【相生町自治会長問題】荒ぶる市議会の裏事情をレポート

カテゴリー: 津市相生町自治会長事件 | タグ: | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

今月7日から始まった津市議会定例会。注目はもちろん田邊哲司相生町自治会長に関する追及である。特に盛り上がったのは反田邊派議員の質問。激高する議員、そして罵声、質問の制止など想像以上に“ 荒ぶる議会”となった。特に7日、桂三発市議の質問で市職員・議員の「私生活」に言及したことを理由に議長への不信任動議が起きた。これに対しては田邊会長・市幹部擁護という見方をした関係者、市民も少なくなかった。しかしあの動議の裏には様々な「思惑」と「伏線」があったのだ。さらに関係人物を辿っていくと様々な利害関係が浮上する。

小梅利用に地方自治法で援護射撃

これまでタブーだった田邊会長問題がついに12月の定例会で追及される! 当然、市民の間では関心が高まった。特に過去、田邊会長から圧力を受けていた桂三発市議の質問通告はまさしく“ 自治会長問題”一点突破という内容だ。

かねてから当サイトも指摘した田邊会長らによる職員の丸刈り等、パワハラ行為や親密女性が女将を務める「小梅」に職員らが足しげく通っていた問題が中心。ところが「とあるお店」=小梅での飲食について渡辺晃一市議が異論を唱えた。「私生活に触れるべきではない」との主張だ。

渡辺市議は桂市議の質問が地方自治法132条

「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」

に抵触するとしてこの質問を認めた加藤議長に対して不信任動議を求めた。

これに同調したのは岡村武市議。声を荒げ「動議がかかっとるやないか」と収まらない。これは実際の動画で確認してもらった方がいいだろう。岡村節は下記の動画の25分頃から始まる。

つまりこういう話だ。桂市議は市職員らが特定の店(小梅)を利用していることを追及する。しかし渡辺市議はそれはアフターファイブのプライベートであって問題ないと反発した。そして岡村市議も同調した格好。

表面上は単に渡辺、岡村両市議が田邊会長と市幹部を擁護している――。おそらくライブ視聴した市民の多くがこのような印象を抱いたに違いない。ただこれまで「田邊派議員」として渡辺、岡村市議の名前は全く浮上しなかった。 岡村市議については周囲に「徹底的に(田邊を)やったれ」と漏らしていたという。

ある市政関係者は苦笑する。

「岡村さんは決して田邊派というわけではありません。騒いだのは最初だけでしょ。あの人は時間が立つとテンションが下がります」

ここで言う岡村市議の「テンションの違い」の理由については真偽不明な話もあったので控えておく。ともかく一応、これが岡村市議評であったことは述べておこう。一方、あの権幕は田邊擁護ではなく「別の目的」だったと前出市政関係者。

「長男さんが産業廃棄物処理会社のマルキンに養子に行かれ、次男さんが土木建築業の伊勢組を経営しているんですよ。伊勢組の役員には奥さんも名を連ねています。両社とも市の公共事業に関わっていて議会でも質問されたことがありました。だから社業の関係上、困った市長や市幹部に助け舟を出したのではないでしょうか」

これで得心した。自治会長問題で弱り目に祟り目の市長と市幹部に“ 貸しを作った”といったところだろう。岡村市議に聞いてみた。

「地方自治法132条違反ということに対して私も賛成しただけです。法律を破ってはあかん。個人の名前や私生活は言ってはいけませんよ」

夕方に話を聞いたせいか確かに議長に迫った際のテンションではない。むしろ大人しい好々爺という語り口だ。

「あの人たち(職員や議員)も被害者でしょう。あなたは遠いところから来ているからいいけど、みんな田邊が怖いから。悪いのは田邊だけですよ。私もなあ、ようわかっとるけど、私の見方では田矢(市議)も福田(市議)も被害者。気の毒な人やと思うてます」

また子息の会社が公共事業を受注しているから市に配慮した、という指摘に対しては

「うちの会社が公共事業? だからそういう妬みで私にいろいろ言う人がいるんや」

と反論した。岡村市議が田邊擁護のために動いたとは思わない。しかし職員や関係議員たちも被害者という主張は同意できない。

田邊会長を使ってブロガーに圧力!?

