2017年と、かなり前のことになってしまうが、川崎市で行われているという「同和対策生活相談事業」関係文書を情報公開請求したところ、ほとんど黒塗りで開示されるということがあった。この事業について調査したところ、川崎市の部落では事業の存在を知っている者が見つからない、対象の同和団体の活動実態が不明で、それらの拠点が部落内になく、全日本同和会に至っては支部が事実上川崎市外にあるという状態だ。
実はその翌年の2018年、関係文書を再度情報公開請求し、さらに審査請求を行ってみた。その結果が本年1月14日になってようやく届いたので、その結果をお伝えしよう。
結論から言えば、当初は大部分がのり弁状態だった文書が、同和団体の役員や相談員の氏名と住所以外は開示された。しかし、相談事業であるのに、相談員の連絡先が非公開という奇妙な状態は解消されなかった。
その判断に至った過程が、川崎市情報公開・個人情報保護審査会の答申に書かれている。これがなかなか味わい深いので、ここで要点を説明しよう。
川崎市が同和団体所属の相談員の情報を隠した理由は、要約すれば「同和団体の会員は部落民だから明らかにすると差別の対象になってしまうから」ということである。
しかし、筆者は幸いにも解放同盟と同和会の相談員を特定することに成功した。その結果いずれも部落在住でないことが判明し、同和会に至っては横浜市在住であった。さらに、解放同盟の相談員は全国部落調査事件の原告であり、出身地は全国部落調査に掲載された場所ではなく同和地区でもないことを事実上自白していた。
示現舎側は審査請求の過程でその証拠を提出し、「同和団体の会員は部落民」という趣旨の川崎市側の主張を崩したわけである。ただ、それでも開示しないであろうことは想定していたことなので、問題はその理由である。
審査会は川崎市側の説明を受け入れたのだが、さらなる説明を付け加えている。それが「同和団体を構成する者たちへの差別」があるというものである。
なるほど、それなら同和団体の会員が部落民であるかどうかは関係ない。同和団体の会員だから差別対象となってしまうというのである。結局、現在部落差別と言われているものは、歴史的な経緯や過去の身分はもはや無関係で、同和団体の問題となってしまっていることが表面化した形である。
改めて公開された文書も送付されてきたので、こちらもご覧頂きたい。
文書からは、人権連は会員が10人もおらず、同和会は十数人、解放同盟は数十人規模であることが伺える。この問題は今後さらなる分析をしていく。
「差別解消」のために進んで活動しているはずの人たちが、
「差別されるから」という理由を口にするのは、
自分たちで解消する気はなく、結局「差別利権」を
温存させたいという願望の現れですね。
自治体がそれを理由にするのは「差別解消」は無理だから
「差別解消」のために動くよりも、面倒を避けたい気持ちですね。
陳情を受けた政治家あたりから圧力がかかるのかな。
どういうルートで影響力を行使しているんでしょうか。知りたいです。
ルートというよりも、なんとなく漂う空気感と、それを確信的に利用する人達でしょうね。