【津市】自治会長事件は 「部落差別のせい」といった津人教に 年間620万円の 補助金を支給

By 三品純

全国放送された津市相生町自治会長事件。同和行政を背景に市職員、民間業者らに不当要求を続けた田邊哲司氏も執行猶予付とはいえ有罪判決を受けた。ところが田邊氏が起こした事件の根底に「部落差別」があると訴えるのが「津市人権・同和教育研究協議会」(津人教)だ。教職員らを中心に同市内で同和教育、人権教育の啓発や推進をする団体。今回、弊社が入手した団体議案書を見るとなんと年間の補助金は620万円。しかも事実上、同和行政の追認組織でしかないことが浮かび上がる。

任意団体に津市職員も役員に名を連ねる謎組織

今回入手したのは「2021年度(第16回)津人教総会議案書」。大会宣言文を含む28ページからなる文書だ。貼り付けておくので関心がある方は下記へ。

2021年度津人教総会議案書

すでに前回記事で報じた通り、津人教は津市の同和行政、同和教育に影響している。全国大会の際は、前葉泰幸市長が挨拶に登壇。また定期的に団体役員が訪庁し陳情、意見交換をしている。

資料、規約を見ると津人教は同和行政の継続を求める要求団体、あるいは自治体特有の「講演会商法」といった性質がみえてくる。津市人権・同和教育研究協議会規約第1~5条を引用。

第1条(名称) 本会は、津市人権。同和教育研究協議会(津人教)と称する。

第2条(目的) 本会は、部落差別をはじめとするあらゆる差別を撤廃し、すべての市民の人権が保障される、明るく住みよい津市の実現のために、学校、社会、行政及び企業における人権・同和教育の研究と実践を推進すると共に、啓発活動を通して人権尊重の街づくりに寄与することを目的とする。

第3条(組織)本会は、組織全体を統括する本部のもとに、各地域ごとに支部を置き、これまでの取り組みを継承し、各地域の実態に応じた活動を推進する。

第4条(会員) 本会は、本協議会の趣旨に賛同する個人および団体で構成する。

第5条(事業) 第2条の目的を達成するため、次の事業を行う。学校教育、社会教育、行政/企業における、人権・同和教育の研究及び実践、人権・同和教育に関する研究会や研修会の開催、人権問題、 同和問題に関する調査や啓発、並びに資料の収集や頒布、関係諸機関・団体・企業などとの連絡協議、その他、必要な事業

通常、研究会や研修会とは早い話が講演会のことだ。連絡協議とは行政など関係機関への要求や陳情だろう。とにかく同和行政を維持するようにという意図が垣間見える。

津市の場合、部落解放同盟の支部が事実上、開店休業状態のため代わって津人教が活動している印象。組織拡大にも努めており、特に退職教員への加入促進をしている。

退職者へのゴールド・プラチナ会員加入の声かけなど、各支部の実情に合わせた取組をしていただきました。

津人教によればゴールド会員は5年、プラチナ会員は10年加入することだが、特典は広報誌の送付などらしい。

また印象的なのは津市職員も役員に名を連ねていることだ。イチ任意団体に過ぎない津人教に市職員が役員を務めるのは違和感がある。

役員名簿を見てみよう。津市人権担当理事、人権課長、市教委からは人権教育課長が理事を務めている。相生町自治会長事件について予備知識がない人のために補足をすると津市人権担当理事は紛れもなく「同和対応」のトップであり、敬和地区(相生町を含めた地域)の担当あるいは窓口といった存在だ。現在、補助金詐欺で公判中の松下哲也被告も元人権担当理事である。本事件、もっといえば津市の同和行政において最もカギになる役職者といえる。

松下康典理事に事情を聞いてみると

「私もどういう経緯で津人教に市職員が参加するようになったのか分からないのです。もう以前からのことですから。担当者の申し送り事項? そういう訳ではありませんね。任意団体の役員に市職員が務めるのはおかしいというご指摘ですが、津人教はまた一般的な任意団体とは少し異なるとは思いますが・・」

また市教委の片岡、金児両氏にも連絡を取ってみたが回答はなかった。

それから年間の予算は620万円というのも随分大きな額だ。このご時世、これだけ莫大な補助金を支給する意味があるのか判断が苦しい。

自治会長事件は部落差別が原因なのか?

