現に直前の議会でも山本氏が議員の質問に口を挟み、坂本氏が援護射撃するようなシーンがあった。

議会初日から質問に口を挟む山本市長

6月4日、定例会初日での一幕。山本-坂本コンビによる質問潰しは露骨だ。郡津5丁目地域防災拠点防災備蓄倉庫新築工事事業をめぐり、共産党会派の藤田茉里市議が質問した。

倉庫を建設するために必要な造成工事の実施設計(*実際に工事を発注・施工できるレベルまで作り込む設計)が遅れており、市側としては「備蓄倉庫の設計を今年度中に終えられないので、予算を翌年度に繰り越したい」などと説明した。つまり防災拠点の備蓄倉庫を整備するはずなのに、前提となる造成・浸水対策・水路処理が固まっておらず、倉庫設計が止まっていた。

市側は新たな浸水対策が必要だとして工事費用の増額を決めた。ところが予算や浸水対策効果について議会に説明がないことから藤田氏が市に問いただしたものだ。

そこで答弁に立ったのが先の山添副市長だが、全く回答になっていない。そこでさらに藤田氏が「ちゃんと答えてください。資料がないんです」と詰め寄る。

すると画面上からは分からないが外部から声がかかった。それは山本氏の横やりだ。というのは藤田氏に与えられた質疑の権利は2回。副市長の答弁後に「答えてください」などと発言したことが質問の2回目になるから、質疑を打ち切れと迫るのだ。

明らかにうろたえた様子の坂本氏。議長職は議会の代表であり、議会の秩序を保つ立場だが市長の介入を制止しようともしない。どころか天の声の指示通り「質問は2回までなので今のは2回目」と坂本氏は質疑を打ち切ろうとする。これでは議会の体を成していない。

市長の態度として非常に問題だ。質問中に市長派の市議がヤジを飛ばすというならまだ分かる。ところが首長自ら質問に口を挟み妨害するなど普通なら「議会軽視」「圧力」と批判されるものだが、まかり通るのが山本市政。しかも本来は公平に仕切るはずの坂本議長が明らかに山本氏に萎縮している。

それでも山本氏のヤジは止まらない。「市長は黙っといてください」と藤田氏は食い下がるが結局、質問はまるで〝強制終了〟のように封じられた。

昨年9月議会で山添氏に対する暴言等で批判された山本氏だが、つい最近でも質疑を妨害しているのだ。かといってマスコミがこうした問題を取り上げることは皆無。むしろ改革派市長のように扱われてきた。今回の問責決議はこうした市政の閉塞感を打ち破るためにも重要だ。

市議選候補・岡本氏も傍聴席に

そして迎えた12日の議会。この日、傍聴席には数名の記者、自民党関係者、そして次期市議選に立候補するとみられる岡本まゆみ氏とその支援者が訪れた。

かつて交野市内には「山本けい 三好たく」という二連ポスターが増殖したものだが一転、最近は岡本氏に置き換わった。日を追うごとにポスターは増殖しており、最近は市役所付近でも確認できるという。

事実上の選挙ポスター。

市関係者によれば山本氏もかなり動揺していたという。

「議場へのエレベーター付近に立っており、まるで誰が来ているのか確認しているようでした」

市長自らまさかの監視? こうした事態を警戒して来場を控えた市民もいたかもしれない。山本氏も警戒していた様子だが、それでも有利な状況には違いない。

維新王国の大阪府にあって交野市議会は自民・維新が与党ではない。市長派の会派であるチームみんなの交野、にじいろ対話の会を主力に公明党、共産党で与党を形成してきた。本来の勢力でいえば市長派が有利だ。

一方の山本氏は動揺したのか爪を噛むなどの落ち着かない様子である。そして議場の空気が変わったのは決議案の討論だ。共産党が賛成の立場で討論に回ると傍聴席からもどよめきが起きた。これは予想外の事態だ。

もともと前回の市長選で山本氏が当選したのも共産党の選挙協力があってのこと。

こうした関係上、同党のWebサイト「日本共産党が与党の自治体」には昨年までは「交野市 山本景」と掲載されていた。ところが曲がりなりにも〝人権の党〟を標榜する共産党だ。一連の中傷、パワハラを看過できないだろう。

