【沈黙の古村 1】大阪府 富田林市 若松 一丁目 市長は解放同盟員

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By 宮部 龍彦

本サイトに掲載されていた富田林の部落探訪記事は、部落解放同盟員による仮処分を大阪地裁の井上直哉裁判官が認めたことにより、不本意にも非表示にすることになってしまった。しかし、富田林市が抱える同和行政の問題がこれで終わったわけではない。

その後、富田林市はどうなっているのか?地元の中山佑子元市議と一緒に現地検証してきた。

富田林市の同和行政の中心地である若松一丁目を訪れたのは1年半ぶりくらいになるだろうか。最初に訪れたときは中古自動車の置き場になっていたこの一角だが、今はそれはなくなったようである。右翼のステッカーが貼られたワンボックスカーも今はない。

ここには数年前から100円自販機が設置されている。万博仕様の関西限定ペプシゼロピーチ味は110円と今にしては安い。1本買っておいた。

今回、案内して頂いたのは、元富田林市議会議員の中山佑子氏。富田林市の同和行政の問題点を追及できる唯一の人物と言っても過言ではない。

ご存じない方は、ぜひこの市議会の動画を御覧いただきたい。

ここは若松一丁目墓地。相変わらず、同和対策で作られた旨が刻まれた記念碑がある。

この墓地は市有地であり、地元の墓地管理組合に貸し出されている。中山元議員が問題にするのは、清掃費用が地元に支払われていることだ。そのような扱いをされているのは、富田林市内では西山墓地とここだけだという。

他の墓地は地元の所有であり地元が管理しているのに、市有地を無料で地元に貸した上に清掃費用まで支払うのはおかしくないかということだ。本来なら逆に市が地代を徴収すべきところである。

この墓地からも、もはや若松一丁目のランドマークとなっているアヴァンギャルドな市営住宅が見える。その方向へと足を進めた。

これは2023年3月に設置された河内水平社創立碑。解放新聞の記事によれば、「田村賢一・河内水平社創立100周年記念事業実行委員会委員長の開会あいさつ、辰巳真司・富田林支部支部長の主催者あいさつに続いて、吉村善美・富田林市長が来賓あいさつし、除幕セレモニーに参加した」と書かれている。

辰巳真司支部長は富田林市議会議員でもある。

なお、裁判の書面で筆者は解放同盟側に上のように書かれた。吉村善美・富田林市長は部落解放同盟員であり、若松一丁目出身である。それを言って何が悪いのか?富田林市民は知る人ぞ知ることであるし、他の自治体が同和関係施設を廃止する中で、富田林市が同和行政を続行していることと無関係ではあるまい。

市長と運動団体との癒着、利益相反の疑いは議論されて当然のことであるし、司法による扱いは政策上の重要な論点について市民に沈黙を強いるものである。

市長と解放同盟の関係は、富田林では「王様の耳はロバの耳」のようなものである。西洋の寓話の教訓が、非常に悪い形でこの場で体現されていると言えるだろう。

このアヴァンギャルドな市営住宅では、実質的には部落解放同盟である一般社団法人富田林市人権協議会が家賃の徴収をしており、同時に解放新聞の代金が徴収されているという問題があった。かつてはエントランスの掲示板に「解放ニュース」が貼られていた。市営住宅の家賃は所得に応じて変わるので、その世帯の経済状況が解放同盟に筒抜けで、なおかつ解放新聞を買うように圧をかけられてしまっていたのである。

しかし、中山元議員の指摘後、市が家賃を直接徴収するように改められていた。

さて現在はどうかと言うと、「富田林市営住宅管理センター(指定管理者:日本管財株式会社)」と書かれた張り紙が掲示されていた。市営住宅の管理が民間委託されているのである。

このこと自体は現在では他の自治体でも一般的なことである。市営住宅とは言っても要は賃貸アパートなので、運営を民間のプロフェッショナルに任せたほうが効率的だろうという考えである。

しかし、中山元議員はその場所が不合理ではないかと指摘する。チラシに書かれた住所は若松一丁目の改良店舗の一室。

富田林市の市営住宅では若松団地が最大だが、離れたところに甲田住宅、錦織住宅もあり、そこもまとめて指定管理になっている。市営住宅の窓口は手続きの利便性を考えれば市役所に置くのが適当ではないかという主張だ。

前に訪れたときは老朽化した人権文化センターがあったが、それが建て替えられて、「富田林市立多文化共生・人権プラザ TONPAL」という新しい建物になっている。

他の自治体が同和対策施設を廃止する中、富田林市は継続するために建て替えたのだ。しかも、当初は児童館と人権文化センターを集約して1つの建物にするはずだったのが、2つとも建て替えられることになったという。写真の正面にあるのが新しい人権プラザで、左側の建物が児童館だ。児童館はまだ古いままだが、これも近いうちに建て替えられることになる。

古い人権文化センターの前には水平社宣言があった。人権プラザに入ってみると、それがガラスケースの中に展示されていた。しかし、妙に新しい。聞いてみるとこれはレプリカで、オリジナルの水平社宣言は「解放同盟に寄付した」というのである。

その解放同盟が入っているのがこのHRPという建物。これも最近できた、新しいものだ。

何と、この場所に水平社宣言が掲げられている。建物の入口には「部落解放同盟大阪府連合会 富田林支部」「富田林地区企業組合」「住宅組合連絡協議会」「たつみしんじ後援会」とある。

常識的に考えれば、これで若松一丁目と部落解放同盟と同和行政の関係が隠されているとは誰も思わないであろうし、筆者との裁判を知っている部落解放同盟員も、立場上言えないだけで本音では筆者が正しいと思っていると聞く。

なお、この近くには市営の公衆浴場もあったが、それは廃止されたという。

地図を見ると、人権プラザ、市営住宅の指定管理者、解放同盟の支部が非常に狭い範囲に集まっていることがある。なお、人権プラザの建設を請け負った美馬建設もすぐ近くにある。

この状況から、癒着、利権、利益相反といった言葉が浮かんでくる。形式的には市営住宅が指定管理になって変わってきたようには見えるが、癒着の構造は何も変わっていないのではないか?部落解放同盟員が市長になることが悪いとは言わないが、利益相反を疑われる立場なのだから、距離を置くべきなのに、河内水平社記念碑の除幕式の様子などからはそのようなそぶりも見えない。

大阪地裁が以前の記事の削除を命じたことは、典型的な事前抑制であるし、民主的な議論をあまりにも軽視していないか。人権弾圧が人権擁護の顔をしてやってきた、まさにそのような状況だ。

何度でも言うが、吉村善美富田林市長は部落解放同盟員である。さて、この記事にも削除命令が出されるのだろうか?

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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