【和歌山連合自治会長詐欺】共謀の同和施策課職員を直撃!

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By Jun mishina

和歌山連合自治会長詐欺事件の裁判で金井克諭暉よしゆき被告の共謀者、会計役として和歌山市人権同和施策課、芦原文化会館の中谷好孝館長の名が挙がった。現役の市職員が自治会の会計に関わるとは不可解な話。そこで中谷館長、和歌山市を直撃してみたが金井以上に和歌山市に対する不信感が募るばかりだ。金井一人に問題を転嫁してはならない――こう思えてきた。

和歌山市役所。今どき市役所の正門に「同和啓発碑」を設置する

先日、速報として中谷館長の関与を報じた直後、ある情報提供者から「中谷氏の勤務年数(芦原文化会館)は不自然に長い」との指摘を受けた。一般論として公務員は長期間、同じ部署に在籍すると癒着を生むとして、およそ3~4年周期で異動するものだ。特に同和行政の場合、不祥事が相次いだことから人権・同和関係の部署は慎重になっている。なお文化会館という名を冠しているが同館は「隣保館」(同和事業の拠点施設)ということを念のため補足しておく。

和歌山市人事課に確認すると中谷氏は「平成22年7月に芦原文化会館着任」との説明を受けた。確かにちょうど10年目で長期だ。中谷館長が着任した時期、金井は連合自治会長として絶頂期で威勢よく振舞っていたことだろう。

そんな彼らの居城たる「芦原文化会館」はそもそも建設当時から胡散臭い。

市政、地元業者に詳しい人物はこんな指摘をする。
「古い話ですが、芦原文化会館新築工事の落札率は99・9%でした。日紀建設という会社が受注しています。入札には和歌山で唯一、上場していた浅川組の子会社・アサカワリフォームが参加していますが、落札率から見ると本命の業者の“ おつきあい”ではないでしょうか。官製談合でありがちな方式です」
つまり当て馬の業者を立てて、一応「競走入札した」という体裁は繕うというものだ。通常、落札率は高いほど業者の利益が大きく、90%を超えると談合が疑われる。そんな中での99・9%の落札率はどうコメントしていいものか。

隣保館を論評すること自体が「差別」と断じる人々は少なからず存在する。しかし異例の10年勤務で横領の共謀が疑われる館長と落札率99・9%のハコモノを疑問視することは至極当然だと思われる。一般常識があれば、だ。

和歌山市人権同和施策課は地雷原?

そしていよいよ中谷館長への直撃取材である。と、その前に少し人権担当の部署について指摘したいことがある。そもそも「人権」を冠した部署の職員は「人権問題」のプロ、専門家なのか。今現在でも同和、部落の名を冠した部署を持つ自治体は少なくない。そんな自治体の担当課に取材するとこっそり

「私も先日まで市立病院の事務にいまして正直、同和事業とかさっぱり分からないんですよ」

と戸惑う職員もいた。自治体職員が「解放同盟の主張寄り」にならざるをえないのは単純に「従っておけば波風が立たない」という実態がある。だから部落・同和を冠してもその多くは専門的な知識を有するわけではない。その性質はむしろ異常なほど丁寧なお客様苦情係というのが相応しい。ただ「教科書やマニュアルに倣う」という点について公務員ほど優秀な人種はいない。したがって「運動体側の主張」の理解力は高いかもしれない。

妙なことに中には「ミイラ取りがミイラになる」ではないけれど、運動体の活動や同和教育に「ハマる」という人もいる(特に学校教員に多し)。お客様苦情係が一歩進んで“ 運動体側 ”に溶け込んでいく。これは公務員特有の杓子定規さと生真面目さが「今なお根強い差別云々」という常套句を真に受けてしまうのか。ではこうした現象が自治体側として望ましくないのかと言えばそうでもない。運動体側との調整役を担い、意外と重宝する場合もある。我々も過去、こうしたスジの職員に遭遇してきた。おそらく中谷氏もこの部類の職員と見た。なにしろ会計役までやるのだから。一体、どんな人物だろう。

裁判の数日後、中谷氏を同館で直撃した。応対した職員から「また来たか」という雰囲気が伺えて面白くもあり申し訳なくもあり…。わずかな時間だが同氏は応対してくれた。

――裁判でも館長のお名前が出ましたが?

そうですか。裁判中ですので、その件についてコメントは控えます。

――ここ(芦原文化会館)に10年も勤務されていますがなぜこのような長期でしょうか。

それは分かりません。人事に聞いてください。今は何もお話することはできません。

せめて名刺交換だけでもと促すと、「もう異動しますから」と渋りながらも「人権同和施策課」の名が入った名刺を頂戴した。すでに人事異動が発表されており、館長は3月でこの芦原文化会館を去る。このままただの異動でいいのか。和歌山市人権同和施策課の職員は過去にも不祥事を起こしていた。2016年5月に和歌山市立口須佐文化会館の館長が運営費を横領。同職員は免職処分を逃れたが、その理由は全額返済していることだ。しかし退職金約1980万円はちゃっかり支給されたという。このあたりは和歌山市行政のなんたるやである。

2016年5月14日朝日新聞朝刊。

また参考に金井被告の実兄に裁判と中谷氏の印象を聞いてみると

「中谷さんが会計役なんておかしいやろ。役所の人がそんなことやるわけない。裁判で指摘された? そりゃ言うやろ。弟を潰そうというのだから。市役所でも弟のおかげで出世できたり、退職金の上積みしてもらったり、そういう人がおるからね。中谷さんも役所内の細かい仕事が嫌や言うて文化会館の館長をやっていたんやから」

ということだ。中谷氏の次の配属先は市立和歌山高校だから、確かに実兄氏の言うところの「役所内の細かい仕事」とは異なるかもしれない。となると何らかの意向が働いたのか。どうあれ「10年」という芦原文化会館の勤務年数は金井、そして芦原地区の力が作用したに違いない。

こうした疑問を抱き市に見解を問うと「公判中だからコメントは控えます。中谷の処分については人事に聞いてください」(人権同和施策課)。そこで人事課は「まだ公判中ということで処分などは裁判の動向を見させて頂きます」とした。それにしても10年も勤務した芦原文化会館館長職をなぜこのタイミングで異動させたのか?

「実は館長に限らず在任期間の長い職員が多数おりまして、このたびの人事で見直そうということになったのです」

ということだった。人事課の説明によれば長期留任は人権同和施策課だけではなく市役所全体の問題らしい。むしろ闇の深さを物語っている。

裁判がどういう結果を迎えても金井被告が再び連合自治会長として市政に影響を与える――これはさすがに考えにくい。しかし芦原地区と和歌山市の関係性を考えれば、仮に金井という存在がなくても同様の事態が起きていた可能性はある。つまりまだ火種を抱えているということだ

「金井一人に問題を転嫁してはならない 」。このことの意味がお分かり頂けただろう。

転任先は高校野球の名門、市立和歌山高校だ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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