富田林市の 部落探訪記事削除の 仮処分が 申し立てられた件

カテゴリー: 全国部落調査事件 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

去る11月6日に大阪地方裁判所に本サイトの特定の部落探訪記事の削除を求める仮処分が申し立てられた。そして、12月4日に、それについて双方の意見を裁判所が聴取する審尋が行われた。

この記事は、それらについてのレポートである。申し立てを行った人物を名指しこそはしないが、本記事を読めば結果的に特定できる。その理由と意図については後述する。

「出身者」「住民」という言葉の遣い分け

今回の仮処分は朝日新聞、毎日新聞、産経新聞等の複数のメディアで報じられている。あえて感想を言えば、一方的で一面的な報道である。そして、都合の悪い情報は報じられていない。

仮処分は筆者個人に対するもので、それが行われたことは当日に大阪の司法記者クラブの担当である、読売新聞の記者から「解放同盟が記者会見をしている」という内容の電話で知った。

そして、当日のうちに上の裁判所前でパフォーマンスをする債権者(裁判用語で仮処分を申し立てた側)関係者の写真が朝日新聞に掲載された。記事に「出版社代表は「当該地区が同和地区であることは明らかで、削除する理由はない」とのコメントを出した」とあるが、読売新聞の記者がコメントを出せと言うから言ったものであって、例によってメディア側の切り取りである。一応もう一方にも取材をした体にしておこうというのがありありと見えた。

ポイントは、記事の「被差別部落住民」という言葉である。「被差別部落出身者」でないのである。筆者に取材した記者は、債権者が誰なのかは言わなかったが、記者の言いっぷりからすぐに特定できた。大阪府外から富田林市に移住し、一般社団法人富田林市人権協議会さらには、部落解放同盟大阪府連や大阪府人権協会の役員をしているとされる人物である。有力な解放同盟の活動家なので、インターネットで検索すれば顔写真も出てくる。

読売新聞以外の別のメディアから電話がかかってきた時に、「ぶっちゃけあいつだろう」と個人名を出したら、認めていた。このことから分かる通り、債権者が誰であるかということはもちろん、富田林生まれでないこと、「出身者」と「住民」という言葉の遣い分けまで記者にレクチャーされていたということだろう。

債権者は富田林市の同和行政の「受益者」の立場の人物である。くだけた言い方をすれば、同和で飯を食ってきた人物であり、「差別」によって生業を得てきたと言える。実際、債権者が役員となっている富田林市人権協議会には同和関連の相談事業や同和施設の管理費用など一千万円以上の公金が支出されている。

探訪記事でも書いた通り、人権協議会はつい最近まで同和対策の公営住宅に限って家賃の徴収を代行していて、解放新聞代も一緒に徴収していた。以前は解放同盟が人権文化センターの一室を占拠しており、現在も実質的には解放同盟と変わらない人権協議会が人権文化センターに入っているという実態もある。

このことから、債権者は明らかにただの一住民の立場ではないし、ここまでくるともはや公人である。一方で、やっていることが特殊すぎて、住民の代表とも言い難い。

解放新聞のウェブ版に「先人の遺志を引き継ごうと 〜創立の地で記念碑の除幕式
大阪」
という記事がある。今年8月の記事である。記事には今回の債権者の名前と写真も出ていて、債権者が富田林の寺に石碑を設置したそうだ。

その石碑がこれである。裁判に行くついでに関西方面の用事をまとめて済ませておこうと思い、前日から大阪入りした。ついでに富田林市にも立ち寄って筆者が撮影したものである。

解放新聞には石碑の文章までは掲載されていなかったので現地で確認したのだが、まさに予想通りである。「ここは部落だ」と刻みつけているのと何も変わりがない。これが今年の7月のことである。しかも、解放新聞の記事によればこの石碑の設置を主導したのが今回の債権者である。

部落差別の解消ではなくて、自分の生業のために、部落を自分のものにしたい、差別を口実に同和行政をいつまでも続けて欲しい。それを邪魔する人物を黙らせるために裁判所を利用したいのだなと感じた。

他にも、富田林市では人権文化センターの改築について最安値で落札した業者が、不自然に失格にされてしまうなど、特筆すべき同和行政の実態がある。どこが同和地区か言うなというなら、それらについて議論するなと言うに等しい。しかも、私権を名目に解放同盟の役員が差し止めを出来てしまうのであれば、解放同盟側にとって都合のいいことであれば言いたい放題という極めて不平等なことになる。

