衆議院の解散は今月23日に決まった。これにより総選挙は1月27日公示、2月8日投開票の見通しで、すでに各政党が街頭演説を開始した。注目の中道改革連合、躍進が見込まれる国民民主党、ゆうこく連合、日本保守党から立正佼成会までメディアが報じないマル秘エピソードを紹介しよう。(写真は中道改革連合公式YouTubeとゆうこく連合の記者会見)
エピソード①立民・杉尾秀哉氏に梯子を外された立正佼成会
立正佼成会と創価学会は1950、60年代に布教競争で対立した。自公政権以前の立正佼成会は自民党議員を支援することもあったが、旧民主党系議員の支持を打ち出した。
左派色が強い団体である。佼成学園教職員組合は「神奈川懇話会」といった左派団体の学習会などを後援してきた。また佼成学園教職員組合の活動歴をみると2019年、「創価学会と公明党はどうなる」と題し、二見伸明元参議院議員・公明党元副委員長が講演。司会は同教組の役員が務めた。
同会は平和、人権、反戦を打ち出してきたが、信者の高齢化は顕著で政治的な影響力を失いつつある。現在は立憲民主党の議員との関係が深く、中でも同党・杉尾秀哉参院議員は立正佼成会との交流をXに投稿してきた。ところが中道改革連合の結党後、なぜか杉尾氏は立正佼成会絡みの投稿を一斉に削除したのだ。

そもそも中道改革連合は立・公の衆院議員を対象にした新党。参院議員の杉尾氏にとって今回の総選挙は無関係なのに、創価学会との関係に配慮したのだろう。こうした姑息さも立憲民主党議員らしい話だ。
梯子を外された格好の立正佼成会に対して①杉尾氏のX削除の件について把握していたか②杉尾氏からは連絡、報告はあったか③今後の立憲民主党との関係について質問してみた。
1.基本的に議員個人の SNS の取り扱いに関して、弊会としては回答する立場にございません。
2.本部への連絡はございません。
また、①でご回答したとおり、基本的には議員個人の SNS の取り扱いに関して、回答する立場にございません。
3.弊会は、選挙に取り組む際には、「一党一派に偏しない」「人物本位」を原則としています。そのため、特定の政党を支援することはございません。

こうした場合の模範的な回答だったが「3の回答はある意味、正確ですよ」と指摘するのはある宗教ウォッチャーだ。
「立正佼成会の場合、地域の有力者の個人支援という側面が強く、応援したい議員を布教所に呼んで講演させています。創価学会のような組織戦とはまた違ったスタイルです」(同)
となると個人と議員の信頼関係で成り立っていたとも言える。杉尾氏のX投稿削除は「政党人」としてではなく「人間」としての裏切りだったかもしれない。
エピソード② 国民入りの林衆院議員は中道改革連合入り直前だった

