【津市】相生町 自治会長事件は「部落差別が原因」といった 津人教は 同特法の亡霊

カテゴリー: 津市相生町自治会長事件 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

先月28日、津市から補助金を騙し取ったとして詐欺罪に問われた元津市相生町元自治会長・田邊哲司被告の公判で検察から懲役3年が求刑された。8月18日に判決が言い渡される予定だ。量刑について言及は避けるが長らく追跡してきた「相生町自治会長」も節目を迎える。結局、環境パトロールや他の問題は真相究明されることがなく自治会長事件は幕引きになりそうだ。行政、司法をあげての田邊、津市擁護には正直、取材モチベーションを喪失していたが、その矢先「津市人権・同和教育研究協議会」(津人教)が発行する「 津人教たより」(2021年7月15日発行、68号)を入手した。読んで驚き。 津人教 によれば自治会長事件は「部落差別が原因」なのだそうだ。まさかのトンデモ擁護が出た!

津人教会長は市教育長室S氏糾弾の現場にいた人物

「求刑が甘い」「裁判所も津市の味方か」「求刑3年はまず執行猶予付きだ」こういう意見が弊社によく寄せられた。あるいは「上層部で命令で書類を書かされた入庁4年目の職員まで処分された」(市関係者)という内部情報も憤懣やるかたない。共犯の増田被告周辺は「担当検察官から“津市役所をよくするためにも君(増田被告)が(罪状を)認めてくれ ”と言われたそうです」と漏らすが信憑性がある。行政、司法、自治体、何か大きな力が作用していないか、と徒労感に包まれていた。しかし「津人教たより」(68号)を一読しモヤモヤが吹き飛んだ。

本題に入る前に「津人教」について解説しておかなければならない。津人教は教職員を中心に同和教育を推進する組織で市からも補助金が支給されている。津市内で同和行政、同和教育に関する陳情、啓発を行ってきた。なお三重県の同和行政は解放同盟と同等に三重県教職員組合(三教組)も影響力が大きいというが、津人教に加盟する三教組教員も少なくないという。

なお、ある職員はこう語る。

「この団体に、津市の職員や関係のある人たちは毎年協力金を払わされています。払わないと幹部も吊し上げを食うとのことです。集められた巨額の金額が、何に使われているのか謎です。人権関係の何に対して使われているのでしょうね? 相生町の問題があり上層部も改心し、今年は無理矢理払わされることはないと思いましたが、依然として変わりませんでした。非常に残念です」

歴史は意外と新しい。2006年に津市は近隣10市町村と合併するが、各自治体の同和教育研究協議会を統合する形で 「津市人権・同和教育研究協議会」 として発足した。

同会HPによると

「合併にともない、従来の枠組みが大きく変化することによって、各地域で取り組んできた人権・同和教育の足跡がかき消されてしまうのではないか。」「法切れ(同和対策特別措置法等)後の人権施策の更なる後退になるのではないか。」人権・同和教育を推進してきた多くの人々は、言いしれぬ不安と危機感を感じていました。

というのが結成当時の状況。つまり同和対策特別措置法失効後も「同和行政をやれ、同和教育をやれ」という事実上の圧力団体といってもいい。会長は元校長の川合陽一郎氏。同氏は以前、当サイト記事に登場したのは覚えているだろうか。相生町自治会長事件を象徴する2014年11月18日のS氏糾弾。津市教育長室でS氏という市民を田邊一派が恫喝、糾弾した一件だ。以前も協議記録を公開したが、出席者欄に注目。「教育委員会事務局教育次長」に川合とあるが、これが川合陽一郎津人教会長のこと。

当時の状況について川合氏はこう語った。

全く隠し立てをするつもりはありませんが、古い話ですし私も掲載されていた協議記録で誰がいたのか知ったぐらいなんです。次長だったのはあの一年だけで3月には退職して公立学校に戻っています。だから教育委員会以外の職員を全く知りませんでした。当時の状況で覚えているのは突然、「教育長室に来なさい」と言われて行ってみるとあのような現場というわけです。今、思えば本当にいかがなものか? というやり取りですが、私は驚くばかりで下を向いて困惑していました。お話できるのは本当にこれぐらいです。