2023-11-6-ウェブサイト削除等仮処分命令申立書.pdf

本来、仮処分の手続きは非公開のものであるが、出された書面の主要なものを掲載しておく。仮処分を申し立てたことを記者会見までして報道させたのは債権者側であるし、あからさまに債権者に有利な切り取り報道をされるのはフェアではない。

裁判所の物々しい警備

前述の通り、仮処分関連の手続きは非公開で、裁判所では法廷ではなく「調停室」のような個室で行われることが多いが、今回はなぜか法廷に通された。しかも、法廷の前には制服を着た警備員が二人おり、他にも裁判所の職員が数人いた。しかも、審理は合議体で、裁判官が3人である。

裁判に詳しい人でないとこの異常さは分からないと思う。普通は、仮処分の審尋といえば裁判官1人と、あとはせいぜい書類持ちとメモ係の職員がもう1人いるくらいだ。なお、Xのスペースでもその様子をレポートしている。

なお、報道でも書面でも、探訪記事の写真に債権者の家が写っているということだった。無論、筆者は債権者とは日常生活上の接点がある訳でもないし、本当に富田林市の同和地区内に家があるのかどうかも分からない。当然、裁判官も疑問を持つところで、裁判官の質問に応じて債権者側が家が写っている箇所を示したのだが、道路の写真の隅に本当にたまたま映り込んでいるだけだったので拍子抜けした。

そして、裁判所としては、債権者側の請求内容も曖昧なので、それを明確にせよということであった。例えば、映像化云々というのは具体的に何を想定しているのかということだ。それについて今年中に債権者側が書面を提出し、1月中に債務者(裁判用語で仮処分を申立てられた側、つまりは筆者)が反論の書面を出すこととなった。

これらの様子を見て、ああ、今回も裁判所は仮処分を通すという結論ありきだなと感じた。まず、法律上はそうしないのであれば筆者を裁判所に呼び出す必要はない。当初の請求内容をいじってでも、とにかく仮処分を通させて、解放同盟のメンツを立てたいんだなということをひしひしと感じた。

