岐阜県瑞穂市殺人未遂事件
2名に懲役5年判決

三品 純 By 三品 純

「被告両名にそれぞれ懲役5年(求刑8年)を処す」

18日、岐阜県瑞穂市の元会社役員・山崎|光実《てるみ》さんに対する殺人未遂罪を問われた判決公判が岐阜地裁で開かれた。沈痛な表情を浮かべ被告席で判決を待つ石井|涼也《りょうや》被告、下城信彦被告。裁判長からこう告げられると神妙な面持ちで主文を聞き入った。

裁判長は、石井被告が山崎さんから数千万円もの金品を要求され「精神的に追い詰められた」と厳しい状況は認めつつも「人命軽視の態度は非難を免れない」とした。また下城被告については凶器の準備に関わるなど「(石井被告と)従属的な立場と言えず、大きな差はない」
とした。

殺人未遂の量刑はとても重く死刑又は無期懲役、5年以上20年以下の有期懲役が科される。しかし今回の判決で重刑を免れたのは、石井被告の過酷な状況が認められたことにあるかもしれない。

これで事件については一応の決着を見たが、裁判では被告、被害者の主張に食い違いが多く謎の部分があまりに多い。

「涼也さんはヤクザ風に見えたことはないな。確かにお父さんの輝男(故人)さんは左手の小指と薬指がなくてプラスチック素材のような義指をつけていた」(石井親子と親しい団体職員)というから輝男氏については確かにキナ臭い証言はある。それに輝男氏の指については山崎氏が法廷で述べた通りだった。

また石井被告と山崎氏の関係についてはこうした証言がある。

「なにしろ会社経営者で解放同盟岐阜県連の委員長だから輝男さんのお葬式は列席者もかなり多かった。その時に
“見なれない男性”が涼也さんに寄り添いながら葬儀を仕切っていたよ。そこで“あの人《じん》誰や? と知人に聞いたら“最近、会社(株式会社イシイ)に出入りするようになった山崎(光実)さんという人や”と教えてもらった」(地元建設業者)

当初、石井被告は山崎氏にかなり頼っていたようにも見える。

そんな石井被告が下城氏と懇意になっていくわけだが、「石井さんと下城さんがそんなに親しいとは思わんかった。私が下城さんを初めて見たのは解放同盟の鏡開きのときかな。同盟員をマイクロバスに乗せるんだけどその運転手が下城さんだった。だから下城さんが同盟員になっていたとは知らず、ただ懇意にしている業者だと思っていた」(自治体職員)。

それが殺人を共謀するまでの関係に発展するわけだが、残念ながら裁判の中でなぜそこまで下城被告が石井被告に肩入れするのかは十分、解明されなかった。

さらに下城被告が利用したと証言する「同和の融資」についてはおそらく岐阜県中小企業資金融資制度「経営安定資金」(同和地区小規模事業資金枠)と推定される。同制度は解放同盟員7人、自由同和会3人が推進委員として各地域に配置。融資を希望する経営者が旧同和地区出身者であるかを推進委員が審査する。制度を運営する岐阜県商工会連合会地域改善室は「下城さんが同和地区小規模事業資金枠で融資を受けたことはない」と否定する。

しかしこの推進委員には過去、石井被告の父、輝男氏が務めていたこともあったという。この時に下城氏が“お世話になった”ことがあっても決して不自然な話ではない。

それにそもそも同和地区出身か否かの審査が同和団体に委ねられるわけだから、その基準や方法がどの程度、信頼できるのか?この点も不可解である。

こうした数々の疑問点は今後、さらに取材、検証を進め「同和と金」「同和と暴力団」「同和と公共事業」の闇を解明していきたいと思う。

最後に余談だが、裁判の中でここまで事件と同和の関係性が浮き彫りになるとは想像すらしていなかった。裁判官も当初、解放同盟、同和問題との関係性をそれほど重視していないような様子だった。ところが裁判員の「解放同盟はもともと被差別部落出身者が入る団体ではないか」などと下城氏に対する“神った”質問が大きかった。これで事件の背後にある同和事業や制度があぶり出されたのだ。

施行当時は批判も多かった裁判員制度だが、今回の裁判を見るとかなり有意義な存在だったと思う。

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岐阜県瑞穂市殺人未遂事件
2名に懲役5年判決
」への6件のフィードバック

  1. アクビちゃん

    何の見返りもなく殺人計画に協力したことを判事が訝っていたそうですが、もしや裏側に同性愛関係があったということはないでしょうか。

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    1. 鳥取ループ

      これは、まだ「さわり」に過ぎません。さらにディープな取材をしておりますので、ご期待下さい。

      返信
  2. 焼きおにぎり

    記事では「瑞浪市」と書いてるのに、タイトルが「瑞穂市」になってます。

    返信

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