昨年来から津市自治会長事件を取材してきたが、現職の教員、元教員にも少なからず取材をしてみた。表現の差異、温度差の違いはあれども事件に対する問題意識よりも「相生町への偏見が助長される」というニュアンスで一致していた。これにはひどく疑問を抱いたものだ。市や業者に不当要求をしていた田邊氏よりも「差別」「偏見」が先に出るのは明らかにおかしい。なぜなら一連の要求行為、補助金詐取は同和問題を背景にしたものだからだ。ある部分では同和を悪用し、都合が悪いと差別というのはご都合主義というレベルではない。

特に田邊氏と家族ぐるみで交流がある津人教理事で高洲町教育集会所の人権教育指導員、細谷演夫ほそやのぶお氏に取材をした際のこと。

「あの人(田邊氏)がどれだけ津市のバスケットボールに尽力してくれたか知っていますか?」

細谷氏はこう擁護した。しかし補助金詐取とは何も関係がない話。逆にバスケットボールに貢献すれば補助金詐取や市職員、業者へのパワハラ行為が許されるわけでもない。

とにかく教職員らに蔓延する「敬和地区住民が起こす犯罪は部落差別のせい」という論理を強く感じたものだ。

それは津人教の議案書の文言からも汲み取れる。同2ページ目より。

2020年私たちの津市では、市内自治会長問題が報道され、長きにわたる市行政の在り方にまで発展する問題が生じました。こういった事実を事務局会や支部リーダー・会議‘役員会の中でも議論を重ねてきました。もちろん不正ついては、許すべきことではありません。今後の百条委員会の議論を注視するとともに、市行政が真に差別を許さない人権尊重の実現に向けて、行政としての姿勢を正すべきであると考えます。私たちは、この問題の根底に根強い部落差別があるということを、決して忘れてはなりません。

「もちろん不正(に)ついては、許すべきことではありません」としながらこの流れの中でなぜ「この問題の根底に根強い部落差別があるということを、決して忘れてはなりません」とまとめている。なぜ不正から「根強い部落差別」につながるのか唐突過ぎやしないか。同和行政の受け皿施設たる隣保館「中央市民館」を背景にした不正であり従来の津市の同和行政が明らかに問題だ。この点に触れずただ「差別」の連呼は逆に事実や実態に目を向けようとしていない空論だ。

しかも津市教育長室でかつてS氏という一市民を集団で吊るし上げる事件があった。いわゆる「S氏糾弾」。本件は改めてその音声や記事を確認してもらいたい。教育委員会という独自性が重視される組織のその長たる「教育長室」で同和をかたり一市民を恫喝する――。そしてこの場には津人教現会長の川合陽一郎氏が同席していた。この蛮行に対して何も意見できずに、祭りが終わった後の「部落差別云々」という演説は全く響かない。

しかも津人教は弊社報道について批判的な論調だが、過去たびたび接触する機会があったが一度たりとも意見を寄せたことはなかった。また前稿で質問状を送付していたが結局その返事ももらえていない。もし自治会長事件の報道に対して意見があるならば絶好のタイミングだと思うが。改めて津人教に確認すると

「川合会長は回答を用意しているということですので、もう一度お送りするよう伝えておきます」

ということだった。

「またテツ(田邊氏)のようなヤツは出てくるだろうな」とはある敬和地区住民のため息。つまり事件後でも行政、議員とも反省や検証がないという意味でもある。津人教の対応をみると同住民の不安は単なる「懸念」とは思えない。

【津市】自治会長事件は 「部落差別のせい」といった津人教に 年間620万円の 補助金を支給」への3件のフィードバック

  1. 伝統芸

    周囲の人間は「またてっちゃんみたいなやつは出てくるやろな」と異口同音。
    敬和地区の伝統芸ですから(笑)。なくなるとは思えん。行政にその種の窓口がある以上、なくなるわけないやん。

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  2. たくみ

    “町村のボスを追い出せ”で画像検索すると佐倉の国立歴史民俗博物館に展示されている占領時代のポスターがご覧になれるはずです
    70年以上経ってもこの手の不正をなくすことはできないんですかね

    歴博にはえた・ひにんや水平社に関する展示もいくつかありますが、これらは撮影不可です
    宗門人別帳、差別戒名が記された墓石や位牌(複製)の展示もあります
    興味のある方はぜひ訪れてみてください

    返信

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