全国連が 東大阪市に「大勝利」し 荒本会館から 市営施設に移転

By 鳥取ループ

東大阪市荒本の中心部に、サビと黒ずみにまみれた古いビルがある。これは東大阪市立荒本会館であり、1969年に建設された、れっきとした市の施設である。しかし、ここは事実上「部落解放同盟全国連合会荒本支部」(全国連荒本支部)の拠点となってきた。

しかし、昨年、全国連荒本支部がついに荒本会館を退去し、代わりに改良住宅に入居したようだとの情報が寄せられた。

べらぼうな和解条件

何も知らない方は誤解してしまうかも知れないが、「部落解放同盟」と「部落解放同盟全国連合会」は別の団体である。前者は解放同盟ないしは解同、後者は全国連と略される。

全国連設立の経緯と、荒本会館を占拠するに至った経緯は、過去記事「真相レポート 関西連続部落差別投書事件」で詳しく書いているので、ぜひお読み頂きたい。また、全国連は弊舎に「糾弾状」を送ってきた団体でもある。

さて、昨年夏から荒本地区内に張り出されていたのが、こちらの張り紙である。移転した理由として、第一に荒本会館が老朽化して雨漏りが広がっていること、そして東大阪市との和解が成立したことが書かれている。

以前の記事に書いた通り、実は全国連と東大阪市は裁判を経て1994年に和解していたものの、東大阪市側の都合で和解条件を履行できない状態が続いてきた。しかし、改めて和解が成立したということは、再度別の条件で和解されたということなのだろう。

詳細について東大阪市に問い合わせたところ、確かに再度裁判所で和解の手続きが取られたようだ。しかし、「裁判所の和解調書は当事者のみに開示するものなので一般公開はできないが、経緯をまとめた文書は開示できる」ということであった。そして、開示されたのが以下の文書である。

当初和解までの経緯は、おおむね以前の記事で書いた通り。1982年から荒本会館は全国連により不法占拠された状態になったので翌年に市が訴えたものの地裁では敗訴。控訴した後、全国連の移転先を市が用意した上1000万円を支払うという条件で1994年に和解したという流れである。

過去の和解内容もべらぼうな条件であったが、今回はその上を行くようなものである。市が移転先を用意する上、解決金は内装工事費などを加えて2991万8300円と大幅に上がっている。無論、これは市民の税金である。

正直、東大阪市としてはあまり市民におおっぴらに説明したくない内容である。そして、いわゆる「同和案件」であるためか、このことは大手メディアが報じることはなく、東大阪市民はほとんど知らないであろう。

そして、全国連にとってはまさに「大勝利」もいいところである。昨今では大阪人権博物館が大阪市の施設から退去させられたのが記憶に新しいところ。無論、大阪市から解決金をもらえるわけではなく、当然のことであるがむしろ地代を請求された。最終的には和解に伴って地代は免除されたが、それでも破格の条件である。

東大阪市の担当者に「これは全国連にとって破格すぎる条件で、普通はあり得ないのではないか」と聞いてみると、「率直なところこれは平成6年の和解があったからです」ということであった。

和解調書の全文を見ることが出来ないので想像するしかないが、過去に裁判を経て和解をしたということは、裁判所の判決が出ていることと同じである。過去の和解が履行されなかったのは東大阪市側の事情で全国連に非はなく、既に国の同和事業が終わったので事情が変わった東大阪市が主張しても認められなかったと考えられる。

おそらく、今、新たに裁判を起こせば多額の解決金を全国連に支払うことはあり得なかったと思うが、これは今の東大阪市の担当者にはどうにもならなかったであろう。この和解条件が不当というのであれば、1994年当時の裁判所と東大阪市の担当者が悪いということである。結果的には全国連の完全勝利、東大阪市の完全敗北である。

市営産業施設とは?

一方、東大阪市の和解条件の内容には一部分からない点がある。代替施設である「市営産業施設」とは何を意味するのだろうか。もしかすると、「東大阪市立産業技術支援センター」のことかと思ったが、東大阪市に聞くとそれは違った。

端的に言えば「市営産業施設」というのは、張り紙に書かれている移転先のことである。市の説明をもとに調べてみると、いわゆる改良住宅店舗のことで、東大阪市内では同和地区である荒本と蛇草に存在する事務所、作業所、倉庫、駐車場が該当する。所管は商業課で、商業施設なので住宅とは担当部署が違うのだ。

そして、移転先に入居しているのは全国連そのものではなく、文書にある通り関連する合同会社である。そして、移転先を提供したと言ってもさすがに家賃や光熱費を市が負担することはないという。

このスキームをわかり易く説明するとこういうことだ。

東大阪市は移転先として改良住宅店舗を提供した。これは商業施設という位置づけなので政治団体である全国連としての入居はできないので、合同会社である一企業として入ってもらう。そして他の入居者と同様に施設使用料を払ってもらうし、当然のことながら光熱費は入居者の負担ということだ。

合同会社の名前は「望風のぞみのかぜ」。登記情報によれば代表者は全国連荒本支部の池本秀美書記長であり、設立日は2018年8月28日となっており、今回の和解のために設立したことが伺える。事業内容は人権啓発セミナーの他、地域の家事請負や福祉施設の維持管理等である。

なお、市の条例によると施設の利用料は1平米あたり月360円。ということは、200平米でも7万2000円だ。前述の通り市が多額の解決金を支払ったので、実質的には長期にわたって無料で提供するのと同等である。やはり全国連の大勝利ではないか。

これは全国連の見解も聞いてみるべきと思い、張り紙にある電話番号にかけてみた。「支部です」と応対に出た男性に示現舎の取材であることを話すと、さすがに「糾弾するぞ!」と凄まれることはなかったが、「あなたと話すことはない」と言われてしまった。

それでも再和解はどちらから持ちかけたのか聞いてみると、「それは知らない」ということだった。しかし、今回の和解については、これで東大阪市との紛争は全て解決したものと認識しているし、和解条件には満足しているということである。

ちなみに、糾弾状については、誰が書いたのかを含めて、何を聞いても「知らない、話すことはない」と言われるのみだった。

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