次いで地方自治法を根拠に議長不信任動議を求めた当の渡辺市議。あの行動はやはり釈然としない。そもそも小梅飲み会というのは田邊会長による市政介入の代名詞と言ってもいい。それに飲み会は田邊会長と親しい上司から誘われる。それを「私生活」で片付けていいものか。外部から見れば動議は田邊・市追及への牽制と判断されても無理からぬこと。

その背景を打ち明けるのは市政ウォッチャーである。話は4年前のことだ。

「『三重県よろずや』というブログがあります。三重の政治や行政を扱って結構、人気なんですが、2016年に渡辺市議を不良市議などと論じました。これに怒った渡辺さんがブロガーの個人情報を晒すぞ、と書き込んだのです」

この一件は中日新聞など地元紙が報道することになる。同ブログは特定の政治家に対して辛辣な論評をしており“ 言葉が過ぎる”と評する市民も少なくなかった。渡辺市議は迂闊だったが、確かに同情できる面もある。ただ2016年以降、渡辺市議の批判記事は見られない。『三重県よろずや』にとって相生町自治会長問題は絶好のネタのはずだが…関連記事はない。

「渡辺市議は田邊さんを使ってブログ主に圧力をかけたと伝わっています。そのせいか自治会長問題は一字も言及していませんね」(同前)

弊社も三重県事情を把握するために『三重県よろずや』を活用したが、相生町自治会問題が掲載されていないことを疑問に思っていた。しかしこうした裏事情があるなら納得がいく。渡辺市議はどう説明するか。

「示現舎さんには津市政についてよく調べてもらって感謝しています。だけど(圧力は)違いますよ。私が田邊に依頼するはずがない。不信任案はただ私生活を議会で出すのは問題だ、という点で要求したもの。個人のプライベートを出すことはあかんのやないかと思う訳や。本来の津市議会の役割とはちゃうやろ。政治倫理に反しますよ。誰が飲みに行ったとか詳らかにすることが議会ですか? 私のポリシーはそういうことです」

一連の市職員の「小梅飲み」はあくまで「プライベート」との考えである。また田邊会長を使った圧力も否定した。もちろん当サイトとしても市職員の勤務時間外の余暇など関知しない。だが市政に介入し、杜撰な補助金申請すら市に認めさせた人物の店で市職員が飲食する。こうした行為についてあまりに無頓着すぎやしないか。仮に渡辺・岡村両氏の行動は地方自治法への遵法精神だとしても、一般市民の目にはどう映ったのか検証された方がいいだろう

まだ話は終わらない。あの地方自治法違反との訴えに対して疑念を持つ市政関係者は少なくない。

「岡村さんはあの通りのキャラクター。また渡辺さんは経済関係が専門。地方自治法を持ち出して質問を封じる…こんな知識があるとは思えないんです。誰かが入れ知恵をしていますよ」

知恵を吹き込んだ人物として様々な名前が挙がったが、特に有力なのが田邊会長に最も近い職員M氏。ここでは「私生活」も絡んでいるので匿名とするが、岡村市議と懇意にしているという。それも「岡村市議は近く議員引退を考えておりその票をMさんに継がせるとか」(前出市政関係者)という浅からぬ関係だ。

M氏に事情を聞くと「(地方自治法を)入れ知恵したなんてことはありません。こうなった以上、情報提供には協力しますがそれはないです。ただ選挙についてそういうお話があったということは認めます」との回答。

定例会傍聴席にいた人物とは…

「入れ知恵」については否定したM氏。ところがそのような目が向けられるだけの背景がある。

先の12月定例会の傍聴席にとある市民の姿が。この人物、市職員や市議らがよく利用する大門の「スナックA」経営者S氏である。M氏もまたこの店の客。そして同店の従業員とは“親密”との話。M氏自身は「友人の一人であり、食事を数回した程度」と反論するが、周囲の目には「親密」と映っていた。そしてS氏が議会の情報収集役というのが関係者の一致した見方である。