昨年10月、日本維新の会を離党した林佑美衆院議員(和歌山1区)が国民民主党から立候補することが1月17日に報道された。維新時代にはパワハラ、いじめを受けたとされる林氏。また夫、林隆一県議も被災地に500万円を寄付しながらも「身を切る改革」(寄付)の不履行で2023年に離党を余儀なくされた。
【続報】500万円 寄付でも「身を切る 改革」不履行? 維新和歌山県議が 離党勧告の怪
林県議の離党問題でその後、各地で同種の問題が続いた。身を切る改革を口実にした事実上の〝粛清〟は和歌山がルーツといっても過言ではない。
問題は現職、林佑美氏の処遇だ。前回の衆院選では自民党・山本大地氏に及ばず僅か約100票差で敗れ比例で復活当選。及ばずとは言え「維新」の看板が大きかったのは事実だ。そこで新たな所属政党入りを画策したのだが、周辺の協力者らによってなんと「中道改革連合」入りがほぼ内定していたという。
「和歌山は創価学会が強いのです。女性候補という点でも評価されました」(地元記者)
ところが地元、国民民主党関係者が林氏の国民入りを勧めた。極めつけが本部からのラブコール。
「玉木雄一郎代表が直接、林氏に〝一緒にやりましょう〟と連絡しました。これに林氏も快諾。逆に中道改革連合入りをお膳立てした地元関係者は激怒しています」(同前)
もっとも主張が二転三転する中道改革連合よりも、政策が一貫している国民民主党の方が将来的には得のような…。
エピソード③保守党騒動渦中の人物、笠松正憲氏が出馬辞退はなぜ
秘書採用に有本氏が介入「日本保守党9・24竹上事務所騒動」中川秘書(東海比例)の繰り上げ狙い⁉
昨年、大きな話題になった日本保守党の内紛。百田尚樹代表と河村たかし衆院議員が対立し、河村氏と竹上裕子衆院議員(比例東海ブロック)が離党した。竹上氏の元秘書、中川健一氏と笠松正憲氏が議員会館内で「(竹上氏一派に)監禁された」との騒動も記憶に新しい。
もともと中川氏と笠松氏はいずれも河村氏に近い人物だ。笠松氏は元医師で名古屋時代から政治に関心を持ち自民党議員などを応援してきた。
今度は日本保守党入りで愛知4区から立候補する予定だったが、笠松氏は1月20日に出馬辞退を表明。
翌日のFacebookで同氏はこう説明した。
「本日(20日)の日本保守党定例記者会見発表のとおり、私は次期衆議院選挙には出馬しません。難しい決断でした。 国政の立場から愛知4区(瑞穂区・熱田区・港区・南区)の皆様の生活を守りたい、故郷を守りたいという情熱は片時も消えたことはありません。しかし、あまりにも急な解散総選挙。初出馬の私にとって、準備不足に加え予想以上のストレスにより持病が再発しました。かつて、6年前に発症し、診療所経営を断念させた憎き病です」(一部抜粋、原文ママ)
理由は体調不良というのだが表向きというのが周辺の見方。笠松氏をよく知る愛知政界関係者はこう明かすのだ。
「体調不良は表向きの理由かもしれません。名古屋時代の笠松氏は4区選出の自民党・工藤彰三衆院議員の熱心な支援者でした。また笠松氏は日本維新の会の愛知4区支部長、中田千代氏に自身の元診療所(港区)を事務所として貸しているのです。笠松氏は交流があった工藤氏、中田氏と対抗することに気が引けたのでしょう。非常に繊細な人なのです」
笠松氏は医師時代から政界への意欲が強かったが、人間関係の壁に阻まれた格好だ。かつての知人を飛び越え日本保守党で戦い抜くほどの強心臓ではなかった?
エピソード④河村氏のゆうこく連合入り白紙の裏事情
1月20日、立憲民主党を離党した原口一博衆院議員がゆうこく連合の政党化を発表した。
当初、ゆうこく連合は2024年に「日本独立」「日本再興」「日本救世」を掲げた超党派グループだ。団体協力者が語る。
「昨年9月に河村たかし衆院議員から原口に対して減税合流の打診があって減税ゆうこくの合流が持ち上がりました。ところが年明けになって代表の座をめぐり河村氏と原口氏が対立したのです。逆に河村氏の側近、竹上裕子衆院議員が独自に原口氏に接近してゆうこく入りしました」
1月19日、原口氏は百田尚樹チャンネルに出演。この場で原口氏は河村氏への怒りを露わにした。
百田氏は「さて、変なものの話なんですがそろそろ蓋をしましょう。 アルファベットがKさんですよ。一旦、蓋します」と締めた。すると原口氏は「あの男のおかげで本当に何回リセットしたか」と呟いたのだ。
「Kさん」とはもちろん河村氏のこと。また原口氏がいう「あの男」も無論、河村氏である。百田氏にすれば河村氏が孤立化したことをほくそ笑んだことだろう。しかしどちらにしても日本保守党、ゆうこく連合ともに「好材料」はない。
現状、各政党の動きをみると保守系団体の乱立分派が目立ち混迷している。中道改革連合の内情も迷走気味だが、リベラル票の受け皿になれるかに注目だ。



