市長選 潰し、政倫審 狙い…過激 ダンスショー&世耕 クッキー 贈答大炎上で 笑うは 二階氏?

カテゴリー: 地方, 政治 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

自民党青年局の“過激ダンスショー”はいまだ炎上中! 自民青年局長、局長代理が辞任、企画した川畑哲哉和歌山県議は離党という大惨事。リークは川畑氏の市長選潰しだと前回記事で指摘したが、世耕弘成氏の高級クッキー贈答疑惑と情報源が同一とみられる。和歌山県自民の内部対立がここに至って爆発した格好だ。

過激ダンスショーは ホテルの 規約違反ではないか

「13日の和歌山県議会予算特別委員会でトリで質問に立ったのが火中の川畑県議(笑)。最初、『ご迷惑をおかけしました』とお詫びがありましたが、元気で質問していましたよ」(県関係者)

過激ダンスショー企画者、川畑県議も議会生活に戻ったようだが、騒動は簡単に鎮火とはいかない。自民党への批判も強まる一方だが、地元ではホテルの使用状況に疑問が噴出している。

過激ダンスショーの舞台、「ホテルアバローム紀の国」。公立学校共済組合が運営する宿泊施設だ。こうした性質上、ホテルの公務員もいわゆる『みなし公務員』となる。食材納入汚職をめぐり2021年に元副支配人兼総料理長と元調理部長兼和食料理長が収賄罪で執行猶予付の有罪判決を受けた。この通り一般のホテルよりも公共性が強い。

昨年11月18日、会合当日についてホテル側はこう説明する。

「当日はビュッフェによるセルフサービス形式でした。ショーに移ると会場にいた当ホテルのスタッフは音響の担当者1名のみです。事前に更衣室使用のご希望はありましたが、どんな余興だったのかは知りませんでした。(過激ダンスショーは)規約上は問題ございません」

ショーは問題なかったとの見解だ。

しかし疑問は尽きない。同ホテル催事規約「9 装飾・余興等の手配、及びご依頼の業者に対する説明について」として以下のルールがある。

宴会等に関する装飾、余興、バンケットコンパニオン等につきましてはホテルより指定業者に手配させていただきます。当施設の了解のもとにお客様が直接依頼された業者が行う諸事項(宴会等に関する装飾、余興等に使用する機器及び材料の搬入・搬出、看板等のサイズと取付方法の決定等)につきましては、当施設の美観、動線等を考慮し、一定のルールのもとに実施するよう、当施設より当該業者の方々にお願いいたしますので、これに従うようにしてください。

今回の場合は「余興」に該当する。過激ダンスショーの運営会社「G社」は川畑県議が依頼したもの。指定業者に手配されたわけではない。

対するホテル側の説明は「指定業者による手配以外禁止とは書かれていません」と不明瞭なものだ。また催事規約「2 契約の申込について」には利用者が事前に「宴会等の内容」を申し出るとしている。ホテル側はショーについて把握していなかったと説明するが、川端県議がホテル側に無断で企画したとなるとこれまたおかしい。

それに口移しによるチップ渡しは風営法違反の可能性も大だ。人気ショークラブが「風営法違反」で摘発 飲食店関係者が頭悩ます「カラオケ歌っただけで違反になるかも」(Smart FLASH2月25日号)によるとセクシーダンスパフォーマンスのショークラブ「バーレスク東京」が風営法違反で2月21日に摘発された。この関係のショーが風営法上、グレーゾーンであることが分かる。

規約違反どころか風営法上も問題を孕むが、同ホテルは自民党和歌山県連の御用達。県連だから目こぼししたというのは理由にならないはずだ。

撮影したのは 鶴保派の 市議だった! 

世間はダンスショーに関心が集まるが、自民党和歌山県連の内部闘争が本件で浮き彫りになったことも見逃せない。

当日の会議。マイクを持つ川端氏。世耕氏秘書とみられる男性の姿も。

報道も過熱する中で、会合当日の状況が解明されつつある。より理解を深めるためにここ数年の和歌山自民の動静をまとめておいた。ここで県知事選以来、世耕氏(安倍派)&門氏(二階派)VS鶴保氏(二階派)という複雑な対立関係があったことを確認してほしい。

第一報の産経新聞で掲載されたダンサーと密着する人物の写真は世耕氏の秘書T氏と判明。奇しくも反世耕の頭目、鶴保事務所にも同姓の秘書がおり困惑したものだ。

確実なのはリーク主が鶴保陣営(二階派)から出たもので、二階(鶴保)VS世耕という対立構図は鮮明である。

なにしろ撮られたのは世耕派関係者、そして

「撮影していたのは鶴保氏の側近市議なんです」

と自民党関係者は漏らす。これもまた過去の因縁がある。側近市議というのが以前、門前衆院議員の“おねだり音声 ”(表参照)が発覚した際にリーク主と囁かれた人物だ。

単に世耕・鶴保両氏の対立ではなく過去、県連内で発生した政局と連動していた。

鶴保陣営にすれば知事選でも対立し、衆院補選を潰された怨嗟がある。そこで世耕氏元秘書の川畑県議の岩出市長選潰しを目論んだとは前稿でも指摘した。ひいては世耕潰しでもある。