審尋が終わった後、筆者の方が先に法廷を出るように言われたので、筆者が出た後に裁判官と債権者が何やら談合していたのであろう。

最後に、筆者が提出した書面を載せておく。最後の求釈明に対して、債権者側は答えないのだそうだ。

答弁書
令和5年11月28日
大阪地方裁判所第1民事部 御中 

第1	 申立ての趣旨に対する答弁
1	債権者の申立てをいずれも却下する。
2	申立費用は債権者らの負担とする。

第2	 本件申立てについて
1	 本件申立ては民事保全の目的を逸脱したものであり、権利の濫用である
 民事保全は「民事訴訟の翻案の権利の実現」(民事保全法1条)を目的として行うものだが、本件申立は明らかに債権者らの政治的アピールと、既成事実の獲得を目的としている。
(1)	債権者らが本件申立を即時に広く知らせている
 乙1に示す通り、債権者らは本件申立を行った日に、大阪地裁の前で垂れ幕を掲げて行進する様子をメディアに取材させ、その主張を大きく報道させた。その過程で債務者は大阪地裁の記者クラブからコメントを求められており、本件申立の事実を即日知ることになった。
 情報の削除を求める申立てなのであるから、債権者自ら申立ての事実を即日拡散することは、債務者が対抗策として情報を拡散させる等の行為を誘発することから、通常はやらないことである。特に本件では、ほぼ債権者側の主張が一方的にメディアに垂れ流されている状況であるから、債務者側もそれに対して反論せざるを得なくなった。
(2)	政治的な対立が背景にある
 債権者が認める通り、債権者らが関係する部落解放同盟と債務者は別件の裁判で係争中である。それだけではなく、部落問題の現状認識や解決方法を巡ってイデオロギー的な対立状態にある。
 解放同盟は債務者らの顔写真を掲載した手配書のようなものを配布する行為にも及んでおり(乙2)、対立は感情的なものになっている。
(3)	債権者らには、自らの主張の既成事実化と、議論を封じる意図がある
 民事保全事件は記録が公開される必要がなく、口頭弁論を必要とせず、本訴よりも要件が緩く、決定理由の詳細を示す必要がない。そこで、まず仮処分を認めさせ、その事実をもって債権者らの主張を裁判所が全面的に認めたかのようにミスリードする記事をメディアに報道させ、債権者らの主張を既成事実化させようとすることが出来てしまう。本件申立てをメディアに報道させた経緯からも、債権者らにそのような意図があることは明白である。
 債権者らの目的は財産の保全ではなく、裁判所に対する踏み絵である。
 本件申立てを裁判所に認めさせることで債務者のみならず、国民全般に対して、債権者の主張に反するような報道や議論を封じることを狙っている。
 逆に裁判所が本件申立てを認めなくても、債権者らが「裁判所が差別をした」と騒いで、政治的な活動の理由にしようとしている。
 また、後述の通り、債権者はむしろ「部落差別」の存在により利益を得る立場にあり、部落に住むと本人のみならず子孫や親戚まで差別を受けると裁判所に認定させることで、一種の身分制度を固定化させようとしている。
 債権者らの行為は、司法を愚弄し、裁判所を政治に巻き込み、部落差別を持ち出すことで裁判所がどこまで本来の法律から外れた判断をしようとするか、挑戦しているものである。
(4)	保全が効果を生ずる時期を逸している
 本件ウェブページが掲載されてから既に2年が経過しており、民事保全の本旨である迅速な手続きを行うためには、既に時期を逸している。
2	債権者は本件ウェブページに係る地域(当該地域)との関係で、特別な利害があること
 債権者は部落解放同盟大阪府連合会の役員であり、府外の部落から富田林市の部落に移住したと称している(乙3)。また、「一般社団法人富田林市人権協議会」の役員でもあり(乙4)、富田林市の同和行政に深く関わっている。
 2020年まで、部落解放同盟が当該地域にある「富田林市立人権文化センター」の一室を不法占拠していた実態があった(乙5)。
 債権者は部落解放同盟の活動家として繰り返し機関紙に登場している(乙6ないし乙10)。債権者は当該地域や同和行政や部落解放運動との関係で単なる一般人ではなく、極めて特異な立場である。
 一般社団法人富田林市人権協議会は富田林市から「富田林市地域人権学習・交流事業補助金」として2022年に市から400万円の補助金の交付を受けている(乙11, 乙22の6)。また、詳細は後述するが、一般社団法人富田林市人権協議会は本件ウェブページに掲載されている市営住宅(若松団地)の管理を委託されており、最近まで市営住宅の使用料の徴収を代行している実態があった。
 このように、債権者と当該地域と関連する同和行政との関係には特筆すべき実態があり、それについて議論するためには当該地域が同和地区であることは言及が避けられず、むしろ言及しなければならないことである。実際、乙5の記事には若松1丁目と当該地域の地名が明示されているし、そうでなくとも、施設、団体、施策の名称等の同和事業に係る固有名詞を出せば、具体的にそれが当該地域にあるものだと容易に分かる。
3	当該地域を債権者らが部落ないし同和地区として公表してきたこと
 甲1号証の本件ウェブページ自体から分かる通り当該地域には、同和事業が行われたことを示す石碑があり、人権文化センターには水平社宣言が刻まれている。これは例えるなら顔面の入れ墨のようなものであり。債権者の申立ては「自身の顔面に入れ墨があることを公言するな」と他人に強制するくらいに違和感のあることである。
 ごく最近の2023年7月15日に、水平社運動が行われたことを示す石碑を債権者らが当該地域の寺の前に新たに設置している(乙12)。
 債権者は雑誌『部落解放研究』2019年3月号で当該地域を「今も、部落差別が存在し、闘い続けている地域」として紹介している(乙13)。
 また、部落解放同盟では過去に当該地域を繰り返し部落ないし同和地区として機関紙に掲載している(乙14ないし乙17)。
 そして、一般社団法人富田林市人権協議会のウェブサイトでは実質的に当該地域が同和地区だと分かる形で掲載している(乙18の1, 18の2)。
 このことから、債権者が本件ウェブページにより損害を被っているとは考えられず、部落問題を口実にして、債務者と同様の行為を債権者がしても許され、部落問題や同和行政に関する情報や議論全般を自身が支配できるような不公平な判断を裁判所にさせるという、司法に対する挑戦を行っていることが強く疑われる。その効果として、債権者が富田林市の公金により行っている事業に対して、批判を受けにくくすることを狙っている。
4	申立ての趣旨が曖昧であり、実質的な効果がない
 通常はこの類の削除申立ては具体的な記述を対象とするものである。
 しかし、本件申立ては具体的な記述を特定せずに、本件ウェブページ全体の削除を求めるのであるから、再掲載を禁止する趣旨と考えられる「申立の趣旨2」が禁止する行為に具体性がない。例えば表題や一部の記述を変えるか、あるいは当該地域を再探訪して再度記事を各行為も禁止行為に該当しないと解することが出来、意味をなしていない。
 このことから、債権者の目的は財産の保全ではなく、裁判所に保全命令を出させた実績を作ることそのものが目的であることが強く疑われる。
5	「差別」の定義が理不尽化、先鋭化している
 債権者は「差別されない権利」なるものを主張しているが、その内実は「差別」という言葉からして定義が曖昧である。
 また、差別や人権という概念について、本件のように正しい情報や自由な議論を阻害するような動きがあるため、事実上部落解放同盟等の特定の団体の意に沿わない議論が出来にくい状況があり、ますます先鋭化している。特に昨今では「マイクロアグレッション」という概念が喧伝されており、もはや「差別しないことは差別」と言えてしまうほどに理不尽化している(乙19, 20の1, 20の2)。
 債権者の言うような「差別」の問題に寄り添えば際限がないので、裁判所はあくまで法律に沿って判断しなければならない。
 