論戦では市長派の筆頭格、松村紘子市議が反対意見を述べており、反対討論が終わると、山本氏は同市議に一礼。決議に移る前に山本氏も弁明を始めた。

「市長の弁明を聞いた山添副市長は暴言を受けた側なのに〝ウンウン〟と肯定的に頷いていたのが意外でしたね。公衆の面前で恥をかかされたのに副市長は本当のイエスマンですよ」(前出関係者)

ところが共産党が賛成に回ったことで勝負あり。問責決議は可決となった。

共産党会派のキラーパスが効いた!

これまで市長派だった共産党会派だったが、今回の問責決議では巧みに論戦を展開。問題点をあぶり出すよう議場を上手くコントロールしていた。

地元事情通もこう感心する。

「決議案からキチガイ発言は削除されましたが、共産党会派は〝明らかな差別発言〟について維新側に質問していました。すると〝辞典等に差別用語と位置付けられる精神障害者等のこと〟などと説明。非常に問題発言だったことが強調されたと思います。共産党から維新に対しての〝キラーパス〟でしたね」

同じく人権の党を自負する公明党会派は反対の立場だったが、議場ではうつむき加減だ。ある市議によれば「発言は問題だが問責決議に値することなのかを考慮しての結論」と話す。

問責決議を受けて山本氏は散会後、記者団の取材に応じて「選挙妨害」などと反論。また12日に自身のブログで問責決議に対する不満を綴った。

令和8年6月9日、全国市長会出席のための東京行きの新幹線の車内で、交野市の大阪維新の会により、私への問責決議案が提案されたことを知りました。交野市では、現職市長が6月議会最終日に出馬表明することが慣例であり、そのタイミングにあわせた過去のことや過去の決着済のことを理由とする問責決議は政治的な意図によるものと考えます。

逆上している様子が伝わる。筆者は副市長への暴言を報じた直後に市幹部らによるパワハラを突き止めてこれも追及してきた。問責決議文で指摘されたSNS上の中傷、差別発言はその渦中に発したものだ。首長として当事者意識があれば軽率な発言は起こりえなかっただろう。問責決議を「政治的な意図」で片付けてしまうのは一連の言動について自省していない証拠だ。

なぜ坂本議長は市長のイエスマン。

同日のブログにはまだ疑問点がある。今回の問責決議の可決は共産党の賛成がなければ成立しなかった。提起した維新会派にすれば薄氷を踏む勝利に違いない。そこで山本氏はブログにて市長派の市議たちの名前を挙げているが「坂本市議は議長のため採決に参加できず」として、坂本氏を含めれば賛成・反対は同数と訴えた。

坂本氏について「反対」を前提にしているのは、山本氏の絶対的な自信の表れだ。山本氏は「チームみんなの交野」の2市議から「議員の任期中は山本市長を支持する」という趣旨の念書を取っている。2015年、2019年の選挙に出なかった坂本氏が2023年に当選できたのも市長派の松村紘子市議の票の一部を回してもらったという経緯がある。だからこそ坂本氏は議長になれた。議員職の生殺与奪を握られている以上、賛成などできるはずがない。

こうした強権政治の中でよく問責決議が可決したものだ。

かくいう山本氏は今月29日、正式に市長選立候補を表明する。

すでに前出の岡本氏らと街頭演説を行っているが「事前活動」との批判も強い。その上、あれほど忌み嫌う維新カラーをまとって、だ。このため最大の票田であるシルバー層はいまだに維新系市長と誤解しているという。また子飼いの女性市議らは子育て世代から人気が高く、有力な支持層になるだろう。

高齢者層、子育て世代また意識高めの移住者、そして学会票など山本氏の支持層は手堅い。

問責決議を受けたものの、山本氏は有利な状況だ。

だが昨年から懸念のパワハラ問題の第三者委員会も機能しておらず、またこれまで山本氏を支えた艮幸浩副市長は突如、職を辞した。正常な市政だとはとても言えない。こうした状況を市民がどう判断するのか。

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Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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