【熱海市土石流】伊豆山 盛り土周辺地の 登記簿は ズバリ “天野オールスターズ ”だった! 

カテゴリー: 熱海土石流 | タグ: , , | 投稿日: | 投稿者:
By 三品純

「静岡県庁がのり弁を発売しました」「関係者、企業名がアルファベットの羅列で意味が分からない」「被災者を馬鹿にしている」10月18日、静岡県が公表した熱海市伊豆山開発記録「県が保有する土地改変行為に係る公文書」に対して様々な反応が寄せられた。また当の熱海市の調査結果に対しても不満が噴出。文書公開の中身は行政側の保身、天野氏一派に対する配慮の裏返しではないか。ならば意思があるものだけで解明する他ない。伊豆山地区は天野氏を中心とした“土地転がし ”の集積地だったことをレポートする。

自由同和会 神奈川県本部名で 静岡県と やり取りしていた可能性

大部分が黒塗り、不鮮明な写真、文字つぶれ、関係者・関係企業はイニシャルですらない。「公開」というアリバイ以外の何ものでもない文書だった。しかし細部を確認すると僅かながら糸口が垣間見える。

1.熱海市逢初川源頭部の盛土の内容「A社から県東部農林事務所に林地開発許可違反に係る土地の求積関係資料が送付される」ファイル番号A021に件のA社からの FAX が掲載されている。社名は伏せられているがA社とは「新幹線ビルディング」とみていい。あるいは「自由同和会神奈川県本部」からの送信という見方もできる。それが「同和系列」といわれた所以か。根拠を示す。

元社員らがいうところ最大級の被害者の一人、静岡県富士市の住民について7月16日配信記事で紹介した。相続税の支払いに困った富士市住民に天野氏が介入して資産を奪った一件だ。平成25年に天野氏は同住民の納税について名古屋国税局へFAXを送信した。

当時の送信状とA021の用紙、双方を並べて検証しよう。送信日の罫線の有無があるなど若干の差異があるが(罫線は日付を確認するために県側が引いた可能性も)同一の送信状ではないか? 「いつも、お世話になっております」という挨拶文も同じ。天野氏企業が日常的に使用していたと思われる。左側、県に対する送信状下部の黒塗り部分は「自由同和会神奈川県本部」が正解ではないだろうか。

本来、開発事業は企業活動だから「自由同和会神奈川県本部」とは無関係のはず。しかし同和の看板で県・市側を威圧する意図があったのか。このことは邪推、推測だと思えない。

元社員の証言はそれを裏付ける。「天野の代理で名古屋国税局に行くといきなり上席国税調査官が対応してくれました」。“同和のFAX ”が効いたかもしれない。

同氏は続ける。「税務署、法務局、自治体が同和に弱いというのはよく知られたことでしょ」

わずか一枚のFAXだが、天野氏の行政交渉を暴く最適な資料になりそうだ。

公開文書を読み込んでいくと、注目すべき記述が確認できた。A052「A社と県市関係課による伊豆山の開発計画に係る打合せ」には業者から恫喝を受けたとの報告がある。

あるいはF026「静岡県警察組織犯罪対策課に対し、情報提供を行い、対策について検討」との記述。組織犯罪対策課が出てきた以上、行政側は関係業者を「反社会的勢力」と認識していたと考えられる。

小田原で失格の擁壁が熱海市で適正のはずがない!

そして話は伊豆山開発に移る。初期の伊豆山工事、平成19年のA工区工事写真を関係者から入手した。静岡県が公表した写真の添付資料よりは状況がつかめるはずだ。また単純な造成風景というよりも“ 天野メソッド”を検証する上で示唆に富むという。

元社員の指摘。

「白い作業着姿は行政側の人間でしょう。問題は中央部分の擁壁です。伊豆山のような場所は特に重要になります」

擁壁とは斜面地で宅地を造る際、土砂崩れを防ぐための土留めの壁だ。熱海市土石流事件で当サイトが紹介してきた天野氏の造成地はおおかた高低差がある場所。特に崖がある場所は好都合である。「崖フェチ?」と揶揄したくもなるが単純に「崖があれば残土や廃棄物を投棄できるから」(元下請け業者)といった証言が妥当だろう。

元社員は「擁壁」について一般的な工法を説明した上で問題点を指摘する。

「斜面を安定させたり、水漏れを防ぐため、擁壁には表面のコンクリート部分の裏に“ 裏込め”(裏込め砕石)を入れます。天野氏の擁壁工事はこの裏込め砕石入れが杜撰で、入れないこともありました。なぜ? そりゃあコストも手間も省けるからですよ」

小田原市早川駅裏の造成地。

それを物語るのが小田原市早川の「駅裏物件」(過去記事参照)なのだ。取材当時は関連物件の一部としか考えていなかったが実は重要な検証材料である。造成工事の最中、地域住民らは危機感を覚え市側に問題点を報告した。

報告書の指摘を一部引用する。

道路をみていただくとわかるが雨がふった後で泥の流出が伺える。また、現況両サイドが道路側溝部分となっているが道路延長180m全て閉口部の蓋がなされていない。このため泥水が特設入り込んでいる状況 現在流末部分は公共の側溝に現場入り口で接続している。このため泥水が直接入り込んでいる状況 現在流末部分は公共の側溝に現場入り口で接続している。どこかで泥が詰まったりすれば水がオーバーフローし鉄砲水等の危険性がある。

(原文ママ)

当時、造成地下部の道路に泥水が流出したという。適正な排水加工が施されていないという指摘だが、この物件自体、「擁壁」の工法に違法性があり最終的に小田原市が建設許可を出さなかった。物件の所有者が転々とした要因の一つだ。