第3	 申立ての理由に対する答弁
1	「第1 事案の概要」について
 1ないし3段落目については否認する。これらは、債権者自身の考えを、あたかも債務者が言っているかのように記述した、一種の「藁人形論法」である。
 1段落目について、本件ウェブページには特定の地域を「被差別部落」とする内容は存在しない。「被差別部落」という言葉は、ことさら差別を主張するために債権者が所属する部落解放同盟の立場で使用される政治的な用語である。そのため、債務者は単に「部落」との用語を使っている。
 2段落目について、債務者が差別を社会的に拡大させる意図はないし、現に差別が拡大されている事実もない。
 3段落目は、明らかに虚偽の主張である。債権者らは部落解放同盟や関連団体の構成員として、当該地域を債権者らがいうところの「被差別部落」と印象づける活動を行っており、そのような者が本件ウェブページによって差別の恐怖を感じることはあり得ない。
2	「第2 当事者について」について
(1)	「債権者」について
 1段落目については不知。
 2段落目については認める。
(2)	「債務者」について
 3ないし6段目については否認する。その余は認める。
 3段落目について、少なくとも、掲載当時閲覧制限の対象とした書面については掲載していない。
 4, 5, 6段目について、債権者らの思い込みないしは想像に過ぎず、そのような事実はない。
3	「第3 被保全権利の存在」について
(1)	「1 債権者についての具体的な権利侵害の事実」について
ア.	「(1)本件ウェブページが被差別部落を特定し暴露する記事で構成されていること」について
 否認する。
 前述の通り「被差別部落」は部落解放同盟の政治的用語である。債務者は「部落探訪」ないしは「曲輪クエスト」した地域を個別に検証しているのであって、一律に「被差別」という認定はしていない。むしろ「被差別」と認定しているのは債権者らである。
イ.	「(2)本件ウェブページが若松一丁目を被差別部落と特定し暴露する内容であること」について
 否認する。
 「被差別部落」という用語については上記の説明の通りである。
 他の主張も債権者の想像に過ぎず、事実ではない。なお、「そもそも賎民の村ではなく、水平社によってでっち上げられた部落」という伝聞は実際に読者から示現舎のメールフォームに送られていたものである(乙21)。
ウ.	「(3)本件ウェブページが被差別部落に対する差別を内容としていること」について
 否認する。
 本件ウェブページは単に地域についての事実を記載したものである。債権者はそれらの事実を否定していない。債権者の主張は、債権者自身が最大限の悪意を持って解釈した主観ないしは想像に過ぎない。
 なお、「若松団地に入居すると入居者の情報は解放同盟に流れ、解放新聞の購読を求められるという。」記述については、債務者が実際に富田林在住者から聞いたことであり、平成28年9月富田林市議会の会議録に「若松町にある市営住宅の「住宅管理」を人権協議会に委託しています。家賃徴収が委託業務に含まれ、その際に、運動団体である部落解放同盟の同盟費や解放新聞の新聞代が同時に集金されていました。そして、その業務は住民が交代で集金していたため、生活保護世帯や、減免世帯などの情報とともに誰が解放同盟員かが知られてしまうなど、重大なプライバシー侵害問題を引き起こし、集金を担当した人には委託料が支払われていなかったことも明らかになりました」という議員の発言があり(乙22の1)、概ねそのような実態が事実であることの裏付けがある。
 令和2年12月の同会議録によれば市職員が一般社団法人富田林市人権協議会に対して「住宅管理業務委託の中には、若松団地における市営住宅使用料の集金業務が含まれております」と認めている(乙22の2)。
 そして、本件ウェブページが掲載された後のことである、令和4年6月の同会議録によれば、上記の集金業務が廃止されたことを本件ウェブページでも使われた「アバンギャルド」という言葉を交えて議員が皮肉めいて発言している(乙22の3)。
 令和5年6月の同会議録によれば「若松団地につきましては、人権協議会に随意契約という形で管理を委託しております。甲田住宅、錦織住宅につきましては、地元住民の団体さんで、住宅管理組合を構成されておられまして、そちらのほうに管理運営を委託しております。そういったばらばらといいますか管理方法が異なっておる状況がございます」という市職員の発言があり、若松団地だけが他の地域と違う特殊な扱いをされていることが分かる(乙22の4)。
 また、水平社宣言が刻まれた人権文化センターについては、入札で落札した業者が失格となり、建設費が増えたこと等が不可解であると市議会で追及されたことがあった(乙22の8, 22の5, 22の7)。 
