【熱海市 土石流】伊豆山 造成地「重要事項説明書」を 独占入手! 指摘事項は 盛り土で はないのか?

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By 三品純

「重要事項説明書は盛り土という表現をしていない」。3月3日、熱海市百条委員会の参考人招致で仲介業者はこう証言した。となると伊豆山造成地の買主、麦島善光氏は「盛り土」の存在を知る術がなかったのだろうか。そこで当該土地の「重要事項説明書」を独占入手し検証してみた。文面は参考人証言通りなのだが、元社員らは「盛り土と判断できる」と断言した。さらに県公開文書と参照しながら解読していくと取引の異様さが際立つのだ。

熱海市役所指摘事項とは 「盛り土工事」の ことでは?

これまで当サイトは過去、天野氏が関わってきた開発事業、土地造成の不当性を指摘してきた。だがここに至って疑念を抱いている。それは行政、メディアが天野氏に責任転嫁してはいないか、ということだ。もちろん天野氏の責任は追及されるべき。しかし真相究明をしたいのか、あるいは特定人物に責任を負わせたいのか、静岡県と熱海市の方針は後者としか思えない。

先の仲介人は天野氏の元側近という人物。自由同和会神奈川県本部の元事務所、ランダムハウス城山の転売に関与。天野氏とのトラブルで万葉俱楽部に救済してもらったという複雑な関係である。このため同氏の証言は必然的に“麦島寄り ”であるのは否めない。

「盛り土の記載はなかった」という証言は麦島氏にすれば有利な証言だ。確かに関係を書類をみると「盛り土」という直接的な表現はない。ただし重要事項説明書を見れば「盛り土」を把握するのは可能だという。

まず同地の契約書をみると

1、特約事項として「静岡県土採取等規制条例の届出について、甲は引渡までに指摘事項を完成させ

完了届出書を提出することとする。

2、対象地の産業廃棄物について、甲は引渡までに場外処理することする。(*ことにする)

とある。土採取等規制条例については証言通り。また産業廃棄物の処理についても明記されていた。ここで1の「指摘事項」の内容は定かではない。しかし静岡県、熱海市からの指摘であるのは確実だ。

次いで注目の重要事項説明書に移ろう。注意事項は①から⑤ある。

拡大部分。

注目すべきは「③の静岡県土採取等規制条例の届について」だ。文言を読むと仲介人の証言通り。この点は間違いない。

しかし天野氏元社員や周辺人物は「盛り土と分かる」ということで一致した。

「熱海市役所指摘事項(土の処分場)は重要な表現。指摘事項が盛り土工事を意味するのは明らかでしょ。当然、買主側(麦島氏)に対して説明があるはずだし、“どんな指摘事項なのか ”知っておく必要があります。ましてや麦島さんは不動産業者ですよ。それに意図的に『盛り土』という言葉を避けた気がしてなりません」(元社員)

また開発当時を知る人物は

「自分が聞いていたのは当初、ヒナ段(③部分)両サイドに排水設備を施工する計画。ところが麦島氏への引き渡し条件にないですね」

と疑問視する。またあくまで「記憶の範囲」と前置きして「排水設備は麦島さんが沼尾勝男氏(開発業者、トランスファー)に発注した」(天野氏元周辺)との指摘も。もし沼尾氏が百条委員会に招致された場合、ぜひ当時の状況を証言してもらいたい。

それからヒナ段の補強と排水設備は「熱海市役所内で協議したこと」(前同)との回想も見逃せない。役所で協議した項目が契約条件に追加されないのも妙な話だ。

一方、ある関係者は重要事項説明書の最後にある麦島氏の署名についても疑問を持つ。

「麦島さんの関係書類は何度も見たことがあるけど、あの人の筆跡かなあ。秘書や代理人の可能性もありますよ」

とはいえ印鑑も捺印している以上“ 知らない”は通用しない。それに「盛り土」との直接表現はなくとも「土の処分場」で十分察知できたはずだ。

当初価格6億円のワケは中国企業!?

伊豆山土地は上記の麦島氏の署名を見ても分かる通り、平成23年(2011年)1月28日に契約。

当初、天野氏は6億円を提示したが、買い取り価格は3億円。これについて百条委で「差額分で(麦島氏側が)整地する」と推測する委員もいた。だが先の元社員によると

「6億円という値を付けた理由? 私が聞いたのは同時期に実業家の菅谷すがや氏(仮名)から中国企業が(伊豆山土地を)6億円で購入希望との申し出を受けたからでしょう」

実際に天野氏は、中国に出張して交渉したという。もちろんこの商談は不成立という訳だが、それにしても伊豆山開発には中国の名がよく浮上するもの。

それよりも元社員が注目したのは項目⑥の「熱海市上水道課施設課」。

「ここで事前協議とはどういう意図だろう」と首を傾げる。かねてから私有地に水道管が入っているという点が権利関係を複雑化したのはご存知の通り。その文言を抜き出してみる。

佐藤施設室長と本物件の現所有者から麦島善光に所有権登記されますので、本物件敷地内に現在「伊豆山ポンプ:七尾調圧槽(配水池):吾妻トンネル」等の施設に関して事前協議いたしました結果、「賃貸借:借地権:地役権」等の契約書を事前協議のうえ締結することを佐藤施設室長は了解して頂いております。

「この協議自体も遂行されたか分からない」(前出元社員)

と謎めいている。総額3億円の売買契約だが、その割に記述も交渉内容も粗い。読み進めると不可解な点が際立つ。むしろ「何のための重要事項説明書か?」とさえ思えてしまう。

天野→麦島への 所有権移転で 複雑化

繰り返すが契約書と重要事項説明書の日付はいずれも1月28日。登記上では2月22日に熱海市が土地を差し押さえ、また同月25日に天野氏から麦島氏に所有が変更するという不思議な時系列。さらに重要事項説明書を公開文書と照合してみると杜撰な管理状況が分かる。

2011年3月4日「残土処理(盛土)の施工が悪く、浸食・崩壊が発生し、沈砂池までの流出を起こしている。今後も浸食や崩壊が進行するおそれが高い」(A159)

2011年3月17日「沈砂池は設置されているものの、盛土面の植栽・緑化や排水の不備により、法面からの土砂流出が生じている」(A165)

熱海市建設課は同年3月17日、県との打ち合わせで「事業者とは連絡をとることができなくなり、さらに、土地の所有権も移動したようである」と報告しており対応に苦慮した様子だ。天野氏と麦島氏、アクが強い新旧の所有者に行政が戸惑うのも目に浮かぶ。

次いでA171の「監視指導状況報告書」と対比しても契約書や重要事項説明書の条件をクリアしていなかったことが分かる。

先に示したが契約書の「特約事項」でも産業廃棄物の撤去を求めていたが、赤井谷の残土処分場には産業廃棄物が残されていた。約束は守られていない。それからA171の黒塗り部分はもうお分かりだろう。

未だに「天野氏所有の可能性あり」が麦島氏に売却された。麦島氏は会社「麦島建設」「ユニホー」を経営する名士である。

これで意味が通じるはずだ。A171は最終ページに完全な黒塗り文書があった。これが「別紙覚書」だろうが、なぜ契約書や重要事項説明書に「産業廃棄物の撤去」が明記されているにも関わらずなぜ「覚書」が必要だったのか。

そこであくまで「推測」とするが、この重要事項説明書はあくまで表向きで、具体的な契約条件を示すのは「覚書」ではないか。

本来はこの「覚書」を公開すれば検証作業も早く進むはずだが、あくまで「非公開」を貫く行政の態度はあまりに不気味である。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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