天野氏の工事で「擁壁」は粗雑な造りというのは関係者の一致した見方。数々のトラブルを起こしたのは何よりの証拠だろう。伊豆山の擁壁についても静岡県または熱海市は「確認した」と主張するかもしれない。だが早川や他地域の擁壁は「不備」があり、伊豆山の擁壁は「適正加工」という説明は相当な無理がないか。

天野氏ー麦島氏に連なる重要人物はトリニティ・篠崎透氏

公開文書のごく一部を検証しただけでも、天野氏と関連企業ー静岡県の折衝は異様な状況だったことが伝わってくる。さらに伊豆山宅地の登記簿は“ 怪しさ”に満ちている。前稿で平塚市造成地をレポートした際、天野氏ー麦島氏に連なる開発業者について触れた。それが株式会社トリニティ(小田原市久野)・篠崎透社長だ。天野氏と異なり同和団体等の活動歴は見当たらない。あえて政治的な動きをあげれば平成29年、当時は神奈川県議で現在の小田原市・守屋輝彦市長が代表者を務める自民党神奈川県小田原市第三支部に12万円の献金が確認できた。

そんな篠崎氏もまた伊豆山造成地の関係人物。またメガソーラー設置の当事者である。いずれにしても天野ー麦島ー篠崎3氏の関係はつながった。

この3名は「熱海市伊豆山字獄ヶ」すなわち土石流発生付近の土地でも結びつく。まずは同地を確認しておく。なにしろ周辺は複雑な地形で分かりにくい。ふだん伊豆山について関係者に説明を受ける時は通称「ツの字」(伊豆山神社本宮裏付近)と呼び、ツの字を起点に位置関係を把握するようにしている。

この一部分の登記簿を抜き出してみる。その履歴は“ オールスター”だった。もとは箕輪不動産(足立区綾瀬)が所有していた土地は平成13年に天野氏関係企業、ジィーズ株式会社が取得。平成16年に有限会社タクユー住建。同社もまた天野氏物件の売買に関わる。そして平成23年に「株式会社新幹線ビルディング」が登場。

気になるのはこの登記簿履歴の中に関係者がいうところ「天野の被害者」という一家の名前もあった。興味深い話だ。

そして新幹線ビルディング・天野氏から先の一家を経て、篠崎透氏そして麦島善光氏に渡った。この履歴も天野氏ー麦島氏ー篠崎氏3者関係を如実に示す。

「篠崎さんが天野さん、麦島さんと関係があるのはすでにご存じと思います。もう一つ加えると『ノア事件』で浮上した東洋観光興行有限会社・成田宗次郎さんとも交流があるのです」(天野氏周辺)

ノア事件。プロレスファンならばまず知らぬ人はいないだろう。若干補足が必要だ。故・ジャイアント馬場氏の死後、全日本プロレスの主力選手が離脱し旗揚げした団体が「プロレスリング・ノア」。その所属選手、泉田純氏が支援者、成田真美氏から約8800万円を騙し取られた事件である。ノア事件は暴力団の関与も発覚しプロレス界を揺るがす一大スキャンダルに発展。成田真美氏の夫というのが当の成田宗次郎氏。

成田氏は天野氏とも縁がある。東洋観光興行の登記情報によれば所在地は今年7月6日の時点でランダムハウス城山。同物件は自由同和会神奈川県本部の前事務所であり、天野氏関係企業も入居していたのは少なくともマスコミ各社、あるいはウォッチャーらはご存じだろう。話は続く。

現在、神奈川県は「都市計画道路穴部国府津線」整備事業を進めており、天野氏が実質的に所有する「小田原給食センター」(同市府川)は区画整理の対象地域だ。詳細は7月28日の配信記事が詳しい。天野氏は同地の転売を狙っていると指摘した。

ここからは権利関係が複雑なため今回は概要だけ。小田原給食センター敷地の所有者は今年3月の時点で湘南オーガニックファーム名義。天野氏が実質上のオーナーでご存じの通り違法開発が指摘された体験型農園のことだ。かいつまんでいえば同ファーム名義になったのは天野氏の資産逃れというのが専らの見方である。そしてのこの土地の抵当権者というのが他でもない篠崎氏。今年3月24日に2500万円の抵当権設定がなされ権利者が篠崎氏、それから7月16日に債権は成田氏に移った。あまりに複雑な登記履歴に疑問を感じないではいられない。

伊豆山開発、また天野氏、麦島氏との関係を取材しようと篠崎氏に取材を申し込んだところ「取材? 今は難しいね」ということだ。篠崎氏は伊豆山問題解明の重要な証言者。今後も接触は試みていく。

はっきりしていることは天野‐麦島‐篠崎3氏は伊豆山だけの関係に留まらないこと。複雑な相関図だがその中心に鎮座するのが天野氏、というわけだ。

ある元関係者は危惧する。「国府津線区画整理の転売益があればそれは熱海市被害者の補償に充てるべきです。しかし現状のままだと天野氏一派の“ 逃げ得”になりかねない。こうなった以上、行政側も放置すべきではないと思います」

といっても静岡県、熱海市ら行政が真相究明に及び腰というのは先の“ のり弁公文書”からして一目瞭然。加えて複雑な人間関係と権利関係、そして異常な登記事項などハードルは高いが、少なくともこれで重要人物は出揃った。

なお、以下のとおり静岡県が公開した文書を全てまとめたものと、OCRによりできる限りテキスト化したものがダウンロードできる。

(訂正)

複数の関係者より「天野‐麦島両氏をとりもったのは篠崎氏ではないか」との指摘が入ったので追記しておく。

とりもったのは篠崎氏という箇所につきまして再調査した結果、この部分は誤りがあったので訂正して篠崎透様にお詫び申し上げます。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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