 債権者は部落解放同盟の役員であると同時に一般社団法人富田林市人権協議会の理事であるのだから、債権者は上記の不適切な実態を放置してきた立場であり、債務者に対して私怨を抱く動機が十分にあり、債権者の主張は公平なものではない。
 このように、本件ウェブページの背景には誠実な事前調査と現地確認のプロセスがあり、いたずらに地域の状況を暴露する目的のものではない。実際に富田林市の市議会議員等もその内容を意識し、政策にも影響したことが強く推認され、公益に寄与するものであることが明らかである。
エ.	「(4)本件ウェブページが債権者の差別されない権利を侵害すること」について
 争う。
 地域の風景や歴史、実情は個人の所有物ではない。それは債権者らのいう「被差別部落」であっても変わることはない。
(2)	「2 差別されない権利」について
ア.	「(1) 全国部落調査裁判東京高裁判決による「差別されない権利」」について
 争う。
 債権者のいう東京高裁判決は、主としていわゆる『部落地名総鑑』のもととなった『全国部落調査』に対して争われたものであって、個別の部落を探訪してその記録を公開する行為に対しては射程外である。「差別されない権利」は判決文の用語ではなく、債権者らによる独自の用語と解釈のことである。
 全国部落調査裁判では、いわゆる部落探訪に特定の原告の家屋や自動車が映り込んだことが争われているが、これについては「法的に保護されるべき権利や利益を具体的に侵害したとは認められない」と判示されている(甲2号証、49頁)。
 なお、全国部落調査裁判では、第一審でも第二審でも、原告側の旗色が悪くなると判決直前になって裁判官が交代させられた事実があり、極めて不公正なものである。全国部落調査裁判は現在原告被告双方が最高裁に上告しており、現時点では未確定である。
イ.	「(2) 法務省依命通知による「差別されない権利」」について
 争う。
 依命通知は行政内の通達であって、国民の権利関係に影響を与えるものではない。無論、裁判所を拘束するものでもない。
(3)	「3 現在も続く深刻な部落差別」につて
 否認する。
 本件ウェブページでは当該地域についての具体的な事実を詳述したものである。当該地域を勝手に「被差別部落」なる地域にカテゴリ分けし、「被差別部落」についての風評に過ぎない一般論を適用しようとする債権者の主張自体が不当な一般化であり、偏見そのものである。
(4)	「4 「部落地名総鑑」の問題性」について
 本件ウェブページは当該地域の実情を詳述したものであって、いわゆる「部落地名総鑑」とは無関係であり、債権者らの主張は趣旨不明確であり、論評できない。
(5)	「5 「部落探訪」の経緯と問題性」について
 事実関係は認めるが、債権者の解釈は悪意に満ちたものである。
 時系列で言えば、「部落探訪」の初出は2015年12月18日の東京都荒川区荒川8丁目であり、その元になったのは部落解放同盟東京都連合会の関連団体が出版した『荒川の部落史 まち・くらし・しごと』である(乙23)。
 債務者が全国部落調査を公開し、関連訴訟が提起されたのはその翌年のことである。従って、偶然掲載時期が重なったのであって、直接の関連性はない。富田林市を訪れたのも、読者からリクエストがあったからであり、他の意図はない。
 なお、YouTubeからの動画削除については、部落解放同盟がYouTubeに対して署名運動をする等、強力な政治的圧力をかけた事実があり(乙24)、YouTubeは規約違反以外の具体的な理由を明らかにしていない。
4	「保全の必要性」について
 争う。
 保全が必要ではないことは第1で前述したとおりである。
 本件ウェブページが掲載されてから2年間に債権者が懸念したような具体的な権利侵害の事実が1つも確認されておらず、債権者が具体的な権利侵害の証拠を提示できずに一般論に終止していることが、民事保全の必要性がないことを証明している。
 債権者の目的は財産の保全ではなく、本件ウェブページを裁判所に削除させたという実績を得るという、専ら政治的なものであるから、緊急性の高いものとは言えず、正式な民事訴訟の手続きで足りる。
第4	 求釈明
 本件申立に関連し、以下の事柄が事実であるかどうか、債権者に釈明を求める。
 なお、釈明がない場合は、債権者が事実と認識していると債務者は解釈するし、これらを前提に裁判所が決定を出すのであれば、これらの事実が疎明されたと裁判所が認定したものと解釈する。居住移転の自由がある中で、部落解放同盟のような圧力団体や、ましてや裁判所が「関わったことを知られると財産権を侵害されるリスクがある」と認定する地域の存在についての情報は国民が不利益を回避するために必要であるから、それらを知らせることは公共の利益に関わるし、財産権の侵害を防止するために重要な情報である。

