佐賀県人権・同和対策課が、メルカリで『全国部落調査』の復刻版を販売していた高校生を部落解放同盟幹部と面談させていたことが分かった。
県に対して相談してきた高校生を父親とともに、少なくとも4人の部落解放同盟幹部と引き合わせていた。
自治体が解放同盟と一緒に高校生に対して〝確認会〟
2019年初頭に『復刻・全国部落調査』をオンデマンド印刷したものが、メルカリに出品され、その件は佐賀新聞等で報道され国会で初鹿明博議員により質問主意書まで出されていた。
また、この件は佐賀県が問題視し、事のあらましが「「全国部落調査・復刻版」メルカリ販売の事実経過」という文書として、筆者が被告となっていた全国部落調査事件裁判に解放同盟側の証拠として提出されていた。
事の経過を要約すると、『復刻・全国部落調査』は佐賀県の高校生が出品したもので、佐賀県人権・同和対策課が法務局やメルカリに通報したこと等がニュースになったことで怖くなった高校生が佐賀県庁に連絡したということである。
筆者が佐賀県から情報公開請求で得た資料によれば、2019年7月7日に解放同盟中央本部の片岡明幸副委員長、解放同盟福岡県連の吉岡正博書記長、解放同盟佐賀県連の濱本隆司委員長、小宮晴樹書記長、が高校生とその父親と県庁で面談していた。
佐賀県によれば、県から解放同盟に連絡し、高校生の承諾を得て、解放同盟と高校生を面談させたということである。また、裁判で出された「「全国部落調査・復刻版」メルカリ販売の事実経過」という文書は、佐賀県が解放同盟の訴訟に協力するために解放同盟に渡したものということである。
佐賀県が公開した資料には、同じ文書がある。情報公開請求で得た文書は一部が黒塗りにされているが、当然、解放同盟には黒塗りにされていない文書が渡されている。
なぜ佐賀県がこのような対応をしたのか。佐賀県によれば、部落解放同盟には「当事者団体」として加わってもらったということである。しかし、まるで自治体が解放同盟と一緒になって個人を責める「官製糾弾」である。
無論、高校生がこのような面談に応じる義務はないのだが、報道に恐れた高校生側から連絡した経緯から、断るという考えがそもそも浮かばなかったのであろう。
メルカリ側も同和には特別な対応?
今回開示された「県及び解放同盟、出品者・保護者との面談記録」では、プライバシー保護のためか、高校生側の発言は黒塗りにされているが、それでも生々しいやりとりが分かる。「当事者団体」とは言うが、主に話しているのは地元の解放同盟役員ではなく埼玉からやってきた片岡副委員長である。
まさに、ダウンタウンの往年のコント『豆』をリアルでやっているような内容だ。
この中には、メルカリ側の対応を読み取れる箇所がある。
実は筆者も、付属資料として全国部落調査を掲載した『小林健治と有田芳生に対抗する全国部落解放協議会5年のあゆみ』をメルカリで出品されたところ、出品を取り消されて永久BANされてしまった経緯がある。ただ、その際はなぜか筆者に対してはメルカリから一切連絡はなく、黙ってアカウントを消された。なお、今までの売上分は普通に振り込まれた。
しかし、今回はメルカリ側が異例の対応を行っている。
要約すると、解放同盟側の弁護士から、メルカリに出品者の個人情報の提出を求めた。メルカリは拒否したものの、改めて弁護士会を通じて請求をしたらメルカリは出すと解放同盟側に説明したということなのである。
片岡副委員長は「法律の話なので私も専門家じゃないから分からないんだけども」と言っているが、分かるように説明するとこうだろう。
弁護士がメルカリに聞いても拒絶される。それなら、解放同盟側の弁護士が、メルカリの顧問弁護士が所属する弁護士会を通じて聞けばどうなるか?法律上はそれでも拒絶できるけども、メルカリの顧問弁護士は弁護士会に逆らえないから、弁護士会が解放同盟に屈する限り手立てがないということだろう。
行政と解放同盟、メルカリ、そして弁護士会の闇が分かる事例である。
メルカリが個人情報を漏洩した!?
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