立憲民主党と日本維新の会が和歌山・岐阜両選挙区で参院選候補を一本化した内幕を6月13日にレポートした。和歌山選挙区で統一候補になった維新の浦平美博氏(前県議、和歌山総支部幹事長)は自民党・二階伸康氏を猛追中だ。だが浦平氏が県内の福祉施設に「身を切る改革」(寄付)を行ったことは公選法違反との疑いが出てきた。(写真は2023年7月3日の浦平氏のnote記事より)
生徒への暴行事件、ボーナスアップ条例に賛成の過去

「5月31日に浦平氏は吉村洋文代表と和歌山街ブラ生配信という企画を開催しました。当初、予定された演説場所が他の候補の事務所前というこぼれ話もありましたね。マスコミは集まりましたが、有権者の関心は高くなかったと思います」(地元記者)
立維の統一候補になったが立民関係者の中には「(浦平氏を)支持しない」との声も相次ぐ。加えて維新の小西政宏県議は対立候補の望月良男氏(保守系無所属)に協力しており、浦平陣営は一枚岩ではない。
しかも浦平氏は地元の評判が芳しくない。というのは2003年、当時勤務先の高校で部活動の指導中に生徒4人を竹刀や木製バットで殴打する事件を起こした。こうした情報はSNS上で拡散されている。筆者も以前から浦平氏に取材し、接触してきた。
昨年12月末の和歌山県議会定例会で県知事、副知事、県議のボーナスを増額する改正条例を浦平氏が賛成したことを報じたが一部から「身を切る改革とは逆行する反党行為なのに処分されない」と不満が漏れてきたものだ。
浦平氏は幹事長の立場で所属議員の離党処分に関わってきたが、本件で浦平氏自身が処分された話は聞かない。
ところが浦平氏に公職選挙法第199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)違反の疑いが出てきた。
日本維新の会の党是である「身を切る改革」(寄付)が皮肉にも浦平氏の足かせになりそうだ。当該条文を掲載しておこう。
公職の候補者等を寄附の名義人とする当該選挙区内にある者に対する寄附については、当該公職の候補者等以外の者は、いかなる名義をもつてするを問わず、これをしてはならない。ただし、当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関し必要やむを得ない実費の補償としてする場合は、この限りでない。
浦平氏「児童養護施設(和歌⼭市選挙区を除く)に寄付を⾏います」
維新の象徴、「身を切る改革」をめぐるトラブルについては当サイトはたびたび問題点を報じてきた。
維新の地方議員は「身を切る改革」として毎月の議員報酬から自治体(選挙区外)、公共施設、福祉団体、社会団体などに寄付をしなければならない。
場合によってはNPO、出身大学というケースもあった。浦平氏の場合、月の報酬の2割を県内の福祉施設などに寄付してきた。もちろん自身のアピールにもなる。
寄付の報告については同氏の公式サイトでも報告されていたが、現在は削除。
しかし寄付の報告の一部は浦平氏のnote記事2023年7月3日の「⾝を切る改⾰実⾏について」、7月29日の「身を切る改⾰実⾏について【6⽉期】」、2023年8月5日の身を切る改革【7月期】(7月4日時点)で残っている。ということは今現在も「宣伝」に利用している、と解釈されても仕方がないことだ。



浦平氏は寄付にあたり公選法を考慮した様子がうかがえた。
2023年7月3日のエントリーを見てみよう。時期は2023年の統一地方選で和歌山県議当選後のこと。2023年6⽉17⽇、「六地学園」(橋本市)へ5月分の寄付を行った報告記事だ。
5⽉11⽇より臨時議会が招集され、議会構成が確定しました。その間、公職選挙法について様々な⽅から、条⽂における「解釈」を頂戴しまして、6⽉初旬に私の県議会議員として初めての報酬を⾃らカットし、その分の寄附について⽅向性を確定させました。私はこの4年間、児童教護施設(和歌⼭市選挙区を除く)に寄付を⾏います。(原文ママ、*教護は養護と思われる)
