本サイトでも以前に取り上げたことがある、「部落解放愛する会茨城県連合会」の機関誌『荊棘』。その扱いがどうやらおかしい。とにかく一般市民の入手を拒むかのようになっている。
郵便物としては広く販売される雑誌ということになっているが、茨城県内の図書館での所蔵が確認できないのみならず、国立国会図書館にも納本されていない。
愛する会茨城県連本部のある下妻市では、市立図書館に問い合わせると『荊棘』は本庁の人権推進室が保有すると言われるが、情報公開請求をすると公文書ではなく雑誌という扱いで公開を拒否された。ある時は公文書で、ある時は雑誌というように、まるでカメレオンのような状態なのだ。
筆者が『荊棘』に注目するのは、その内容が大変興味深いからである。過去に「公益財団法人人権教育啓発推進センター」が愛する会に糾弾されていたことを報じたが、そのことが分かったのも『荊棘』に書かれていたからである。
茨城県では部落解放同盟の主流派が存在しておらず、部落解放同盟全国連合会、全日本同和会といった政府交渉団体ではない同和団体が活動している。その中でも愛する会は自民党の永岡佳子衆議院議員が顧問を務めていたことがあるなど、それなりの存在感を示している。そのため、『荊棘』は茨城県の同和団体事情を知るためにも貴重な情報源である。
しかし、以前からその扱いについては疑問があった。とにかく、一般市民の目に触れさせないようにしている。絶対に見られないわけではないのだが、茨城県下自治体において「借りさせない、コピーさせない」ということが徹底しているのである。
冒頭で触れた通り、茨城県下の図書館を横断検索できるサイトで『荊棘』を検索しても所蔵図書として出てこない。しかし、下妻市立図書館に『荊棘』の所蔵を直接問い合わせると「『荊棘』については(福祉課の)人権推進室が管理しているものですので、そちらに問い合わせて下さい」と言われてしまうのである。他の図書のように貸し出しや複写はできないのかと聞くと、できないと回答された。
そこで、筆者が下妻市に情報公開請求した結果が、これである。
結果は「非公開」で、その理由は「下妻市情報公開条例第2条第2項第1号該当」ということである。その下妻市情報公開条例の該当部分には次のとおり書かれている。
第2条 この条例において「実施機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 官報、公報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
(2) 規則で定める図書館その他の機関において、規則で定めるところにより、歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別の管理がされているもの
つまり『荊棘』は不特定多数の者に販売することを目的として発行される雑誌であるから、情報公開請求の対象となる「公文書」には該当しないということであろう。
確かに『荊棘』には「2005年10月26日第3種郵便物認可」と書かれており、これは「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるもの」として郵便料金が減額されていることを意味する。
浜田聡参議院議員事務所の「諸派党構想政治版」プロジェクトを利用して各所に問い合わせたところでは、実際、日本郵便株式会社によれば『荊棘』は第3種郵便物としての承認を受けているということである。そして、国立国会図書館からは『荊棘』は納本されていないと回答を得ている。仮に「あまねく発売」されている雑誌であれば、国立国会図書館法により納本義務があるにも関わらずだ。
ところで、下妻市の非公開決定通知書には次の別紙が同封されていた。
念のため、書かれた電話番号にかけると、愛する会茨城県連書記長の金子利夫氏と話すことができた。
金子氏によれば、『荊棘』を買うためには下妻市の愛する会茨城県連本部に直接買いに来なければいけないということ。そして、国立国会図書館に納本していないことはあっさりと認めた。そのような義務があるとは知らないということなのだ。
また、バックナンバーは在庫がないため販売はしていないということである。
なお、愛する会茨城県連の本部は以下の画像のような場所。あえて多くは説明しないが、一般人が「あまねく」買いに行けるだろうか?
なお、『荊棘』の内容を絶対に見ることができないというわけではなく、茨城県庁、古河市役所、下妻市役所に直接行けば見せてもらえることは確認している。しかし、いずれの場所でも「著作物のため」という理由でコピーや撮影は拒まれる。
あたかもその内容を「確保」されないように、ある時は雑誌、ある時は公文書のように扱われている現状があるのだ。しかし、これはおかしい。仮に雑誌であればその内容は一般国民が自由に批評出来るはずで、そのためには著作権法上認められる範囲で複写することは許されるはずだ。無論、公文書であればその写しを取得する権利は認められている。それが出来ないように、場合によって都合よく扱いを変えるのは一種の脱法行為ではないか。
なお、部落解放同盟全国連合会茨城県連合会の機関誌『部落解放新聞』も同様の扱いをされている疑いがある。
筆者は、12月13日、『荊棘』を事実上の公文書として情報公開請求の対象とするように求めて下妻市に対して審査請求を行った。経過については、改めて詳報する。
本件についてはYouTubeでも解説している。
「お前に売る新聞ないんじゃゴルァ」と恫喝しないだけ、解放同盟大阪府連よりは紳士的ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Z_727Lcy4vQ
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私も動画を見てえらく穏やかに話されるので驚きました。
イメージは大事ですね。
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