ここに衆院選挙区の区割り変更という事情も影響してくる。

「新一区には岩出市が含まれるのです。現在、鶴保氏が衆院への鞍替えを狙っていますが万一、世耕派の川畑県議が市長になったら選挙協力が得られません。鶴保陣営にとって川畑出馬を阻止しなければなりません」

これに加え鶴保陣営にはもう一つリベンジの仕掛けがあった。

ブログに クッキーの御礼「世耕先生、ありがとう」

それが世耕氏のクッキー贈答問題。赤旗日曜版(3月10・17日合併号)は世耕氏が派閥からキックバックされた政治資金で高級洋菓子を購入し、地元支援者らに配ったことを報じた。このことが公選法違反に当たるとの追及だ。

洋菓子とあるがクッキーのこと。

赤旗が報じたところの「高級洋菓子」とは老舗「村上開新堂」のクッキーの詰め合わせ。クッキー提供については皮肉なことに世耕氏陣営が披露してしまったのだ。

「世耕氏の支援者、宮本工業グループ(和歌山市西浜)相談役、宮本次朗氏がブログで世耕氏からクッキーをもらったことを書いてしまったのです」(地元ウォッチャー)

同社はもとは材木商で一時は経営不振だったが、木材のプレカット独自技術で県内有数の建材メーカーに成長した。かねてから政治家との交流を公にしてきた宮本氏。故・中西啓介元防衛長官、衆院議員に当選する前の岸本周平現知事とも親交があった。

2006年10月20日の岸本周平知事のブログ。

宮本氏は昨年11月30日のブログで

コロナ禍で延び延びになっていた会食の約束。どちらからともなく「そろそろどうよ」となり、先日、世耕弘成参議院議員と夕食を共にしました。場所は帝国ホテルの鉄板焼『嘉門』。5人で座れる個室カウンターに二人きり。居心地が良いのやら悪いのやらとおそらくお互いに思いながら、まずはハイボールで乾杯です。世耕さんとは、彼が3選出馬する際、和歌山木材協同組合の理事長として推薦状をお渡ししてからのお付き合い。

と綴った。そした

歳だけは先輩の私からの話はこれでおしまいと、再びよもやま話に花を咲かせてこの日は散会。私は世耕さんからもらった『村上開新堂』のクッキー缶を片手に銀座のクラブに立ち寄りました。「一緒に食べよか。」私のことばに、ホステスのみんなからは今まで聞いたことのないような歓声が。不思議がる私に彼女たちは「このクッキー缶、予約で1年待ちはざらなんですよ。」と教えてくれたのでした。

と締めくくった。なにしろ画像付きで「クッキー缶のおかげで今夜はヒーロー。世耕先生、ありがとう。」とまで加えたから言い訳もできない。

感謝どころか世耕氏の足を引っ張った。

政倫審の タイミングに 合わせたとも

クッキー問題を踏まえた上で時系列を確認しよう。

過激ショーは昨年11月18日、クッキーブログは同11月30日で同時期である。そしていずれもほぼ同時期に問題が発覚した。何やらタイミング的に「意図」を感じないだろうか。

「政治資金裏金事件をめぐる政治倫理審査会のタイミングに合わせた」(地元記者)との指摘もある。

そこで「過激ショーとクッキー贈答が同一のネタ元」と関係者の見方は一致する。

「宮本氏は有力企業の経営者と言えども決して有名人ではありません。赤旗の調査能力が優れているとはいえ宮本氏のブログまでチェックしているとは思えません。自民党の内情に詳しい人物から出たものでしょう」(同前)

過激ショーで川畑県議の追い落とし、クッキーで世耕氏を詰めるという格好。反世耕陣営としてはこの騒動は大成功ということになる。だが前回も指摘した通り、自民和歌山県連というよりも自民党全体でみれば大ダメージだ。

「世耕氏と川畑氏を貶めて“しめしめ”どころかリークに関わった反世耕グループは“びくびく”でしょう。しかもよりにもよって赤旗に売ったとなれば大問題。リークが成功したとしてもいずれ本人たちの立場も危うくなるかもしれません」(前同)

県連内の対立がまさか党全体を揺るがす事態になるとは想像できなかったのだろうか。ある県政有力者は今後の和歌山自民をこう分析する。

「鶴保一派による世耕グループの失脚工作は確かに成功しましたが、自民全体では大ダメージ。衆院和歌山一区に鞍替えする鶴保氏は現職の維新、林佑美衆院議員に勝つのは難しいでしょう。前回、補選で門氏が落選した時と状況が酷似しているのです。といっても県連トップの二階氏はショーのダメージがないし対立する世耕氏が失墜、それに自身の後継者、三男・伸康氏を擁立しやすくなったと思いますよ」

もとは川畑県議排除という目的で始まった過激ダンスショーのリーク。今の状況でいくと世耕・鶴保両氏が痛み分けで二階家の一人勝ちという顛末もありえるということか。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)