つまり公選法に抵触する可能性があることは浦平氏も認識していたようだ。いくつか興味深い記述がある。「私はこの4年間、児童教護施設(和歌⼭市選挙区を除く)に寄付を⾏います」ということは県議の任期である2023年から2027年の間は寄付を続けるという意味だろう。ところが事情が変わって参院選へ挑戦になった。参院選は県全体が選挙区になるため「和歌山市選挙区を除く」という注意書きは成立しなくなる。
次いで同年7月29日のエントリーも注目だ。
今回は6⽉期ということで和歌⼭県新宮市にある「紀南学園」に⾏ってまいりました。⼦供たちは何も悪くない・・・。いろいろな理由があれど、⼤⼈が悪い。私はそう思っています。だからこそ、弱者と云いながら真の環境整備が政治によってできているかと⾔えば、出来ていないと認識している。私はこのような理由から「児童養護施設」へ毎⽉、寄付しているのです。(原文ママ)
毎月の寄付とあるが現在でも続けているのだろうか。次いで同年8月5日の記事では田辺市の福祉施設に寄付したことを報告。
さて、選挙時、皆様とのお約束である、⾝を切る改⾰議員報酬2割削減について、今回は「児童養護施設くすのき」に⾏って参りました。
いずれも一見は「善行」のように映るが、法的には問題視されかねない。上記で挙げた通り、note上で寄付が確認できたのは「六地学園」(橋本市)、「紀南学園」(新宮市)、「児童養護施設くすのき」(田辺市)。
県議時代、和歌山市選挙区だった浦平氏にとっては確かに「選挙区外」である。繰り返すが参院選は和歌山県全体が選挙区だ。となると199条の2が禁じるところの選挙区内への寄付となる。
「県議、市議の時に選挙区外であっても、参院選になると県内全体になります。199条の2違反になる可能性はあります」(和歌山県選挙管理委員会)
こうした仕組みを浦平氏は知らなかったのか、それとも問題ないと判断したのか。
地元記者「弁護士の吉村代表が気づかないのか」
議員が自身の報酬を削る「身を切る改革」は非常にグレーな試みだ。
「本当にスレスレのところで運用されているのが身を切る改革。選挙区外の団体であっても例えば全国の都道府県に支部がある福祉団体や社会団体がありますよね。この場合は、選挙区外の団体であっても違法になる可能性が高いです。あるいは福祉施設や介護施設の中には投票箱が設置されている場合もあります。そうした施設に寄付したら買収と言われかねません」(元維新職員)
もちろん議員にとっても切実な問題であり「公選法で禁じられている寄付に該当しないか選挙管理委員会に確認しながら行ってきました。正直な話、本当に厄介な取り組みですよ」と現役の所属議員は声をひそめる。「身を切る改革」とは耳障りこそ良いが慎重な処理が必要だ。
中には「選挙区外の自治体であっても寄付するに当たって〝国政には立候補しません〟と地元首長に誓約書を提出しました。受け取った自治体側も買収になる可能性がありますからね」(元党員)というケースには驚いた。
この通り、身を切る改革をめぐり各議員が四苦八苦している。だが選挙期間に入ったにも関わらずnoteで寄付報告を放置してあるのは迂闊というレベルではない。
前出の地元記者はこんな疑問を呈した。
「吉村さんは弁護士なのに気づかなかったのでしょうか。こんな雑な処理が見抜けないとは代表の管理責任を問われますよ。維新内には浦平氏と同種の問題を抱える候補者がいるかもしれませんね。本人の不注意だとしても、そもそも身を切る改革という乱暴な寄付行為を強いる党にも問題がありますよ」
こうした指摘に対して浦平氏や党本部はどう説明するのか。これまで党の方針に反する特別党員(議員)たちは「身を切る改革」の履行を口実に排除してきた経緯がある。
寄付と言いつつ内情は〝粛清ツール〟と言った方が相応しい。そして当の浦平氏も離党勧告という粛清に関わった一人。その浦平氏が今、「身を切る改革」に足元をすくわれようとしているのだ。
「障害福祉サービス」はカネになる。
部落(住民票を一定の地名の市町村へ移しただけの特定アジア系の外国人勢力を含む)の団体と手を組めば。
地域社会の人口減少に乗じたら、部落でない地域をも乗っ取れるかもね。
善良な部落住人を虐げる同和利権の片棒を地名総鑑が担いでると言われたら、どうやって反論するべきか。
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