1	債権者と同じように当該地域に移住しその事実を知られると、部落差別を受け、不利益を被る。
2	移住しなくても、当該地域に本籍地を置いた事実を知られると、部落差別を受け、不利益を被る。
3	1, 2の部落差別は子孫や親戚にも影響が及ぶ。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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富田林市の 部落探訪記事削除の 仮処分が 申し立てられた件」への7件のフィードバック

  1. 匿名

    文中
    >部落問題の現状認識や解決方法を巡ってイデオロギー的な対立状態にある。<

    ???それで、探訪で「勝利した」と宮部氏が騒ぐことが、解決方法の手法??

    説明願いたい。

    #9e7fe53bc366122d18189174cd7f6bba

    返信
    1. 匿名

      また、宮部氏が部落問題を解決したくて部落訪問をしているのであれば、探訪による間違った情報は流さないでほしい。コメント欄で指摘も受けているようだが、周到な準備、裏どりなどすべきである。
      いずれにせよ、示現舎の訪問は部落民が迷惑がってる事実を認めるべきであり、辞めたほうが良い。
      迷惑がってるかどうかは聞いてみれば良い。宮部氏の記事を該当の部落民に見せ、全国公表するけどと、、、問えば良い。・・・解放同盟員なんて部落民の1%もいないでしょうから、数多く当たってみれば事実がわかると思いますよ。

      #9e7fe53bc366122d18189174cd7f6bba

      返信
      1. 匿名

        宮部氏を諭しても無断だとおもいます。こういう輩は、諭されても、論破されても本人は自分が正しいと言いはるのです。
        裁判を起こし、判決に従ってもらうしか無いと思います。
        宮部氏は敗訴しても、一部敗訴、一部勝訴と言うでしょうが、基本的には敗訴です。
        一部勝訴と言っても原告の要求が高いから低くした程度です。
        #891d31fb4f6f117e5c79898f6c3ac630

        返信
          1. 匿名

            違いますよ。
            解同なんて部落民の1%もいないですよ。
            宮部VS解同はご自由に。
            とにかく、解同に関係ない数百万いる部落民無視の訪問はいけない。それも宮部氏と面識もない赤の他人に迷惑をかけてることの自覚が無いのですかな宮部氏は。
            とある部落では地名と性名でズバリ部落民を特定してる。

            #d4bc88d3d01c668cb39bd6147a0c5327

    1. 匿名

      具体的同和利権の説明が必要です。
      非合法であれば、当然処分されるでしょう。
      公共事業等においては利権が生ずるのは当たり前です。
      誰も無償でやってくれません。
      ダム利権、水道利権、道路利権、原発利権、土木利権、、、、、

      合法的かどうかが問題なのでは??
      いずれの利権も非合法ならすでに処分されているでしょう。
      もしあなたが、処分されてない案件で非合法だと思うならそれを記述して示現舎に動いてもらうのも手かもしれませんね。
      #9e7fe53bc366122d18189174cd7f6bba

      返信