自治体における教育委員会は知事部局から独立が認められている。それゆえ首長ですら容易に介入できない。ところが田邊哲司という一個人が教育長室を我が物顔で使い、一市民の糾弾に活用した。つまりこの時点で津市は「教育委員会の独立」を放棄したといわれて仕方がない。

そんな人々の人権、同和教育という主張はただ空虚だ。

6月5日の同会総会を伝える「津人教たより」。総会には前葉市長らも挨拶文を送っていた。導入部分を見ていきなり度肝を抜く一文。コロナウィルス禍でも総会を開催する必要性をこう説いた。

それは、大きく取り上げられた自治会長問題の根底に部落差別があり、この問題が部落問題に対する偏見や差別心を多くの市民に植え付けてしまうという結果を招いたからです。

自治会長問題は部落差別だという。そもそもは同和行政を背景に田邊被告が不当要求、不当行為を行ってきたわけで「部落差別」とは全くのお門違い。偏見や差別心を植え付けたというが「同和は怖い」「相生町は怖い」というイメージを全国に知らしめたのは田邊被告本人だ。しかも川合会長はこの蛮行を制止できずに沈黙していた。あるいは津人教その他関係者が同席したとしても黙認していただろう。

津人教は言いっぱなし、しかし津市は意外な回答

しかもこの「津人教たより」は明らかに弊社を意識した、あるいは挑発した内容だった。

どうも弊社の部落探訪記事を問題視しているようだ。以前、川合氏にもインタビューをしたがならばなぜその時に意見しなかったのだろう。それでなくても津市取材が始まってからもう一年。この間、いくらでも抗議する機会があったはずだ。しかし直接モノをいうことはなく、密室空間の欠席裁判会議というのはあまりに陰湿。おおかた同和団体とはこうした対応をするものだが、「教育」を旨とする団体もこの有様。結局、言いっぱなしというわけか?

川合氏宅に取材を申し込んだ上で津人教事務局に連絡してみた。「執筆は4人でやっています。誰が執筆したか? 会長(川合氏)と相談した上でお伝えします」ということだが川合氏、津人教から連絡は来ない。津人教に改めて質問状を送付した。

1、自治会長問題の根底に部落差別がある、と書かれています。田邊氏の事件と部落差別とどういう関係があるかご説明ください。

2、部落差別があると言いますが「同和」をかたり一市民を恫喝する行為は貴団体も賛同される、または容認するということでしょうか。

3、田邊氏は不当逮捕、不当裁判というお考えですか。

4、上記の音声にあります一市民の恫喝は明らかに協議の領域を超えています。川合会長及び貴団体は平成26年11月18日協議を容認または正当な行為とお考えですか。

5、「この問題が部落問題に対する偏見や差別心を多くの市民に植え付けてしまう」とのお考えです。では何をもって偏見や差別心を植え付けた、とするのかご説明ください。

しかし質問状にも返信はなかった上、事務局への電話連絡も応答がなくなってしまった。「同和団体は言いっぱなし集団」。これを地で行く格好となった。また津市は津人教に補助金を支給し、また例年同団体の総会で市長が挨拶をする。市側も津人教に同調するのか聞いてみた。

1、市長もこの文面に賛同されているということでよろしいでしょうか。

2、もともと津市教育長室に当該の自治会長、田邊氏を入れて一市民を吊るし上げたことが問題の発端といえます。あるいは議会でのヤジ、暴言もありました。田邊氏はむしろ「同和は怖い」ということを体現されておりますが、この点についても「偏見」や「差別」とお考えでしょうか。

3、偏見や差別心を多くの市民に植え付けた、とはどういう状況かご説明ください。

ところが市側の回答に仰天した。というよりも初めて津市に「人間」を見た。

1、津人教が発行する文書であり、津市長が関与、賛同したものではありません。ご指摘の記述について、自治会問題が「同和問題」を背景としていることは、隣保館である中央市民館が関係したことからも明らかであり、この事実から目を背けるつもりはありません。

