2020年9月から当サイトが報じてきた津市相生町自治会長事件。すでに有罪判決を受けた同町元自治会長、田邊哲司氏と共謀し自治会の掲示板設置、集会所修繕工事補助金の詐欺の罪に問われた増田宏和被告に対し津地裁は11日、集会所分懲役6か月、掲示板分懲役4カ月の実刑判決を下した。増田被告への判決で約2年に渡る同事件も節目を迎えたが、市役所や関係議員は“逃げ切った ”というのが専らの見方。しかもまだトラブルの火種は燻っていると見る他ない。(写真は元環境パトロール跡地)
市役所、警察、司法の分厚い壁
同事件の概要をご存じない方のために。本件は津市相生町元自治会長、田邊哲司氏が津市役所職員に不当な要求を繰り返した他、自治会などに対する補助金を詐取した事件。増田被告は田邊と共謀し、うその見積書などを作成。集会所の修繕工事を名目に補助金100万円を、掲示板設置を装い13万円を詐取した罪だ。
本来は先月7日が判決だったがその直前に増田被告が暴行事件を起こして判決日は延期していた。11日の判決日、黒のスーツを着た増田被告が入廷する。増田被告は一貫して無罪を訴え、市側の責任を主張してきたが全て退けられた。
同地裁・四宮知彦裁判長は「増田被告は補助金の分配はなかったものの、虚偽の見積り作成は増田被告の役割が大きい」とした。また担当した職員の実名が挙げられたがいずれも職員に錯誤はなく、(詐欺行為の)黙認も認められないとした。いずれも市職員は立場上、うその見積書だと見抜けなかったという考えだ。補助金申請はむしろ市職員側がノウハウや手続きを“指南 ”していたという方が実態に近い。司法の判断は市に大甘と言う他ない。
一方ですでに有罪判決受けた元津市人権担当理事、松下哲也氏は最終決裁権者ではないがただ一人、責任を負わされたことになる。松下氏はすでに津市から離れたという。まるで人身御供のようなやり方で気の毒でならない。
しかも本来は商店街等活性化推進事業補助金、年間1千万円近い予算が支給された「環境パトロール」といった問題は刑事事件化しなかった。
「警察が甘い」「市は反省していない」
という地元の声は根強い。それにはこんな裏事情がある。
「自治会長事件を受けて津市は『内部統制室』を設置しました。不当要求などに対処する部署というのはタテマエ。残念ながら警察の天下り先でしかありません。つまり警察OBを市に受け入れることで警察と手打ちをしました。捜査が緩かったのもこのためでしょう」(市関係者)
増田被告の判決でも市の責任が認定されなかったのは、こうした背景が作用したとみられる。
さらに闇は深い。田邊氏の本妻に業務委託されていた共同浴場『さくらゆ』も問題視された事業の一つ。田邊氏の有罪判決後もそのまま本妻が請け負っており、「津市は田邊に金を流している」(地元住民)との声が絶えなかった。
しかしこの7月に入って(有)浅井ビルクリーナー(津市白山町)が入札。ようやく田邊一族から離れることになるが対応の遅さが際立つ。それでなくても田邊氏に限らず自治会長に対して行政や企業が異様に配慮する風潮はまだ市内に蔓延している。
敬和地区内の住民の証言は興味深い。
「かつては田邊氏の側近だった職員が市内の小売店で出くわしました。ところが“ なんやワレ、もう自治会長やないやろ”と睨み合ったんですよ(笑)」
この職員は田邊派の筆頭格として知られた人物。ところが自治会長を辞せばこんな“ 塩対応”になってしまう。逆に言えば津市内において「自治会長」という立場がいかに大きな存在なのかを示してはいないか。それに相生町についてはまだきな臭さも残る。
あの環境パトロール跡地は田邊氏によって整地され、現在はコロナウイルス感染者専用の宿泊施設になっている。もっとも稼働している痕跡はない。
ただ無機質なコンテナに設置された複数の防犯カメラを見ると、トラブルの火種が残っている気がしてならない。
あの10億円給付金詐欺事件も浮上した
市内には名うての自治会長が存在し、少なからず市政に影響力を持つ。他地域では「面倒くさい」と忌み嫌われることもある自治会長だが、津市内では事情は異なる。
「〇〇(同和地区)の自治会長は隣保館職員が愛人だ」
「地域の自治会長でもないのに自治会連合会の役員をやっている」
まだトラブルの温床は残っている。それに津市を歩けば「トピックス」にぶつかるものだ。聞きたかったのは自治会の話だったが…面白い。こんな話につながった。
新型コロナウイルス対策の持続化給付金約10億円をだまし取ったとして、詐欺グループのリーダー格の谷口光弘容疑者が6月に逮捕された。谷口は不動産売買を行う株式会社SDS(松阪市)を経営していた他、手広く事業を展開する実業家だ。
津市敬和地区関係者は苦笑する。
「谷口は津市にも縁があってビジネス仲間が敬和地区内に住んでいます。以前は、谷口の会社が市内に営業に来ていましたね」
それは不動産関係の営業かと思いきや
「雑誌の広告営業なんですよ(笑)」
と持ち出したのが今から15年前の雑誌のバックナンバー。
「随分前ですが、『月刊ネクスト三重』というタウン誌が県内で販売されていました。編集人こそ別の人物ですが出資したのは谷口なんです」
編集人は以前、谷口の下で働いたが現在は距離を置いたという。同誌を読むと谷口が経営する店の広告も確認できた。谷口もいわゆる“ 夜の店”を経営していたが
「風営法改正(2006年施行)で酒類提供飲食店の営業が厳しくなったから。ランチ中心の飲食店に業態を変えました」
それが下の写真の見開き広告。雑誌創刊から飲食店まで手広く事業を営んでいたことが分かる。
雑誌の表4(裏面)を見ると確かに「株式会社SDS」とある。同住所に行ってみると確かに現在も株式会社SDSの名が。
さらに郵便受けはたまり過ぎてパンク状態だったが、むき出しの郵便物から「谷口光弘」の名が見えた。決して給付金詐欺事件の証拠や重要証言というわけでもない。しかし自治会長事件の取材でなぜか大規模給付金詐欺の関係まで遭遇することに驚いた。とにかく話題性に事欠かない街である。
いっそ『月刊ネクスト三重』を引き継いでもまずネタに困ることはなさそうだ。
内部統制室は警察の天下り先やったんか!!
それで市側へのお咎めは無し。
そんなん許せんわ。
津市はおもろいとこでしょ。昔から津は「何にもないとこや」と市内外から言われてたけど、ネタはたくさんありますね(笑)
またネタ子を起こしてくださいm(__)m
鈴鹿市の一ノ宮も同じように建築屋が市とくっついて同じような事してます