先鋭化する 現代アート業界は 社会の 厄介者!?

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By 三品純

政党、芸能界、学界、社会の広いシーンで「先鋭化」が進む昨今、美術界も例外ではない。作品に歴史認識問題、政治イデオロギーを込めるのは2019年、「あいちトリエンナーレ」が最たるもの。芸術家たちは自身の作品で平和や正義を説く一方、創作物が社会分断を招く。しかも現実的に地域の厄介者になっていることを自覚しているだろうか。

カオス*ラウンジ 騒動の顛末

カオス*ラウンジ 泥沼バトルの 根底に見た 現代美術界の憂鬱(2020年10月23日)

若手の美術集団「カオス*ラウンジ」で起きたハラスメント騒動についてレポートしたのは2年前のこと。哲学者・東浩紀氏に見出された美術家、批評家の黒瀬陽平氏が代表を務めていた。黒瀬氏は「アート・コレクティブ」(芸術家の共同体、制作活動の共有空間)の第一人者となり、各種美術展のキュレーターとして活躍してきた。

業界内では現代アートの旗手との評価が高かったが、「カオス*ラウンジ」の運営会社、合同会社カオスラの美術家で元スタッフ、安西彩乃氏からハラスメント告発を受けた。

本件で印象的なのは2019年9月2日、『美術手帖』で黒瀬氏はインタビューを受けており

現代の作家は「ジェンダー」に応答できているか? 美術家・黒瀬陽平インタビューシリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(7)

美術界のジェンダー平等について説く。そんな黒瀬氏が女性スタッフから告発を受けるのは皮肉なものだ。

2020年8月1日、安西氏がnoteに黒瀬陽平と合同会社カオスラによるハラスメントについてと題した告発文を投稿したことから広く周知された。双方が男女関係にありセクシャルハラスメントを示唆する内容である。もちろんいわゆるフェミ活動家が同調して黒瀬氏許すなの声を挙げた。

その後、安西氏ー黒瀬氏、カオスラ間で法廷闘争に発展。安西氏は黒瀬氏、カオスラを不当解雇・パワーハラスメントで訴訟を起こしたが今年11月17日、2万円の支払い以外、安西氏の主張は認められず控訴の方針である。

また本件は並行してカオスラが人格権の侵害・名誉毀損で安西氏を訴えておりカオス*ラウンジ騒動は当面、続きそうだ。

そんな矢先のこと。判決は一部メディアで報じられ、黒瀬氏とカオスラの名が浮上。ところが予期せぬところから批判の声が寄せられたのだ。それは東北の被災地から。宮城県石巻市を中心にしたReborn-Art Festivalでの話だ。

ハッテン場を 強調して 集客を狙った!?

「2017年から東北の被災地復興を支援する『リボーンアートフェスティバル』が始まりました。音楽プロデューサーでap bank代表理事の小林武史氏が仕掛ける現代アート、食、音楽のイベントです。カオス*ラウンジも日活パール劇場(石巻市)で作品展示を行いました。キュレーターは黒瀬陽平氏です」(地元住民)

日活パール劇場は津波で被災した老舗の映画館。それも成人映画専門でレトロな雰囲気も相まってカルト的な人気があった。

日本政策投資銀行東北支店が2018年に発表したレポートでも地域活性の成功事例として紹介されているが、その中で「Reborn-Art =人が生きる術」と定義していた。だがそれほど高尚な展示だったのだろうか。

黒瀬氏らの活動に疑問を抱くのが地元事情通。

「カオスラの展示場をめぐって実は地域のゲイから大ブーイングなんです」

と打ち明ける。

「実は日活パール劇場は地元で“ハッテン場 ”とささやかれていました。そんな施設を黒瀬氏は半ば強引に自作品の展示場として使用したんです。しかも『実はハッテン場』ということを公言して展示会をアピールしました。いろいろ誤解を招くからそうしたやり方は控えて欲しいと当事者らから声が挙がりましたね」

ハッテン場として利用された映画館跡というのは不思議めいた空間でインパクト大だ。しかもなまじ性的マイノリティと寄り添った感すらある。

だが公にする情報でもない。

逆に当事者とはいえ抗議、批判すればカオスラウンジ側のアピールに加担する可能性が高く、デリケートな情報が公になりかねない。

しかも当時、黒瀬氏は絶頂期だ。展示会に異論を唱えれば「表現の自由の侵害」と逆に反論される可能性がある。

確かに事情通や地元ゲイらが憤るのはよく分かる。

先鋭化の波。それは美術家、芸術家、表現者も同様だ。人権問題や護憲、環境問題、こういった分野には関心が高くまるで本物の人権活動家のよう…。ならば性的マイノリティにも関心が高いであろう。そこで気鋭の美術家がゲイの交流場をウリにするのは矛盾しないか。

LGBT、普段はこうしたキーワードに敏感なはずだ。実行委員会である「一般社団法人Reborn‐ArtFestival」に当時の対応が問題なかったか質問してみたが、「周知活動については黒瀬さんが担当したことです。実行委員会としては関与していません」と説明する。

