老華僑-新華僑 二階氏、大阪維新の会、日本政界に 押し寄せる 中国人脈を 読み解く!

カテゴリー: 地方, 政治 | タグ: , , , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

体調不良説、一時は死亡デマが飛び交った自民党、二階俊博元幹事長だがこのところ妙に存在感を放っている。統一地方選、衆院補選、大阪・関西万博、日中友好議連会長就任…話題が尽きない政治家だ。一方、本選挙で勢力を拡大した日本維新の会は今後、政界のキーになるだろう。二階氏と維新、立場は異なるが両者から“ 中国人脈”が滲み出る。

万博起工式に 二階氏「どこにでもいる」の声

4月13日、大阪・関西万博の会場起工式に岸田首相、西村康稔経産相、吉村大阪府知事、そうそうたる顔ぶれの中、「自由民主党2025年大阪・関西万博推進本部本部長兼超党派議連会長」として出席した二階俊博氏。事情を知らない人にすれば「なぜ大阪と無関係の二階氏がその場に?」と不思議に思ったことだろう。

統一地方選、衆院補選でも二階氏の名は何らかの形で報道を賑わした。

一般的には後期高齢者だが、二階氏に限っては精力的だ。

以前からパーティーでも壇上に上がる際、足元がおぼつかない様子を見て関係者、記者団らからも健康状態を怪しむ声もあった。ところが選挙、万博、中国外交など自民党内でも圧倒的な存在感であることを実感する。

23日の衆院和歌山補選で自らも推した愛弟子、門博文候補が落選した。だが二階氏の威光が落ちたというよりも門氏はかねてから選挙に弱い。むしろ小池百合子東京都知事ら有力政治家を応援演説に呼べたのは二階氏の力量だ。

大阪・関西万博の会場起工式。左に二階氏。

また二階氏は今月19日、超党派の国会議員で構成する「日中友好議員連盟」の新会長に就任した。中国の覇権主義、台湾有事という懸念の中で中国政府と強いパイプを持つ二階氏の存在は媚中を深めるか、現実外交か気になるところだ。

確かなのは二階氏と中国要人の交流は非常に長期的であること。

2015年、二階氏は総勢3216名の「日中観光文化交流団」で訪中。レセプションで二階氏は習近平国家主席と並んで入場してきた。現地で二階氏は丁重な扱いを受けていることが分かる。

「もともと江沢民派だった二階氏が習近平から一目置かれるのはすごい」と話すのは在阪の中国通。

「習近平は太子党(中国共産党高級幹部の子弟)出身。中国共産主義青年団(共青団)とは対立関係にありますが、二階さんは両派にルートがあります」(同)

太子党と共青団は対立関係にある。中央委員会前総書記、前国家主席の胡錦濤は共青団出身。昨年10月22日、中国共産党第二十回全国代表大会の閉会式にて胡錦濤が突然、退席を求められたのは記憶に新しい。当時の様子は日本でも関心を集めた。

このことは共青団派の粛清、凋落との声も囁かれる。一方、二階氏どちらかといえば胡錦涛ー共青団ルートが強いとみるむきもあるが

「二階さんと昵懇の仲といえば、江沢民元主席の“大番頭 ”曽慶紅そうけいこう元副主席でしたね。関西のラジオ番組に出演した二階さんが信頼できる中国の要人として曽慶紅の名を挙げていました」(先の中国通)

また関西の自民関係者は二階氏の中国人脈について「二階派元議員から聞いていたのは黄菊こうぎく元副総理と最も懇意だったことです」と打ち明ける。

曽慶紅は太子党派とみられ習主席からも一目置かれた人物。黄菊は曽慶紅と同様に江沢民の忠実な側近として知られる。

江沢民、胡錦涛、太子党、共青団と対立関係は複雑だが、絶妙なバランスで両派に人脈を持ったことになる。もともとルートがなかった習主席が二階氏を信頼するのも納得だ。日本、中国間で緊張が高まる中で「日中友好議員連盟」会長職は大きな意味を持つだろう。

媚中派と揶揄されてきた二階氏が日本の立場を堂々と主張できるのか注目だ。

維新に 近づく ニューカマー華僑

この通り二階氏が古くは江沢民派の中国要人らとパイプを築いたのに対して、関西政界では異なる中国人脈が構築されようとしている。

関西の実業家が提供した二枚の写真がそれを物語る。そして中国の威勢を感じずにはいられない。

「一般社団法人関西中華總商会(大阪市西区江戸堀)を中心とした華僑のメンバーです。大阪府議会を見学に来て記念撮影をしました。しかし関係者の間では“ 議場内ならまだしもさすがに理事者席や議台まで好き勝手に座らせたらアカンやろ”と疑問視する声も挙がっています」

ではこれら華僑メンバーを誰が府議会に招待したのかは大阪維新の会の議員とみられる(別途レポート)。

特徴的なのは「維新に接近する華僑はニューカマー実業家が多い印象がありますね。特に太陽光発電や金属スクラップ業者が散見されます」(在阪華僑)という傾向がある。

老華僑(戦前からいる華僑)や大手の中国企業関係者から見てもニューカマー華僑は「異様」に見えるという。

「例えば老華僑の2世に対しては“(定住してきた)お前たちはもう日本人じゃないか。俺たちは自分の力で日本で財を成した ”という見方をします」(同前)

つまり老華僑にとってもニューカマー華僑たちは脅威かもしれない。

ただし勢いがあるニューカマー華僑だが、日本の人脈が乏しい。そこで新興勢力の維新に接近するというのは自然のことだろう。しかも維新は大阪府内では「与党」だ。

それにしても日本の議会の議場に中国人実業家グループが居座る。これが未来の暗示ではないといいが…。中国はもちろん経済、貿易、文化交流など拒否できない存在ではある。自民、維新に限らず「交流」を深めることは結構なことだが、「媚中」にならぬことを祈りたい。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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