9月6日の交野市長選。山本景市長による告示日前からの街頭演説や、のぼり付き自転車での市内巡回は「事前運動」と批判されてきた。日本維新の会・美好かおる大阪府議が立候補を表明してからは焦りも伝わってくる。勇み足のせいか私市2丁目の交差点を自転車で走行中の山本氏が、信号無視をしたとの情報を入手した。道路交通法上の「軽車両」に該当する自転車は信号に従わないといけないはずだが…(写真=私市2丁目を通行する山本市長)
のぼり付き自転車は「本人」表示でも問題アリだ

交野市内で頻繁に目撃される山本景市長ののぼり付き自転車。市役所内にも駐輪されているが、市の管理規則第6条に違反する状態が黙認されてきた。というよりも誰もモノが申せないというのが実態かもしれない。
だが街頭等での政治活動における文書図画表示ルールは厳格だ。のぼりに氏名を書くことは禁じられているため、「本人」としている。これにより合法と考えているのだろう。とはいえのぼりの落下や視界を遮る恐れがあるため、道路交通法第70条の「安全運転の義務」違反の可能性もある。
ところが〝交野ルール〟では全く問題ないようで、日常的に山本号は市内で目撃されてきた。
7月某日のこと。私市2丁目付近を通りがかった市民はこう明かす。
「のぼりのついた自転車に乗った山本市長が交差点にさしかかったところ赤信号でも当たり前のように走行していきましたよ」
本来は交差点の向こう側まで進んだ後、右に向きを変え、新たに対面する信号が青になるまで待つ必要がある。自転車は向きを変えた後、対面する信号が赤の状態で、そのまま進んだ。



この走行に問題はなかったのか。山本市長、交野市、さらに市長側近の坂本顕議長と、にじいろ対話の会幹事長の安部敬子市議にそれぞれ見解を問うたが、回答はなかった。
もっとも市や市議らが注意するわけでもないだろう。イエスマンだけで固められた交野市政を象徴するシーンである。
大失敗だったロスジェネ採用

赤信号で待てないのも、もしかしたら焦りがあるかもしれない。
市長派の3会派、「チームみんなの交野」「にじいろ対話の会」「公明党」に支持され、有利な状況ではある。ところがここに来てパワハラ問題、また不適切発言に対する問責決議などマイナス要素もある。以前は共産党市議団と協力関係にあったが、距離を置かれたようだ。先の問責決議も共産党2市議の賛成なくして可決しなかった。
先週は市内に実績報告集が配布されたのだが、その内容というのが〝礼賛〟一色。「話題のアレってどういうことだったの?」というページにはパワハラ問題が出てこない。山本市政で最も話題になった大事件だと思うが、支持者の間ではなかったかのようだ。
紙媒体だけではなく、SNS上でも実績アピールに余念がない。
ところが山本氏が触れていない取り組みがある。就職氷河期世代に向けた市職員の募集だ。
市関係者はこう苦笑する。
「2023年(令和5年度)に応募者を就職氷河期世代を含めた職員の中途採用が行われました。当時、宝塚市役所が氷河期世代採用を始めニュースになったので、同市を真似たわけです(笑)」
宝塚市のロスジェネ採用は非常に話題になり、全34都道府県から1816人の応募があった。新聞やビジネス誌も好意的に報じたものだ。氷河期世代の雇用対策はそれだけでマスコミ受けがいい。
そこで交野市も同様の取り組みを行った。交野市は昭和52年から平成4年生まれを対象に事務職を募集。当時の試験要綱にはこうある。
「事務職(区分B)は、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行い、希望する就職ができず、現在も不本意ながら不安定な仕事に就いているなど、様々な課題に直面している就職氷河期世代を含めた試験区分です」
SNS上では他自治体の首長を口撃するなど他地域を強く意識する山本氏。宝塚市を意識したのは言うまでもない。ところが交野市の氷河期世代採用は大コケだったというのだ。
先の市関係者はこう明かす。
「なにしろ氷河期世代募集に応募してきた志望者というのが就労経験がなかったり、明らかにコミュニケーション能力がなく役所の業務が務まりそうもない人ばかり。そんな状況の中で、採用されたのが府内某市の正職員だったのです。なんでも交野市在住の氷河期世代だから、試しに応募してみたら通ってしまったのです。交野市の人事担当からは〝よく受験してくれた。ただ他市の職員であることは内密にしてほしい〟と暗に言われたとか(笑)。どちらにしても非正規の氷河期世代を救うという本来の目的を果たしていませんよ」
なお令和6年採用からは氷河期世代採用はなくなった。「令和8年11月1日採用 交野市職員採用試験要項」を見ても「就職氷河期世代を含めた試験区分」という文言はない。仮に氷河期世代採用が成功していれば山本氏はSNSなどで〝弱者の味方〟とばかりに喧伝しただろう。山本氏の支持層である左派政党、市民団体、労働組合からも評価されたはずだ。
ところが結局は単なるキャリア採用に終わってしまったようだ。先の冊子の言葉を借りれば〝どういうことだったの?〟と聞いてみたくなる。無論、答えるはずもないだろうが…。
問責決議まで受けた「キチガイ」などの言動や自転車マナーに対する外部からの指摘も〝聞く耳持たぬ〟という様子。また公約の未達も「反対派議員のせい」とばかりに他責にする。市長派会派と公明党市議団、そして市内の左派団体、活動家らによる応援団に囲まれての市長選になりそうだ。