2、田邊氏の言動と「偏見・差別」とは別の問題です。

3、津人教にご確認ください。

となるとあの一文は津人教の独自見解だろう。同和の闇から目を背け「部落だ、差別だ」と騒ぐ同特法時代の亡霊の叫び。しかしこの感覚が津市政に少なからず影響を与えており自治会長事件につながった。田邊問題についてはかなり士気が下がっていたが、意欲を戻してくれた。そういう意味では津人教には感謝である。

津人教の各氏にいっておこう。田邊被告の横暴に対して「SOS」を発してきたのは何より「敬和地区住民」だ。つまり同和地区住民が田邊被告に困り果てている中で、津人教は何をしたのか。人権擁護といいつつ住民の不安や苦痛から目を背けたのはご自身らである。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

菅四ジャイアンツ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

【津市】相生町 自治会長事件は「部落差別が原因」といった 津人教は 同特法の亡霊」への9件のフィードバック

  1. 菅四ジャイアンツ

    同特法の亡霊ともいえますし、不都合なことを全て差別にこじつけて批判の声を封じる朝田理論の生霊ともいえますね。

    津人教という名称からして怪しい宗教のようですが、実態もカルト宗教に近いようです。

    返信
  2. 匿名

    表向きは任意加盟団体ですが、三教組に入っている先生は、
    任意とは言いつつ、ほとんどが津人教に半ば強制的に入会させられています。
    教頭・校長もほぼ強制入会。退職後も継続入会をしつこく迫ってきます。
    校務分掌でも人権教育担当になると、自動的に津人教担当になります。

    その上部団体に「三重県人権教育協議会=三人教」があります。
    どちらも年会費一口500円、2口以上が基本。
    三重県は教組の組織率が全国でもトップクラスなので、
    小中学校のほとんどの先生=三教組=三人教=津人教の図式になっています。

    入会していないと、職場で「人権教育に不熱心な先生」とレッテルが貼られ、人間関係がぎくしゃくします。
    本当は、みんな抜けたくて仕方がないのだが、レッテル貼りを怖れてイヤイヤ入会しています。

    三重県の教職員界では、同和問題に深く関わることが、管理職への強力なパスポートとなっています。
    なので、津市内では敬和小・東橋内中で長く人権担当になると、管理職への特急券をもらえたことになります。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      貴重なお話ありがとうございます。
      実は私もちょっと不穏な情報を得ているので今後もぜひ
      情報交換をして頂ければと思います。

      返信
      1. 匿名

        早速のご対応、感謝いたします。
        私で出来ますことがあれば、協力させていただきます。

        返信
      2. 匿名

        三品さん、私の住んでいる津市の南部には同和地区がたくさんあります。調査お願いします。
        津市には相生町や高洲町のような都市沿岸部だけではなく、田舎にも多いです。
        津市南部の場合は特に農村部や山間部に同和地区が多いようです。
        その地域は、その土地で先祖代々長年住み続けているようです。その地域が同和地域であることを証明する教育集会所や隣保館もあります。
        私の住んでいるところは同和地区ではありませんが、歩いて10数分の所にあります。調べたら私の住んでいる地域の東西南北に同和地区があることが判明しました。
        特に津市の久居、白山、一志東部、美杉の方にはそういうところがたくさん存在するので、時間があれば示現舎さんの方で当サイトの「部落探訪」において調査させていただくようお願いします。

        返信
  3. 当事件に秋風はまだ早い

    追跡取材が途絶えていたようなので心配していました。
    敬和地区人間として、貴舎には今後も期待をしております。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      ありがとうございます。
      敬和地区の方もガンガン役所に意見してもらえると助かります。

      返信
  4. 匿名

    示現舎、三品様のおかげでパワハラ問題から始まり、元自治会長の数々の悪事が公になり感謝しております。

    一方で歪んだ行政や組織には辟易しています。
    過去にこの県で起きた「弓矢人権裁判」、「久保事件」もそうです。

    これからも期待しております。

    返信
  5. ピンバック: 【津市】自治会長事件は 「部落差別のせい」といった津人教に 年間620万円の 補助金を支給 - 示現舎