【衆院選特集】二階Jrー世耕 直接対決が 決定的! 和歌山新2区は 世襲、1区は 公募は 茶番劇?

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By Jun mishina

次期衆院選は10月公示、11月投票という日程が専らの見方。続々と各党が候補を擁立する中、注目は和歌山新2区。自民党のドン、二階俊博元幹事長三男、伸康氏と世耕弘成参院議員との直接対決が確実だ。だが2区は世襲に対して1区は公募で決定というのも不思議な話。どうやら自民らしいウラ事情がありそうだ。

世耕氏が衆院に 鞍替えで やる気満々

世耕氏(中央)と右隣に二階氏。

政治資金パーティーのキックバック問題を受けて今年4月に自民党を離党した世耕弘成参院議員。首相を目指してきた世耕氏は現在61歳。現在は無所属で党復帰の目途は立っていないが年齢からしても衆院鞍替えは最後のチャンスと思われる。

広大な和歌山新2区は世耕家のルーツ、旧熊野川町(現新宮市)を含む。また自身が理事長を務める近畿大学の水産研究所も同区内。世耕氏にとってはホームだが、同時に二階一族の牙城でもある。

4月24日、和歌山町村会は二階氏三男、伸康氏に出馬要請を行った。8月23日、自民党は正式に伸康氏を公認候補に選出。

一方の世耕氏、現地の党員によると「2区内で新ポスターを配布しており、夫人(林久美子元参院議員)を伴い、支援者に向けて集会を開いています」と臨戦態勢だ。

これに総裁選が絡む。現在、自民党総裁選には安倍路線を継ぐ高市早苗経済安全保障担当相、二階派の小林鷹之衆院議員らが名乗りを挙げる。高市氏と世耕氏は「元安倍派とはいえ微妙な関係」(高市氏周辺)というが仮に高市氏になった場合、政治理念が近い世耕氏にとっては衆院選の追い風になるに違いない。このため二階父としては全力で高市潰しに出るとみられる。

熱烈な支持者が多い高市氏。

高市氏は元安倍派だが現在は複雑な関係にある。小林氏の推薦人には安倍派議員がズラリ。かといって二階派であっても「小林茂樹衆院議員(奈良1区)は『高市早苗を総理大臣にする奈良の会』に加わっています」(在阪記者)というパターンもある。

もともと関西圏では高市氏は根強い人気があり、大阪府連の中でも推す声は少なくない。しかし関西圏で高市氏には不利な状況がある。

「大阪府連は石破茂氏で決まりでしょう。安倍‐菅両氏が日本維新の会と関係が良好のため、維新にやられっぱなしの府連としては“ 現場が維新にやられっぱなしなのになぜ上層部が維新と仲がいいんだ!”という不満があります。高市氏は維新ベッタリというわけではないのに安倍‐菅路線と同一視されてしまっているのです。その警戒感から維新のイメージが薄い石破氏を推しています」(前出在阪記者)

2019年の大阪府知事選で応援活動中の石破氏。

二階氏はとっては好材料。政敵である高市氏、世耕氏を同時に打ち負かすチャンスというわけだ。

かといって二階三男、伸康氏が有利とは限らない。地元有力者によれば「新2区についての電話調査で世耕氏が優勢と出ました。世耕氏にとってはいばらの道だけど勝算はあるでしょう」と明かす。

伸康氏にとっては父の威光があるとはいえ新2区は死闘になりそうだ。

1区公募は ただのポーズ?

逆に1区は現職の林佑美衆院議員の優勢は否めない。昨年の衆院補選で自民党・門博文氏を破る快挙を成し遂げた。自民党関係者からも評価は高い。

しかし林氏にとっての不安要素は実は日本維新の会和歌山県総支部なのだ。同支部内では林氏に対するねたみそねみが激しいという。それは露骨だ。

「一時期、総支部のホームページから林氏の写真が外されていたのです。記者会見でその理由を質問されたが幹事長らは明確な回答ができませんでした」(地元記者)

またこんな話も。

「自民から維新まで地元政界が集まる懇談会で林さんはポツリと一人。普通は同じ党の先輩議員が連れて有力者に紹介するものですがね。見かねたのか自民党の遠藤富士雄和歌山市議が“ 林さんは敵ながらなかなかのやり手だよ”なんてフォローしていました」(自民党支援者)

現職だから優勢には違いないが、維新内部に不安要素があるのは他県でも見られる現象だ。

その林氏に挑むのが2022年の市議選で戦った山本大地和歌山市議だ。自民党は2区が世襲だが、1区は公募。山本氏は今月26日の選考会で選出された。

応募してきたのは10人。その中には旧民主党で事業仕分け人を務めた尾立源幸元参院議員の名も。20日の2次選考で5人までに絞られその中には尾立氏もいたという。

「最終的に石田真敏会長の判断で尾立氏は落選。最終選考は3人で山本氏が選ばれました」(党幹部)

面接は石田会長ら8名で進められたが「民間の視点も欲しい」という理由から地元飲食チェーン、信濃路の西平都紀子会長も面接官に加わった。

「西平会長は和歌山青年会議所理事長、日本会議和歌山の副会長(女性部会長)です。また日本財団の職親プロジェクト和歌山支部長も務めています」(前出党幹部)

日本会議に日本財団の役員。民間というよりもむしろ党関係者という印象だ。

西平氏に選考時の印象などを質問してみたが「申し訳ありません。内容についてはお話できません」と応じた。

党本部には伸康氏のポスター。県連副会長の肩書き。

書類選考から二次選考、最終面談と手順をふんで審査されたが一方で疑問視する声も漏れ伝わる。

「結局、2区が世襲だからせめて1区は『公募』で公平性を保った茶番劇ですよ。確かに維新の勢いが弱まっているけど林氏は着々と支持を集めています。勝算が低いから新人をぶつけようというわけですね。2区が世襲という中で公募の山本氏には意地を見せてほしいところ」(地元有力者)

地盤、看板、鞄を持たない新人たちが僅かな可能性を求めて公募に挑む。逆に二世というだけで伸康氏は「和歌山県連副会長」という肩書きが与えられる。「県連の副会長はただの名誉職」(党員)という意見もあるが、党ぐるみで箔付けしてもらったのが容易に想像できた。

このまま二階王国になるのか、それとも新体制か。地元有権者の判断はいかに?

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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