2017年7月28日河北新報。

しかし「実行委員会が黒瀬氏のハッテン場利用を知らないはずがない。抑制できる立場にあった」とは県内の性的マイノリティ当事者。

「『河北新報』の取材に対して黒瀬氏は日活パール劇場が“性的少数者のコミュニティーの場でもあった ”と新聞で公言しているんですよ」

確かに実行委員会も黒瀬氏の宣伝方法を知りえる立場にあった。

この流れで「性的少数者のコミュニティーの場」という情報がなぜ記事中に必要なのか理解に苦しむ。

美術界の先鋭化と言えばメディアも同様で「プロテスト・アート」に同調する『美術手帖』もご丁寧に

セクシャルマイノリティーの憩いの場

と説明している。「性的少数者のコミュニティーの場」「セクシャルマイノリティーの憩い」いずれも言葉こそ緩やかだが「ハッテン場」の言い換えに過ぎない。リベラルな面々が「ここにハッテン場があるぞー」とはあまりに下品だ。

普段は「少数派に寄り添い」と振る舞う面々が実は性的マイノリティから苦言されている現実をどう受け止めるのか。

合同会社カオスラに連絡してみると

「そんな会社ではありません。こちらは一般家庭です」

と以前の問合先はすでに使用不可能だ。

HPの番号はすでに過去のもの。回答はいずれ書面やメールで行うとする。それにしても感じるのは芸術家、美術家、こういった面々の独善的な活動だ。

ゲイの社交場を公にすること――。仮に政治家の口から発したものならば蜂の巣をつついたような騒動になるだろう。ところが芸術家ならば「意味ありげ」で「弱者に寄り添い風」になる。あるいは局部丸出しの人型モニュメントは幅広い市民が親しめるものだろうか。

ゲイアーティスト、ハスラーアキラ氏も出展。同氏は政治活動家としても名うての人物だ。
「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が使用した“安倍やめろ ”の横断幕はハスラーアキラ氏の作品です」(ウオッチャー)

美術家とSEALDs、とても相性が良さそうだ。

時報メロディも「不気味」「怖い」と抗議殺到

被災地支援を目的として『リボーンアートフェスティバル』だが聞こえてくるのは地元からのブーイングばかり。2019年のフェスティバルにて石巻市内で放送される時報、午前7時「恋は水色」、正午「椰子の実」、午後5時「遠き山に日は落ちて(家路)」を歌手の青葉市子氏が歌い録音したものが作品だった。

ところがいざ放送してみると「不快感」といった意見が相次ぎ中止に追い込まれた。

上記サイトで視聴可能。

実際に聞いてみると失礼ながら陰鬱な気持ちになる。

とにかく作品全体が地元に貢献するという意思や意欲、あるいは復興への願いも伝わってこない。

被災地にかこつけてその実態は、クリエーターたちの支援策という気がしてならないのだ。「あいちトリエンナーレ」以来、現代アート、とりわけ「プロテスト・アート」が一体、何の役に立ったのか不思議でならない。「融和」「対話」というよりも、明らかに表現物を通した「挑発」なのは明白だ。

しかしなにしろ尖り切ったのが当世の美術業界。きっとこうした批判に対しては

「無知だから理解できない」

と一蹴されるだろう。

しかし尖れば尖るほど一般大衆の理解と剥離するものだ。しかも創作によって生み出されるトラブルや騒動も「表現のうち」と考えているフシがある。

ただしそれは芸術を騙った「炎上商法」。芸術に胡坐をかいでも実態は“ 社会の厄介者”を自覚するといい。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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先鋭化する 現代アート業界は 社会の 厄介者!?」への5件のフィードバック

  1. 匿名

    日刊ゲンダイは風評被害に抗議すべき、というのは冗談で

    マイノリティは運動のダシであって食い物でありマイノリティのためではないんですよ

    またゲイスポットを密会場所として使うお方も少なからずいます。大多数のおまわりさんも潜入捜査したくないでしょ?こんな場所での密会なら盗聴もされづらい。この観点からもハッテン場をアウティングされて困る人もいるんじゃないかな。

    サウナが好き、女装好き、そんな政治家は腐るほどいます。「一緒にお風呂入りたい」の映画評論家も有名でしたよね。

    上流階級の子弟は男子校女子高で英才教育はよくあるんですよ。閨閥で食ってるのに幼少期から自由恋愛なんてされたらたまったもんじゃあない。そこでLGBTが生まれてしまう。動物でもメスだけのライオンの群れでたてがみが出てきた話がありましたね。

    YMCAやジャニーズを鑑みても別におかしいことじゃないんでしょう。

    このムーブメントの特筆すべきは同性婚にこだわっていること。そのうちLGBTの国際結婚も増えるんでしょうね。異性をひっかけなきゃいけなかった時期よりは日本へ来やすくなるんじゃないでしょうか。

    男女関係を偽装生活するのは難しい。同性なら比較的楽でしょう。これは同性愛許容とはまた別の問題なんだと思います。お金もらって同性愛偽装婚なんてのも出てくるでしょうし、お金持ちゲイを狙ったロマンス詐欺や相続狙いも出てくるでしょう。

    問題は山積みだけどそこを考える人は誰もいない。

    返信
  2. うましかの一つ覚え

    お金がないところから順に“先鋭化”していく感じはあるよなぁ

    返信
  3. うましかの一つ覚え

    使えない奴を解雇したらパワハラ・セクハラでうったえられたでござる、の巻

    という認識でいいのかな?

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      ありがとうございます。

      もともと原告被告が男女関係だったのが嫁バレして
      別れろと言われたというのが発端なんですよ。

      裁判はセクハラではなく退職を強要されたという
      趣旨の労働問題ですが、根っこは男女関係ですね。

      返信

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