田邊会長と近いM氏が馴染みにしているスナックの経営者が傍聴席に訪れる。この構図からして単なる市民として傍聴に来たとは思えないが…。S氏に聞いた。

「私が田邊さんの代理で来ていたということはありません。新聞報道でもあったので興味本位で来ていただけです。確かにMさんは先輩で親しくしています。また桂三発さんは同級生だし、他にも知り合いの議員さんがいるから見に来たのです。一体、何が起きているのか気になっています。逆にいろいろ教えてくださいよ」

情報収集役は否定したが、ともかくM氏と近い関係だ。

もちろんこの「スナックA」は田邊会長と因縁がある。

「あるバレンタインデーの時、Aの女の子がお客さんにチョコレートをあげたんですよ。これに田邊さんが激怒。“ なんで俺にはチョコがないんや”と機嫌を損ねました」(市職員)

M氏によれば「確かにそんなようなことはありました。ただそこまで怒ってはいなかったと思いますが…」と振り返る。

しかし我々が知る田邊会長のパーソナリティーからすればさもありなん、といったところ。もちろんこの点についてA店、M氏に落ち度はない。スナック通いが違法行為ではないし職務専念義務違反といった性質のものでもない。渡辺・岡村両氏の言葉を借りれば「私生活」ということになる。ただ耳にする話がいちいちレベルが低すぎて呆れる他ないのだ。

さらに「飲み会」つながりでもう一つ指摘をしておこう。田邊問題で揺れる中、11月24日、小梅でとある人物の誕生日会が開催されていた。この一件は先の定例会でも問題視されたのはご存知だろうか。またその誕生会の主役がいかにも津市役所らしい。

「誕生日会主役というのがJAZZ元店員嬢。ある市職員の親密女性ですよ。ただこれもワケあり。JAZZ時代ですが、二人が仲がいいと知った田邊会長が激怒。とは言え“まあ会長、お互い独身なんやから ”ということで収まりました。ただ“月に数回程度、JAZZで飲食する ”という条件付きの手打ちでしたが…」(前出市職員)

なお同職員は「11月24日の誕生会のことは聞いていますが、私は行っていません」ということだった。いずれにしてもこれだけコトが大きくなったにも関わらず11月に誕生日会を開くというのは驚きだ。

12月定例会を受けて10日に開かれた緊急会議では改めて情報提供が呼びかけられた。その概要を見ると「(補助金、交付金を)不適切に交付させられた」「執行が歪められた」という表現が並ぶ。責任の所在は全て田邊会長と言いたげだが、一連の不正請求等は田邊会長だけで考え付いたとは思えない。今週末には告発状の提出など様々な噂が飛び交ったが、田邊会長に責任転嫁というのも気の毒な話である。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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【相生町自治会長問題】荒ぶる市議会の裏事情をレポート」への3件のフィードバック

  1. レベルの低い津市の、一市民(泣)

    市民のひとりです。
    どんどん追及してください。
    自分も数年前、例の、「環境パトロールカー」を目にし、うさんくささを感じました。
    市議会の動画もみました。岡村も渡辺もひどい。市民にどう見えるのか、考えないのかな。レベルの低さに呆れます。私生活そのものに触れてはならないのは理解できますが、私生活の中で公務員倫理等に反することがあれば触れざるを得ないでしょう。お店の名前が出た時点で動議がかかるのは不自然。お店の中でのどんな行動をとったかが「私生活」か否かの境目になるはずです。そんなことも理解できないのか、理解したくないのか、。。もうあの2議員は信用できない。当記事で、他の目論見があるのを知りましたが、いよいよこの人間たちの腐り切った有様に情けなくなります。2議員を応援したこともありましたが、もうやめます。同じ津市市民として本当に情けない今日この頃ですわ。

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  2. ねじゅこしゃん

    示現舎様が追究してくださったおかげで、市政の腐った部分が明らかになってきました。
    沢山、調査に時間もかかったでしょうに、本当に感謝致します。
    逆ギレしか出来ない市幹部、我関せず顔の市議。
    人のせいにばかりしてないで、否があるなら認めて謝ってくれると良いんですけどね。

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  3. うましかの一つ覚え

    >“ なんで俺にはチョコがないんや”と機嫌を損ねました
    これはさすがに草を禁じ得ない

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